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2016.3.13
Windows8になり、JIS第三・第四水準の漢字も標凖で表示できるようになったという。『作文志彀』という本を入力しているとき、〓{扌+竒}角という語を打ち込もうとして、既存の自作スクリプトでは文字実体参照に変換できないことに気づいた。Windows8.1でMS Wordに表示することはむろんできる。また、自分の使っている「真魚2」エディタでも、文字コードを「Unicode」に変換すればエディタ上では「・・」と文字化けしても、これをブラウザで変換したときに正しく表示されるようだ。ただし、旧型OSのコンピュータでこのUnicodeベースのテキストファイルを目的どおりに表示することは恐らくできない。ちょっと考えたが、結論としては当分「Shift-JIS」ベースで入力を続けることにした。「もうShift-JISなんて時代遅れだ。」と声高に叫んでいるWEBページもあるようだが、テキストベースでデータをやりとりするということは、旧来のものとの互換を考慮してはじめて意味を成す。悉皆Windows8以降の時代となり、旧来のShift-JISではロゼッタ・ストンと同様になったときには新しいものに替えてもよかろう。
今日、文字コードの問題にぶつかり、いくつかのブラウザでの表示を確かめていたら、いつのまにかInternetExplorerやMicrosoftEdgeだけでなく、FirefoxでもChrome, Opera, Lunascapeでも縦書き表示ができるようになっていた。去年のうちには可能になるとか言われていたが、年内には確認できなかった。また、SafariはWindows版をやめたとか。もとMac用ブラウザだし。私は、その軽さからPaleMoonやMozillaのSeaMonkeyをあらためて使い始めている。これらは縦書き表示はできない。縦書きの表示の仕方はMicrosoft製とそれ以外のグループとの二様に分かれているように見えた。なお、漢文の返り点などはxps形式やpdf形式でもきれいに表示できるが、表示したものをそのまま全文コピーしてWordに落とすことはできない。一太郎徹では読み込むこともできない。互換性の上ではhtmlベースのテキスト形式を続ける以外にない。
私は作業しながらポップスを聴く。数は知らないが、自然にヨーロッパ・ポップスを選んでいる。もう半年ほどHelene Fischerの歌ばかり聴いている。このドイツの女流歌手の歌声は素晴らしい。暗い日本に住んでいる自分をしばし忘れることができる。ドイツは国民の数も国土の広さも日本以下でありながら、GDPは同様だとか、小耳に挟んだ。移民の受け入れその他、政情も大変だろうに、歌はこれほど明るく爽やかだ。歌声の明るい国が羨ましい。
2015.12.4
その昔、論文でよく見かけた「領略」の用例を『淇園詩話』に見出だした。他にもあることだろうが、引用しておく。
高きに登りて能く賦す。古より之を稱す。盖し人一たび景物夷曠の境に到りては、平日の文思、頓に一半を減ず。他なし、すなはち情景のために奪はるるが故なるのみ。余に一法有り、もつて我が文思を護りて境に隨つて轉ぜざらしむることを得べし。景物夷曠の境に到る毎に、或いは賦す所有らんと欲すれば、我れ先づ精を閉ぢ神を歛め、盡くその景物を收めて、これを冥想に歸し、而して冥想中に就きて、情の愜會する所を擇び、繼ぐに文字をもつて之が景象を寫す。すなはち萬里の寥曠をもつてすといへども、吾れ或いは一言にしてもつてこれを領畧すべきなり。而してこの法もまた余より始めて之有るにあらず、人苟くも賦咏すること有れば、篇篇首首、總じて皆この法をもつてす。但し、人獨り能く心に虚象を設けて文字これを實にすることを知りて、いまだ實景又當に之を虚象に歸すべきを知らざるのみ。この詩論も優れている。「領略」のニュアンスの把握は、間違っていなかったように思う。
「點化」(die Transsubstantiation)の用例も『淇園詩話』に見出だした。
詩を學ぶに須らく先づ多く詩家熟用の文字を知るべし。當に須らく毎字古人の用例を蒐集し、もつてその義を精辨すべし。字義已に熟して、而して後にもつて廣く古人の詩を解す。既にして解了することを得れば、すなはちその目中必ず已に能く之が巧拙佳否を辨ず。詩は盖し是に至つて始めて與に商論すべし。而して所謂る鍛錬の手段、是に至つて始めて亦もつて瓦礫を點化して黄金と作すべし。漢文の詩論では套語の一つだったか。 2015.9.19
久方ぶりに拙作マクロ「漢文エディタ」のチューンアップにとりかかった。昨年と今年の春に勤務先の「紀要」なるものに「漢文エディタ」の《なかじきり》的紹介記事とそれを使ってまとめた釈大典『初学文談』(初学文譚)の翻刻・注釈を続けて掲載したのがきっかけである。この「紀要」はNDLからは全く無視されていて、納本したのに目録のデジタル化もしてくれなかった。これでは世間の役に立たないではないか。礼状をよこさない旨を明言したついでに最小限の挨拶も閑却してしまったものか。公共図書館も最近は何かと忙しく、基本作業もおぼつかなくなったと見える。近頃は面倒が先に立つので文句もいわず、こちらで勝手にHPに転載することにした。ついでに米国のオープンデータベースらしいResearchGateに紹介しようとしたら、研究者限定で品質を確保したい意向と見え、おまえはどこの研究機関にも所属していないので研究者とはいえないという返事で門前払いを食らった。Researcherなるものはacドメインをもつ機関のサラリーマンでなければいけないらしい。これの方はとりあえず思いついた英語で悪態をついてさっさと切り上げた。さてわがなけなしの『漢文エディタ』は、書き下しの精度がまだまだとはいえ、幸いなことに多少使えるようになってきた。もう少し没入したいところだが、生活費を稼ぐ片手間仕事を余儀なくされている。(言葉がだいぶ悪くなった。教員として反省である。猖獗を極めるセンター入試の圧力から学校現場でも受験に対応する授業をと言われ続け、陋習の馴致するところ本来業務を見失いかけているせいだろう。)三十年このかた変わり栄えもしない。青年の熱情も已に過去のどこかに置き忘れ、白衣のResearcherにも非ざるところなど、鳥でも獣でもない蝙蝠の如き貧乏サラリーマン渡世だ。灰色の空の下で舞う自画像が疎ましくなるときは、「冬の王」の境地に早く至りたいものだと頻りに思う。
2014.8.7
一太郎「徹」でひらがなをカタカナに変換したいと思ったが、マクロでないとうまく行かないように見えたので、人様のマクロを見よう見まねでPlayRiteマクロ第一号を作り、ツールボックスにボタン登録してみた。一太郎ver.5はなかなか便利だったが、軽快さはだんだん失われていくように思われ(次のver.6は特に重かった。そのためにver.7は買わなかった)、それまで平行して使っていたMS-Wordと一太郎4.3からWord一本に絞ったのがもう四半世紀ほど前になるわけで、時の流れに驚く。そういう次第で完全にすれ違っていた一太郎マクロを、参考書すら市場に見えなくなった今頃作っている自分が可笑しい。しかし、WordマクロもExcelマクロも、この文字列変形マクロから出発したのだ。PlayRiteは本当の簡易マクロ言語に見えるが、操作できれば同じことである。
ToKatakana Sub ToKatakana %Str = Getstring %Str(1) = Kata(%Str(1)) Insert(%Str(1)) End SubGetString関数の戻り値は配列なのか、それすらマニュアルが無いので分からないが、変数Strのままではエラーが出た。一太郎に話を戻すと、日本語や漢文の表示はさすがに綺麗なものである。漢文テキストは「漢文エディタ」の変換結果を貼り付けているが、異体字変換や辞書引き、それから横でカルタのような枠に絵を入れ替えて表示する「感太」など、便利なうえに愛嬌があって勉強にもなる。(定期的に「感太」のデータベースはバージョン・アップしているのだろうか。)これでマクロにも対応するのなら使い勝手はずいぶん良くなるだろう。欲を言えば、Word派のために互換入力・編集モードができるとありがたいが、そうもいかないのだろう。
8月6日の中国新聞の中日・広島戦の報道記事は、横書きの本文の左端から縦に「平和」裡に野球中継のできる幸せを伝えていたという。新聞の横書きの字数に合わせて2つのバージョンを載せていたらしい。縦横両刀遣いの日本語ならではの発想で工夫されたメッセージとして面白く読んだ。資本主義によって成長を加速された成金国家は、どれも藻を食って肥大したザリガニのようにむやみに鋏を振るって同輩たちを威嚇して止まない。食っているエサは、どれも同じであり、世界中どこもかしこもあさましく、沙汰の限りの有様だ。人間サマが万物の霊長たるところを示す模範を率先して示す国がなくてはならない。それがプライドというものであろう。
2014.8.4
『支那小説譯解』の『遊仙窟』篇の語釈に、「自ら恨むらくは往還の疎きを」を説明して「往還は往復に同じ。疎は、疎遠。往還疎とは、俗に云ふ取り付く栞(しほり)なきの意なり。」と説明してあった。この本は明治26年の発行だが、その頃こういう言い回しがあったものか。「取り付く島が無い」の「島」とは近世語で「頼りになるもの・よすが」の意とネットに載っていたが、そうだとすると「栞」という言い方もあったと考えてよいはずだ。
2014.4.27
仏教説話などに出てくる「」のような省略文字は写経の際の省筆に由来するといい、「抄物(しょうもつ)書き」「省文」などと呼ぶそうだ。昔、歴史の授業で黒板に先生が「厂」と書いていたのがその類だったらしい。辞書を見ると、他に「忄忄」(懺悔)、「女女」(娑婆)、「酉酉」(醍醐)、「ヨヨ」(縁覺)、「尺」(釋)、「サ」(金剛)、「{舟+若}」(般若)等の頻出語について用いられたとある。片仮名の成立が省筆にあるといわれるのが、同じ発想なのだろう。
2014.4.20
「徹」バージョンに至って、何年ぶりかに一太郎をグレードアップした。書き順まで忠実に再現したといわれる「游明朝」(Windows8.1に標凖搭載されたという)などにも心惹かれ、教員なので大枚をはたいた。久方ぶりに一太郎で文章を入力してみて、いちばん面白かったのはUnicode IVS対応という現バージョンの表示だった。なかなか微妙である。たとえば故郷の「郷」を「白/匕」にする選択肢は、フォントに游明朝を選ぶと初めて表示される。しかし、「説」の旁が「兌」となるのはよいとして「公/儿」を表示するには游明朝ではだめで花園明朝Aが必要になる。また、「所」の左を妒の旁のように上下につなげた場合、また「術」の旁を朮にした場合など、游明朝に字体は表示されるが本文では位置がずれてしまう。それでも、かなり昔の活字表示に近づいた。また、「稱」の冉部の横画を突き抜けさせるような表示もできて面白い。ただし、これをWordに貼り付けると「稱 す」のように字間が空く。これは、一太郎上で本文の置換作業の際に、「稱□□」のように制御記号が入っているらしい跡が見えることでも分かる。さらに、PDFにした場合、各種字体が忠実に再現されるのがとても気持ちよいが、画像として埋め込まれるようで、検索を掛けてもヒットしない。他に用意されているWord形式、EPUB形式、mobi(Kindle)形式では表示されない文字が出てくる。IVS対応ではないということだろう。けっきょく、現在のところは游明朝をベースに、PDF形式で保存したものが戦前の古書の標凖?字体に最も近いということになる。検索のためには字体を忠実に再現したいという願望はほとんど抑え込まなくてはならない。リュウミン、ヒラギノや秀英体でも、おそらく表示は困難ではないか。花園フォント(9万字)はフリーフォントであり、豊富な字体を持つが、句読点の表示が縦書きにそぐわない。Gunsuhとかいう韓国フォントは漢字表示の幅は大きいが、ビットマップ字体のように表示がギザギザだ。現在時点では、古書の再現を念頭に置いた場合、すっきりした表示に「やや近づき始めた」という段階にあるように見える。それでも、「一太郎」を再び使いたくなったことは確かである。 《参考》『和譯荀子』解題(一部)
2014.4.6
Windowsの使い勝手に酷似させたLinuxベースのOSを作れないものか。余計な出費を手控えたい庶民の願望は消費増税の今こそ強いように思うのだが。資本主義の花形に対してSTOP−OSを開発するとか。そういう方向のアタマの良さだったら拍手喝采してあげるんだけどなあ。
こんなボヤキを書いていて、ふと調べてみたら、Linux MintというOSがあるらしい。でも、Windowsのソフトが「Wine」という仮想マシン(エミュレータ)上で動かせるものに限られるのは致し方ない。やはりメンドウが先に立つ。それにしても、外国ではこういう議論があたりまえになされるのがやはり海外は違うなと思う。日本ではボヤキでしかないということになるのだ。
〔参考〕ZDNet Japan「『Windows 8』と『XP』の代わりになり得る5つのOS」(http://japan.zdnet.com/os/sp/35031188/)
高いつもりで低いのが教養
低いつもりで高いのが気位 深いつもりで浅いのが知識 浅いつもりで深いのが欲の皮 厚いつもりで薄いのが人情 薄いつもりで厚いのが面の皮 強いようで弱いのが根性 弱いようで強いのが意地 多いようで少ないのが分別 少ないようで多いのが無駄 (寺田スガキ『「言葉」の置きぐすり』東邦出版) 2014.3.9
サンケイ新聞に「『米韓』の足元にも及ばぬ日本の『電子図書館』事業の“なぜ”」という記事が出たということをネットで見た。「日本図書館協会によると、日本で電子書籍の貸し出しサービスを実施しているのは、国内3234の公共図書館のうちわずか20館ほど」だそうだ。GoogleBooksは昨年合法との判断も出たというが、作家側が控訴しているとか。これは蕪雑なscanだが、量だけは圧倒的に多い。こうした電子化コンテンツの普及への≪取り組みの遅さ≫については今さらの感があるが、海外で急速度に普及の動きが出たところで、例によって頭ごなし式の普及が日本でも始まることになるだろう。
2014.2.4
現在のATOK・一太郎(徹)のフォントは欲しいが買う金がないので、これはATOK13での話になるが、Windowsとの相性で分からないことがいろいろある。職場のWindows7(32bit)ではExcelのフォームで記号入力をしても入力モードに変化はないのに、わが家のWindows8(64bit)ではすぐに「カナ漢字変換」になり、何度「ローマ字変換」に改めても元に戻ってしまう。また、わが家のpaintやnotepadとも頗る相性が悪く、日本語入力をしようとしたとたんにこれらのWindowsのおまけソフトはハングアップしてしまうのである。日本語入力には、どこかWindowsの仕掛けと馴染まない機構があるのかもしれない。使い勝手の悪いこと夥しいが、config.sysなる設定ファイルをいじればどうにかなったのは思い出すのも遐かな昔のことになってしまった。そのころは、分からないなりに熱心にPCの雑誌を開いていたものだった。レジストリ・エディタをいじればどうにかなるのだろうか。どうも面倒だし、おそらく分かるまい。
