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電子図書館

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 A−Z  ア行  カ行  サ行  タ行  ナ行  ハ行  マ行  ヤ行  ラ行  ワ行  参考文献  関連孫引文献

※ 下記参考文献から興味を覚えた項目を拾い、読後メモを簡便な用語集の形でまとめた。孫引きの寄せ集めに近いが一応要約している。資料面での偏りをなるべく避けるため、他の資料からも随時補足していくつもりでいる。
※ 電子図書館は一つの制度である。これはこれで便利な方がよい。ただし、私はインターネットという、ずいぶん蕪雑でも自由な「百科事典」のイメージの方により親しみを覚える。制度として着々と整備されていく様子がどの参考文献にも窺えるが、この嚼蝋のリストのどこかに、多少荒削りでも自由で新鮮な空気を通わせているような記述をなるべく取り込んでいければと願っている。
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A−Z

Bibliotheca Universalis
「情報社会に関するG7関係閣僚会議」(1995.2)中、電子図書館に関する共同プロジェクト(フランスと日本が幹事国)が発足し、そこで国際的な電子図書館ネットワークの目標としてこの語を取り上げた。
BU (Bibliographic Utility)
書誌共用事業体。ユーティリティは公共事業の意。地域の図書館が目録の電算化を通して協働し、オンラインの共通目録システムを作り上げたもの。米国の OCLC, UTLAS, WLN, RLG 等の先行事例に倣い、日本でも国立大学共同利用機関として学術情報センターが設立され、オンライン共同目録システムを構築している。 → 学術情報センター(NACSIS)
CD-ROM と再販制
CD-ROM は再販売価格維持契約の対象商品とはされていず、流通経路も開放されているという。
DL-1/DL-2
DL は Digital Library Project の略。NSF-DARPA-NASA Joint Initiative for "Research on Digital Libraries"研究開発プロジェクト。DL-1(1996), DL-2(1999)。特に、DL-2 では取り上げる範囲を広げ、より高性能な次代のコンピュータ、通信システムの研究開発構想を練るという。
DLI (Digital Library Initiative)
カーネギー・メロン大学、ミシガン大学、カリフォルニア大学バークレー校等6大学による共同プロジェクト。(1994-)
DLNET
電子図書館ネットワーク。従来の図書館同様に、無料を原則とする情報資源共有化を図る。
eLib (electronic Library Programme)
イギリスの電子図書館総合プロジェクト。
GII(Global Information Infrastructure)
米国の NII 計画に呼応して先進諸国が取り組んでいる地球情報基盤構想。→ NII
ILL(Inter-Library Loan)
図書館間相互貸借システム。
JSTOR(Journal STORe)
経済・歴史雑誌のデジタル情報サービス。メロン財団。
MARC(Machine Readable Catalog[ing])
機械可読目録。書籍の内容情報・書誌情報を電子化データにしたもの。Gilbert W. King 等により提案されたシステムを米国議会図書館が中心となって実験的に運用し、書誌集中処理の形式としてまとめ(1965-1968)、翌年 LC MARC として配布した。日本では、国立国会図書館が JAPAN MARC により全国書誌をまとめている(1977-)。
MVD(MultiValent Documents)
多機能文献。ディジタルテキストとイメージ情報を統合したもの、文献を多層化したもの、その他。専用のブラウザと連携している。(http://elib.cs.berkeley.edu/java/help/About.html)
NACSIS-ELS(NACSIS Electronic Library System)
学術情報センター(NACSIS: National Center for Science Information Systems, 1986-)における電子図書館システム(試行 1995.2-, 運用 1997.4-)。旧来の学術文献情報検索システムに、ページ画像として蓄積した一次文献情報を統合した学術文献の一次情報提供サービス。やがては画像情報から SGML 等を基本とした全文情報に移行するという。
NDLF (National Digital Library Federation)
米国国立デジタル図書館連盟。米国議会図書館と大学図書館等で構成する(1995-)。
NII(National Information Infrastructure)
高速通信ネットワークを敷設して、社会の情報格差をなくし、情報化社会としての活性化を推進する計画。(米国ゴア副大統領 1994)→ GII
OBI(Online Book Initiative)
電子テキストの作成と提供を行う計画。
OPAC(Online Public Access Catalog)
情報図書館学の用語。書誌検索専用システム。閲覧・貸出状況の表示、予約処理、検索に対する関連資料の提示機能、LC/MARK 等による個人データベースを作るためのタグ付き表示(TAGGED)機能等を備えたシステムもある。九州大学付属図書館では、「 OPAC 横断検索」を可能にしている。
PML(Personal Media Library)
個人電子図書館。PML 用の目録規則・システム構築の方法として dbDB を提唱している。→デジタル書誌データベース
PS(Postscript)フォーマット
印刷・表示イメージを保ったまま、機種に依存せず汎用的に流通させることのできるフォーマット。内部にテキストファイルを持ち、語句の検索が可能である。
Red Sage プロジェクト
カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF: University of California, San Francisco)、シュプリンガー(Springer Verlag)等の出版社、AT&T ベル研究所が協調して進めている電子図書館プロジェクト。医学、放射線医学関連雑誌へのアクセス、 MEDLINE の検索等を可能とする。利用者プロファイルの登録が可能で、 SDI サービスを行っている。 → SDI
RUI(Reality User Interface)
コンピュータとVTR装置を組み合わせ、画面指示に現実感を与えるインターフェイス。
SDI(Selective Dissemination of Information)
選択的情報配布サービス。科学技術分野のリサーチフロント等で活躍する。
TULIP (The University LIcensing Program)
科学雑誌デジタル情報サービス。ミシガン大学(the University of Michigan)とエルゼビア・サイエンス社(Elsevier Science Inc.)を中心に、9機関7大学により研究・実験が行われている。
Webcat
学術情報センター(NACSIS)による全国図書雑誌目録所蔵情報サービス(1997-)。
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ア行

