あずてく編
まずは、PC陣の2名が設定で仇に選んだため、おもな敵役となった八大企業のひとつ、アズテクノロジーに関してです。
本リプレイの世界におけるアズテクの陰謀の時間的な経緯はどうなっていたのか?
2050 | [オフィシャル] シャドウラン第1版ルールブック、2版の富士見版日本語版シャドウランにおける現在。 |
2051 |
[リプレイ] 久夜谷特務部長の指揮の元、アズテク日本支社でプロジェクト・アセンション始動。 |
2052 | [リプレイ] フチの篠山鶴長、アズテク本社へ引き抜き。アズテク日本支社、ヒューマニス(ヒューマン・ネーション?)と結託、素材となるメタヒューマンの子供を集める。 |
2053 | [オフィシャル] 英語版シャドウラン第2版ルールブックにおける現在? |
2054 | [リプレイ] 至天計画失敗。久谷部長は危険と判断され、篠山最高部長の指示で魔法で呪殺される。 |
2055 |
[リプレイ] ジョゼ・フェルナンデス来日。テスカトリポカ計画を開始。 陽炎がアズテクへ。訓練を受け、サイバーを埋め込む。 |
2056 |
[リプレイ] 実験体は次々失敗するも、陽炎は成功。究極のサイバー暗殺者として活躍。 |
2057 | [オフィシャル] UCASの大統領に選ばれたグレート・ドラゴン、デュンケルツァーン氏が暗殺され、またまた世界中がえらいことになる。たいへんだたいへんだ。 |
2058 |
[オフィシャル] シャドウラン2nd英語版はこのへんまで続いたはず。 |
〜2060 | [オフィシャル] サプリメントの展開は2056が昆虫の年、2057がドラゴンの年、2058がギャングの年、2059が企業の年、とされ、多くの出来事が起こりました。 |
2060 | [オフィシャル] 現実の1998年秋頃登場したShadowrun Third Editionの舞台は2060年代。 |
2061〜2064 |
[オフィシャル] サプリメントでの彗星の年シリーズがスタート。ハレー彗星が地球に接近、またまた多くの出来事が起こります。 |
2064〜 |
[オフィシャル] 第2次マトリックス・クラッシュ。マトリックスの神たらんとした悪性AIデウスの試みが頓挫するものの、マトリックス全体がクラッシュします。その後、もう一度ワームウィルスが原因でふたたびクラッシュ。 |
2070 |
[オフィシャル] Shadowrun 4th Editionにおける現在。AR技術を用いたワイヤレス・マトリックスが世界を結び、RFIDタグも使われています。 |
第16章でジョゼ・フェルナンデスが死ぬ間際に言い残した『ザ・ヒューマン・ネーション(純人間国家)』とは?
リプレイよりも前のセッションでも名前だけ、存在を匂わせていた勢力ですね。 |
彼らは『ヨミ・アイランド』(笑)という島を作って世界中のメタヒューマンをそこに追放しようとか考えているらしく、どうやら起源は日本の巨大企業の内部にあるそうです。いやー、日本帝国ってヒドイ国ですね!