《追記》ATOKの「カナ変換」問題がWindows8.1の導入と共に解消した。Windowsを使う間に、ATOKとの相性が失われていくのか、それとも8.1が問題を解決したのか、理由はわからない。入力は格段に楽になったが、問題の解決は「謎」のままだ。(2.9)
《追記2》設定方法を載せているWEBページを見つけて、問題が修正できた。実は、Windows8.1へのお試しバージョン・アップの期限が切れた後でWindowsを初期化する羽目になり、再びWindows8に戻って、いろいろ困っていたところだった。方法は、次の通りである。(Windows8)
(1) コントロールパネル−言語−詳細設定 (2) 入力方式の切り替え=「アプリ ウィンドウごとに異なる入力方式に設定する」をチェック。 (3) 併せて、オプション−「キーの詳細設定」タブ−「入力言語を切り替える」のキー割り当てを「なし」にする。 以上で、とりあえず問題は解決した。 なお、Atok2013はWindows8にネイティブ対応だというが、ハングアップ現象は無いのだろうか。(4.6) 2014.1.14
拙作「漢文エディタ」が今年に入って単純な一二点の書き下し変換で一頓挫を来していた。50〜70文字程度溯って返ることができなかったのだ。どうしてもハングしてしまう。「嫌ふ 2( 長き文を )1 。」という文を「長き文を嫌ふ。」とするのは、正規表現なら一瞬の変換だ。ところがこの「長き」を10回も反復して放り込むと、同じ変換位置で暴走を始め、Excelは真っ白になってしまう。これには弱った。半分挫けていたが、偶然のことで次のパターンで難なく変換できたのだ。
問題の文は、次のものだ。
|別(こと)ニ献ル 2( 佛舎利并ニ僧|聆(れい)照律師・令威・慧衆・慧宿・道|嚴(ごん)・令開|等(ら)、寺ノ工一人・鑪盤ノ師一人・造瓦ノ師二人・畫ノ工ミ一人ヲ )1 。 ⇒ |別(こと)に佛舎利并に僧|聆(れい)照律師・令威・慧衆・慧宿・道|嚴(ごん)・令開|等(ら)、寺の工一人・鑪盤の師一人・造瓦の師二人・畫の工み一人を献る。 ・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ With RE '文字数の多い一二点がこれできちんと返った。その理由は何か? .Pattern = "⊂*(|?[^ぁ-ヶ刀V\[\d\) 、。)⊂⊃「『 ](([ぁ-んゝゞヽ/\]))*[ぁ-んゝゞヽヾ/\]*) 2\( ((⊂*[^ぁ-ヶ刀V\[\d⊂]+?(([ぁ-んゝゞヽ/\]))*[ぁ-んゝゞヽ/\]*)*)(⊂*[^ぁ-ヶ刀V\[\d⊂]+?(([ぁ-んゝゞヽ/\]))*[ぁ-んゝゞヽ/\]*)? \)1 ?(」)*" .Global = True End With tvalue = RE.Replace(tvalue, "$3$8$1" & "⊃") ・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ しかも、パターン文の最後から2つめの?を外すと「〜工み一献る。」となる。この理由が、パターンを作っている自分に理解できない。とりあえず、初め「VBA RegExp 70字制限説」を疑ったが、そんな制限は無いもようである。結果オーライというわけだが、大昔にあれこれ試行錯誤して作った決してキレイでないパターンがこんなところで役に立つとは思わなかった。 2014.1.2
「おかしくなった」が昨年末以来のキー・ワードだが、今年に入って久方ぶりに謹製「漢文エディタ」で作成した電子テキストをブラウザで開いてみてビックリした。フォントの種類・大きさ・色、背景色などの書式指定がほぼ無視されたシンプルなテキスト表示になっている。IE10からHTML5に対応したのだそうだ。今のところ、どうCSSを書き換えたら元の通りに表示してくれるのか、見当がつかない。参考書を熱心に読んでいたのは20年の以前なのだ。デザインは電車や建物、ケータイにとどまらず、変転してやまない。それは仕方がないが、やはり視認性が大きく変わるのは困ることもある。これから先も、デザインは変転を止めず、20年後には自分のような呟きをもらす者もいることだろう。デザインに依存し過ぎないシンプルさを考えてテキスト作成をしなければならない。新しい解説を丹念に読み続ける根気は、これからはもう出て来ないように思われるから。(「HTML5解説」のページを焦り気分でいくつか覗いたが、たいていの場合、こういってはよくないかもしれないが自分の経験と実感に裏打ちされていず受け売りに終始して得意がる拙い説明であるという印象は、20年前と完全に同じである。皮肉ではなく、これが「日本の近代」の実態なのだろう。)
2013.12.31
@を打つと[が、;を打つと=が、:を打つと;が、……という具合に日本語入力がおかしくなり、直接入力では`で始まるおかしな文字が出たりと、ここしばらくキーボード配列が狂って困った。原因は、海外製フリーソフトか何かがレジストリを書き換え、JISキーボードがUSキーボードとして認識されるようになったためらしい。Microsoftのサポートに修正プログラムFixItは載っていたが、OSのversionが異なるためか動かず、DvolakJなどのキーボード割り当て変換ソフトを入れて、少し直ったが、;→=、:→;問題は依然解決しなかった。
〔追記〕再起動後、元の状態に戻っていた。レジストリのkeyboard layout や services を指示通りに直しても無駄だったことになる。Windows8を入れ直してようやく復帰した。(1.1)
〔追々記〕WindowsのVersion Up(KB何たらの更新)を行ったら、再度キーボードがおかしくなり、ひやりとした。「システムの復元」に成功して、@→「の現象を回避することができた。日本人が自前のOSを作れないのか。せめてキー指定(固定)プログラムくらい、と思うのだが。(1.6)
〔追記3〕 回復のための一方法 システムの調子が良いと思って翌日立ち上げると、再びキーボード誤認識が起こるという繰り返しが見られた。システム復元は、うまく行った場合でも1〜2時間程度ムダな時間を取ることになり、腹立たしい。設定値を確認しても、どうして認識しないのか、理由がつかめない。ここでも、日本の一部のWEBページ、そして又しても海外のヘルプの世話になった。(どこのだったか、Firefoxの終了ごとに履歴を削除する設定にしてあるため、今となっては分からない。)その手順は、私の場合、次の通りである。(Windows8, 64bit, 日本語106キーボードの誤認識で英語キーボードとなる。@キーがSHIFT+2でないと打てない、とか。) ・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ (1) レジストリ・エディタ(RegistryEditor)を立ち上げる。(Startボタンの入力欄にregeditと入力。) (2) HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\i8042prtと階層を下りていき、プロパティのStartをダブルクリックして出て来たウィンドウで値を3から4に変更して入力する。(キーボードの認識をスルーする設定であるらしい。) (3) 再起動すると、キーボードを認識せず、ログインパスワードさえ打てなくなっているが幸いマウスは動くので、ログイン画面で「スクリーン・キーボード」を実行し、これを使ってログイン・パスワードを入力する。 (4) 無事起動したら、再び(2)のStartの値を4から3に戻して、もう一度システムを立ち上げる。(Reboot) ⇒ これで、@キーが「にならなくなった。 ・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・ この方法は、「理由は分からないまま、うまく直った」一例の紹介である。同様の環境で同様の現象に度々苦しめられる場合、しかもいろいろやってみてもうまく行かなかった場合に試してみてはどうか。ただし、お定まりの文句だが、Registryをいじる作業になるので「自己責任」が前提だ。(1.14)
昨日の読者投稿欄に「年金生活者」さんが投稿した記事に賛成する。同日の前東海村村長の原稿にも賛成する。世の中はすっかりおかしくなっている。欲呆けのあげく人の道も忘れ去った大陸国家の前途は口にするのも愚かしいが、独立のない「一流国家」の行方も無慙なものだ。正しく「『今だけ、カネだけ、自分だけ』という不気味で不思議な国」に日本は成り下がった。秘密保護法案の強行採決を機に「元々秘密体質の公務員が、漏えいに厳罰を科されることで、さらに守りに入る」ことも確実な成り行きであろう。この方々は、あるいは67歳、あるいは70歳である。この世代に踵を接する団塊と団塊ジュニアの暴走から日本はおかしくなり始めた。
2013.9.23
清少納言が晩年に落魄したという伝説が『無名草子』『古事談』および『古今著聞集』に載っているというWikipaediaの記事はオンラインの辞書などにも転載されているが、『無名草子』にいう「昔の直衣姿こそ忘られね。」に興味を持ち、『古今著聞集』ではどのような記事を載せているのかと思って今回有朋堂文庫を読過した。しかし、清少納言の『枕草子』という形で一箇所触れているのみで、落魄説話は載っていなかった。日本古典文学大辞典には藤原棟世との間に「こま」という娘をもうけ、それが上東門院に出仕したということを載せている。『古今著聞集』には落魄説話は載っていない。小野小町のことは載っていたようだ。同時代の女房では赤染衛門が子の大江挙周の病気平癒を祈願した説話くらいで、その他では中関白道隆の沈酔の話くらいだった。
2013.7.16
AutlaやeMemoPad、Nami2000、NanaTree(NanaTerry)等々、一時的にいろいろ試していた時期があったが、『万葉集』の打ち込みを始めて、原文(万葉仮名)・読み方(ひらがな)・漢字仮名交じり表記、それに注記等(校異はプロの仕事)をどう併存させるかにちょっと悩んだとき、Excelのフォームで堅苦しく作るとまたへたるなと思ったので、これを活用する手を思いついた。書き出しが思うように行かず、あるいは64bitのWindows8にインストールを妨害されて、次のものを選んだ。シェアウェアという紹介記事もあったが、特に記載がないように見え、フリーウェアとして使えそうで、シンプルな使い勝手と特に書き出し機能に優れている。願わくは、階層別の一括書き出しができれば言う事はないが、フォントや書式も自由に設定できるし、1998年のソフトでも現在きちんと動作してくれる。リッチテキストやHTML(XHTML、XML)への書き出しなど、便利である。 FitzNOTE (http://hp.vector.co.jp/authors/VA009019/)
次のソフトは、画像のPDF変換、PDFの結合等の機能がとても便利である。速度も十分なものだ。私は、EPSON ScanでJPEGとしてスキャンした画像をVIXで整理し(回転・トリミング・名前変更)、これを一つのPDFファイルにまとめてFoxitのPDF Browserで読んでいる。(ちなみに、Foxit J-Reader Printerによって、FireFoxからWEBページをPDFとして保存することもよく行っている。)
pdf_as (http://www.vector.co.jp/soft/dl/winnt/writing/se491657.html) 2013.3.20
「漢文エディタ」について、Wordのバージョンが異なっても(古くても)Wordへの書き出しができるようにした。WordのObjectLibrayへの参照設定を外し、「実行時バインディング」によって組み込むという方法は前からWEBで見てはいたが、具体的なやり方が分らなかった。「WindowsSecrets」という海外のサイトに明快な解説があり、やってみたらできた。文字コードの変換の時もそうだったが、彼方(あちら)の説明は痒いところに手が届くようだと感じたことだった。要は、Word.Applicationのオブジェクト指定を止め、CreateObjectでWord文書を作るという、言われれば当たり前の方法なのだが、それに加えて「Word固有の用語による属性値の指定を数値による指定に直す。」ことをすればよいということだった。すっきりと分かる説明である。動かしてみたら実際にそこでエラーが起きたので、数値を調べたが、ここでも海外のサイトのお世話になった。魔術師のような手法を伝授する式の説明では、仕組みへの理会が届かない。水車の動かし方は宇治の里人に尋ねるのが一番だということがわかる。
書かでものことかもしれないが、ATOKの使い勝手の悪さが今もって解消されないことなどが、もう一つの極にある。ユーザの声も極力届かないようにできているサイトとしか思えない。入力モードが「勝手に切り替わる」ことへの不満が数多くのユーザから出ていることは、WEBを覗けばすぐに分かることだ。Versionが上がるたびに、最初に買ったのと同じような金額を要求されるが、「入力方式のカスタマイズと固定」という最も基本的なことの一つでも、まったく改善された形跡がない。現に、Excelのユーザフォームで記号類を入力すると、いつも使っている「ローマ字ひらがな入力」モードがその都度「カナ変換」に変わってしまう。(使っているのは64bitのWin8とAtok2008。「それは未対応ですので、対応バージョンをお買い求め下さい。」というわけか。昔買ってあげたお客様にサポートはしてくれないの?)あるいは「半角カナ変換」などになる場合もある。これの固定ができない。単語の変換効率と速度などの使い勝手の面ではMS-IMEもGoogle日本語入力も遠く及ばない抜群のIME(昔、FEPと呼んでいたころのほうがずっと使い勝手がよかった。Katanaも良いFEPだったが。)だけに、こういうつまらない現象はあらゆる方法で回避してほしいものだ。これがまた治らない。
2013.2.11
年末から年始にかけて『世説新語』を入力しながら、「漢文エディタ」の「書き下し文」変換機能を確認している。紀元3・4世紀の昔から力と富と名を求めて止まない人間の態は余り変わらねえなあと思いながら、相も変わらずぽちぽちと入力しているが(たしかに「文化」を支える人間の気力がねえんだよな。よろずbureaucracyに浸潤されて、今の大学などはliberal artsの牙城どころか只野専門学校なんだし。今年のセンターの小林秀雄の文章は出題者が小林の口を藉りて知識人一流の叫びを上げているのかなあなどと思いながら)、サンプルファイルの中に『小学』の文章が出て来た。
