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一桁>経営組織論?>『部下の問題処理』

《部下の問題処理》

 従業員ないしは部下の管理者を慎重に選んで、適切な訓練を施したとしても、目標使命達成のためには、経営管理者の充分な助力が必要になります。

 事業目標の達成は、概ね次の四段階方式を用いることによって、充分に初期の目的を達成出来る性質のものになります。

一、「明確な目標を設定する」
管理者自らが何を成し遂げようとしているか、そして、どのような成果を期待しているかを良く知らなければ、部下は、それを達成することは出来ません。
そのため、目標は、その達成を期待される部下と協力して設定します。
部下が参画して設定された目標は、常に、上司が一方的に設定して部下に伝えた目標より効果的です。

二、「これらの目標を達成する際には、守るべき原則と制限を定め、明確にする」
部下は、自分の目標を達成するため、自分の努力で出来るものと出来ないものとを、はっきり理解しなければ、必要な計画を立てることは出来ません。しかも、予期した成果を上げるための必要な措置もとれなくなります。

三、「目標達成の方法を決定し、確立する」
もっともも効果的と思われる方法の選定作業は、出来る限り部下に担当させます。そのときには、管理者チームの専門的知識の提供が可能ですから、必ず利用するようにさせます。
しかし、活動計画は方法の選定作業を行う部下が立てても、管理者は、その責任を負わなければなりません。作業方法については、作業にかかる以前にはっきり決めておきます。さらに管理者は、作業チーム管理チームとも、その作業に精通していることをあらかじめ確認しておきます。

四、「方法をフォローアップして、管理し、必要な場合には改める」
 予期した成果が上げられない最大の理由は、フォローアップの失敗によるものが多分にあります。成果を検定したり、管理したりする明確なフォローアップの、手続きを踏まない限り、纏まった成果は期待できません。部分的な成功に限定されてしまいます。
 適切な措置によって、確実に目標が達成出来るようにするには、管理者は目標達成に用いる方法より、むしろ、見込まれる成果に注意を集中するようになります。
これは、どんな成果をあげるように期待されているか、そしてそのような成果を達成する活動に要因があるとすれば、どんな制限が加えられるかということと、業績を測定する業績基準を、スタッフに正確に教え込むことによって、実効が上がるようになります。

 指示、命令、通達、方針といった上意下達形式のコミュニケートをするだけで、部下を監督する管理者が多くおります。この様な場合、管理者は部下に何を、どうするかを伝えるだけでは充分でありません。充分な業績を上げることが如何に重要であるかは、会社だけでなく、自分の個人的経歴にとっても、非常に大切であるかを伝えなければならないものです。

 つづく