昨日、ダーチャの雰囲気がすばらしかったので、それを先に書かずにはいられなかった。
モスクワの郊外電車に乗った。
乗っていると、我らが寅さんのように独特の口上で物売りたちがぞくぞくとやってくる。
「この歯ブラシはいらんかね。ブラシ部分がガタガタに切れているから、よくみがけるよ。試すも試さないもない。その証拠によく売れる。ねえ、そこのおねえさん。よーく、みてよ。もしよかったら、手に持って見てもらってもこっちはちーとも困らない。ヘッ?こんなものいらないって?なになに、そんなことはお見通し。ライターもあるんだよ。それも要らなきゃ、電池だって、ドライバーだってよりどりみどり。何にもいらないってわけがない。いる人はいないかね。言っておくれよ。すぐ、こっちから行ってあげるから。」
てなぐあいである。
ほとんど溶けかけているアイスクリーム屋、本屋、新聞屋、子どものための参考書屋。果ては、ジプシーの女の子のアコーディオン弾き。
ちっとも退屈しないのである。
座席は木でできたベンチ風だし、一昔もふた昔も前にタイム旅行しているみたいでなんだかウキウキしてしまう。
ところが、ところがである。
この電車の降りしなに、(これは関西弁ですか?降りるときにといいますか?)なかなか、ドアが開かなかった。私たちの車両から降りる人が結構多くて、まだ私たちが降り切らないうちから、
「ドアがしまりますから、ご注意ください。」
の放送がかかってしまった。ヘンヘンは、わたしとこどもを急いで降ろしたが、ヘンヘンが降り終わらないうちにドアが閉まった。つまり、身体の半分がドアに挟まってしまっているのである。
ヘンヘンは力を振り絞って、ドアを開けて、身体だけは列車から出そうとしたが、そのうち列車は発車してしまったのである。とにかく、それでも身体だけは、最後の力で外へ無理矢理出したが、バッグは挟まったまま。
なんながヘンヘンを助けるために思いっきりヘンヘンの腕を握っていた。列車の車体に擦れて、肘に怪我をして血がでている。
ドゥニャンは、運転手か車掌の注意を喚起するために思いっきり叫んでいた。
「あけてーーーー。まだ、走っちゃだめぇええ。」
列車は5mほど走って止まった。
その後、ひざがガクガクして、当分、震えが止まらなかった。
ロシアよ。お願いします。
<安全確認と人命尊重>
これだけは忘れないで下さい。そうでないと、ドゥニャンはドゥニャンは・・・。
帰ってやる !!日本へ・・・
子どもたちを連れて!!
(ただ、びーびーもなんなも帰るってまだ言わないの・・・・。)とほほほ・・・・。