惟聖性者、浩浩其天、
これを現在の変換能力で「書き下し文」に改めてみるとこうなる。
惟れ聖は性のままなる者にして、浩浩たる其の天、毫末を加へずして、萬善足る。衆人は蚩蚩として、物欲交〃蔽ひ、乃ち其の綱を頽して、此の暴棄に安んず。惟れ聖斯に惻れみ、學を建て師を立て、以て其の根に培ひ、以て其の支を達す。
衆庶のTaijuが言うべきことでもないが、すっと心に入るリズムだ。この物・欲は荀子の言葉かしらん(不勉強)。うん、朱熹はいいこと言っているなあ。
2年前に話題になったらしいが、今までよく知らなかった。こんなフリーソフトが出ていた。
しばらくビデオに触っていなかったが、前者はNTSC方式に対応し、MPEGやFLVからTVで視聴可能なDVDを作成できる。変換速度はDVD Flickerをはるかに凌ぐ。Prismはさらに速いらしいが、まだ試してみていない。Freemake Video Downloaderは、Area61 Downloaderよりも速いと思う。また、画面キャプチャや編集のソフトも、昨年(国語でITを活用した授業を何が何でもやれということから)いくつか試してみたとき、近ごろはずいぶん優れたFreesoftがあるものだと感心したが、次のものは容量もさらに小さく、画面もきれいだ。(ただし、周囲の音声も拾ってしまうようだ。)
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こんな暇なことを書いているうちに、眠くなった。Modern TalkingのWitchqueen Of Eldorado でも見て眠気覚ましにするか。あ、Sweet Little Sheila もいいな。Taijuは馬齢犬齢、萬年黔首、知命半巡、不相変♥ Western Pops '80s。困るなあ。あと時間と金があったら王羲之展いきたいな。
2012.12.27
『世継物語(小世継)』の入力をひとまず終えた。本院の北の方、および本院侍従と平中の話などは、谷崎潤一郎の王朝史伝物語『少将滋幹の母』の種本の一つであろう。本院侍従の話は、フェティシズムに関心のない平凡な読者はこれを読む度に気持ちが悪くなる。谷崎の話がすでに克明な翻訳だったが、またこの物語には鷗外の史伝を意識した形跡があるところから「史伝物語」と呼んでみた。(「史伝小説」という語は、今なお馴染めない。)
話は飛ぶが、今回、冬期の課外授業で『先哲叢談』を採り上げたところ、荻生徂徠の項目に「柳澤公の知遇に非ざるよりは、先生の窮達未だ知るべからざるなり。」という一文があった。「窮達」は「困窮と栄達」と辞書にあるが、ここは「栄達」の意である。抽斎は「栄達窮達」と並べたとき、困窮の意味で使ったかもしれない。鷗外が「栄枯窮達」に改めたのは辞書に従った訂正ということになる。けれども、もしかすると俗の「栄達」と非俗の「窮達」とがありはしなかったかと私は思う。
それにしても、16年前の『先哲叢談』は、依拠本が粗悪なうえ、どうでもよい字句の読み方まで入力時に注記していて、いかにも読みづらいテキストになっている。依拠本の本文自体、版本の翻刻の誤りが相当数散見する始末でこれはよくない。原版本が文字通り「高値の花」であった昔のわが思い入れの程はそれとして、今となればどうにかして改訂したいものだが、時間と懐は意の如くになったことがない。(あれを入力するのに、一年近くかかったかと記憶する。)『世継物語』を入力していたら、『古本説話集』も『栄花物語』も『宇治拾遺物語』も……と、全文翻刻電子テキストの欠落していることに気がついた。本当に、「役立つテキスト」こそはこのインターネットで立ち後れている領分なのだ。
同じく『世継物語』の中に小野篁の故事が出て来る。小野篁とか紀長谷雄とか、異界と会話のできる個性が昔はずいぶんいたらしい。嵯峨天皇との遣り取りの中で、「かたかんなの子の字」を12書くとかいう件が出てくる。漢文の句読では、「也(√)」「時(|キ)」「共(|モ)」「事(┐)」「所」や踊り字の様々など、「かたかんな」の候補はいくらも出てくる。(他にも使役の「令」、受身・尊敬の「被」「見」等。また、表音性ということでは外れるものもあるかもしれないが、固定化した「并」「个」「仝」や「畢」「如聞」「加之」、「より」「まゐらせそろ」の連綿ひらがな文字等々。)「子」はいちおうネの「異体字」という注記で済ませたが、「かんな」の範囲は記号化したものから、異体字や変体がななどまで、すべて含めるとどれくらいあるのだろうか。
なお、漢文の仮名文字は「送り仮名」ではなく「添え仮名」と見なすのがよいという服部宇之吉・原田種成の意見を「Progress」の97.9.16の記事に引用してある。『先哲叢談』の版本でも、必要最小限の仮名文字しか振っていない。書き下すときには、改めて書き足すべきものである。
2012.12.16
現在、『東斎随筆』『閑居友』に続いて『小世継』の入力を行っている。中に、こんな段があった。
今は昔、よしちかの中納言とは、花山院の御おぢにおはす。御門出家せさせ給て、いひ室といふ所にぞおはします。坊の前の櫻いと面白かりければ、ひとりごち給ける、「心みじかき」世の有様は、選挙一つにも現れる。櫻花が巡り来る季節の「心ながさ」を伝えるところがとてもよい。この歌が「ひさしくありて」漏り聞えてくるのもよいところだ。 2012.11.28
IE 10 では「証明書」エラーに関して非閲覧以外の選択肢が無くなった。Pale Moon というブラウザで、従来の使い勝手を取り戻しているが、縦書き表示はできない。年内には、WebKitベースのSafari等でそれができるようになるということだが、Safari はパスワードを覚えてくれない。Pale Moon は、軽くてスマートでよい。
2012.11.24
Internet Explorer はテキストの縦書き表示ができるので、依然として使っているが、最近、日本語入力ができなくなったり、タブに勝手なページを表示したりという具合で、総武線同様、使わないわけにはいかないが鬱陶しい代物である。Google Chrome ではスクロールができたりできなかったりするわ、vbs では security 追求の結果かいつの間にやら Sendkeys ができなくなっているわ、さて気分転換に Youtube にすれば、Stop 違法ダウンロードの表示広告のみならず、画面表示の前や途中、到る所合法的な広告だらけになって、聴きたい音楽の前に割り込んでくるばかでかいナレーションや見たくもない映画の爆音に掻き回されるわ、と散々な今日この頃だ。話は戻るが、テキストエディタに対しても、日本語入力モードにならない場合があり、Windows は外国製品だからなあとその都度思うことになる。Atok も17あたりでは新しい Windows で具合が悪く、Fキーを打つと「い」が出て来たりして使えなくなる。ともかく、エディタなど日本語を使うソフトでは日本語入力モードになってほしいので、WEB でいろいろ書かれている「対応策」を試してみたが大抵ダメであった。それが、たまたま「ctfmon.exeをスタートアップに登録する。」という記事を目にして、試してみたらこれが利いた。Microsoft の説明ページには「Ctfmon.exe はアクティブなウィンドウを監視し、音声認識、手書き認識、キーボード、翻訳機能などのユーザー入力テクノロジをサポートするテキスト入力サービスを提供します。」とあり、これが日本語入力モードにしてくれるようだ。以前、この名前のexeプログラムで何だか困らされた記憶も残っていたが、ともかく日本語が打てるようになったのは嬉しい。
2012.11.9
先日、芝の三康図書館を訪ねたところ、和本の目録の中に質軒岸上操の自筆稿本『片々草(ぺんぺんぐさ)』『質軒漫録』を見出だした。WEBで紹介されている記事が見当たらなかったので、ほとんど知られていない資料なのだろう。秋の一日、鉛筆を持って再び訪ねた。利用の都度、住所・氏名を記載し、所属欄に○×高校、役職に教諭と書いて出納を依頼する。最初に訪ねたとき、10分くらい掛かると言われた本はすぐに出てきた。『質軒漫録』は1冊だが、『片々草』は新聞・雑誌の切り貼りや「大蔵省」「内務省」の原稿箋などの綴じ本で7冊ある。克明な読書の記録類である。Taijuも昔、ごく幼稚な形だが、同種の雑記帖を何回か作ったことがあったのを思い出した。手許のは、内容も筆跡も何桁か違うようだ。質軒は当時の官吏登用試験の首席だったらしい。病弱でもあったらしく、生きる意義に疑いを投げかける青春の日記が達者な細字の漢文で書いてある。たいていは有職故実的事項や奇聞珍事の抜き書きである。さて、切り貼りも含めて複写できるかしらん。広いテーブルでカウンターからそれとなく監視されながら、複写の可否を尋ねてみる。もしかしたら1枚30円か40円でスキャンできるかも、という司書の女性の朗らかな推量に、彼女が奥の確認を取って戻ってくるまでのあいだちょっと期待をかけたのだったが、けっきょくやはり「貴重書」の扱いだそうで、見開きページの写真撮影を依頼するには1枚ごとに1,800円もかかるという。「当然だろうな。見せてくれるだけでも難有いな。」と頭でつぶやきながら、次の作業に取りかかる。この日のために行事の振り替えでとった休暇を使い(この種の休暇は最近だんだん多くなってきた。もっとも、平日にとれるのは考査期間くらいなものだ)、一日鉛筆を走らせて必要な抜き書きだけ行い、全文筆写は諦め、引き揚げることにした。東京タワーの下で、見学の小学生と先生の一行を見送り、壮んに鴉乎と啼くカラスを聞きながら、飯田橋の売店で買ったサンドイッチをかじり、午後また鉛筆を走らせてから帰ったが、途次惟うに、わがTaijuのWEBページはやはり必要なのだろう、と。和本自体が「高値の花」の今日、尚更そうなのであろう、と。図書館には蔵書の保存という第一義的な使命があり、WEBには正に対蹠的に「コンテンツの公開とAnytime_Anywhereの利用」という役割がある、と。
Windows 8 のデザインはケータイに馴染めないオヤジにはいささかつらい。大インチのモニタが流行っているように見えるなかで、一々画面を切り替える意味が理解できない。それと無器用な指先でアイコンをまちがえて操作するより、マウスで照準を定めておき、判断しながらメニューを選んでいくほうが結局快適だし、マウスの精度も十分なものだ。(とはいえ、手でアイコンが動いたり開いたりすれば、ウィンドウズの直感的操作の本質に近づいたといえるかもしれない。議論は分かれるか。ちなみにわがモニタはタッチ対応ではなく、買えるのはずっと先のことだろう。)とかく思考は保守的に傾いてくる。これでは新しい発想は生まれないかもしれない。
ところで、このClassic Shellというフリーソフトは、使い勝手を「改善」してくれる。トレンドに合わせるのを面倒がる自分にも呆れるが、こういうものに出合うと嬉しい。Windows 8 も著しく速くなったという感じはしない。昔の Windows CE は、本当に起動が早かった。あれぐらいのスピードなら合格だ。 もう一つ、Explorerに「ファイル情報の比較」というメニューが現れ、Win.7での上書き確認の見にくい画面が若干改まったが、概ねセンスのあるMicrosoftのアイコンや画面構成の中では、あいかわらずお粗末な出来である。ファイル操作は慎重であるに越したことはない。それでも大量のファイルを操作しなければならない場合もよくある。「使い勝手」の改善が必要だ。DOS時代にFDを使う人が多かったのもそこだろう。又々回顧的だが、あれは便利だった。今回、Cowseeを使ってみたが、発想もデザインも「こういうものでなくては」と改めて感じた。このような機能が集約された日本型Explorerに期待する。(11.7の原稿を改訂。) 参照 Classic Shell (http://classicshell.sourceforge.net/) (下はその画面の一部) Cowsee (http://utweb.jp/air/cowsee/) 2012.6.10
半年以上前だったか、「近代デジタルライブラリ」で公開している権田直助『漢文和読例』の2ページめにスキャンの欠落箇所があることに気づいた。そのことを国会図書館に連絡したところ、親切に担当者に連絡してくれたまではよかったが、その閲覧には関西館の窓口で申請を出してもらわねばならないとかいう話になり、そのために千葉の人間が千里丘陵?の関西館にまで赴くことはできないので、話はそれぎりになった。今回、偶然のことで同書の該当ページを見る機会を得たので、欠損箇所と並べて画像を作っておいた。こういう本を見ようとする人はあまりいないと思うが、役に立つと考える人がなきにしもあらずであろうと思いなし、アップしておく。
2012.5.19
自画自賛になってしまうが、Taiju製「漢文エディタ」は(その可能性において)相当のスグレ物であると思う。白文に返り点と送り仮名の枠をつけて、ワープロソフトへの書き出しを謳うソフトや、いろいろなタグをつけさせてブラウザ上で各種変換を行うJavaScriptなどがあるようだが、拙作も案外遜色は無い。もっとも、教場で使うプリント作りにせっせと活用しているのは、もしかすると作者本人以外にはいないのかもしれないが。(なお言えば、これは「プリント作り」が最終形態ではないのだ。データの汎用性こそがこのソフト独自の特長なのである。)とにかく、これはずっと以前、一から発想したものだし、Taijuの基準において便利にもなってきているので、愛着の深い作品だ。まあ、フリーズの度合いが少なくなってきたのは結構なことだ(フリーズはほとんど「書き下し」の際にしか起こらない)。書き下し機能は、いちおう再開したが、変換精度はまだまだ。
こんなものを見つけた。
http://www.itscj.ipsj.or.jp/ipsj-ts/02-02/ips_charid/download.htm 「学会試行標準(IPSJ-TS) 0002:2002 で定められている文字図形集合を文字図形番号と ともに閲覧することができる」ソフトなそうな(AI-net, 2002)。「学会番号」というコードがあるのは、文字を数字で置き換える一方法となりうるが、このソフトでは「番号による検索」と「字形の表示」、「字形に対応する番号の打ち出し」のほぼ3つの機能しかない。かつての「文字鏡CharMap」のサブセットという感じだが、学会は知らず、実用にはほど遠い。 2012.3.14
