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ドリーブの「祭りの夜」 (2003.5.5)
CSシアターテレビジョンで、ドリーブの「祭りの夜」を観ました。このバレエ、確か以前、NHK-BSUでも放送されたことがあります。
30分くらいの小品ですが結構楽しめました。
「祭りの夜」という題ですが、音楽はドリーブの「泉」からとっているようです。
ストーリーは有って無いようなもの。祭りでにぎわう中で、ひときわ美しい一組の男女を中心に踊りが展開されます。
主役のカリン・アヴェルティは、ほとんど出ずっぱり。かなりきつかったのではないでしょうか。後半には首筋や胸には滝のような汗が光っていました。
感心したのは、コールドバレエ。十数名程度ですが、アンサンブルの良さは素晴らしいものがあります。バランスも回転も一糸乱れない。パリ・オペラ座の層の厚さを感じます。
カリン・アヴェルティというバレリーナ、とても細くて、強く曲げたら折れてしまいそう。でも、しなやかで、しっとりとして、気品に満ちています。指先まで神経が行き届いた、とても丁寧な踊りでした。バランスにやや不安が感じられたのですが、懸命に頑張っているのが画面から伝わってきて、とても爽やかに感じました。
感心したのは、右足のポアントで立ち、右手だけで支えられて、前傾していくアラベスクのポーズ。頑張って、180度まで足を上げて停止。このポーズ、ここまで足を上げると下品に見えることが多いのですが、
このバレリーナは全然そんな感じがしません。爽やかな気品が漂います。
ともあれ、しばし、楽しい踊りを楽しめました。同じドリーブの「コッペリア」や「シルヴィア」に比べたら酷ですが、結構、良く出来た小品だと思います。
CSシアターテレビは、視聴料が月間1000円と安いのに、このような珍しい作品を取り上げてくれるのには歓迎です。
でも、民放も、NHKも、以前のNHKのように、日本人による日本のバレエ公演を、もっと積極的に取り上げてくれることを望んでいます。多くの日本のダンサーやバレエ団は、世界に引けを取らない、いや、それ以上のレベルにあるのですから。
カリン・アヴェルティ、ホセ・マルティネス
パリ・オペラ座バレエ団
エマニュエル・ヴィーム指揮パリオペラ座管弦楽団
1997年パリ・オペラ座ガルニエ宮
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