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2001.5.8



本日で、しばらく骨腫瘍はやり納めである。


というわけで昨日の続き、軟骨生成骨腫瘍なんであるが、まずは軟骨芽細胞腫
chondroblastoma
である。
これは例のFEGNOMASHICでやったんだが、おさらい+新しい知識をざっと書くと、
骨端にできる、好発は5〜25歳で男に多い、大腿骨・脛骨・上腕骨の近位部や
手根骨・足根骨に多い、痛みがある、硬化縁を伴う地図状の骨破壊像、腫瘍と
離れた部分に骨膜反応を生じることがある、MRIのT2強調像で比較的低信号、と
まあこんなもんか。


お次は軟骨粘液線維腫 chonromyxoid finbroma。その名の通り、軟骨と
粘液と繊維組織が全部見られると言うゴージャスな腫瘍である。
10〜30代に好発、膝関節周囲の長管骨や足の短管骨の骨幹端。分葉状で
硬化縁を伴い、時に骨の腫大、またより浸潤性の骨破壊像を呈し、骨外腫瘤を
形成することもある。


それでは軟骨生成骨腫瘍のハイライト、軟骨肉腫 chondrosarcomaである。
これは内部で更にいくつかに分かれるんである。

まずは一番多い中心性軟骨肉腫というやつ。30〜60代に好発。長管骨
の骨幹端や骨盤骨。分化度が高ければ典型的なemdosteal scallopingを伴う
地図状の骨破壊だが、悪性度が高いと蚕食性・浸潤性の骨破壊となり、石灰化が
ない事もある。

お次は末梢性軟骨肉腫。ほとんどが骨軟骨腫に続発した二次性のもの。
つーことは骨軟骨腫との鑑別が問題になるわけだが、軟骨帽の厚さが3cm以上
とか、石灰化に乏しい大きな軟部腫瘤があるとか、母骨床に破壊像があるとか、
石灰化が不整とかだと悪性の可能性が高い。

お次は骨膜性軟骨肉腫。骨表面にできる。長管骨骨幹部に好発。稀。

お次は淡明細胞型軟骨肉腫。組織がclear cellであるわけなのだな。
20〜30代に好発、長管骨の骨端、低悪性度で緩徐に発育するため、比較的
境界明瞭、軟骨芽細胞腫との鑑別が問題だが、発症年齢が高いのと骨幹端側への
浸潤傾向が強いのとMRIのT2強調像での信号がやや高いことで見分けれ、って
感じ。

お次は間葉性軟骨肉腫。骨外が比較的多い、通常の軟骨肉腫より若い
10〜20代に発生、頭蓋骨・肋骨・脊椎・骨盤骨に好発、転移が多く予後不良。

最後が脱分化型軟骨肉腫。軟骨肉腫の一部に脱分化巣を見るもので、
全軟骨肉腫の10%程度と微妙に多い。60歳前後に好発、大腿骨・上腕骨・
骨盤骨に好発。ふつーの軟骨肉腫に一部石灰化の乏しく浸潤傾向の強い部分が
混じる、ってのが画像の特徴。


本当はこのまま軟骨形成性軟部腫瘍もやってしまいたいんだが、眠いので
この辺で。

明日はそれをちゃちゃっと終わらせて、先日の予告通り、違うジャンルに突入
しようと思っているナリ。


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