花園フォントとかIPA明朝とか、IPAex明朝とか、このところ以前の今昔文字鏡フォントに勝るとも劣らない文字数を誇るフォントが目白押しに現れている。グリフを自動生成するJavaScriptを用いたWebサイトもでき、無料フォントがどんどん増えていくのは便利だ。文字の美しさではIPAのものが抜群に見える。また、Vistaか7に付いてくるらしいFangSongというGB書体は中国書によく見かけるスリムな宋体フォントで、以前DynaFontで見かけた魏碑体のようなかっこよさが目を引く。(他に、艸冠を「++」のように出力できるフォントがWindows標凖?で二三種あったかに記憶する。けれども、よほど拡大しないと見えないものが多い。)IPA書体はボールド体で印刷してもきれいな出力で、exやmjヴァージョンの英数字もTaijuのお気に入りである(ただのIPA明朝が字間のバランスなど最もよい)。昔からあるTimesNewRomanはItalic体にするととてもエレガントで好みだったが、こちらのIPA明朝グループはただslanted styleといった感じながら、やはりきれいはきれいである。中国語フォントはこの点ではダメ。漢字限定である。
2012.2.29
寒咲き菜の花の黄色い花にもうっすらと雪が降った。地震も相変わらずだが、人情の薄いことは雪のヴェールよりも尚更である。古典の文章の中に這入ってしまいたい気持ちだ。ところで、それと何の関係もないが、「大方のご叱正を乞う。」という類の表現の「大方」はもと「たいほう」ではなかったか。文章入力の合間にふとそんなことを思いつき、ちょこっと辞書に当たって、すぐさまためらうこともなく国立国語研究所に質問のメールをぶつけてみた。電話を掛けるようにという指示で、電話をかけて尋ねた。口頭での回答(Y氏)をTaijuの頭でぶっきらぼうにまとめれば、もとは「たいほう」であったかもしれないが、へりくだる気持ちだけを残しつつ、「おおかた」と混雑し、あげく「たいほう」は姿を消して死語と化したので現代の一般的な国語辞典には残っていないのだろう、ということで、高校教員ならこんな感じでいいかという分りやすい二本の線路の比喩などを使って、とりあえずのご回答を戴いた。線路は切り替わったのだが、辞書も含めてみんなでそちらへ渡ってしまい、死語だと載せない、という流れになると、古語の線路はやはり廃線か、昔の線路は誰が探すのか、等とTaijuなりに素朴な疑問が浮かばないでもなかったが、追及するだけの頭も用意もないのでこれだけを遺忘に備えて記しておく。
2012.1.29
寒気を強く感じるようになったのは年齢のせいか。それでもここ数日、寒さの中にも春の事触れを感じるようになった。旧暦では今日は7日の若菜である。新芽の具合もなるほどそんな感じで、菜の花の葉がまだ堅い感じを残しながらも日差しに鮮やかである。どうも季節感は旧暦による方が国情に合っていないか。古典教育の復活だとか、伝統の尊重だとか、そんな兆しが見られる中、季節の兆しをまずはきちんと押さえなければならないのではないか。科学暦と生活暦と、ダブルスタンダードでもよろしかろう、と最も季節感に疎く、俳句の季語でいつも躓くTaijuは思った。
古典のテキストは、相変わらず高嶺(高値)の花で、アクセスにいくらもステップを踏まなければならない。Taijuが手元の粗悪な本で先哲叢談を入力してから15年になるが、古典のアクセス面はどれほど改善したのか。Googleブックスに一時期待をかけたが、スキャンが粗悪で、有料コンテンツが増えた。著作権の絡みなのだろう。日本のGutenbergプロジェクトが無ければいけないが、個人では及びもつかない。複雑な文字コードをうまく処理して簡便なアクセスを提供する電子漢和辞典がパブリックドメインで提供されないだろうか、などと都合の好いことを考えてみたりする。電子テキストにおける誤植問題も、この先問題になってくることがあるだろう。Taijuにしたところが、なるべく注意して入力しているとはいえ、加齢とともにミスもまた避けられないことだろう。また、日本人は見栄えに敏感なので、TeXなどで「○○にも分かるDTPフリーウェア」などの類を誰か作ってくれないかしらん。
2012.1.14
昨年暮れから今年にかけて、有職家の作品を続けて入力した。これらは、非常に特色のある文章である。考証の確かさと該博な読書メモとは、当時にあっても抜群のものであったようだ。その考証の内容を、今日ネットで判別できるかぎりで当たってみると、ほとんど結論が動いていないということに驚かされる。新資料の追加すらほとんど見当たらなかった。これからは、ウェブでの検索が調査の第一楷梯になるだろうし、また古典作品などはますますアクセスしやすくなることが望まれる。しかし、基礎資料がいかに不十分であるかということを、ささやかな入力作業を通してすら思わせられた。漢字検索ひとつでも、まだまだまだの現状である。(『文字鏡CharacterMap』は今日オンラインでは手に入らない。『パソコン悠悠漢字術』がまだ安価で入手できるのがありがたい。)和語・漢語や古典作品の事典などのしっかりしたものが普及するとよいと思う。高校の『国語便覧』も、もっと土台のきちんとした『有識事典』その他各種辞典の導入編の趣をなしてもよい。(もっとも、センター試験が頂点に君臨する「受験のための勉強」のピラミッドの中で、各社横並びの編集スタイルが変わることはとうてい望み得べくもないとはいえ、外形・内容とももう少し「辞書・事典」として飛躍してよいのではないかと思うのだが。一から作り直せばよいのに、といつも思うのだ。)Taijuは、自身があまり不勉強だから、手遅れに過ぎた基礎固めの埋め合わせを兼ねてこういう古典の入力でささやかな渇を癒している次第だ。
〔補足〕 なお、『湯土問答』末尾には「大和問答附録」なる章がある。本書はもと『大和問答』と呼んだのではないだろうか。原書が見当たらないため、確かめることができない。また、一部闕文もあるので、誰か補充してくれるとよいと思う。
中国古典と日本漢学 http://homepage1.nifty.com/chinaclassic/index.html 大規模文字セット用マクロ(MS-Word用) http://homepage1.nifty.com/chinaclassic/macro/macrotitle.html 瞥見しただけだが、GT書体のコードと文字フォントの相互変換ができるものだという。Taijuは難字の記述ついてはユニコード16進タグで対応し、ブラウザでの表示には当面NewGulimを指定することで対応している。いろいろなやり方を知っておくのはよいことだ。文字コードの話から最近すっかり遠ざかっているので、いちいち試してはみないが、情報は書き付けておこうと思う。 2011.12.17
(http://www.epubcafe.jp/egls/kusamakura)
「epub café」というサイトで、InternetExplorer以外のブラウザ(GoogleChrome, Safari)で縦書き表示可能な外部cssファイルを紹介していた(basic_vertical.css)。Chromeで試してみたら、大体は表示できた。ただし、フォントは縦書き用フォントが中心となるようだ。もうすぐCSS標凖で縦書きが可能になるらしいが、当面「@MS 明朝」などの《縦書き用フォント》で表示するしかない。現在作成中の湯浅常山「雨夜の燈」において、このCSS策定のために「WebKit」というブラウザで表示対応できるというコードを用いて本文を囲んでみた。(外部ファイルを使わずに「自立」したHTMLとするためである。下記参照。) これでChromeでも縦書き表示ができる。要点は、IE縦書き用の指定をWebKit縦書き用の指定で囲むことでどちらのブラウザでも縦書きが可能になることだ。ただし、せっかくのIPAmj明朝フォントは指定できなくなる。
たかが縦書きの可否だが、帯に短し襷に長しの彌縫策を延々と繰り返さざるを得ず、痛し痒しでもどかしいことだ。この秋から「縦書きHTML」をわが「日本古典文学テキスト」の基本フォーマットにしようと思い、IEしか対応していないと思っていたので、「縦書きforIE」なるアイコンまで作ってHTMLファイルに貼り付けたのだったが、無駄なことをした。TaijuはIEの賛美者ではさらになく、閲覧者のブラウザで表示が崩れた場合を想定して断り書きを付けたのだ。ついこの間、家族のWindows7に付属のIE9で表示してみてびっくりした。HTML本来のタグでない<publisher>、<date>などを入れていたのだが、これがIEの縦書きにおいて《横書き》となり、表示を狂わせていたのだ。どういうわけかリンクも働かない。ブラウザの《進化》に合せて直すのが草臥れてきた。表示よりもコンテンツが基本と割り切るか。Taiju's NotebookはWebの進化の過渡期に右往左往するユーザの記録という意味を持つかもしれない。
<div style="-webkit-writing-mode: vertical-rl;">
<div style="writing-mode: tb-rl; height: 550px; font-family:@MS 明朝;"> (ここに本文) </div> </div> この「-webkit-」の部分はCSS3で採用後は外れるということだ。
【追記】 IPAmj明朝フォントは印刷も綺麗だが、ディスプレイでの表示がさらに綺麗だ。英文表記も美しく、とても凝ったデザインだと思う。収録文字数が抜群であり、JIS X 0221というのは従来のJIS第四水準までの文字をすべて包摂しているわけではないらしいが、フォントの形で使えるのはありがたい。現在、どうしても出て来ない漢字の表示はNewGulimなどに依存しており、それでもダメなら例の{ }による分解表記で急場を凌いでいる。これがIPAmj明朝だとどうなるのか、まだよく分かっていないが、多少は緩和されるのだろうか。ただし、いろいろな環境でつつがなく表示するにはユニコードタグによる表記などがやはり無難なのか。なお、Lunascape6ではWebKitをレンダリングエンジンとして選べるそうで、これも縦書き表示ができた。これはIPAmj明朝での縦書きができる。これはIEのようにTridentに切り替えているのか。よく分からない。〔12.23追記〕 Lunascape6の縦書きはTridentによる表示だった。WebKitを指定すると横書きになってしまう。GoogleChrome16.0, Safari5.1.2では縦書きになったが、ジャギーが目立ち、リンクが働かない。Safariは起動が遅すぎる。Opera11.60は縦書きはできなかった。結局、IPAmj明朝と両立できるTridentによるLunascapeまたはIEを選択するというのが現状か。(3つもレンダリングエンジンを読み込むこととてLSの起動もわがCeleron=PentiumUプロセッサでは相当遅いが。)〔12.25追記〕
2011.10.29
(http://ossipedia.ipa.go.jp/ipamjfont/download.html)
「ISO/IEC 10646に準拠した符号化」による58,712文字のフォントが26日にダウンロード可能になった。文字数も多いが、日本語の表示が綺麗だ。以前、電子辞書(百科事典)に日立明朝などのフォントがあったかと思うが、表示がきれいだった。このフォントも、アルファベット・かな・漢字ともに視認性のよいデザインであると思う。MS明朝もなかなかの出来であり、メイリオのゴシック体もとても綺麗だが、この明朝体は使ってみる価値がある。難読文字の表示については、検索・表示のための対応ソフトが必要か。 〔付記〕 LiburaNeo(All Free Paper) (http://www.liburaneo.co.jp/news/)という電子ペーパーリーダーが28日にでき、Web上でのデータの電子ブック型閲覧が可能になったという。リーダーのダウンロードができるとよい。
2011.10.23
文書ファイル等ランチャ
DLaunch (Ver. 1.2.1, http://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/util/se268495.html)
丸干商店(http://hp.vector.co.jp/authors/VA031375/)の小物ソフトの一つ。デスクトップを大幅に整理できる。商店のほんの一部しか見ていないが、他にgetHTMLT(HTMLからテキストを抽出)、SendToo(定型文入力)等が面白いと思った。sendtoo.exeはTaiju製DataComplete.vasとコンセプトは同じだが、独立のexeファイルだから遥かに便利だ。また、「つーるバー雲」(tbkum)、「しゃぼんだまうす」(syabonm)のような遊び心のあるデスクトップ・アクセサリが楽しい。Taijuのケータイのアクセサリは白イルカ(Beluga)だが、以前、鯉やメダカのスクリーンセーバに餌をやっていたころの動きよりもずっと自然で愛嬌があってよい。
2011.10.10
PDFの結合・分割・回転等は、PDF Ver.1.6のファイルであれば、こちらがよい。ページ毎の回転もでき、ファイル容量がほとんど変化しない。
PDF Forsell2 (Ver. 2.2, http://yomogi.bakufu.org/pdf.html)
〔付記〕 FoxTab PDF Converter (Ver. 2.3, http://apps.foxtab.com/pdfconverter/)によってVer.1.4のPDFをVer.1.6のものに変換〔コンバート〕する。これをインストールし、Foxit Reader等の印刷メニューからこれを選択してファイル名を指定し、保存すれば変換される。ものによって容量がずいぶん増えてしまうが、PDF Forsell2での表示についてみると、Ver.1.4のものではフリーズ状態に近くなるかTaijuのパソコンのようなCeleron(Pentium2)程度のハードウェア環境ではほぼフリーズするのに対して、こちらはまず普通の操作が可能になる。「近代デジタルライブラリ」からダウンロードしたPDFファイルはVer.1.4のものである。これを上述の操作で1ファイルに結合することができるかと思う。
2011.5.7
PDFの結合・分割・回転等を機敏に行う。日本語ファイルでも問題なく表示する。
PDF Split and Merge basic (Ver. 2.2.1, http://www.pdfsam.org)
〔付記〕 Acrobat Readerでの表示はできるが、PDF Knife等で分割しようとすると「認識できない形式」だと言われてしまう。印刷もうまくできない場合があり、独自の形式でまとめているところがあるかもしれない。(2011.5.18)
2011.5.3
「窓の杜」で紹介していたもの、他(Freeware, GlarySoft社)。どれも頗る高速に動作する。