>>>>>[連中が計画に使ってるのは、『フレーミング・ソード(燃える剣)』とかいう高度に訓練された兵士と日本のニンジャからなる部隊だそうだ。フレーミング・ソードの暗殺者の脅威力は最低でも6あるんだとさ!]<<<<<
――エルフ・デッカー メタリック・マウザー
『Threats』には他にも、ナチの残党を中枢に持つ謎のテロ組織『アラモス20,000』、アズトランから援助を受けて不可解な実験を続ける狂気の天才科学者にして高位のメイジMr.ダルケ、北欧神話のラグナロックを世界に起こそうとトキシック・シャーマンやバーサーカー・チップというBTLチップを使い活動を続ける『ウインターナイト』(2064年のマトリックス・クラッシュで重要な役割を果たします)、ハルバースタム博士が子供の脳を使って作ったマトリックス上の“生きた”人工知能、覚醒世界の秘密に関わるアトランティス財団の謎、謎のメイジの秘密結社『ザ・ブラック・ロッジ』、アストラル空間にのみ存在する魔法的ウイルス『ストレインIII』等々、そうそうたる面々が並んでおられます。
>>>>>[それでも俺たちは戦うんだ。それでこそShadowrunだぜ!]<<<<<
――ストリート・サムライ レイザーエッジ
おっとっと、ところがどっこい。2002年に出たSR3用サプリ『Threats 2』でまた続きがあるんですね。サンフランシスコを支配し続けた日本帝国のサイトウ将軍(2060年代の重要人物)、アズトランのブラッド・マジックを使う魔術結社、昆虫精霊の話、人間に変身するドラゴンの話、デュンケルツァーンが密かに手配していた“ネットワーク”、ローマの聖堂騎士団などなど‥‥これまたそうそうたる面々が紹介されているようです。いやー、世界は広いですね! |
『至天計画(プロジェクト・アセンション)』の意味は?
キャンペーンに出てきたナゾの計画の名前の話。Acensionはascend(上へ昇る)の名詞形。上昇の他に、キリストの昇天という意味があります。キャンペーン当時流行っていたX-ファイルでもスカリー捜査官がUFOに誘拐される話の題がこれでした(笑)。
魔法使いを人工的に作り出す‥‥人類全体の新たな進化ということでそういう名前にしました。1番の元ネタは米国ホワイトウルフ社のTRPG、ストーリーテラー・シリーズ第3作『Mage:The Ascension』です。
『テスカトリポカ計画』の意味は?
これもキャンペーンに出てきたナゾの名前の話。 |
『Aztlan』の表紙を飾っているのは、立ち並ぶビルの中で一際輝くアズテク総本社の超不気味なピラミッド。中身もけっこう不気味な絵があったりして面白い。
Aztechnologyは英語版のシナリオでも悪役になることが多いそうです。しかし、アメリカのファンの人たちは本気でこんなヤバい相手にランを仕掛けたりしてるのでしょうか‥‥?
その後もアズトランは健在で、デンバーに軍で攻め込んで追放されたり、ユカタン半島で軍事行動を始めたり、いろいろと賑やかです。
2057年のデュンケルツァーンの遺言でもアズテク関連の話は多く、CEOのジョアン・アツァカポツァルコにはドラゴンから中身不明の贈り物が死者の祭りの日に贈られています。指示に従わないと不幸になる、と但し書きのついたその贈り物を受け取ったそのときから、CEOはまったく公の場に登場しないようになったとか‥‥(ざわ‥‥ざわ‥‥) |
第16章でジョゼ・フェルナンデスが死ぬ間際に言い残したアズテクノロジー情報部最高部長のシノヤマ・ツルナガ(篠山鶴長)とは?
リプレイでNPCが発したナゾ台詞ですね。『Aztlan』に載っていた公式設定を使わせてもらいました。 |
>>>>>[しかも妨害したのは、フチ・アメリカやフチ・パン・ヨーロッパの勢力だったのさ! これがフチ帝国の本当の姿だぜ?]<<<<<
――ストリート・サムライ レイザーエッジ
故に、エンディング近くのシーンで、秘書の出羽弥生さんはフチの機密に触れるので、十六夜には詳しく話せなかったというわけです。このへんはいかにも企業界の利害の入り組んだ世界を象徴しているので、雰囲気作りのために入れました。
ビッグ8の中でも力のあるフチ・エンパイアが帝国内部では内乱が激しいというのは本当で、2059年の企業戦争の頃にもそれが現れています。
デュンケルツァーンの遺言によってレンラクの400万株と役員資格を手に入れたキーパソン、フチのマイルズ・ラニアーがレンラクに移籍、この事件で企業秘密を盗まれたとフチ社が企業法廷に告訴。ラニアーは軌道上にあるチューリッヒ・オービタル・ゲマインシャフトバンクに株を売り、この告訴がすぐに取り下げ。 |
一方、帝国崩壊を予期していたのかフチCEOのリチャード・ヴィラーズは同59年にノヴァテック(ノヴァテク?)社を設立、フチ・ノース・アメリカの大部分を慎重に掌握。レンラク行きがなしになったマイルズ・ラニアーも引き入れて保安部長にします。 |
一方、フチ帝国の3つめの勢力はコリン・ヤマナがシアワセ社の重役と結婚。シアワセがフチ帝国に入り始めます。
かくして、フチ帝国は崩壊。社長リチャード・ヴィラーズとフチ・ノースアメリカを中心とする1/3はそのままノヴァテック社となり、残り2/3はレンラクとシアワセが食い尽くしてそれぞれ勢力を伸ばす形となりました。
ノヴァテック社はSR3の2060年大でも十大メガコーポのひとつ。そしてSR4の2070年代には、マトリックス再建に重要な役割と果たし、関連した他企業と合併してネオネット社として生まれ変わります。かつてのフチ同様、今もマトリックスやコンピュータ工学の分野ではトップを疾走しています。
「久夜谷部長は魔法で呪い殺された」とフェルナンデスは言ったが、可能なのか?