青空文庫
富田倫生、他による電子テキスト文庫(1997.7-)。ボランティアに呼びかけて入力・作成した古典・近現代文学のテキスト等をインターネットで公開する。また、著作権・校訂権等の議論の報告もある。(http://www.voyager.co.jp/aozora/)
アトムからビットへ
N. ネグロポンテ( MIT メディア・ラボ所長)の言葉。紙媒体の本からデジタル化されたコンテンツに変わりつつあることを指摘した。
アメリカの電子図書館推進プロジェクト
1994.9-1998.8。6キャンパスが参加。カーネギー・メロン大学、スタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、同サンタバーバラ校、イリノイ大学アーバナ・シャンペイン校、ミシガン大学。 → 米国デジタル図書館プログラム
アメリカン・メモリー・プロジェクト(AMP)
米国議会図書館(LC)のアメリカ史に関するコレクションを電子化し、レーザー・ディスクで全国の学校図書館等に提供する計画(1990-1994)。インターネットで利用できる。
アリアドネ(Ariadne)
電子図書館研究会(1990-1998 長尾真、原田勝)が設計、富士通と共同開発した電子図書館実験モデル。広帯域 ISDN (B-ISDN)のアプリケーションの一つとして、公開デモを行った(ITU〔国際電気通信連合〕全権委員会会議 1994.9)。関西文化学術研究都市高山地区の「奈良リサーチセンター」、京都大学附属図書館で作動。(http://ariadne0.kuee.kyoto-u.ac.jp/)
インターネット上の図書館サービス
OPAC 、フルテキスト DB 、電子ジャーナル、オンラインリファレンス、宅配サービスなど。
インターネットと電子図書館の違い
インターネットは「情報の海」であり、海のように混沌としたものである。電子図書館は、収集・整理・貸出・管理等の一連のシステムを備える。ただし、インターネットにもリンク集のようなゲートウェイ的機能を果しているサイトがある。
インターネット・リファレンス
奈良県立奈良図書館等で試行。
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カ行