QuickSearch (ディスク内のファイル検索) …本当に速い。 RegistryRepair (レジストリ整理) DiskSpeedup (デフラグ) Mana2で「漢字語句(よみかた)」を「<ruby><rb>漢字語句</rb><rp>(</rp><rt>よみかた</rt><rp>)</rp></ruby>」に変換する例。漢字語句を拾い、よみかた(仮名)を拾う。下の正規表現?はざっとのものだが、使える。(赤い丸括弧は、半角。これで検索語句をグループ化する。)
1) Ctrl+Rで「置換」を選択。 2) 〔検索する文字列〕([^>ァ-ンぁ-んゝゞヽ、。「」*]+?)(([ァ-ンぁ-んゝゞヽ−]+?)) 3) 〔置換する文字列〕<ruby><rb>\1</rb><rp>(</rp><rt>\2</rt><rp>)</rp></ruby> 4) 「Perl風置換」のチェックボックスをチェックして実行。 《追記》「Mana2」のヘルプファイル(chm形式)の表示がWindowsの制限のためにブロックされている。 CHM Decorder(Ver.2.1, Freeware, GridinSoft社)でHTML形式にデコードできる。(5.4)
2011.4.9
Taiju選Windows版Freewareを挙げる。黙々とspeedyに仕事をしてくれるスグレもの揃いだ。Windows Vistaや7で試していないが、たぶん使えるだろう。古さは全く感じない。(CubeICEより+Lhacaの方がずっと速い。VIXの画像表示の速さは定評がある。DeepBurnerは「これは書き込めない」という種類の文句をほとんど言わず、4.7GBのDVDもすぐに作成する。)
DeepBurner (CD、DVD書き込み) Mana2 (エディタ) VIX221 (画像整理+ビューア) +Lhaca (圧縮・解凍) CCleaner (クリーナー=ディスク・レジストリの掃除) Defraggler (デフラグ=ファイルの整序) 色取り鳥i (HTML等カラーコードの選定・指定) FFFTP (ファイルのアップロード) その他、Craving ExplorerやPetit Launcher等も便利だ。Mojikyo Character Mapは、現在では『パソコン悠々漢字術』添付CD-ROMで見るしかないようだ。
拙作では、文字実体参照への変換スクリプトを勧める。Webページでの文字化けを回避可能で、Unicode文字実体参照により難しい漢字のほとんどすべてをWeb上で表示できる。(特にその3がお勧めだ。ただし、Mana2エディタでの使用を前提にしているので、その他のエディタの場合、それがVBスクリプト、WSH等に対応していれば、入出力部分だけ変更することで使えるかもしれない。)この機会に、MS-Wordで使えそうなVBAファイルを作ってみた。(ChrEntRef.bas)Word2003互換ファイルなら、セキュリティチェックによるエラーも少いはずだから、問題なく使えるだろう。
2011.3.14
下記の外字ファイル(H.K.氏作成)で「阿」(&xF1B0;)から「越(を)」(&xF870;)、及び漢文用略字(「より」「とき」「とも」)(&xF890;〜&xF8B0;)の変体仮名フォントをダウンロードできる。「.tte」(TTEditで作成したフォントファイル)を「外字エディタ」からそれぞれ例えば「MS 明朝・MS P明朝」「MS ゴシック・MS Pゴシック」とリンクさせ、かなを入力して変換するとフォントが表示される。便利で、きれいなフォントだ。ただし、フォントをインストールしなければ見ることはむろんできない。「文字実体参照」にしたところが、ユニコードのものでなければしょせん同じことだが。計画停電で電気が切れる前にちょっとメモしておいた。
Koin変体仮名外字明朝(フリー版)
Koin変体仮名外字ゴシック(フリー版) (http://www10.plala.or.jp/koin/koinhentaigana.html) 2011.2.19
Install中にOfficeXPのCDを要求され、「○×△.msiが見当たらない」とクレームをつけられ、何度か立往生した。これは、InstallCDが日本語を認識できないために起こる問題であるらしい。「Office XP 多言語修正プログラムをインストールするには」(http://office.microsoft.com/ja-jp/help/HA001088915.aspx?CTT=5&origin=HA001231876)に従って「Office XP 多言語修正プログラムのダウンロード」を行なえば解消する。CDを入れてもインストールできなかったのが、簡単にできた。
「漢文エディタ」で肝心要のMS-Wordへの書き出しが、このところできなくなっている。OfficeAutomationのうち、Wordの「検索」を実行する際にExcelが強制終了してしまう。これまでフツーにできていたことが、ある時から急にできなくなってしまう。VBAはそんなとき、ただのおもちゃに過ぎなくなる。おもちゃに頼っているわが発明品は、危殆に瀕してしまうのである。ServicePack3をインストールしたら、いちおう変換するようになったが、「.MatchAllWordFormsと .MatchSoundsLike = Falseと .MatchWildcards と.MatchFuzzyを同時にTrueにすることはできません。」とクレームをつけてくる。(MatchWildcardsだけをTrueにしているのに。)しかたがないから、すべてFalseで何とか形にする。まだExcel, Wordにもバグが残っているのだろう。Taiju氏もそそくさと「修正プログラム」をUpLoadすることにした。(kanbun_el_20110219.lzh, kanbun_20110219.lzh−どちらも圧縮ファイル)
2011.1.8
2010年はここに記事を載せなかったらしい。それだけ高校教育に専念していたということか(呵呵)。今年、久々に「公事根源」を入力し、難しい文字は文字実体参照ではなく、Mana2で「UTF-8」モードにして直接入力し、HTMLのMETAタグにも「UTF-8」を指定した。(このProgressはShift-JISのまま。)
そこで《新たな発見》をしたのである。作成したHTMLファイルをブラウザで(=IE8−いまだにXPの環境ゆえ。FireFoxはのろくて止めた。ただし、ルビタグなどは両様に施してある)、かつ〈縦書き〉で表示してみた。すると莫驚「「光圀卿」は「「光圀卿《」と結尾で伝家の印籠を振り回し、「原文不明」は「原文上明」というわけでなぜか判明してしまい、「大納言」様におかれては「大紊言」問題に苦慮されるありさま。大慌てでエディタの文字コードを再三変換したら、収拾のつかない事態になった。この種の問題に対して格闘する気力が最近はないので、さっそくネットに頼る。起動のたびに「既定検索プロバイダ設定が破損しています。」と表示を繰り返しては何が何でもLive Searchに設定し直すIEを倦きずに立ち上げて、検索ウィンドウからGoogleに指定し直し、さて「文字化け ユニコード」と入力して調べてみると、出て来た。
ユニコードでソースを入力したときに文字化けする字
ブラウザの誤認識によりユニコードの末尾2桁の0Dが0Aに置き換えられるための現象だという。なるほど、上記の面々が一覧表に載っている。(「ほかにも索の字が…」と書いてあるWEBページもあったが、これは文字化けしていない。)なぜそういうことが起こるのか、改行コードの変換と関係がありそうだが、ちょっと調べたぐらいでは分からない。そこで応急処置的に次のスクリプトを作ってエディタで変換した。(これを「**.vbs」として保存し、Mana2エディタで実行する。)完全なものではないが、実用上の問題はほとんどないだろう。すでに「上」に置き換わってしまった文字は、個々に検索しては手作業で置換を繰り返した。余計な手間だが、「ユニコード移行期」(なんでUTF-16にしないんだ?)の現在はしかたのない作業か。なお、このスクリプトは「to_unicode_entity_reference.vbs」とものものしく名前を付けて例のスクリプトの物置きに蔵っておくことにした。
tStr = Editor.GetText tStr = Replace(tStr, "」", "」") tStr = Replace(tStr, "不", "不") tStr = Replace(tStr, "伍", "伍") tStr = Replace(tStr, "倍", "倍") tStr = Replace(tStr, "匍", "匍") tStr = Replace(tStr, "名", "名") tStr = Replace(tStr, "圍", "圍") tStr = Replace(tStr, "對", "對") tStr = Replace(tStr, "弍", "弍") tStr = Replace(tStr, "愍", "愍") tStr = Replace(tStr, "戍", "戍") tStr = Replace(tStr, "損", "損") tStr = Replace(tStr, "服", "服") tStr = Replace(tStr, "植", "植") tStr = Replace(tStr, "甍", "甍") tStr = Replace(tStr, "瘍", "瘍") tStr = Replace(tStr, "稍", "稍") tStr = Replace(tStr, "納", "納") tStr = Replace(tStr, "舍", "舍") tStr = Replace(tStr, "萍", "萍") tStr = Replace(tStr, "蜍", "蜍") tStr = Replace(tStr, "蠍", "蠍") tStr = Replace(tStr, "贍", "贍") tStr = Replace(tStr, "逍", "逍") tStr = Replace(tStr, "鈍", "鈍") tStr = Replace(tStr, "霍", "霍") tStr = Replace(tStr, "鰍", "鰍") tStr = Replace(tStr, "懶", "懶") tStr = Replace(tStr, "−", "-") tStr = Replace(tStr, "i", "㌍") Editor.SetText(tStr)
なお、全文をUnicode文字参照に変換する「手」もある。Taiju製《unicode_entity_reference_2.vbs》によって一気に変換できる。(ただし、Mana2限定。上記スクリプトを見れば分かるように、データの入出力が明快でよい。)このソースコードの表示も、<PRE>タグで囲んだはずが、ブラウザが勝手に文字に変換してしまうので、このスクリプトで「文字実体参照」に変換して表示している次第だ。
2009.8.1
Explorerは、ときどきとても使いにくいと感じる。「高性能な」ファイラーを探していたら、「Ariadne」というMS-DOSの時代のFDに似せたファイラを見つけた。2003年以来更新されていないものだが、ちょっと使ってみた感じがFDそっくりである。その上、マウス操作にも対応している。ダブルクリックで画像を見ることもできる。これは便利なものを見つけたと思った。
ついでに、Taiju氏が現在なお愛用しているエディタは「Mana2」である。文字の入出力の書式を覚えて以降、VBスクリプトで入力の省力化を行なっている。メニューもすっきりしている。(ヘルプの文章とアイコンはコメントしない。)ユニコード対応だが、ユニコードでだけ表示できる文字はTaiju謹製スクリプトで10進文字実体参照に変換して、全体はShift-JISで入力している。(あれこれ思い出すことばかりだが、今昔文字鏡のHPでかつて無料頒布していた「文字鏡CharacterMap」が今日入手できないのは残念だ。ただし、ATOKなどのIMEの「文字パレット」で漢字を選択し、上述のスクリプトで文字実体参照に変換できる。)
だらだら話のついでに、ランチャは「ぷちらんちゃ」であり、Windows3.1時代のZooランチャにそっくりで、こういうものが現在でも使いやすい。凝ったものは油こい食べ物のようなもので、長続きしない。
2009.5.6
Word VBAの参考書は、日本語のものはほとんど数えるほどしか発売されていないが、Amazonでは英語・ドイツ語等の参考書を数十冊掲載している。Taiju氏は乏しい英語力でDrizaのWord2003 VBAの参考書をとぼとぼと読んでいるが、最近、このAmzaonの集書状況に気づいてそのあまりの多さに一驚を喫した次第だ。そのうち、日本語の参考書も続々出て来ることになるのだろうか。風はいつも海の向こうから吹いてくるのだ。
2009.3.30
陶淵明「責子」の「但覓梨與栗」の「梨」と「栗」とは共にliの音で、四声が異なるのであるらしい。李もさらにこれらと異なるようだ。季節から組み合わせ、かたや語呂合わせで並べたものか。ひょっとして「梨」と「栗」の発音の区別がつけられず、「但だ梨を覓むれども栗を與ふるのみ。」とか? もっとも対偶が「不知六與七」だから語法的に揃えるはずだし、「與」の読み方・意味ともそろっていることだろう。 古い本を入力していると、句読点の取り扱いが今日とは異なることに気づく。カギ付きやカッコ書きの文章の外に句点があったり、読点で挾んであったりする。また、一連の文は読点で区切り、内容が改まった時に句点で区切るということもよくある。今日では「一文は句点で区切る。」というのが常識だが、昔は必ずしもセンテンスの分節記号(区切り文字・デリミタ)ではなかったようだ。これを尊重して入力すると、表記の歴史について面白い資料ができそうだが、現代表記の「常識」に引っ張られて、どうも現代風に改めてしまう。「Taiju's Notebookの電子テキストは、要は読めればよい、かく緩やかな方針によっているため、利用者はその点ご了解下さい。(文字のチェックはなるべく注意して行っているつもりです)。」←こういうのを、⇒。に、)。⇒。)に直すことが多い。
段落の一字下げをするかしないかも、句読点の使い分けの方針と似通っている場合がある。
その他、鈎括弧の下方しか使わない例など。
次のソフトでVideo TS、Audio TSまでを作成し、DVD Shrink経由でDVD Decrypterによって書き込む方法もある。ただし、一々ISOファイルを作成してから書き込むのでスペースが2倍必要であり、合理的ではない。Free DVD Burnerとセットになっているが、これはうまく働いてくれない。
2009.3.8
