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ディアナとアクシオンのパ・ドゥドゥ:直塚美穂、高谷遼     (2015.10.22)
素敵なディアナとアクシオンのパ・ドゥドゥの映像がYouTubeに載っていました。 踊っているのは直塚美穂と高谷遼で、ロシア国立ワガノワ・バレエ・アカデミーの卒業公演(2013年)のようで若さ溢れた初々しい踊りを楽しめます。 ワガノワ・バレエ・アカデミーの卒業後、直塚美穂(Miho Naotsuka)はサンクトペテルブルク・バレエ・シアター、高谷遼はポーランド国立ウッチ・バレエ団で踊っているようです。
アダージョの出だしのソロの部分、直塚美穂は緊張しているようで、動きがやや硬いように感じられましたが、高谷遼が現れるとホッとしたように、動き軽やかになってきました。 二人で踊り始めると俄然調子が上がってきた感じで、高谷遼の手に掴まってのプロムナード後のアラベスク・パンシェは見事だった。 前傾しながらもしっかりと頭を上げまっすぐ前を見て、左足を180度超まで上げた驚異の開脚。ふらつきもなくビシッと決めたのは偉い。 これに気を良くしたのか、すっかり緊張が解れてきたようでした。 このアラベスク・パンシェ、黒鳥の場合は、悪魔のカリスマ性の表現として180度以上の超絶開脚が好まれるのですが、女神のディアナは、優雅さを損なう過度の開脚はよくないとされていますが、 直塚美穂は、そんなことお構いなしという感じで、堂々と180度超の開脚を決めていました。ぜも少しも厭らしさを感じないので、これはこれで良いのではないでしょうか。
アダージョ終盤の見せ場、左脚のポアントで立ち男性にウェストを片手で軽くホールドされて、右脚は上がるだけ高く頭上に跳ね上げたほうが良いとされている、バットマン・デヴェロッペの場面でも、180度を超える超絶開脚を決めました。 さらに最後の男性に腰を両手で支えてもらってのアラベスクパンシェも床に付いた右脚のポアントの先から真上に上げた左脚の爪先までまっすぐの開脚を決めました。 こんなに楽々と180度まで脚を高く上げることが出来るのは、体がとてもしなやかな上、アンドールの基本動作が完璧に出来ている証拠でしょう。 こんな美しい女性のポーズは成功も失敗も男性の次第。パ・ド・ドゥのアダージョでは女性は男性が頼り。力強い男性のサポートがあってこそ、女性は安心して自らの最高の技術を披露できるというもの。 高谷遼のサポートはとてもうまかった。
アダージョが終わって男性のヴァリエーション。 ここは、唯一の男性の見せ場なのですが、高谷遼は思い切りよく高いジャンプや回転に挑んでいました。 続いて女性のヴァリエーション。直塚美穂は緊張がすっかり解れた様で、表情は柔らかになりのびのびと踊っていました。 ここではアチチュードが本当に綺麗。アラベスクパンシェはさすがに一人では180度までは開けず120度位ですが、惚れ惚れするほど美しかった。 直塚美穂は、バランス技が得意なのでしょう。アチチュードにせよアラベスクにせよ、バランスのポーズは安定していて、この上なく綺麗でした。 ヴァリエーションを踊り終わってホッと息をついたのでしょう、レベランスでは、笑みが零れました。 最後のコーダ。直塚美穂は、さらに落ち着いたのか、穏やかな表情に笑顔も見せて踊っていましたが、 やや疲れが出たのか、スピード感が今一で、ジャンプにも精彩がなかった。 それにグラン・フェッテを省いてしまったのは残念。 自らグランフェッテの稽古の映像をYouTubeにアップして、上手に回れる技術をアピールしているのに、なぜ省いてしまったのか。 いかにも手抜きをしているように思える。バレリーナが懸命に頑張って回るフェッテこそ見どころの一つなのに、32回転でなくても、せめて16回転位は挑戦して欲しかった。

Pas de deux of Diana and Acteon 22-6-2013 АРБ
Выпускной концерт Академии русского балета им. А.Я. Вагановой      Михо Наоцука Такая Рё

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