4.聴診器・吸引器の使用方法

@聴診器の使用方法
 聴診器を用いて肺に痰が貯まっていないかを調べることは大切です.図のような順番で左右交互に比較しながら聴診します.痰が貯留していない平常時に聴診音を記憶しておき,呼吸困難を訴えた時の聴診音と比較して,肺に異常があるかどうかを推測します.


A吸引器の使用方法
1)吸引の必要性
 風邪や誤嚥などにより痰などが溜まり易くなります.そして肺炎や気道閉塞などが生じやすくなります.このようなことを防ぐために吸引器による痰の吸引が必要になります.
2)必要物品
 (a)吸引器
 (b)吸引カテ−テル(口腔用16Fr,気管用12Frまたは14Fr)
 (c)滅菌蒸留水,(d)消毒液,(e)滅菌手袋(MまたはSサイズ),
 (f)アルコ−ル綿
3)吸引の手順
 (a)流水中で手に石鹸を
 つけてきれいに洗います.


 

 

 

 

 

 (b)体位を整えます.


 

 

 

 

 

 (c)吸引器の電源を入れ,
 滅菌蒸留水を吸って吸引
 できることを確かめます.

 

 

 

 

 

 

 

(d)滅菌手袋をはめて
 カテ−テルが不潔に
 ならないように取り
 出します.


 

 

 (e)利き手でカテ−テル
 の先から15〜20pの所を
 持ち気管カニュ−レの中
 に挿入します.挿入時は
 カテ−テルの根元は
 折って圧を止めないと
 気管粘膜を傷つけます.

 (f)カテ−テルを10p程度
 挿入し,ゆっくりと回し
 ながら,10秒程度を目安に
 痰を吸引します.その時,
 痰の量や性状を観察します.

 

 

 

 

 

 

 (g)痰を吸引し終えたら,
 カテ−テル内に消毒液を
 通してきれいにします.


 

 

 

 (h)カテ−テルを消毒液の
 中につけておきます.
 消毒液・カテ−テルは
 1日に1回交換します.

 

 

 以上を基本にして頑張ってみて下さい.


(小西 妻恵)

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