階層構造検索方式
(長尾真『電子図書館』)
階調フォント
画素数の制約を補完する技術。電子ブック・ソフトの中には、フォントの周囲の階調を少しずつずらすことで視認性を増す方法をとっているものがある。また、画像の上に文字を配置する場合、自動的に輪郭を別の色で表すなどの工夫も必要だ。さらに、画面解像度の異なるモニタにも同じ大きさの文字を表示するための自動補正システムがあるとよい。
課金
コンテンツの内容水準を維持・向上させるために有料原則を提案している。オンラインの閲覧、またはダウンロード等に対して、利用者が公開主体に対して対価を支払う。電子データにあっては、必要十分な利用部分に対する合理的な課金が期待されている。また、国や地方自治体の補助による「無料ないし割引パス」という考え方もある。ただし、図書館資料の有料化に伴う責任について、図書館そのものにも係る部分が出てくるという指摘もある。
学術情報センター(NACSIS)
東京大学情報図書館学研究センター以来、学術雑誌総合目録データベースを構築し、東京大学文献情報センターを直接の前身としてオンライン共同分担目録システムを研究、さらに学術審議会答申(「今後における学術情報システムの在り方について」 1980)をうけて大学・研究機関等の集中的な目録システムを構築するセンターとして設立された。一方、各大学等の図書館を結ぶネットワーク(分散データベース)の一つとして機能すべきだともいわれる。また、豊かな研究環境を生かして、あるべき電子図書館の姿について基礎的な研究を行い、各図書館の自主性を尊重しつつ情報図書館リテラシーの研修・普及事業を行うべきだという指摘もある。 → BU
画誌情報
書誌情報に対して、静止画・動画等に施す検索用の付加情報。
カスケード検索
「cascade」は段を成して流れ落ちる小滝の意。一つのテキストについて検索語を入力すると、その語を含んだ文(段落)の一覧とその検索語に関連の深い章の要約文が提示される。そのいずれかを選択して読み、それを「辞書」の項目に新規に登録することもできる。「全文」「要約」「辞書」の三つの相を統合し交互に行き交うシステムにより、図書から対話的に知識を獲得するという方式。「電子読書支援」機能の一つ。
仮想図書館
「WWW仮想図書館」(The WWW Virtual Library)というページは古くからある。そこには「要約」(Summary)と呼ぶ主題別分類、「索引」(Index)と呼ぶ検索システムがあった。Mosaic には「インターネット資源メタマップ」(Internet Resources Metamap)なるマップ検索方式、「人名(アドレス)探索メニュー」(Whois Gateway)などもあった。
画像データベース
画像の内容自体をインデックスとする方法はまだ無いので、書誌的(画誌的)情報をもとに検索を行う。画像の書誌的情報としては、名称・作者(撮影者)・作成年月・場所・サイズ・所蔵機関・画像種別等がある。解説文もインデックスの参考となる。
カラーマネジメント
グーテンベルク・プロジェクト(Project Gutenberg)
マイケル・ハート(イリノイ大学マテリアル・リサーチ・ラボ)の始めた書籍デジタル化計画(1971-)。2001年までに1万冊の書籍をネットワークや CD-ROM で提供するほか、マルチメディア資料も収蔵する構想という。(http://promo.net/pg/)
国文学研究資料館の「電子資料館」
国立国会図書館関西館
昭和57年(1982)以降建設計画があり、関西文化学術研究都市精華・西木津地区(京都府相楽郡精華町)に平成14年(2002)開館を目指して建設中。当初から電子図書館システムを採用する。「パイロット電子図書館システム」計画をうけ、 BBCC (新世代通信網実験協議会)による「電子図書館システム研究開発」事業が行われている。
国会図書館関連の電子図書館プロジェクト
「パイロット電子図書館プロジェクト」「児童書の電子図書館」「アジア文献情報データベース提供システム」「 G8 電子図書館プロジェクト」「電子化英文政府刊行物公開実験」「国会会議録全文データベース」等。(http://www.ndl.go.jp/about/e_library.html) → パイロット電子図書館プロジェクト
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サ行

