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バレエ「ファラオの娘」:ザハロワ、ボリショイ劇場      (2004.11.14)

NHK BSハイビジョンで、ボリショイバレエの「ファラオの娘」が放送されました。このバレエは、原振付はプティパですが、彼の作品としては初期の作品で、古いバレエ振付けの復元家であるピエール・ラコットが1862年版に基づいて再現したものです。ファラオとは、エジプト王の名前です。
 
物語は、テオフィール・ゴーチェの「ミイラ小説」を原作にしたもので、舞台は古代エジプト。ピラミッドを訪れたイギリスの貴族のウィルソンは、阿片を吸って、ファラオの時代にタイムスリップしてしまいます。眠りからさめると、彼は青年タオールとなり、そこで、ファラオの娘、アスピッチャア姫と出会い、恋に落ちます。二人の行く手には王たちの妨害が入りますが、最後には、めでたく結ばれるというところで、夢からさめるというものです。「海賊」、「ライモンダ」、「ラ・バヤデール」、「ドン・キホーテ」などの要素が混じったようで、踊り手の見せ場もたくさんあります。ロマンティスムとエキゾティスムを融合させたような興味深いバレエです。
 
見所は、主役やソリスト陣の素晴らしい踊りと、美しい衣装につきます。 この映像は、2003年10月収録なので、この時点でザハロワは、マリンスキー劇場からボリショイに移籍して、まだそれ程経ってないと思いますが、ボリショイに、よく馴染んでいるようです。ザハロワは、プロポーション抜群で、特にブルーの衣装が良く似合い、気品ある踊りで、まさにプリマの輝きといったところです。フィーリンとの、河のシーンの、水に漂っているような踊りがとても綺麗でした。 ラムゼア役のアレクサンドロワも小顔で長身でとても美しく、シャープなテクニックを見せてくれていました。さすがボリショイだけあって、群舞もぜいたくに使った楽しいエンターテインメントでした。
 
    プーニ作曲、プティパ原振付
演出・振付:ピエール・ラコット
    アスピッチヤ(ファラオの娘):スヴェトラーナ・ザハロワ
    ウィルソン=タオール(イギリスの貴族):セルゲイ・フィーリン
    ラムゼヤ(アスピッチヤの侍女):マリーア・アレクサンドロワ
    ジョン ブル(ウィルソンの付け人):ゲンナジー・ヤニン
    漁師:ドミトリー・グダノフ
    漁師の妻:インナ・ベトロワ        ほか
   (管弦楽)ボリショイ劇場管弦楽団、(指揮)アレクサンドル・ソトニコフ
    2003年10月モスクワ・ボリショイ劇場

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