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ラ・シルフィード :グラチョーワ、フィーリン
「ラ・シルフィード」は19世紀のロマンティック・バレエの最高傑作といわれています。マリー・タリオーニのためにその父フィリッポ・タリオーニが振付けた作品で、トゥで立つ技法を本格的に使用した最初の作品で、妖精の軽やかさを表現することに成功しました。これ以後のバレリーナたちは競ってトゥで踊るようになったのです。
主役はナデジダ・グラチョーワとセルゲイ・フィーリン。グラチョーワは手足が長くスタイルのいい美しいダンサーです。すぐれた踊り手であることはもちろん、女優のようにとても演技力のあるように思いました。第1幕、彼女がが踊り出してすぐに、重力を感じさせない、気高く可憐なシルフの踊りに驚かされました。ラ・シルフィードは、むしろキーロフ向きで、ボリショイらしからぬ作品とも言えるかもしれませんが、それを見事に演じ、踊りきってしまうグラチョーワの才能に改めて驚きました。
またフィーリンは、スケール感はあまりありませんが、きっちりとした踊りで好感を持ちました。二人とも技術的にすばらしいのは言うまでもありませんが、表現面のすばらしさが際立っていて、舞台を盛り上げていました。
振付:オーギュスト・ブルノンヴィル
音楽:ハーマン・レーヴェンスヨルド
シルフィード:ナデジタ・グラチョーワ
ジェイムス:セルゲイ・フィーリン
ボリショイバレエ団
1994年ボリショイ劇場
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