サーチ・エンジン(search engine)
サーチャー(searcher)
オンライン情報検索の専門家。
ザナドゥー(Xanadu)
テッド・ネルソンは、ハイパーテキストにより全世界の文献情報を統合した理想郷を構想した。(http://www.sfc.keio.ac.jp/?ted/)
三次元情報検索インターフェイス
図書相互の類縁関係を視覚的に提示する検索結果表示方法。キーワード分析により、主題の類似した図書が宇宙の星のようにそれぞれの方向と奥行きの中にイメージ表示される。さらに拡大・絞り込みを行うことができる。
次世代電子図書館システム研究開発事業
通産省の主導で、 IPA (情報処理振興事業協会)が JIPDEC (日本情報処理開発協会)に委託して行っている電子図書館システム・プロジェクト(1997-)。民間企業と共同開発を行っている。(http://www.dlib.jipdec.or.jp/)
主題専門家ディレクトリ
従来図書館・電子図書館を含め、主題専門家の実名や電話番号を公開していくことが必要であるとする。→スタンフォード大学図書館
シュリンクラップ(shrinkwrap)契約
CD-ROM の包装紙を破ると、その契約約款を認めたものとするという契約。メーカー側の意向にもかかわらず、その有効性に関して疑義も出されている。
シェアード書誌データベース
電子図書館は、このデータベースの運用・利用サービスを計画する。現在は、書誌データから進んでフルテキストの利用を検討する段階という。→相互貸借システム
シェアテキスト・プロジェクト(Sharetext Project)
古瀬幸広等による電子出版プロジェクト(1994.4-)。NIFTY-Serveのシェアテキストフォーラム (FSHTEXT) からインターネットに活動範囲を広げる(1996-1998)。「シェアテキスト」は、「テキストの共有」と「シェアウェア同様の決済方式」を念頭に置いた造語。(http://www.honya.co.jp/contents/khirose/mp9501.html)
書誌情報 CD-ROM
J-BISC 、 TRCD 、書誌ナビ等。
スケーラビリティ(scalability)
伸縮自在であること。電子図書館の特質の一つ。
スタンフォード大学図書館(Stanford University Libraries)
1995年頃より、書誌データの検索、及びオンラインでの貸出状況提示・予約サービス等を提供している先駆的図書館。全文検索機能はまだ学内関係者に限定されている。特に主題専門家ディレクトリ(氏名・所属・電話番号・メールアドレス・専門主題を記載)に特色がある。(http://www-sul.stanford.edu/)
孫悟空
テレマティーク研究所で開発した仮想図書館(1987-1991)。 CG 画面によって書架から図書を引き出して読むことができる。
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タ行

ダイナミックな分類法
従来の分類・件名・目録等の方法に加え、ハイパーテキスト等新しい情報処理技術を応用したダイナミックな分類法を導入することには大きな可能性がある。そのためには、従来の在庫管理システム的な発想法を越え、知識や情報をいかに再編成するかという発想が求められる。
対面時間(face time)
電子図書館の議論の中で見失われがちな観点の一つ。電子メールでの接触に対して、司書と利用者の対話などを指す。
タイル・バー(TileBars)
全文検索結果の分散具合を文献ごとの表示バーに視覚的に表示したもの。(http://elib.cs.berkeley.edu/tilebars/about.html)
知識データベース
リファレンス記録を電子化し、知識データベースとして情報検索の支援ツールとする。
著作権(人格権)
「著作者という特定の人格を反映した著作物に関しては、一般に、著作者人格権(著作権法18条−20条)と著作物の著者による排他的利用の保障に由来する著作財産権が認められている。」(山本順一「図書館の電子メディア提供サービスと著作権」〔「人文学と情報処理」9 1995.9.30〕)
ディスプレイ組版
現在のワープロソフトやWWWブラウザの組版レベルは、まだまだ低い。とりわけ日本語特有の禁則処理やルビ、和欧文の混植、組方向などでは改善すべき課題が多い。また、紙媒体で長らく培われてきた「読みやすさ」の尺度(視認性−字形の判別可能性−、可読性、読了速度、疲労度、理解度、一覧性)を追求していかなければならない。
デジタル化権
非デジタル出版物をデジタル化したことによって生ずる権利を新しく認め、保護することの提案がある。
デジタル書誌データベース(dbDB)
書誌・書誌類似情報(目次・要約・初出情報・作者紹介・帯情報・表紙イメージ等)・引用情報・研究者内容情報(研究者情報・内容評価に関する情報)・全文をデータベース化し、高次情報検索に備えるシステムおよびそのデータベース。(http://www.koka.ac.jp:8080/ss4/taniguti97M2/)
電子司書
ネット上の参考司書(Reference Librarian)。従来の「利用案内」「情報源提供」等における専門性に加えてコンピュータ・ネットワークに関するリテラシーを備え、ネットワーク情報資源の利用方法についてサービスできる専門家集団が将来重要になる。誰もが公平にネットワーク上の情報を利用できるために、また独自のサーバを構築してネット上の資料を組織的・恒常的に探索・整理するために、社会的な位置を確立していかなくてはならないという。
電子透かし
電子読書のための機能
音声読み上げ(自動朗読機能)・辞書引き・多言語翻訳・メモ機能(栞・電子的付箋・アンダーライン等)・ノートブック・資料参照・対面朗読(双方向通信)・グループウェア機能等が挙げられている。
電子図書館
1980年代初頭に electronic library の用語があり、1990年代にはネットワーク化の進展に伴い、 virtual library の用語が登場した。現在では、文書のデジタル化を本質的な契機とみなし、 digital library の語を多く用いる。その他、 networked library, logical library, library without walls 等の語がある。
電子図書館には、データ・情報・知識をいかに取り扱うかという文化的・哲学的な側面と、人工知能・自然言語処理・マルチメディアに関する先端技術を取り扱う情報工学的な側面とがあり、これらが車の両輪の関係にあるという。また、現在の図書館の資料・業務を電子化したにとどまらず、取りつきやすく、かつ高度な参考調査に及ぶ情報検索方式を追求し、広範囲の情報源を柔軟に探り、電子読書のインターフェイスを工夫し、画像や映像などの他のシステムやサービスとも提携するなど、旧来の図書館サービスの枠組みを越えたものを目指すべきだともいう。
 図書館の立場からだけでも「業務のオートメーション化」「フルコンテンツのデジタル化」「情報のネットワーク化」の三つの論点がある、という整理もある。
 さらに、孤立した大規模集中システムでなく、インターネットに現れているような分散ネットワークのあり方を探るものである。
電子図書館のシステム化
国立大学付属図書館で運用開始(1997-)。NACSIS-ELS(学術情報センターの書誌データサービス)。奈良先端科学技術大学院大学によるシステム構築。
電子ライブラリー・コンソーシアム
図書館(美術館・博物館)、出版流通業者(印刷)、情報関連企業の三者により、将来の電子図書館・情報サービスに関する意見交換・問題解決の場として設立された(1991)。
東京大学総合研究博物館
収蔵品のデジタル化を通して、近未来の電子博物館の可能性を実験する。(http://www.um.u-tokyo.ac.jp/)
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ナ行

