FUJI ROCK FESTIVAL '98 in TOKYO

8月2日

GREEN STAGE (メイン・ステージ)

WHITE STAGE(セカンド・ステージ)

THE MONTROSE AVENUE

KEMURI

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

GEODEZIK

BEN FOLDS FIVE

TOKYO No.1 SOUL SET

KORN

LO-FIDELITY ALLSTARS

HOTEI

JUNKIE XL

IAN BROWN

AUDIO ACTIVE

PRIMAL SCREAM

ASIAN DUB FOUNDATION

PRODIGY

GOLDIE

会場到着(8:30)

 まず、この夜宿泊するホテル浦島に寄って荷物を預けてきました。ホテル浦島はスタッフの宿舎でもあったようで、スタッフTシャツを来た人達もチラホラ。ホテルから豊洲駅までタクシーを利用したため、かなり早く会場入りしてしまい、とりあえずは寝て体力温存!


rockin' on読者にはお馴染み、5万人収容(笑)の豊洲休憩所。


開演前に客席最前部へ行ってみた。
演奏が始まったら、こんな所まで危なくて来れません(笑)。

THE MONTROSE AVENUE(10:30)

 UKの若造バンド。特筆すべき点なし。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(11:30)

 カッコ良かった。今回の日本組の中では最高のバンドでした。ロックンロールの初期衝動を見事に体現している世界的にも希有な存在です。演奏は荒削りですが、とにかく勢いがある。
 客席もヒート・アップし、中断2回。しかし、客席が危険になったのを見て演奏をストップさせようとする舞台監督を振り切って、演奏を続けたギタリストはあまりにカッコ良かった…
 この中断騒ぎのために、GREEN STAGEは時間が押し始める。

TOKYO No.1 SOUL SET(12:30)

 久しぶりにライブを観たソウルセット。新曲中心で、ベーシストをゲストに加えて迫力あるサウンドを聴かせる。PAミキサーはDub Master Xこと宮崎泉だったらしい。
 が、やはり野外で昼間のライブはイメージと合わないか? 曲が終わって拍手の後、客席はシーンと静まってしまう。ちょっと客層とズレがあったかもしれません。

LO-FIDELITY ALLSTARS(13:40)

 ノーマン・クックのskint レーベルからの新人バンド、ローファイ・オールスターズ。当然ビッグビーツ(笑)。半分冗談のような気分で見に行ったのですが、実はかなりカッコいい。本人達は真面目にブレイクビーツと生演奏の融合を実践していて、相当レベルは高い。当然ながらドラマーはクリックなんか使わない。打ち込みリズムの中に自分の生演奏をミックスしていくこの感覚が、現代のドラマーに求められているのです。

会場内の様子

 今年は場内係員、警備員の数も十分で、非常にスムーズな運営でした。またゴミの分別収集には「ASEED」というボランティア団体が協力し、知的障害者団体のブースも出店していました。昨年のようにゴミであふれることもなく、快適に過ごせました。


ゴミ箱の中に人が!
確かにこれなら適当にゴミは捨てられませんね。

今年も強烈に臭かった簡易トイレ。
糞尿の前では人類皆平等です。

HOTEI(15:40)

 真夏の日差しと熱気でそろそろ体力も限界。水浴び場で水をカブって頭を冷やし、昼寝をして布袋を待ちます。で、登場した布袋ですが、やる気満々なのも伝わるし、デジタルビートとロックギターの融合という狙いも分かる。しかし、サウンドに対する考え方が古い。失速後のジーザス・ジョーンズみたい。海外のバンドに対抗できる力は無かったです。
 客席最前部は盛り上がってましたが、大部分の客はシラッとしてました。私もカレー食ってました。

IAN BROWN(17:00)

 私はストーン・ローゼズにはあまり思い入れはないんですが、客席はかなり盛り上がり、復活したイアンに温かい拍手を送っていました。
 G,B,Dr,Per のシンプルな編成ですが、演奏は超ハイレベル。特にドラムのテクはタダ者ではない。大きなグルーヴをキープしたまま、攻めるべきところではズバッと6連フレーズで切り込んでくる。とても気持ちのいいリズムでした。レコードよりもはるかにカッコいい素晴らしい演奏でした。

