【トップページへ戻る】
「NHKスペシャル:東京女子医科大学病院」に思う (2003.6.8)
「NHKスペシャル:東京女子医科大学病院」〜医療の現場で何が起きているか〜が放送されましたが、実に衝撃的なドキュメントであることに加え、改めて、重大な問題と深く考えさせられる内容の放送でした。
概要は、「昨年(2002年)、東京女子医大病院は医療ミス隠蔽事件で医師が逮捕されました。これを契機に病院側は、原因の調査を開始しました。その結果、医師から患者への情報公開の不足、医師同士や看護師とのコミニュケーション不足、また、繰り返された医師の指示書のミスなど、さまざまな現場の実態が明らかになりました。病院側は、これらの事故の実態を公表するとともに、抜本的な対策に取り組もうとしています。」というものです。
ミスの例では、医師が、患者に投与する抗がん剤の量を6mgとすべきところを60mgと指示書に書き間違えて、看護師に渡し、看護師は指示書とおりに患者に投与したというようなもの。この再発防止策として、6mgの根拠を指示書に併記するようにしました。
最初このルールは守られていました。しかし数ヶ月たつと、医師はこのルールを守らなくなり、再び同じ記入ミスが発生してしまったのです。
現場の忙しさ、ルールを守ろうとする意識の欠如、しかも、この誤りを発見できるチェック機構もない・・・・根本原因の究明と抜本的な対策が不十分だったのです。
この放送では、実態を述べたまでで、根本原因の究明と抜本対策については言及していません。でも、コミュニケーション不足、慣れや意識の欠如、ルールを守らないことが、取り返しのつかない事故を引き起こすことになる、という恐ろしい現実を教えてくれています。
私は、この事故、単に医療の分野に限ったものではないと思います。雪印乳業事件、東海村臨界事故など、発生の形態は違うものの、同じような人為的な事故が起きています。つまり、医療以外の分野でも、多かれ少なかれ、同様な問題を抱えているということです。
NHKは、東京女子医科大学病院の内部にカメラを据え、半年間にわたって、現場で起きていることを克明に記録してきました。病院側も、この記録を、あえて隠さずにテレビ放送として公開することにしたのです。これは、大変に勇気の要ることですし、有意義なことと思います。二度とこのような事故を起こしてはならないという病院側の決意の表れだと思います。
いつ何時、同じような事故が、医療分野以外でも起きないとは限りません。私たちは、この事故を他山の石として無視することなく、身近でも起こりうる問題として真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
筆者は、IRCA Prov. QMS Auditor
【トップページへ戻る】