リプレイの最後の方で謎めいたことを言っているところです。 |
彼らは世界中のどんな場所にも呪文を送り込むことができるとか、お陰でアズトランにはマナがゼロの場所ができてしまったとか、第5の太陽が沈み、黄昏の悪魔が地上に湧き出たときに彼らを支配しようとしているだとか色々言われています。アズテクノロジーとどこまで繋がっているのかも不明。
こんなのが何百人もいるらしいんだからたまりません。第六世界が滅んでしまうぞ?
このブラッド・マジック、ひしめく各勢力はさしおいてシャドウラン世界全体レベルで絶滅すべき敵と設定されているようです。 |
アズテクノロジー・コーポレート・セキュリティ(ACS)の『レオパルド・ガード』とは?
これもサプリメント『Aztlan』に載っていた、アズテクのセキュリティのエリート部隊です。レンラク・アーコロジーを守るレッド・サムライに匹敵するとか。
平均的なレオパルド・ガードはスマートリンクIIとワイヤード・リフレックス:1を埋め込み、イニシアチブは7+2D6。武器&素手戦闘:4、小火器/アサルト/アレス・アルファ・コンバット・ガン:4/6/8。
グレネード付きのアレス・アルファとクーガー・ファインブレード・ナイフ、そしてミリタリー・グレード・アーマー(ミディアム)で武装。
アーマーは12/8+ヘルメットで、しかも "Hardened"(防護されている)と考えるので基本のパワーレベルが12以上でないと銃も貫通しません。(どうやって倒すんでしょう?)
レオパルド・ガードは世界中でアズテクの作戦に従っているらしいので、セッションに出てきた敵はフェルナンデス氏の個人的な護衛ということになっています。さすがにヤバいのでアーマーは普通のヘビー・アーマーになっています。不意打ち&イニシアチブで異様にダイスの目が悪く、一撃であっけなくやられてしまいました(笑)。 |
アズテクノロジー本社の回りには、この二つの部隊がうようよいるそうです。
向こうのゲームはクレイジーですね。さて、SR4の時代にもやっぱりまだいるのでしょうか‥‥?
>>>>>[アメリカのゲームって、何だか壊れててこわ〜い。ほんとにこんなの相手に、ランを仕掛けてるのかしら?]<<<<<
――ハーフエルフの冒険者 エリーシャ・フィオレット
ケツァルコアトルのシャーマンがいたけど?
