読書法の進め方には、通常、
@ 相互学習法による輪読方式と、
A 文書討議法(Instrumented discussion)として読後の感想を
レポートした上で、課題テーマを決めてグループ討議していく
研究討議法式の二つがあります。
輪読方式を実施する場合には、その目的を最初に明らかにして、使用する図書、文献の概要や著者のプロフィールも紹介しておきます。その上で、参加者の一人一人に読んで貰います。その場合には、朗読と黙読の二つのやり方があります。これは、場の雰囲気及び研修対象者に合わせる方法をとって行います。実際上は、比較的若年層に対しては、朗読方式を、対象者がベテランの場合には、黙読の法が心理的な抵抗が少なく無難になります。
また、一回に読む分量は、ほぼ20ページ以内が適当といえます。これが終わったところで文中に理解できないところをそれぞれ洗い出させます。その上で、読書は、どのように解釈したらいいのか等を、討議していきます。このような進め方を目的と照合しながら研修対象者がどのように理解をし、どのような問題意識を持ったかなどを全員で討議していきます。
輪読方式は、研修生が一堂に集合して、その場で図書や文献などを読みながら学習していくやり方です。研究討議の進め方は、一般に一〜二ヶ月前に、指定図書、文献などを研修生に配布します。配布資料を読書後、あらかじめ示した課題をそれぞれの研修者がまとめた後、討議していくというやり方を取ります。
この場合、指定図書を全部読ませる完読法と、特定のページを定めてその箇所を重点として課題に取り組ませる課題設定法などといった進め方もあります。どちらにしても、この研究討議法はそれだけを単独に行うより、教育訓練プログラムの主旨や内容などに関連づけて、カリキュラムの中に組み込むようにしたほうが効果的です。
このような研究討議法式も社内教育の場面ではよく見られます。新任管理者の登用研修などの際によく取り入れられております。もちろん、指導者層から中堅管理社員層あるいは新入社員までこのやり方は広範囲に適用できる方法です。
◆読書法の活用事例
中堅社員の能力アップのため、ユニークな読書法を紹介します。
ある会社では、毎年、各部門の課長クラスが読書したものの中から、これはと思われる図書・文献を、一人当たり三冊を選択して、推薦図書一覧表をつくり、毎年五月頃、中堅社員全員にこの推薦図書一覧表を、中堅社員の自己啓発用に配布しております。
そして、中堅社員は、この中から最低一冊を選び、完読した上でその書簡をレポート提出することが義務づけられております。このレポートは研修課経由で推薦人である各課長のところへ回り、レポートのコメントが付記された上で提出もとの中堅社員の手元に戻ってきます。
上司ともいえる各課長は、すでに自分でその本は読んでいますから、手を抜いたレポートは書けない仕組みになっています。こうした狙いは、あくまで中堅社員の自己啓発となっていますが、実のところ、課長である管理者がまず本に目を通しておかなければならないだけに、管理者自身の学習にもなっております。
このようなやり方であれば、図書の選定も早婚なんではなくなります。また、特に、外部の専門家を動員する必要もなく、きわめて実践的な方法が展開できることになりす。
繰り返し量について
管理者が直面する課題に関連する図書を選定しそれを中心につぎの項目の検討を行います。
注:「下図、NEXTで次ページへ続く」