旧字体の活字に近い表示をするフォントを見つけた。下のものがそれである。「鴎」の表示も「區+鳥」になる。「蝉」は「虫+單」で表示されるほか、「倶」「録」「祐」「琢」「徴」等の表示もできる。中国語フォント(MinLiU,SimSun,SimHei)、韓国語フォント(Gulim,Gungsuh)、同対応フォント(Batang,Dotum)などでも表示できる場合があるが、できないものもある。Habian, meiryo, QANO明朝, XANO明朝, 和田研フォント等では表示できなかった。
MPEGファイル(DVD NTSC)をISOファイルにまとめ、DVDに焼き込むのが簡単でよい。TVで再生できる。
2008.12.28
MPGからDVD-Videoを作る一つの方法。
FlashファイルをFlashPlayerExでダウンロードし、次のソフトでswf, flvをaviに変換する。avi → mpegの変換にはTMPGEncを使用。
各種圧縮ファイルをwavファイルに変換する。
2008.11.21
VobEditを介さずにVOBファイルを直接AVIやDVD用MPEGファイル(NTSC, PAL)に変換できるフリーのコンバータを発見した。MP3等への変換も可能である。入力フォーマットも多彩であるらしい。MPEG2などもAVIに変換した。
2008.11.13
音楽ファイルの音量出力を揃えたり、無音部分を削除したりの操作が直感的に行えるフリーソフト。
ヨーロッパのポップスにこの夏・秋は凝った。リズミカルで、健康な歌の調子が快い。Arabesque, Sandra, Dj Bobo, Dschinghis Khanなど。いい歳をして…というところだが、おもしろいものはおもしろい。こんなくそ地味なHPを続けながらも実は陽気なTaiju氏は、ArabequeのBilly's barbecueやDj BoboのChihuahua(チワワ)など、小学生と一緒になって浮かれる心の持ち主なのだ。 SandraのForeverもいい。これのvideo clipを昔、どこかの会社のコマーシャルで見た気がする。バラードだそうだが、彼女のFootprintsやThe Way I amなどと共に好きな曲である。 全く違うものながら、Celtic Women, Moya, Enya等も、ああこういうのもいいなと思わせる。Scottish fiddlerやGaelic language等、Taijuさんは多少の興味を持つようになった。暗く澱んだ日本人の顔よりも、彼らの顔皃は素敵に見える。
ワープロはMS-Word2003を愛用しているが、エディタでのいち押しはこのフリーソフトである。(画像は下を参照。)古典に頻出する難解な文字を相当程度まで表示でき、入力にストレスを感じさせない。(もっともhtmlにする際には、難解字は文字実体参照(エンティティ参照)の形で処理するしかないのだが。)何よりも、VB-Scriptをメニュー体系の中から使えるので、Taiju's Notebookの各種ファイルはここ数年ほとんどこれで入力している。Manaは「真魚」という文字を当てるらしいが、いろいろ力(mana)を感じさせるエディタでもある。私はこれに「NFモトヤアポロ1」のフォント(13pt)を表示させて使っている。
2008.8.9
AVIファイルから映像DVDを作成する。Drag&Dropで操作可能。(個人用途で使用。)
AVIファイルからWAVファイルを抽出。
WAVファイルから音楽CD(CD-DA)を作成。
日本のフリーソフトでもいくつか試してみたが、エラーが多かった。これは文句一つ言わず、すぐに作成してくれる。
画像へのリンク(FireFox用)— 続 — :
■ 傍点(四角) ■ 傍点(白抜き四角) ■ 圏点(一重丸) ■ 傍点(×印) ■ 傍点(三角) ■ 傍点(白抜き三角) ■ 傍点(黒丸) ■ 傍点(逆三角) ■ 傍点(白抜き逆三角) 2008.8.1
フリーソフトですぐれたものがある。次の組み合わせが目下のベストである。(個人用途で使用。)
2008.5.3
あるHPにHTMLでの傍点の表示の例が載っていた。それによれば、文字の体裁に合わせて傍点なり圏点なりの画像を作成し、背景を透明にした(といってもうまく表示できないようだが)png画像を用意しておく。そして、表示を固定しておき、spanタグの背景としてX軸方向(タテ書きHTMLならY軸方向
になるのだろうか?)に表示を繰り返せばよいということであるらしい。これをもとにmake-template_TJ.vbsで作成したHP用テンプレー
ト用に色と大きさを合わせて作ったのが「」「」「」である(IEで実際の画像が表示できる)。そして、ヘッダのスタイル・シート指定で、以下のように指定した。
span.▼ { font-style:normal;
padding-top:12px; background-image: url("./graphic/dot1.png"); background-repeat: repeat-x … なぜかここにセミコロンを置くと、表示が機能しなくなる。 background-attachment: fixed; background-position: top left;} span.▽ { font-style:normal; padding-top:12px; background-image: url("./graphic/dot2.png"); background-repeat: repeat-x background-attachment: fixed; background-position: top left;} このように指定することで、傍点個所や圏点個所のような表示ができる。(IEで見る。FireFoxでも傍点は問題なく表示できるようだ。ここではこのファイルの文字色と背景色に合わせて画像の色を調整してある。)表示の実例は、近くアップロードする予定の山路愛山『漢學大意』で参照してほしい。 2008.3.15
あるHPに「(?:(?!foo).)*」の例が載っていたが、最後が「*」だと空白文字もヒットしてしまう。また「*」を「+」に直しただけでは、
「foo」の「oo」が次にヒットしてしまう。理屈としてはそれでよくとも、実際の処理では困る場合も出て来ることだろう。これを防ぐには、「
2008.3.3
源氏物語のダイジェストとして有名なものだそうだ。雄山閣文庫を入手し、ぽつぽつ打ち込んでいたが、浮舟の登場するところで本文が途切れてしまった。古典
文学事典にも詳しいことが書いてなかったので、校註日本文学大系を買って見てみたらちゃんと夢浮橋と北村湖春の跋文まである。妙な継ぎ足しファイルになっ
てしまったが、本文にそれほどの差は無いようにも見え、こだわらずにUPした。一つできると、今度は野々口立圃の十帖源氏やおさな源氏も活字にしてみたい
なと思ったりしたが、時間のある時にやってみようと思う。翻刻本がなかなか手に入らず、続日本歌学全書などは「日本の古本屋」のリストからきれいに無く
なっていたりして、妙に選んで買い溜めたりするコレクターがいるのではないかと思ったりするが、まあ手に入ったものでやるしかないのが貧乏庶民の暮らし向
きというもの。手に余るものはやらなければいいだけだ。
話のついでに、グーテンベルクプロジェクトなど外国のE-Textはやはり凄い。この間、不思議の国のアリスやら何やら、大学時代に読んだ本をおとしてき
て、Taiju製GREPで単語用例リストを出してみたが、いろいろ拾えるものだ。ALCの辞書も凄いが、やはり実際の文章から用例を拾うのが分かりやす
い。日本古典についても、この種の操作はもう十分可能になってきているはずだ。問題は、地道にこつこつと努めることである。Taijuさんもこのところ少
々怠けすぎた。
2007.10.3
子どもが携帯で「脳内メーカー」を楽しんでいたので、自分の名前も打ち込んでもらった。その時は皮が「休」で餡が「遊」だったので、妙に当たっていると頷 いていたが、今月もう1回、パソコンから探してトライしてみたら、右の結果になった。「休」と「遊」の2字で自己を語ろうとしたもくろみは外れたが、これ もおもしろかったので載せておく。TVで某総理候補が宣伝していたと聞いたが、こいつと同程度にはされたくない感じもするが、2007年の記録の一つとし て残しておく。ちなみに、妻の結果も並べておく。どちらがどちらのかは見た人の判断だ。 2007.8.21
金がなくて古書も買えないのに、目録なぞ作っている。東京都中央区立図書館が8月から昭和40年以前の図書の館外貸し出しを停止した。書籍が古くなればし
かたがないが、ここの貸し出し制度が東京都の図書館の中でも私なぞにはとてもありがたく、電車で30分迂回しても時々借りに行っていたのだった。貧乏人の
渡世はいろいろな意味でますます厳しくなる。古書店の目録は、一様に高値なのだ。まあ、できる範囲で読み書きすればよいわけである。偉そうに嘆くほど本を
読むわけでもなし。ところでこの目録は現物に当たったわけではない。図書館で確認するには、今年の夏は暑すぎるし、からだがだるすぎる。高校程度の教員は
とかく時間の拘束が大きすぎる。誰か代わりにやってくれ。(猛暑ゆえ聊か短気。)
2007.3.25
文庫版の同全集の端本を、以前からたまに購入していた。ずいぶん変わった本ばかりだと感じていたが、編者の正宗敦夫が正宗白鳥の弟だということだけは知っ
ていた。奇特な人だと思っていた。目録のようなものはないかとWEBで検索したが、それらしいものはなく、現物も持っていないのだが目録の第1版くらいは
作ってみようかと思った。同様の感じは、群書類従(正・続・続々・新校の各版)や群書解題、改定史籍集覧などについても持っている。(WEBで見たのだ
が、昨年9月、続群書類従完成会が
倒産したという。街並みの様相さえずいぶん悪く変わった、本当にひどい「再編」続きの時期であった。便利な「出版目録」が無料でもらえたそうだ。そういう
ものを翻字してWEBに出す人はいないのだろうか。)古典全集については、なぜ赤い本と白い本とがあるのだろうという素朴な疑問から、吉崎志保子『正宗敦夫の世界』を
図書館から借りて調べてみた。この目録は同書の「著作目録」が年譜形式になっているのを、必要な個所を抜き書きしたものをもとにしている。若干の誤植を改
めたほか、WEBで補充できる項目は補充した。目録については、現物に当たれる限りは当たって正確を期するのが本来だが、それはそういう環境にある人がや
ればいいとも感じている。もちろん、自分で分かる範囲は訂正していくこともあるだろう。「インターネット高羽五郎計画」というものも見たことがあるが
(「うわづら文庫」のことか)、世の中には奇特な人がたまにいるものだ。高羽五郎のガリ版刷り切支丹文献などは、国会図書館で見たことがある。いかにも几帳面な文字で、ローマ字を並べてあった。正宗敦夫も、相当量の文献を「筆写」したらしい。
吉崎氏の評伝中、日本古典全集の項目を見ると、面白いことがいくつか書いてあった。企画立案は与謝野寛(鉄幹)とのことで、与謝野夫妻と正宗敦夫連名の赤
表紙本がまず出たのである。予想外の売れ行きで、与謝野家の荻窪の家はこの印税収入によるものもあったらしい。(この辺はそちらの評伝に付加情報があるこ
とだろう。)二年後に株式会社としたところから、事業は難航したようで、三年を過ぎたあたりからは正宗敦夫の単独編集となり、既刊七十冊あまりに継続する
形で十五年ほどかけて266冊までの一大叢書にしたのだという。白表紙本はその推移と連動しているのかどうかは、現物に当たらなければ分からないだろう。
また、当初の刊行意図なども、広告文等を確認しないと分からないことは多いだろう。しかし、評伝作者のいうとおり、後半は稀覯書の翻字・複製事業のように
見える。それぞれの分野での基本図書であるらしく、岩波書店の『日本古典文学大事典』はそのほとんどを独立項目に立てている。これを継続購入している読者
層があったということが一つの驚異である。また、これが円本ブームの下地をつくり、岩波文庫の刊行に刺戟を与えたのいうなら、もっと注目されてしかるべき
出版事業ではなかろうか。教育再生なんたらの呼号は昨今まことにはなやかだが、伝統の再生なぞおちょぼ口でいってみてもそう簡単に事が運ぶとは思われな
い。やたら声のでかい奴ばかり多くて、数年前に「改革」したことの総括さえきちんとやろうというまじめな人はどれだけいるのかと疑われる。ほかに、将来の
土台づくりのためにやるべきことがいくらでもあるだろうに。◇赤白の他、黒表紙本や中型本(これも表紙の種類があるらしい)があることに気づいた。やは
り、細かいことは実際に調べてみないと分からない。しかし、中型本などは古書の値段も相当なもので、おいそれと収集するわけにはいかない。(それだけの気
力と資力はたぶんない。)せいぜい図書館で確認できるもので改訂していくことになるか。(3.26追記)
2007.1.27
拡張新JISコード(JIS X 0213、またはJIS2004)は、Windows Vista搭載のMeiryoフォント以外にも、MS
ゴシック(MS Pゴシック、MS UI Gothic、MS 明朝、MS
P明朝の新5書体(Ver.5)において適用され、Meiryo以外はXPパソコン向けにも提供されるということだ。ダウンロードについて下記のように説
明されているが、同社HP(http://support.microsoft.com/kb/927488/ja)によれば、現在まだ準備中のようであ
る。(〔追記〕 2.8には、XP対応の書体がダウンロードできるようになった。http://www.microsoft.com/japan/windows/products/windowsvista/jp_font/jis04/default.mspx)一覧表(JIS2004_Windows_Vista_PDF.zip中のもの)を見ると、古文・漢文の文字・記号類が載っている。「(309F)」「(303D)」「(30FF)」「(303B)」などがそれだ。Microsoftの移行シナリオには、次のように書いてある。
