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<行動科学の目で見る>
戦略経営組織論
 ビジネスマンの組織環境

一桁>経営組織論?>『社員の評価養成』

<続_概要>

《評価システムを自己啓発に利用-T》

《正規の業績評価法》
 4 どんなテクニックを用いるべきか。
 最も良く用いられている業績評価システムは、図式的な評価尺度評価担当者は、従業員の一連の特徴についてその評価点を図表に記入する方式です。

 評価の対象となる要因は、仕事の質と量、職務に関する知識の他、協調性、創造性、機敏性等の個人的資質が該当します。評価担当者は、各項目のそれぞれの特徴について、評価を所定の欄に秀、優、良、可、不可等の評価法で記入します。

 各特徴についての評価と点数は、従業員毎に計算されます。また、監督者は必ず、評価の対象となる人物評を、簡単に書き加えなければなりません。
 図式的な評価尺度を用いるときは、個々の特徴より、成果を手がかりにしたほうが効果的です。仕事の量、積極性、創造性、等の特徴に対する自分の見解をもとにした部下の評価をする代わりに、達成した個々の成果を中心にして評価することが重要なポイントになります。

 これは目標管理型評価の基本ですが、目標管理に限ったことではありません。成果中心の評価尺度は、成果を量的に表せるような場合に利用できますが、これは云うまでもなく、売上高や生産単位といった、量的に表せる要因が含まれていたほうが利用しやすい長所があります。この手法は、管理者養成においての特定の目標達成、個人目標の達成など、各種の不定領域でも利用することが出来ます。

 成果中心の評価システムを用いる場合、評価担当者は評価項目の特徴に対して、自分の主観的判断に頼る必要はありません。部下に期待すべきことと、その期待にリーダーとして、どこまで答えられるかを主に考えれば良いことになります。
 社員の評価に評価システムを利用する基準は、一定の期間を設定して行います。その期間を経過したなら、その基準に従った評価を実行します。その際には新しい目標を生みだし、次の一定期間において再び評価システムを利用する繰り返しが継続することになります。

 目標管理システムでは、目標管理の原則にしたがって目標を作ります。そのほかのシステムでは、管理者が部下の参加を得て目標を設定することもありますし、また、単独で設定することもあります。それに、この二種の組み合わせたものが一般的に応用されております。

 そのほか、良く用いられている評価システムには格付けの方法があります。
 これは、各々の測定基準に従って、最上位から最下位迄格付けを行います。この手法は、小集団を対象にした場合には間違いなく効果のあることが認められております。組織階層の規模の点から、上層部と下層部の格付けは比較的容易ですが、中間層の格付けは大変な困難をともないます。

 そのためこの欠点を補う方法として、次のような手法を用います。
 それは、成果中心評価法に似た方法で、対象比較という方法になります。この方法は、評価を行う各従業員の名前を一枚のカードに記し、それから評価の対象となる特徴の一つ一つについて、同じグループ内にいる従業員同士の比較を行うやり方です。
 また、この方法とは別に、加重スケール、強制配分数字的な方法を用いて、単純なシステムの欠陥を、少しでも補おうとするシステムもあります。

 評価測定の変わった方法では、論文式の評価があります。
 この場合は、評価担当者は部下の長所短所について、簡単な論文を書かなければなりません。この方法はしばしば、生産、計画化、組織化、指示、意志決定などの仕事の面で得た成果など、評価表の特定事項の記入に用いられております。この種の評価は、一般従業員より管理者及び管理者補佐のほうに多く用いられている。

 また、この論文形式を変型させたものに、「限界状況」テクニックがあります。
 管理者は労働時間表に、部下の仕事上の限界状況‥‥例えば、社員がとった措置の、とくに見事な成果、あるいは、得意先との不幸な経験など‥‥を記録します。こうした限界状況記録は部下を評価し、指導し、養成する源泉となります。この場合漠然とした印象より、事実や実際の経験の評価に重みをおくことになります。 づづく