これからは新組織の時代
人間が生産活動を始めた時から、人と組織とは切っても切れない縁で結ばれてきているのに、何でいまさら組織の時代といわれるのでしょうか。
それは、個人が主人公となって活躍したのは、19世紀です。そしてこの後を受けて20世紀になって、組織が主人公となって活躍したのです。20世紀の後半は、人々の社会的相互依存関係が急速に複雑化しているのです。その為、一人の人間としては、何らかのかたちで組織とは関わらずに生存できないところまで来ているのです。
ですから、巨大組織の登場も顕わになってきた今日では、もう既に一個人としては、何らかの形で組織と関わらずには、生存が出来ない地点までさしかかっているとしか思えません。
いまでは、こうした動きを背景にして組織を科学する試みが、にわかに活発化しているのです。組織の科学が取り扱うテーマは、多岐にわたっております。しかし、その発想の基となるものは、ただ一つのように思われる。
それは、巨大組織の登場で明らかになった組織の効率と、人間の幸福に関わる問題であります。
今迄の組織では、人間を単なる資源として取り扱っております。もっとも、管理者の個人的配慮の中には、人間的なものが多分に含まれる場合がたくさんあります。けれども、組織として人間を生かす仕組みがまだ充分に工夫されていないのが現状でもあるのです。
こうして、組織の効率を確保しながらも、組織成員の人格的幸福も同時に実現出来る条件は今日の21世紀においても大きいテーマになっております。
そこで、一方では、組織の効率を現実に即して高めながら、様々の理論的、実証を調べなければならないでしょう。また他方では、組織に於ける人間の幸福を高めるための様々な検討が行われることになっていきます。
「ハーチャルオフィスは、このような考えをISDNその他のラインを介して適用させようという試みである」。
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