・トウモロコシのキセニア・
家庭菜園真っ盛りのゴールデンウィーク中にわが家の貸菜園でちょっとした事件
が勃発した。それは私がハニーバンタム(トウモロコシの品種の一つです)を蒔
いた直後のこと。「ねえねえ、トウモロコシって違う種類を蒔くといけないとか
何とかいわなかったっけ?」と、トウモロコシの大好きな仲間が私に声を掛けて
きたのだった。「そうそう。でも、バンタム系とピーターコーンなら大丈夫です
よ」と私。すると、その方が言うには菜園仲間で最年長の奥様が菜園仲間に「こ
れ、サ○○の新しい品種のトウモロコシです。良かったら蒔いてみて。甘いって
カタログにあったから取り寄せてみたの」と配って歩いているというのである。
そして素直に種をもらった畑の仲間はそろってそれを蒔いたという。あああああ
ところが私に声を掛けてきた本人は、いただいた種だけでは満足するだけの本数
がそろわないので例年蒔いているピーターコーンも蒔いてみようかと思ったとこ
ろで「そういえば・・・」と一昨年の夏のことを思い出したのだそうだ。あああ

実は一昨年の夏にも同じような事があった。その最年長の奥様は新しい物好きで
その年、ポップコーン用のトウモロコシの種を入手した。それは見事に育ったの
だが開花した時期が悪かった。他の仲間の蒔いたトウモロコシの開花時期とバッ
チリぶつかってしまい、それぞれが影響を及ぼしあってどちらも満足するものが
実らなかったのだった。あああああああああああああああああああああああああ
トウモロコシは頂上に雄の穂が出てそこから花粉が飛ぶ。通常は朝の8時前後に
見事に花粉を飛ばす。その時間帯にトウモロコシの茎をゆさゆさ揺らすとあまり
にもたっぷり花粉が飛ぶのであたりが黄色くかすむ程である。この花粉が雌の先
端のフサフサと出てきたヒゲに付着して受粉が完了となる。髭一本が一個の実に
なるのでびっしり実の詰まったトウモロコシを作ろうと思ったら作付け本数の乏
しい家庭菜園の場合には、雄穂をそ〜っと(そ〜っとやらないと無駄に花粉が飛
んでいってしまうのである)切り取り雌のヒゲにまぶすようにして受粉させると
いい。さて、その際に違った品種の花粉が紛れ込んで受粉させてしまうとどうな
るか。それぞれの特性が入り交じってしまう。それでもいいところだけをとって
実になればいいのだが、悲しいかなそうはいかないのがトウモロコシである。こ
れはトウモロコシの「キセニア」という性質(特質なのか?)の為で、違った種
類でも簡単に交配してしまうし、お互いに悪影響を及ぼしあうのである。しかも
風が軽い花粉を飛ばして半径200メートルぐらいに影響を及ぼすとも聞いてい
る。素人が勝手に作った作物のせいで農家に影響が出てしまう事態ともなりかね
ない。あああああああああああああああああああああああああああああああああ

種を配った奥様に種の袋を見せていただき、サ○○に問い合わせたところやはり
「キセニア」の影響があるということがわかった。まあその袋にもしっかり「小
さな赤い文字」で説明があったのだけれど、こういう大切なことは大きな文字で
書いて欲しいものである。そしてキセニアとは何であるかを素人にもわかるよう
に書いてもらえると非常にありがたいと思うのだ。あああああああああああああ

念のためにトウモロコシの性質について種を配った奥様にやんわりご説明申しあ
げたが結果は期待はずれに終わった。「家庭菜園なんだから好きなものを作った
らいいじゃないの。私は今年はこれしか作りませんよ」とピシャリと言われてし
まったのだった。ああ、悲しい・・・。ああああああああああああああああああ

菜園を眺めるとわが家のバンタム君も新種のトウモロコシ君も育ち具合が丁度同
じ程度。そこでわが家ではビニールマルチを施して成長を促すことにした。先に
開花させて受粉させてしまえばいいのである。でも失敗すれば黄色にムラサキの
粒が混ざることになると思う(新種のトウモロコシは黄色にムラサキが混在する
焼きトウモロコシ向きのものなのだそうだ)。あああああああああああああああ

さて、最初に声を掛けてきたトウモロコシ好きの奥さんであるが、私の説明を聞
いて時期をずらしてピーターコーンを蒔くことに決めたそうだ。私も念の為に第
二弾をポットに蒔く予定ではいるが、それをいつにしようか相手の動きを見て決
めなければいけない・・・。あああああああああああああああああああああああ

しかし、「三郷地区で突然変異。トウモロコシに紫色の粒が現れる!」な〜んて
ローカルニュースが出ても私は黙りを決め込むからね〜。(1999.5.7)あああa
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