ASIAN DUB FOUDATION(18:00)

 GREEN STAGE が遅れているおかげで、諦めていたADFを観れました。が、客席前部は入場制限をするほどの人気で、後ろの方で人垣の間から観てました。
 ドラム無しで、ジャングルビートをバックにギター、ベース、DJが音を重ねる。そして、MCのパワーが凄い。最近のヒップホップを完全に上回る勢いがありました。ちょっとしか観れなかったんですが、このバンドはかなりいいです。

PRIMAL SCREAM(18:30)

 私にとっては今回のフェスの目玉、プライマル。ダブ好きには見逃せない。PAミキサーは残念ながらエイドリアン・シャーウッドではなかったですが、豪快なダブ・ミックスを聴かせてくれました。
 元ストーン・ローゼズのベーシスト・マニが大活躍で、ダビーなベースがバンド全体を包み込みます。“KOWALSKI”では電子音が飛び交い、ベースが地を這う! それは目も眩むような音響体験でした。
 しかし、特に楽器が上手いわけでもない麻薬中毒者ボビー・ギレスピーがこんなにもカッコいい音楽を作れるのは何故なのだろう? 音楽を作るのに必要な才能とは一体何なのか、考えさせられます。

GOLDIE(19:30)

 こちらもプロディジーと重なるはずだったため、諦めていたムンベー番長ゴールディー。プライマルとプロディジーの間のインターバルを利用してWHITE STAGE へ。しかし、客が少ない! ま、プロディジーが相手では分が悪いわな。
 編成はマニピュレーター、キーボード、意外にもE.ベース、そしてゴールディー。さらに曲によってボーカリストが加わる。ゴールディーはキーボード(ROLAND JV シリーズの安そうなシンセだった)を弾いていましたが、どんな音を出していたかは不明。もしかしたら何も弾いてなかったかも(笑)。マニピュレーターのブースではコンピューター(機種不明)が動いており、ラックのなかにはAKAIのサンプラーや、TASCAMのデジタルマルチも見える。曲の構成はその場でコントロールしたようですが、具体的にどういう手法かは分かりませんでした。
 夜空に鳴り響く“Timeless”は実に気持ち良かったのですが、プロディジーのために途中で切り上げて、GREEN STAGE へ移動。

PRODIGY(20:20)

 この2日間のライブは全てプロディジーの前座だった、といえるほど強烈なステージでした。彼らの登場とともに会場全体が揺れる! そして、キースの毒々しいパフォーマンスとともに強烈なリズムが音塊となって客席を襲う。1月の来日公演も観たんですが、やはり今回も我を忘れて興奮しました
 いや、ホント凄いものを観てしまいました。今年のフジ・ロックの大トリは彼ら以外考えられません。まさに世界最高のライブ・バンドです。呆然自失。

そして、NEXT YEARへ(21:30)

 プロディジーの終演とともに、花火が上がり、スクリーンには「SEE YOU NEXT YEAR at Mt.FUJI」の文字が映し出されます。う〜ん、結構感動。今年は本当に満足させていただきました。来年も行きます!
 しかし、この会場は「夜9時以降音出し厳禁」という話をきいていたんですが、大丈夫だったんでしょうか?来年の開催に悪影響が出ないことを祈ります。
 終演後すぐに歩き始めたので、帰り道はさすがに混雑していましたが、行列が進まなくなるほどではありません。途中でバスが我々を追い抜いて行きましたが、なんとプロディジー御一行様が乗っていました。Tシャツ姿のキースが手を振ってくれましたよ。
 ホテル浦島へ向かうため豊洲公園を抜けると、地下鉄東西線の門前仲町行きの無料バスが出ていました。が、事前の告知が無かったので、非常に空いている様子。もったいなかったです。私はもう体力の限界だったので、タクシーを拾ってホテル浦島へ。満足度も疲労度も頂点でした。
 個人的には来年も東京での開催を希望します。。あの限界に疲れた状態で富士山から帰る、というのは結構キツいです。東京開催ではスマッシュの日高社長の理想とするフェスではない、ということでしょうが、日本にはトラベラーズ文化なんて無いんだし、日本には日本なりのフェスがあっていいんじゃないの? 



8月1日レポートへ

Back to Menu