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2001.4.2



いや、なんかね、毎度毎度同じこと言ってて申し訳ないんだが、このところの
忙しさは正気の沙汰とは思えぬ
。もうなんつーか死ぬ。or die。


で、骨良性嚢胞性病変の鑑別診断であるが、今までF、E、G、Nときて今日は
「O」の予定である。

そして、前回書いたことなのだが、「O」、つまりosteoblastomaと、ひとつ
飛ばして「A」、つまりAneurysmal bone cyst(ABC)とは、所見がよく似ている
ことがある(似てないこともある)のである。

つーわけで、ちょいと変則的であるが、今日はまずABCを先にやり、そして
osteoblastomaに戻って、で今日は終わるのである。(^^;
「M」、つまりmetaとmyelomaは明日回しじゃ。


それではABC、正式名称「動脈瘤様骨嚢腫」Aneurysmal bone cyst
ある。
これには結構はっきりした特徴があって、ひとつには膨張性である
いうこと、そしてもうひとつは発症年齢が30歳以下であるということで
ある。

また、MRIで内部にfluid-fluid levelが見られる。これはABCに完全に
特異的というわけではないが、少なくとも「特徴的」ではある。

なんだか、年齢的には先日の「N」、Nonossifying fibromaあたりとダブる
疾患であるっぽいな。
鑑別点は、恐らく「必ず膨張性」というあたりかもしれない。
また、もうひとつ、Nonossifying fibromaとの重要な鑑別点は、「通常痛み
を伴う」
ことである。あっちは無症状だからな。
骨端に出来ることもあって、そうなると、もしかしたらGCTとの鑑別も問題に
なるんじゃないかと思わんでもない。


と言うところを踏まえて、元に戻ってosteoblastoma骨芽細胞腫
ある。

骨芽細胞腫には2つのパターンがあって、うちひとつは、さっきのABCにそっくり
なのである。
つまり、X線でABCが疑われるなら、自動的に骨芽細胞腫も鑑別に挙がる
のである。

ちなみに、骨芽細胞腫が一番よく見られるのは椎体の後方成分であるらしい。
もっとも、そこにはABCも出来るんだがな。(^^;

なお、「椎体後方成分に出来る膨張性・溶骨性変化」といえば、ABC、骨芽細胞腫
ともうひとつ、結核を挙げておこう。脊椎カリエスというやつであるな。


今日はこんなところで許してくれ。(;_;)
明日は飛ばした「M」と、「S」ぐらいはいくかね。万が一仕事が忙しくなければ
「H」まで。


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