電話0742-43-0222
住所:奈良市富雄北1-1-1
ランチ11:30〜13:30(L.O.)、ディナー18:00〜20:00 (L.O.)
定休:月曜
近鉄富雄駅西口徒歩1分
2011年9月
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「記憶」をキーワードにしたモードスペイン料理の店
食べたもの
◎深い森のモヒート 柑橘とハーブのアペリテボ
◎土にまみれた野菜 夏・橿原のアスパラガス
◎桃とアヴォカド、エビのサラダ レタスクリーム
◎アナゴのフリット ブロコリとグレープフルーツ、ワサビのジェラート 「庭の香り」ローズマリーとラベンダー
◎奈良のデュラム小麦、三輪素麺 イカ墨の冷たいソパと海の泡
◎スダチ牛のプランチャ ネギと豆乳のベシャメルときのこのシート
◎スペイン 羊たちのチーズ
◎ピスタチオクリーム マスカットワインとニワトコのネクタールゼラチン
◎「水面の月、スミレの海」 オレンジクリームのジェラート 炭砂糖と薄いパイの砂浜 柑橘の雲
昼のコースはおまかせで税込2940円(前菜2品、メイン、デザート)。土日はこれにアミューズが加わって3675円。
まえもって予約すれば昼にディナーメニュも可。6300円(9品)と9450円(11品)。
夜には7%のサーヴィス料が加わる。
今回は昼にディナーコース6300円のものを選択。
印象に残ったのはデザート1のクアハダ(Cuajada)というバスク料理。山羊のミルクを使ったプリンのようなもので、今回はピスタチオ、マスカットワインとニワトコのネクタールが層になっており、ピスタチオが濃厚で主役をはりながら、後2者が渋く陰でサポートしている。
魚料理に添えられたワサビのジェラートも高レヴェル。
ただ全体的には、工夫と思えるものは成功していない。三輪素麺をイカ墨パスタにみたてたものは、素麺は素麺、イカ墨ソースはイカ墨ソースでそれぞれ高いレヴェルなのに、組合わせたことで魅力が増すかといえばそうではなく、ミスマッチではないにしても新しい味が生まれていない。
メインの肉料理は薄切り牛の鉄板焼きで、ネギが添えられスキヤキを思いおこさせる料理だが、素直にスキヤキにした方がおいしいのでは?
デザート2はジェラートと砂糖、バイの粉が乗せられた皿に、スミレジュースをかけることで月、海、砂浜が視覚的に表現されるが、それ以上のものではなく、味も見た目も子供用のお遊びお菓子(「ねるねるねるね」とか)を思いおこしてしまった(これも「記憶」の1種だから、シェフの意図は成功しているのか?)。
というわけで、シェフの技量は高いのに空回りしている印象。
メニューにはウニやフォアグラ料理が記載されており、この2品だけで来た甲斐があったねと座は大いに盛り上がった。しかし、料理の説明を途中までしたところで「間違えました」と言われ、まさにその2品のみを欠いたメニューに差し替えられた。元のメニューのコースに変更したいと頼むも変更不可とのことで、気分の盛り下がりはこのうえない。さらに間の悪いことには、隣のテーブルにちょうどフォアグラテリーヌが運ばれきた。犬の「おあずけ」気分とはまさにこのこと。
小さなミス。入店してから料理を選択する場合であれば、問題とならない。でも料理内容を事前に選択させ、席に座った際に「あなたが選んだ今日のコースはこれですよ」と知らせるメニューが、実際の料理内容と異なっているというのはあってはならないこと。その後の変更がきかない制度なのでなおさら。
運ばれてきた料理は、はじめから最後まで味が淡く、盛り下がった気分が上昇することはなかった。
メニューにスペイン語が併記されているのは世界に向けたこのレストランにふさわしいが、スペルチェックをして欲しい。バスク語では”Ensarada”と表記するの?