MSゴシック・MS明朝Version 5.0はJIS2004フォント環境として国語施策、および新人名用漢字の対応など法令にも合致し、将来に渡ってご利用を推奨できるフォントです。MSゴ シック・MS明朝Version 5.0はWindows Vistaのシステム デフォルト フォントで、同じフォントをWindows XPとWindows Server 2003にMicrosoft Updateの「追加インストール」(Microsoft Updateサイトで「カスタム」を選択し、左のメニュー ペインの「追加選択(ソフトウェア)」をクリックして「追加で選択できるソフトウェア更新プログラム」のリストを表示)から無償で入手可能です。MSゴ シック・MS明朝Version 5.0のパッケージはJIS2004対応フォントをインストールしますがUniscribeとGDIのモジュールは含まれません。このため文字表示や印刷 などでいくつか問題が起こることが確認されています。(「JIS2004移行シナリオWhitePaper」 同zipファイル中のもの)返り点等の訓読記号は見当たらないと思っていたが、3190-319Fの列にハイフン、レ点、一〜四点、上中下点、甲〜丙点、天地人点があった(http://www.unicode.org/charts/PDF/U3190.pdf)。これをどのように活用するかを考えていきたい。変体仮名(http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/kanji/kana.htmやWikipedia「変体仮名」の項を参照)のコード化やデザインについても、その可能性が考えられるだろうか。 2007.1.14
昨
年は個人的に碌な年でなかったが、漢文エディタとXMLエディタ(MiniXML)はわずかな余暇を使って少しずつ改良を重ねてきた。電子テキストの方が
だいぶお留守になってしまったが、漢文の入力に関しては自ら竊かにこの入力手段に期しているものがあるのだ。14版では、WordPadを呼び出すことで
ユニコードベースのHTMLを作成し、IEの縦書き機能により、ともかくもテキストファイルのまま訓読漢文らしい表示を実現することに成功した。
NotePadをWordPadに代えただけなのだから芸のない方法ともいえるが、順次工夫していってようやくここまで辿り着いたわけである。VBAの
コードも最近は自分で工夫して解決するものが多くなってきた。2年目に入って、まずまず慣れてきたということか。ユニコードを表示できるエディタなら
(EmEditor
Free等)、もっと簡単に処理できるかもしれない。長文の場合にIEの表示がどうなるかはまだ確かめていないが、現在のところ、このブラウザの表示が最
も訓点らしく見える。縦書きブラウザを探していたとき、TeXの表示が(PDFにも書き出し可能で)最も印刷の体裁に近いということがどこかに書いてあっ
た。Win3.1の頃から、時々興味を持ちながら、インストールやdviによる表示までの道のりが余りに面倒で、足が遠のいていたが(それでも縦書き
LaTeXの参考書やLaTeX2eのパッケージなどには手を出していた)、この際もう一度やってみようかと思い、HPを見てみて驚いた。面倒なところが
すっかり解消されているように見えたのである。(TeXインストーラ3 http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~abenori
/mycreate/index.htmlを参照。)シリウス先生(http://web.hpt.jp/m627x32/latex/02.htm)の
指示に従ってインストール作業を続け、そこに書いてあったEasyTeX(http://www.juen.ac.jp/math/nakagawa
/texguide.html#easytex)を使ってみた。残念ながらユニコード対応ではないが、指示どおりコンパイル→DVIの2段階の操作できれ
いに表示ができたのだ。簡単になった、と思った。自分のエクセルフォームで「それらしい」タグを打ち出せるなら、表示は不可能ではないと考えられただけで
も、これは発見だったと思う。(もちろんTeXも含めてスクリプト初心者の私には、まだ先の長い道のりだ。)
12日の新聞で不二屋の問題が報じられていた。全面営業休止だという。子ど
もの頃から親しんできた(といっても店の前を素通りする程度の親しみ方しかなかったが)世代の人間としては、ショッキングな出来事である。2003年頃か
ら毎年赤字だったのだという。そういえば、平成の世の中は確実に昭和を切り捨てて変貌してきたような感じがある。長い不況に揺さぶられ、職場も街も統廃合
の嵐で、よほど親しみ薄い外観になってきた。寒空の下でペコちゃんが新年の晴れ着をまとっていたり、晴れた日にピクニックバスケットや千歳飴をぶら下げて
いたりした馴染みの光景が消えてしまうのは惜しいと思う。個人的にはポコちゃんが折り紙の甲を被っている絵柄やペコちゃんの昆虫採集などの絵柄のついたお
菓子も懐かしい。しかし、ずいぶん町並みは変わった。この間久しぶりに有楽町を歩いたときなど、ここは上海かどこかの一角なのかと感じたほどだ。歴史に無
知な人間のこととて、教科書程度の知識によりすがってのことに過ぎないが、なにか東アジアの植民地の商業都市といった感触が、実に膚におぞましく実感され
たというしかない。どこの植民都市か? 「インド人があなたの上司になる日」という雑誌のタイトルが目を打つハイテク革命の今日である。丸の内の不二屋レ
ストランがずいぶん前に店を閉め、幕張本郷の不二屋も英会話かなにかになってしまった。全国に900店舗だそうだ。私の住む町の駅には西友がある。私と同
い年だ。それもずいぶん前から24時間営業のコンビニのようになってやっと営業を続けているように見えるのは僻目か。便利になったなどという感慨は全く無
い。ただひとえに寂しい光景である。だから決めた。私はジュラシックでもなんでも、Mozillaを使い、電子テキストを通して、年をとってからすごくい
い仕事になるようなこの零細ページを続けようと。(なぜMozillaかって? Mosaic &
"Gozilla"だからさ。)◇3.23頃、営業再会と報道あり。
2006.5.2
漢文エディタ_5(改良版)で、縦書きへの変換部分の不具合等を改めた。実際に漢文を入力しながら、少しずつ手直しをしている。注釈類の種類を明示しなが
ら小文字に変換するところなどは、だいぶ使い勝手がよくなった。第7版では動かない機種があるようで、こちらならまだしも動くのではないかと思っている。
下記8.の参考書にもワイルドカードを使った置換の例があり参考になるが、このエディタで工夫した一括置換の方法も便利なものである。
8. 西上原裕明『Wordで実践 やさしくて役に立つ「マクロ」事例集』(技術評論社 2006.3.10)
TEIの催物が京都で開かれるという案内を下さった人がある。
http://coe21.zinbun.kyoto-u.ac.jp/tei-day/tei-day2006.html.ja (of which I was informed by Christian Wittern, whose name I had already heard on the WWW in 1997.) Taijuのページには、傍点用のタグや人名・書名・年号等のタグ付けにTEIのマークアップを参考にさせていただいたところがある。けれども、厳密な電 子的書誌記述はとうてい分かるものではないとあきらめ、今ではこれらのタグや文字実体参照の恩恵にのみ浴している有様だ。個人的に関心を持った過去のテキ ストをぽつぽつとアップロードし続けていく以外、Taijuのやることはあまりないようである。それでも、一度我流に「電子的書誌記述」として個人の制作 物でも有用なものがあるかどうか、どこかで整理してみたいような気がした。 2006.2.18
「EM Editor Free」と「xyzzy」でユニコード文字の表示ができた。他にもあるかもしれない。古典のテキストを打ち込むには便利である。
ま た、「EB Tag」でplain Textに変換すると、これらをタグ表示してくれる。どれも使い勝手がよい。〔追加〕QXエディタで開き直すと、同じくタグ表示してくれる。エディタ自体 の使い勝手は、私の場合はQXが一番楽である。QXでどうしても表示できない文字は、EM Editor Freeで打ち込んでいる。それは「文字鏡CharacterMap」で検索し、該当文字を右クリックして「形式を選択してコピー」メニューから「ユニ コードテキスト」やそれでもなお駄目なら「GIF画像URL(96dot)」(48ptで表示)のサブメニューをクリックし、クリップボードにコピーして 貼り付けるのだ。(3.18) 2006.2.15
VBAでカード型インターフェイスを作れるようになり、興味が湧いた。しかし、WordのVBAに関する参考書のピークは1997-2000年頃までであったらしい。現時点で参考書を手に入れることは困難だった。 WEBから「WORD VBA」の解説を見つけた。 http://kansai.anesth.or.jp/gijutu/man-gijutsu/main.doc ※下記は、インターネットで検索した「WORD VBA」関連書籍と雑誌(MOOK)記事。現在、ほとんど手に入らない。それでも、リストだけは挙げてお く。もっとも、マクロ記録である程度は書けそうだ。管見に入った限りでは、1,2,5,6などそれぞれ便利そうである。特に5の230ページ余りの解説は 丁寧だ。5,7のほとんどはリファレンスである。 なお、Taiju謹製「漢文エディタ」の訓点記号・注釈や書誌のWord表示は、正規表現の取り扱いなどWEBで教わったものなどももちろんあるが、場面に合わせてわりあい使い勝手を工夫している、と自画自賛的に付け加えておきたい。 Vi(仮
称)大学の電子テキストは日本文学のテキストが収載されている。昨年、Taijuのテキストを大学のアーカイブズに載せてよいかという旨の照会が来たので
いつものように承諾したが、自己紹介の中でこちらが高校教員だと伝えたら、とたんに返事をよこさなくなった。ここの司書は日本人である。妙な感じがしたと
いうか、かなりムッとしたが、事更めてメールで問い合わせるのも愚かなことと思い、そのままに打ち遣っている。一昨年のColletとかいうパリの古本屋
も、傘松道詠の本文データを参照したいというので手伝ったことがあった。できあがったら本を寄贈するといってきたがフランス語はちんぷんかんぷんなので、
無事出版にこぎつけたら目次のコピーだけ送ってくれとこちらでずいぶん遠慮したのだったが、今もってうんでもなければすんでもない。どうも今のところ、
classicな日本人であるらしいTaiju氏は"外国人"との国際交流が苦手なもようである。 2004.2.27
国
会図書館に行く機会も最近は少ないが、先週、伊藤東涯『操觚字訣』のことを調べたついでに漢語文典叢書(6巻・別巻1 吉川幸次郎他編 汲古書院
1979-80)というものがあることを知った。漢語文典の影印叢書である。ここには北条霞亭『助字辨』というものもあり、高く評価されていた。難しい漢
字があり、国会図書館のNDL-Opacでも確認できない部分があるので、確認した内容をここにリストアップしておく。(難字は例によりユニコード16進タグで示す。著名な人名は通称で表した。)なお、江連隆『漢文語法ハンドブック』(大修館書店 1997.6.20)でこの叢書を紹介し、本文の解説資料にも「操觚字訣」のほか「文語解」「訳文筌蹄」「訓訳示蒙」「助字詳解」等から説明を引用していた。
2004.2.5
相
馬御風『貞心と千代と蓮月』中、貞心尼の書簡に右の活字が頻出した。当時、前後の文脈から推量して「まゐらせ候」かと仮に読んで置いたが、その読み方だけ
で統一できるかどうか、文脈によって不安なところもあった。その後、何かで又見た時、それがたまたま岩波文庫でも出ているテキストだったので参照したとこ
ろ、そのまま印字してあり、読みを施していなかった。それからも、仮名のくずし字辞典によく似た形を見かけたことがあったが、確証は得なかった。今回、偶
然、高浜虚子『風流懺法』の中にその文字の話を見出した。案の如く「まいらせそろ」と読んでいる(右図)。雛妓が同い歳の小坊主に出した「難問」という設
定だが、これが女性の書簡文用語として固定していたので活字にもなっているのかと思われる。このささやかな発見も200億の大発明と比べれば霄壌の差だ
が、ともかくも自分には一つの収穫だった。
2003.11.24
<日本古典文学テキスト>は、依拠した版本の表記に従い、ほとんどが旧字体になっている。新字体に改めるのに便利なフリーソフトがあった。(Vector、又はDownload Niftyから。)
なお、変換後の文字一覧を調べるには、次のソフトが便利である。(Vectorから。) 2003.5.25
良寛の実弟橘(山本)由之の歌日記『山つと』『八重菊日記』を入力した。「禅師の君」良寛に関する記述がある。他家に寄食する生活の中でも高い矜恃の心を
持っている著者の姿が日記には強く表れている。文字文化を伝えてきた地方豪農層の意識というようなものを感じることができた。この中に出てくる「時子」と
いう人は歌の巧みな人であり、由之に高く評価されている。個性があり、王朝の歌日記を見るようで面白かった。同時に、貞心尼の歌は、同じく社交的な儀礼の
歌でもその内容がかなり異なるということに気づいた。貞心尼自身の歌集『もしほぐさ』を同時に入力していたが、こちらはむしろ蓮月尼の歌に近い。さらに内
省的な性格が強いと感じた。「良寛歌抄」は、吉野秀雄編『良寛歌集』より気に入った歌を抄出したものである。この機会に、「傘松道詠」は良寛歌と関連があ
ることや、どうやら橘由之が旅先から良寛に贈ったものであるらしいということを知ったので、それを例のコレ(Collet)氏にも伝えておいた。
2003.3.31
『古今集』の入力とともに、『深養父集』を新編国歌大観を参考にして入力した。全65首、うち別人の作を10首含むという(和歌文学大辞典・山岸徳平)。
または、54首は勅撰集に見られるが、11首は読人しらず、11首は他人詠で、「本集の約半数は深養父の詠とは考えられない。」ともいう(有吉保
編『和歌文学辞典』 桜楓社 1982.5.25)。この機会に和歌文学大辞典の勅撰作者部類等から補える限りで深養父の歌を集めてみた。日本歴史大辞典
(1985)によれば、深養父の歌は全部で74首が残っているという(南波浩)。ちなみに増補版の『深養父集』で歌番号の後に *
の記号を付けたもの(他の作者名を記す歌)9首、又 -
の記号を付けたもの(よみ人しらず)10首(うち古今和歌六帖で「深養父」とする歌2首)を除けば、残り68(70)首となる。なお、67番の歌は歌合の
記録自体に疑問があるという。また、76番の注には「古今和歌六帖」2048番の歌を挙げてあるが、これもあるいは深養父作か。収載歌集名の付記に際して
は「詠歌年代順による平安朝新編私家集」「千人万首」等のHPも参考にし、特に前者からは若干首と収録歌集名の多くを補うことができたが、反対にこちらで
加えられるものもいくつかあった。ただ、専門でないので「深養父集一類本」〜「三類本」の意味がよく分からなかった。「一類本」の番号は国歌大観の『深養
父集』のことか。また、「三類本」は「伝貫之筆部類名家集切」(新編国歌大観解題)のことと思われるが、それ以上のことは分からない。なお、伝行成筆枡色
