第12章 外出について

 さまざまな条件の下に,QOLの実現のために人工呼吸器を装着して自宅で療養生活を送っている患者さんは,絶えず不安やストレスを抱えています.そのような患者さんにとって外出は気分転換や自信につながり有意義なものとなります.しかし対応を誤れば生命の危機に直結する問題になりかねません.そこで,次のようなことを理解していただく必要があります.
(1)患者さんの病状と観察ポイント
(2)合併症の予防と早期発見
(3)機械類の故障や事故の予防と事故発生時の対応

 @主治医への連絡,A緊急受診する医療機関の確保,B呼吸器供給業者との連絡体制,Cその他の機器の関係業者,Dレスバック(アンビュ−バック)使用方法(この項目は別に詳細に説明します)E,気管カニュ−レ交換方法,など
(4)人工呼吸器設定条件
(5)必要物品

 @人工呼吸器,Aテストラング,B予備回路一式,C外部バッテリ−,Dレスバック,E吸引器,F吸引セット,8予備の気管カニュ−レ,H予備の鼻マスク,Iガ−ゼ交換セット,など
(6)起こりやすいトラブル
 @排痰困難,A回路の閉塞・接続不良,Bファイテイング,C感染症,Dカニュ−レ閉塞,Eマスク不良,F精神的不安,8人工呼吸器作動不良,など
(7)複数での介護と介護者の役割分担
(8)外出先の知識

 以上を普段の生活の中で,旅行をイメ−ジしながらチェックする,つまりイメージ・トレ−ニングを行なうように努めていましたら,きっと安全で,楽しい外出になることでしょう.
(小西 妻恵)

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