奈良先端科学技術大学院大学「電子図書館システム」
メディア横断検索、全文検索、 SDI サービス等を行う。(http://dlw3.aist-nara.ac.jp/index-j.html)
日本書籍出版協会
東京都新宿区。
日本電子出版協会
東京都千代田区。
日本文芸著作権保護同盟
東京都千代田区。
ノウボット(knowbot)
造語(knowledge+robot)。電子司書の仕事を自動的に行う仕組み。より進んだものをエージェント(agent)と呼ぶ。
納本義務と CD-ROM
電子出版物の納本について国会図書館法(24-25条)には規定が無い。納本制度調査会電子出版物部会(公文俊平、他 1997.5-)は、その中間報告(97.12.1)の中で電子出版物をネットワーク系とパッケージ系に分け、後者の納本について答申を出した。(以下、その抄録。「納本制度調査会中間答申(要旨)」 1996 http://www.ndl.go.jp/about/nou01.html)
 ネットワーク系については、情報を固定することが困難で納入制度を導入できないが、学術雑誌・政府出版物等必要・有用なものを選択し、利用契約を締結するなどして収集するほか、商用データベース等についてもリンク収蔵を検討すべきである。
  CD-ROM などのパッケージ系については、納本制度に組み入れることが望ましく、そのための規定を設けるのがよい。ただし、利用については原則的として館内のスタンドアロン・コンピュータでの閲覧に限り、LAN その他の公衆送信・複製には著作権者の許諾を必要とする。また複製について、個人の調査研究のための非営利の複製は著作権法31条の規定を生かすことが望ましいが、具体的な要件については(著作権料や発行者の経済的損失をある程度補填するための有料制の導入を含めて)あらかじめ著作権者と協定を作っておくのが望ましい。
 その他、映画類・放送番組についても、ビデオディスク、CD-ROM 、DVD といった電子的媒体及び磁気テープ(ビデオテープ等)に固定・記録された映画類、著作者等が頒布の目的で、何らかの電子的媒体又は磁気テープに固定した放送番組は、パッケージ系の一種として納入対象とすべきである。音楽等のCD、磁気テープ(カセット・テープ等)については、パッケージ系の一種として、その納入を新規立法で規定することが望ましい。
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ハ行

