「問題のあるメンバー」 どのような職場集団でも、メンバーの価値観であるとか、思考の様式、そして行動の様式は揃えようとするものです。リーダーシップによって、表面化しない問題や、意思決定の統一は、メンバー協力を得られるかもしれません。 しかし、集団力学上のもう一つのありふれた問題は、集団内には問題のあるメンバーがいることです。 この問題には、積極すぎるタイプと、消極的すぎるタイプの、2種類があります。
積極的すぎる人間は、自分の、能力限界を遥かに超えて、集団の注意を集めようとします。話すことはあまりないのに、多弁を弄する饒舌家であったり、討議中のどんな問題にも、必ず意見を述べることで、自己主張をしようとする不安定な人間であったりします。 そうなると、集団に対するメンバーの責任が曖昧なものとなり、他のメンバーが怒りを爆発させ、彼を相手に、或いは彼のことで激論を闘わせるようになります。 このような問題を改善する最善の方法は、問題の人物を、リーダーに代わって脇へ連れていき、会議へ彼の協力は有り難いが、度重なる長広舌が他のメンバーに、発言の機会を与えていない、と、いうことを教えてやることです。 もし、そのような注意などが出来ない場合は、どの様な会議でも、一定の時間を越えて、話し続けてはならないことを、司会者が彼に告げるべきです。また、他のメンバーが、彼に圧力を加えて、会議を、一人占めしようとするのを、阻止することも良く行われています。 これと対象的なのが、討議中の問題について、滅多に意見を述べない、消極的すぎる人間です。このようなメンバーでも、集団の目標達成に、重要な知識なり能力なりを持っておりますから、自分の役目を果たすように、周囲から励まさなければなりません。 リーダーは、彼に積極さが欠けている理由を、明らかにしなければなりません。それが内向性のために、消極的に見えるのであれば、彼の意見を求めたり、(賞賛に価するものであれば)彼のアイデアを褒めてやったり、集団全体の活動を通して、彼もチームに受け入れられた一員であることを、教えることによって、討議に参加するように促すべきです。 【それでも効果がない場合、心理的カウンセリング、或いは、インターネットやパソコン通信利用のボード上などの自己啓発訓練場所で、自信と自己表現の訓練が必要になります】
これまで取り上げた問題は、公式集団にも、非公式集団にも、同じようにあてはまる問題です。公式集団では、経営者がリーダーを任命します。それがときには委員長であったり部長であったりします これは、表向きのリーダーの能力を、軽視したからではありません。管理者の役目を、果たさないからに外ならないのです。グループとしては、独自のリーダーを持つことが、最もグループの利益になると考ているのです。この非公式リーダーは、集団内で、代表スポークスマンの役目を果たすことによって、リーダーたることを示すのです。 正式な会議の前に、メンバーがこのよう人をリーダーにして、問題の検討を重ねます。そのうえで、ある程度の意志決定を下して仕舞うことが良くあります。このような場合は、新しいアイデアが出てくると、メンバーは問題について意見を述べないうちに、非公式リーダーに、従ってしまいがちになります。 有能な公式リーダーは、この事をよく理解しています。集団内の彼と、対照する位置に、非公式リーダーがいることがわかっているのです。彼は自分の地位を、正式に退くようなことはしない代わりに、非公式リーダーを、パートナーとして受け入れ、グループ目標の、長期にわたる組織の目標を、達成するために協力していくものです。
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