2000年5月31日(水)

今日はドゥニャンのロシアでの仕事収めの日でもある。一番てこずったクラスの試験の日なのである。あの何にも物を言わないサーシャにはどんな成績が付くんだろう。
かれは漢字が苦手だから。
それにカザフスタン人のマンジ君。彼は全く何も分かってなかったなぁ。
それでもいつもニコニコと授業に出て来た時には、私をホンワカさせてくれたっけ。
「ドボイカ」(落第点)だけは取らないでねと、心の中で祈っていた。
そして、朝鮮系ロシア人のナターシャ。
このクラスで一番年上で、時々子どもが熱を出すといっては休んでいたターニャ。
おじいちゃんが外交官で日本で住んでいたというブラジ。一番真面目に出て来ていたのはリーザ。丸い目のあなたでしたね。

他の一年生のクラスももう一方の2年生クラスも優秀者が多くてそんなに心配ではなかった。
しかし、このてこずったクラスの学生達の行方が一番心配である。

順番に皆休むし。時には授業をすっぽかされたこともある。

さて、試験になって、あ〜〜。何をや言わん。
ナターシャ。ブラジ。リーザ。
一人一人をドゥニャンを含めた3人の試験官が彼らを順番に呼ぶ。
緊張して色の白いリーザなどは首から肩にかけて真っ赤になっている。

真面目に来ていたリーザとターニャは何とか、いい成績が付くだろう。しかし!
他の人達は・・・。
特にサーシャとマンジは試験すら受けられない。なぜかというと、2年生次に落第が筆記試験でもう決まってしまったらしい。

後の3人の似たり寄ったり組に「ドボイカ」を付けるか「トロイカ」(3なんとかやりましたね。)を付けるかが争点となる。
ナターシャなどは3マイナスということで、及第点を出すことに決まった。
漢字、読み取り、作文などのあと、会話を含めたこれが最終の成績である。

ドゥニャンは学生から白い薔薇をもらった。
ちょっぴりしなびかけた薔薇だった。
大きな5本のバラの花はみんなの優しさが込められているようだ。
それに先生から素敵な琥珀のペンダントと指輪をもらう。

なんだか、ドゥニャン。うれしくって・・・。淋しくって。
胸がイッパイになってしまった。

ちびまるこちゃんから始まり、下の娘の国語のドリル。人に頼んで貸してもらった日本語の会話のテキスト。

皆の長いこれからの日本語歴のはじっこを彩ると思うとおろそかな授業はするまいと思っていたが、でもなかなかうまくはやれなかったなぁ。
ドゥニャン、ここを借りてちょっぴり反省とそしてごめんなさいを言わせて下さいね。

最後に、サーシャ!マンジ!
来年こそはなんとかするんだ!!
うまくやってくれ!

ドゥニャンの念願となった。

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