ヴァーチャル・ライブラリー(Virtual Library)
仮想図書館。「The WWW Virtual Library」(ティム・バーナーズ・リー、19 -)は、ウェブ上の最古のカタログを自称する(http://www.vlib.org/)。 → 電子図書館
ハイパーテキスト
HyperCard や TownsGEAR などは、HTML 以前の代表的なハイパーテキスト実現ソフトだった。図書館システムに援用されるハイパーメディアソフトウェアには、OpenBook や BookWindow などがある。
ハイパーライブラリ
マルチメディア以上に各メディアを統合してハイパーメディアとなった図書館が電子図書館の基本的理想であるという。インターネット同様に「聖と俗」の混淆したものとなり、公立図書館の当為としての中立公正・恒常性・公開原則等と抵触する場合も考えられるが、文化の創造的活用と継承の観点からの一貫した姿勢が求められるという。
パイロット電子図書館
通産省、情報処理振興協会(IPA)、国立国会図書館(NDL)による電子図書館プロジェクト(1994-)。都道府県・政令指定都市レベルの図書館の蔵書目録を連携させる「総合目録ネットワーク」と国会図書館所蔵資料(貴重書・明治期刊行図書、他)のデジタル化と利用上の問題点を検証する「電子図書館実証実験」を行う。国立国会図書館関西館(2002年開館予定)での実施を目指す。
分類
検索方式の進歩により、十進分類等に代わって、ときに複数の分野にまたがった分類や緩やかな分類体系が推奨されるようになった。
米国デジタル図書館プログラム(National Digital Library Program)
米国議会図書館(LC)が中心となり、アメリカ国内の主要図書館と結び、国立デジタル図書館(NDL)を作るという計画。国内のすべての地域の学校・図書館等からそれぞれの一次資料・コレクションにアクセスできるようにする。さらに、2005年にはNII端末からのアクセスを可能にするという。
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マ行

マルチメディア問題に関する著作権連絡協議会(CCM)
著作権法を所管する文化庁の呼びかけで関係業界が組織した電子メディアのオンライン・サービスに関する検討委員会(1994.7)。
曼陀羅図書館
奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)によるペーパーレス図書館の試み。イメージ情報とテキスト検索の二本立てを柱とする。研究室に個人常用ワークステーションを完備し、いながらにして図書館を利用できるシステムという。
ミシガン大学キャンパス・ネットワーク
ミシガン大学のDLイニシアチブ(Digital Library Initiatives, http://www.lib.umich.edu/libhome/digitalprojects)では「図書館としてのキャンパス」の理念のもとに、学内のデータベースを統一するほか、 SGML に基づくテキスト資源の蓄積、ビューワの開発、専用検索エンジンの運用等を行っているという。独自システムを率先して構築している点、先端的である。(http://www.umich.edu/)
目次情報
書誌・目次・本文のテキスト量は、およそ 1:10:500 になるという。全文テキストデータベースの構築に先だって、電子図書館の現実的な目標として目次情報の蓄積がいわれる。学術書では、本文の階層構造を目次がある程度反映している点も注目の理由となっている。→階層構造検索
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ヤ行

館としての図書館
知識を得る過程での感性的な条件を担う建物・司書サービス等は、電子図書館によって置き換えることができない。仮想の「不可視図書館」と現実の図書館との両者の機能が融合して「情報図書館」になるという。
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ラ行

リファレンスソフト
参考図書として利用する電子出版物。
リンク収蔵
ネットワークにおいては、デジタル・コンテンツそのものを収蔵するのでなく、リンク形式で管理するという考え方。電子図書館はコンテンツのリンク情報その他のメタ・データ(所在情報・抄録等の二次情報)を管理し、コンテンツ提供元への gateway や directory などの役割を果たす。参考業務が中心となる。コンテンツそのもの(一次資料)の管理、課金処理などは各提供元で行う。ただし「リンク納本」については、匿名による発信の自由を最大限尊重すべきであるともいう。
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ワ行


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【参考文献】


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【関連孫引文献】

※ 上記文献中に引用・注記された文献のうち、任意に抜粋したもの。発表年次により、降順に並べた。

 A−Z  ア行  カ行  サ行  タ行  ナ行  ハ行  マ行  ヤ行  ラ行  ワ行  参考文献  関連孫引文献

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