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2001.5.29



前回、

次回はどうしよう。PNET、central neurocytoma、ganglioglioma辺りをさらうか。

と書いたので、そうする。


まずPNET。ピーネットと読むことが多い。Primitive Neuroectodermal
Tumorの略なんだそうだ。
こいつは、昔Medulloblastoma(髄芽腫)と呼ばれてたやつとか、ependymo-
blastoma、cerebral neuroblastoma、pineoblastoma、medulloepitheliomaとかの
総称らしいんである。

多くが子供に発生。5〜9歳が一番多い。成人は30%。小児脳腫瘍の25%を
占める一大勢力である。
場所は、PNETのうちMedulloblastomaは第四脳室や小脳虫部、cerebral neuro-
blastomaが大脳半球や側脳室に多いんだって。オズボーン(神経放射線診断学の
バイブルと言われる教科書「Diagnostic Neuroradiology」のこと。オズボーン
先生って人が書いたからそう呼ばれる)に載ってた。へー。

所見としては、CTでは辺縁明瞭で等〜高吸収を示し、造影剤で吸収値上昇
効果を示す。周辺に浮腫を伴うことが多く、壊死、嚢胞、出血を伴う。
MRIでは、T1強調像で低信号、T2強調像で等〜高信号のいつものパターン。壊死、
嚢胞、出血を伴うのはおんなじだ。

あ、そうそう。
PNETは、nevoid basal cell carcinoma syndorome、Turcot syndrome、ataxia
teleangiectasiaなどとの関連あるらしいぞ。なんか国家試験の時に見たっきり
みたいな疾患ばっかだなぁ。(汗)


次はganglioglioma。小児や若年成人に見られ、名の通り、ganglio-(神経
細胞成分)とglio-(神経膠細胞成分)が両方入っているという、一粒で二度
美味しい(?)腫瘍。
大部分はテント上、側頭葉に最も多いが、小脳、脳幹、鞍上部、脊髄もあり。
境界明瞭、典型的には嚢胞と石灰化がある。嚢胞性腫瘍っぽくなってるのは
38%ぐらい。微妙な数字だな。

CTでは比較的小さく辺縁明瞭な腫瘍で、嚢胞や壁在結節を伴う。
MRIではT2強調像で不均一な高信号、Gdで実質部分は信号増強される。


今日はもうイヤになったので(汗)、central neurocytomaは次回回し!


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