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バーゼル・バレエの「リーズの結婚」< La Fille Mal Gardee> (2003.3.24)
「リーズの結婚〜ラ・フィーユ・ガルデ」は、叙情性あふれる数々の名作を振り付け、英国ロイヤルバレエの今日の隆盛を築いた巨匠フレデリック・アシュトンが、今から200年以上前のフランスのバレエを、新鮮な感覚で現代に甦らせた作品です。CS放送クラシカ・ジャパンが、ハインツ・シュペルリによる新しい振り付けで、亡くなったばかりのジョン・ランチベリーの指揮・ウィーン交響楽団の演奏で、バーゼル市立バレエ団による、この「ラ・フィーユ・ガルデ」を放送してくれました。1987年の撮影です。
「ラ・フィーユ・ガルデ」は、フランス・ボルドーの、のどかな自然を背景に軽快なダンスが織りなすロマンティック・コメディ。村の娘リーズは、お年頃です。裕福な農場主で、娘が自慢の母シモーヌは、娘のリーズを大金持ちのブドウ園主トーマスの息子と結婚させようと企みます。ところが、リーズはすでに働き者の農夫コーラスと愛し合っています。軽快なメロディにのせて愛し合う喜びを踊るリーズとコーラスのパ・ド・ドゥ、シモーヌと農場の娘たちのユーモラスな踊り、そしてちょっと頭の弱いアランの滑稽な踊りなど、演出のセンスがさえ冴え渡っている逸品です。とにかく全体に牧歌的な明るさに満ちていて、それでいてユーモアがあります。見終わった後に「見て良かった」と心の底から思える作品だと思います。
ヴァレンティナ・コズロワのリーズは、おちゃめで可愛らしい。このリーズの天真爛漫さを良く出しての好演です。リボンを使って踊るところは、見ているほうはとても面白いのですが、踊るほうはとても大変でしょう。
あまり期待していなかったこの「リーズの結婚」ですが、とても素晴らしかった。クラシカジャパンは、視聴代がとても高い。でも、このような素敵な作品を放送してくれると、それも納得がいきます。
バーゼル・バレエ「リーズの結婚」 [振付]ハインツ・シュペルリ
[出演]ヴァレンティナ・コズロワ、クリス・ジェンセン、オットー・リス、
ハインツ・シュペルリ、マルティン・シュレプファー、バーゼル市立バレエ団
[音楽]フェルディナン・エロルド
[指揮]ジョン・ランチベリー [演奏]ウィーン響 [制作]1987年