紙が伝える29首、部類名家集切が伝える12首は共に『私家集大成』1所収という(和歌文学辞典)。「躬恒一類本」についても(この『躬恒集』については
日本古典文学大辞典に深養父の題詠歌を載せるというが)、国歌大観や校註国歌大系の『躬恒集』を見ても分からなかった。テキストの入力に際して文意の通ら
ないところは注記を加えた。深養父、および『深養父集』については岸上慎二『清少納言伝記攷』(畝傍書房 1943)、藤本一惠・木村初恵共著『深養父
集・小馬命婦集全釈』(私家集全釈叢書24 風間書房 1999.8)等に当たればもっと分かるようだが、そこまで調べていない。
2003.3.22
岩波文庫『道元禅師語録』(昭和15)に「傘松道詠」が収録されている。《リクエスト復刊》(編集著作権対策?)もあるが、初版が手に入ったので、国文東方仏教叢書のものと比較して語句のレベルで相違のあるものについて注記を増補し、入力者注記を多少削除した。
リンク依頼があり、ファイル<その1>が未完成だったので、それだけでも仕上げることにした。
三重県生活部文化振興チームとかいうところからリンクの依頼が来た。芭蕉伝絡みのことと思い、未完成の旨ことわって一応承諾したが、梨のつぶてで何の連
絡もなければリンクを張った様子もなかった。こちらは個人で更新しているサイトなのだから、よく確かめてから依頼してくればよいのにと、なんだか無意味な
ことに時間をとられた気がした。
項目を挙げておいて未完成なのは、もちろんこちらがよくないのである。そのため、せめて断り書きや符牒も付けてそのことを明示している。早く更新したいのは山々だが、仕事でインターネットに接続しているわけではない。 個人がリンクを申し込んでこられるとき、リンクを張る前にメールをくださる方がほとんどだ。もちろんリンクを張ってから了承を求めるのでも、また勝手に 張ってしまっても、私のサイトでとくにそのことを断っているわけではないので構わないのだが、メールの場合、ほんのちょっと気になるのが「リンク依頼」と 「リンクご依頼」との差違だ。公的機関からのメールには前者が多いような感じがする。それと「張っちゃった」式とがリンクしている場合もある。個人は、概 してゆとりを持って連絡があり、多くは丁寧なご依頼なので、かえってこちらが恐縮してしまうのが普通である。個人と組織とでは同じ人間でも変わって当たり 前という「常識」に居座ってしまうのがまた寂しい。 2003.3.2
前出 コレ(Collet)氏に尋ねられ、調べ物をした際に入力したもの。良寛の歌にも、『傘松道詠集』と関連する歌が多少あるようだ。(吉野秀雄『良寛歌集』)
最近使わせていただいているフリーソフト
1 RealSync http://www.forest.impress.co.jp/LIbrary/realsync.html フォルダの同期をとる。 2 Unicoder http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se252601.html ユニコードの文字参照を求める。 3 Mojikyo Character Map http://www.mojikyo.org/html/download/cmap.html 複雑な文字のユニコード文字参照を求める。 4 KWIC Finder http://rd.vector.co.jp/soft/dl/win95/util/se184313.html KWIC (前後文脈つき単語一覧:フリー版はテキストファイル対象) 2003.2.1
年
が明けて、フランスのムンダラン(moundarren)社のエルヴェ・コレ(Hervé
Collet)氏から、相馬御風『貞信と千代と蓮月』中の大田垣蓮月関係記事がいつ完成するのかという問い合わせがあり、それから蓮月の『海人の刈藻』と
御風著作中の翻刻部分を入力することになった。同氏は蓮月に関する本を近く出版するという。
同氏のメールにも相馬御風『貞信と千代と蓮月』という文字についてユニコー
ド・タグ(16進)を用いていた。これを使うことについては、中国の歴史・文学について網羅的に解説している「枕流亭」HPで詩人の伝記に関する記事など
の中に「ユニコード・タグのすすめ」(http://ww1.enjoy.ne.jp/~nagaichi/cOLumn01.html)があり、これに
よって初めて知った。便利なので、ぽつぽつ自分のページにも利用している。ただし、可読性を考えると、従来の組み合わせ参照法も並行するのがよいかと思
う。
2002.8.4
半年間、更新できなかった。HPに関連したメールも皆無の状況だったが、零細運営がともかくも続いている証拠だけアップできた。醇儒鳩巣もいうとおり、世事にかまけてという言訳は志の乏しいことを証明するに過ぎないらしい。
2002.2.24
日
々新しがりながら内実は反動にすぎぬかもしれないこの時代の寒風の中に、うららかな日の射す壺中天の一つも作れればというささやかな願いをもって、わが
ウェブサイトは細々と活動を続けている。身の回りでも「因循」な野心家達と「姑息」な陣笠連とがますます幅を利かせている。私は持ち前のひねくれ根性と不
勉強とのために、現代の流行書から殆ど学ばない。最近、イリイチ(Ivan Illich)の『コンヴィヴィアリティのための道具(Tools For
Conviviality)』(日本エディタスクール)を読んでいるが、その先見の明に驚き、こういう本はどれくらい話題にされているのか訝っている。この本に感銘を受けたフェルゼンシュタインという人がその思想の実践として最初のパソコンを作ったという(『インターネットが変える世界』岩波新書)のなら、パソコンにも「コンヴィヴィアリティのための道具」という一つの思想があるわけだ。イリイチの序文から、彼とフロム(Erich Fromm)とが友人であることを知った。フロム『悪について』は、(原題は「生と死の倫理学」というようなものではなかったか。)学生時代に英文で少し読んだことがあり、自分なりに強い刺戟を受けた。日本でも、これだけきちんと力強くものを分析し、理非正邪を解明して社会に向かって発言できるような人に活躍してもらえる場が多くなるといいのに。
カウンタは、1日平均100未満のペースで増えているようです。リンクは、もっぱら「日本古典文学」のページに限られているようです。感想を書いてもらう欄を消したためもあるのか、最近はメールもリンクの知らせもありません。
2001.4.4
「今日のオススメ」(4.3付・新着情報)に掲載されました。お世話になっています。
3 月29日に登録された時、カウンタは 7600 台後半?だったのが、30日頃に 7700、恐らく4月3日〜4日の間に 7800 から 9100 にまで一気に増えました。1日に何万もアクセスがあるようなページとは天地の差があるのはもちろんですが、1週間から10日で 100 アップの零細ページには一つの驚きです。検索サイトの広告力に感心しました。「オススメ」の文句を記念までに−「十六夜日記、方丈記、先哲叢談などの原文 の雰囲気を味わおう。」 2001.3.25
刊
行時の時代柄か、妙に「平民階級」に気配りをした文章ながら、「寛文文学」の古典復刻や仮名草子・教訓草子等の有用文学について詳しく述べたところなどは
面白く読めます。中にアストン『日本文学史』の引用があり、あまりの誤植の多さにこちらも同時に電子化を始めました(VOL.2参照)。原著
(1899.3.11)の再版本(タトル出版 1972)は、神保町で聞き回ったところ、今日絶版とのこと。その他、「明星」創刊号の巻頭論文(「アスト
ン氏の和歌論」)に『日本文学史』の抄訳があり、萩原延壽『サトウ日記抄』にアストンへの言及があるなどということが、川村氏の全訳本の後記に出ていま
す。私の電子テキストの方は、始めるほうが多く、終わるほうが少いので、これはなるべく進めます。福沢諭吉「瘠我慢の説」も近く電子化します。最後に、
「庭の訓」(伝・阿仏尼)は、テキストの形が様々で、まだ整理できていません。
2001.2.28
カ
タツムリの角の上で争うよりも更に瑣末な日々の生活圏での感想ながら、漠然と「時代閉塞の現状」を感じて、なんとしても電子化したいと急いで作ったもので
す。VOL.2 は別のプロバイダに置いてあるファイルなのですが、両方の更新履歴で宣伝しています。明治34年のテキストに拠って作っています。
2001.2.18
先
月来、「乳母の文」についてはいくつかメールを頂戴しており、テキストの見直しが必要かと思いました。注など、自分用のメモとして付け加えているもので、
軽く読み飛ばしていただいた方がいいかと思います。下記の TEI のように、TEI Lite (U5) 等の自分のメモについて御本家の Lou
Burnard
氏からリンクの照会をいただいた際も同様の思いをしました。貧しいサイトには折角の機会だし、メモとはいいながらそういい加減なものでもないつもりなので
冷汗三斗の思いは無視してお願いしました。わが古典を電子化するときは、専門家にはきっと耐え難いくらい肩の力を抜いています。入力ミスを極小にとどめる
べく注意を払うくらいの礼儀は弁えているつもりですが。
お世話になっています。(いずれもメールでご連絡いただいたもの。)
http://www.bashouan.com/psBashou_Link.htm
http://www.tei-c.org/Lite/U5-pref.html
市立学校内リンク。(公開予定?)
2001.1.7
定期的にアクセスがあるのに対して、自分のホームページがかなりぶっきらぼうで分かりにくいものであることを反省。トップページ(これがホームページの本義であるとか)に更新個所のメモを入れることにしました。
2000.9.17
こ
のページも3年経ち、先月 VOL.2 を SANNET で開きました。しかし、何かと進まず、相済みません。先日、TEI や XML
のことでメールを頂戴しました。目下、 XML
は大ブレイク中ですが、私の方はとうに流れについていけず、ほったらかしています。古典と近代の文学テキストのほうも、いろいろ手を広げてしまい、それぞ
れ遅々たる歩みです。涼しくなったら、もう少し加速もするかと思います。更新が遅れていますが、活動はしています。今、VOL.2
の方では渋江抽斎、VOL.1 では島津久基『紫式部』等々を手がけています。それから、天草本平家物語もほんの少しずつ&helLIp;。
2000.6.11
平家物語がなかなか捗らないままに、2ヶ月が過ぎた。短いものが先に出来上がるので、責め塞ぎという形になった。「竹取物語」の皮肉は痛烈なものがある。現代風の表現でいえば権力への反噬というところか。帝の扱いがやや微妙である。
2000.4.1
巻4だけで全体の4割弱を占める。なかなか終わらない。「なるべく急いで仕上げる。」と言ってみても、今日は誰も信じないだろう。
2000.2.29
既存のテキストも完成していないのに、節操もなく文学史周辺の参考書の入力を始めている。内田魯庵『芭蕉翁桃青伝』は簡潔で歯切れのよい文章である。但し、底本には誤植等が目立つ。前後の文脈から分かるものは一々断らずに改めた。
下記に新たにリンクしていただいた。お世話になっています。(2.25)
2000.2.12
ようやくファイルを更新できた。巻3の初めで、すでに清盛は姿を消している。
99.12.27
ようやく富士川の戦まで来た。人物名等、日本古典全書と照合しているが、異同が多い。
99.12.15
「雑
談」のスタイルで平家物語のダイジェスト版を作っているところが面白い。宣教師たちの日本史副読本兼会話文例集として作られたらしいが、抄録者不干ハビア
ン(不堪の僧の意なのか?)なる人物の要約は大変手際がよい。『駿台雑話』の入力を忘れたのではないが、これも並行していきたくなった。但し、巻1までで
140KB弱もある。タグのせいだが、いささか重かった。それでも、巻1に出てくる流人丹波康頼の『宝物集』に関心が持てたことはありがたい。
99.11.12
阿
仏尼の作という。実際の書簡というレベルを越えているような文章である。娘を苦労して養育した折の回想は、修辞に被われてはいても力強く訴えるものを持っ
ている。書簡体の作品は、自ら冗舌体になるのだろうか。これを読むと、身分制の框を除いて見れば歴史的距離を全く感じさせない、細かな生活の息づかいを実
感することができる。ただし、作者の想像力とその身分に応じた野心が凡庸な有りようでないのはもちろんである。読み足りないところや間違いがあるかと思
う。
次のHPにリンクしていただいた。
人文科学とインターネット(ScienceVillageのうち。松下浩文氏) http://www.sciencevillage.com/Humanity/ 99.10.19
『新勅撰集』について「かくれごと候はず。」というのは、世間の定評をいったものか。定家の撰でなければ「とりてみたくだにさぶらはざりしもの」というのが、高齢の尼御前の口吻を伝えている。
99.10.11
掛け金で板を留めただけの家というのは、実際どのようなものなのだろう。茶室のようなものを漠然とイメージしていたが、やはり誰かが言っていた日本最初期のプレハブ住宅なのだろうか。心なしか、「すみか」という言葉が目立つようだった。
99.10.5
歌
物語ないし日記文学として、その名だけは聞いていて作品がなかなか読めなかったので入力したが、実在の少将に関する書簡がかなりにナマの資料らしく、また
筆写の誤りもあるようで、参考書なしで入力したこの電子テキストにも相当量の誤りがあるかと思う。乞御判読。玉井幸助『多武峯少将物語・本文批判と解釈』
を見る機会があれば手直しをしたい。それにしても、これだけの書簡や歌を見ることのできる作者はどういう位置にいるのか。
『多武峯少将物語』に少将の歌が少いことから、『三十六人集』より入力した。本文は群書類従にもある。「多武峯少将物語」からは、世俗的には恵まれていない少将の歌才とその自負とがうかがわれ、阿仏尼とよく似ているような気がした。
「うたたねの記」は面白かった。「夜の鶴」は歌論だが、これも面白い。末尾に「谷の朽木」とあるが、鎌倉からの書簡なのだろうか。阿仏尼の作という「乳母のふみ」(作成中)も、「夜の鶴」と同じく書簡体に特徴がある。往来物とは違うのだろう。
99.9.27
「うたたねの記」に、阿仏尼が一度東下りをしたことを書いてあったが、今度それと重ねてみて面白いと思った。「うたたね」は、章段を整理中。
99.9.15
途
中で放り出していたものを、ようやく終えた。注解は、『中世日記紀行集』(〈新編日本古典文学全集〉48 小学館 1994.7.20)が出ているが、類
従のテキストより通解に意を用いている。私の電子テキストの方は段数なども深く考えずに区切っているので、ご注意願います。
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