常山樓筆餘 卷二
湯淺常山
(『少年必讀日本文庫』第1編 博文館 1891.6.15)
※ 〔原文注記〕、(*入力者注記)。鈎括弧等は入力者が補充した。(2011.9)
解題(内藤耻叟)
序(赤松国鸞)
序(富士谷成章)
巻1
巻2
巻3
常山樓筆餘 卷二
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ゥ葛孔明の出師表を讀て、涙を墮さゞる者は、其人必不忠なるべしと昔の人いへりけり。予も亦思ふに義經記に、廷尉(*検非違使少尉〔じょう〕=判官〔じょう〕・唐名は廷尉)吉野山を落られし時、雪の中に、思ひ/\に落かゝる、其中に佐藤四カ兵衛忠信雪の上に跪て申けるといへる詞を誦て、涙を墮さゞる者は、必節義を忘るゝの人なるべしといへり。凡忠臣義士の傳記を讀て、よの常の物語と思ひて見過ごす人は、万卷の書をよみたりとも、何のu有べき。
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楠河内の功業遂ずして、湊川にて自殺の時、弟の正季に告られし言は、唐の張巡が最後にいひし言と相同じ。然るを室師禮(*室鳩巣)、駿臺雜話を著して、これを誹りて、甚陋しといへるは、是忠臣憤激の志をしらざる故の論なり。理學の敝、大抵此類多し。
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解題(内藤耻叟)
序(赤松国鸞)
序(富士谷成章)
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巻2
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