【トップページへ戻る】
東海村臨界事故の教訓
東海村ウラン加工施設で、信じられない事故が起きました。
「正規のマニュアル」以外に、「裏マニュアル」が存在していた、しかも従業員は「裏マニュアル」にも従わず、かってに行動して事故が起きたということです。
日常繰り返される定常業務であればあるほど、「決められた仕事を決められたやり方できちんとこなす」のが基本です。
ただ、どのような作業をする場合でも、分厚い「正規のマニュアル」そのものを現場に備えて、それを見ながら作業をするのではなく、エッセンスや注意点を記述したハンドブックのようなものを持って作業をするのが一般的だと思います。この場合でもこのハンドブックは「正規のマニュアル」を補完するものであり、「正規のマニュアル」の趣旨を逸脱してはならず、まして決して手抜きをするようなものであってはなりません。
今回の「裏マニュアル」がどのようなものかわかりませんが、もし手抜きをするようなものであったら言語道断です。手抜きが組織的に行われていたことになり、組織の責任も免れないでしょう。
さらに従業員は「裏マニュアル」にも従わなかったというのですから、規則を守るという基本的なマナーが出来ていないと言われても弁解の余地がないでしょう。
機械の事故は、故障であり、これは日頃の保守点検で大部分は防げます。
また人為的な事故でも、勘違いやうっかりミスは防止の仕組みを作ることで防げます。
ただし、「手抜き」や「規則を守らない」ことによる事故は、本人の基本的なマナーの問題であり、責任感の欠如が要因であり、防ぐことが出来ません。これが最も恐ろしいことです。
今回の東海村臨界事故は、我々に、事故を他山の石として眺めるだけでなく、自分の周りで日常の業務が、基本的なマナーに沿って正しく行われているか、再度見直す必要があるという教訓を与えてくれたような気がします。
【トップページへ戻る】