トーテムはプルームド・サーペント(ケツァルコアトル)。情報収集の呪文に+2、アズトランを離れると魔法関係の行動に-2、好む環境はアズトラン内のどこでも、がトーテム特徴。
ユカタン半島で戦ってるというボーダー・エージェント・コンバット・シャーマンがサンプルとして『Aztlan』に載っています。
2062年にユカタン半島を地震と津波が襲う頃、アズトラン軍が独立軍と戦争をしているので、その頃にこういうシャーマンたちも戦ったり精霊が暴れだしたりいろいろと凄いことになっているのではないでしょうか。
アズトラン人のみ使用できるブラッド・マジックは追加のメタマジックの扱いで、位の高いイニシエトにしか使えないそうです。
意識のある知性体を生け贄に捧げると、犠牲者に与えたダメージ欄1個につき1回、ドレイン抵抗テストで成功できたことになるという凶悪なメタマジック。しかもNPC専用という、嬉しいのはGMだけなカンジですね。ビッグDが遺言で世界から根絶を願うのもむべなるかな。
他にもアズトラン内では、生け贄を捧げることで、他人のエッセンスを吸収するブラッド・スピリットというヤな精霊を召喚できるそうです。これもNPC専用。イニシエトの魔法使いやドラゴンを生け贄にすると、より高いフォースで召喚できるそうです。
なお、『The Grimoire』や『Awakenings』には、他にもいろんなトーテムが載っています。猪やガチョウや鯨や鹿、毒蛇や蜘蛛、ガーゴイルやワイアームやグリフィン、月や月の乙女や太陽や海、竜殺しの神や創造主の神や有角の神‥‥未読ですがヴードゥーのトーテムまでいます。 |
SR4では『Street Magic』というサプリメントがあります。自分で新しく作るのも面白いのではないでしょうか。 |
第16章でジョゼ・フェルナンデスが最期に言い残した「第五の太陽が沈む時、黄昏の悪魔が‥‥」という言葉の意味は?
これもリプレイに出てきた謎セリフ。
『Aztlan』によれば、アステカの信仰によると、神々は最も偉大な要素である太陽を取り合って何度も戦うそうな。それによって何度も世界は終わってしまうらしい。
アステカのカレンダーによると、ザ・サン・オヴ・ザ・ジャガーの周期の終わりに人間はジャガーによって殺され、喰われてしまう。
ザ・サン・オヴ・ザ・ウィンドの終わりには竜巻が吹き荒れ、人間は猿に変えられてしまう。
ザ・サン・オヴ・ザ・レインの終わりに炎が大地を舐め、人間は七面鳥に変えられてしまう。
ザ・サン・オヴ・ザ・ウォーターの終わりに空が水で溢れ、全ての生命は溺れ死に、人間は魚に変えられてしまう。
そして現在がザ・サン・オヴ・ザ・モーション。この第五の太陽の周期の終わりに世界的な大地震が起き、生き残ろうとした人間をtzitzimine――デーモン・オヴ・トワイライトが地下から湧き出て食べてしまうそうな。 |
>>>>>[アステカ文明とはやや離れますがマヤ族の暦も、第六世界覚醒の日時を正確に予言しました。
巨大企業の確執や暴走するサイバーテクノロジーといったサイバーパンクお馴染みの要素に加わるこうしたオカルト的、ファンタジー的な要素。これもまた、第六世界の奥深さなのでしょうか‥‥]<<<<<
――異端イェロマーグ派の吟遊詩人 ハラーラ
なお、2054年にはクレタ島沖でアトランティスが発見され、アトランティス財団という謎の組織が魔法的な秘密を研究しています。TRPG『アースドーン』とのリンクでこの世界には魔法の力が浮き沈みする周期があるという裏設定は有名ですが、アトランティス文明は魔法の力が消えた第四の周期の終わり(紀元前3113年)に滅んだそうですね。
地球のあらゆる古代文明はどこかでこのアトランティスの影響を受けており、中でもマヤ文明は正確な暦を持っていた。何千年も前に作られた暦によると、第五の周期が終わり、第六の周期が始まるのが西暦2011年12月24日とぴたりと一致。グレート・ドラゴンのリュウミョウが日本の富士山のふもとに現れ、第六世界が始まる運命の日だった‥‥というわけです。
この世界の周期は約5,200年で、第六世界が終わるのは西暦7137年4月4日となっているそうです。
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