〜その他編〜
『Data of Shadows』のキャラデータのコンタクトにあったエルフ・ポーザー・ギャングとは?
ギャング名のネオ・シンダールズとかは約束として『指輪物語』に登場する灰色エルフからとっていました。
ポーザー・ギャングというのは整形手術で見た目を変え、自分の心酔している存在になりきっている人たちです。『Shadowrun, Second Edition Gamemaster Screen』付属のコンタクト集に Elf-Poser Gang Member というのが載っています。
>>>>>[企業秘書である私は企業とのコンタクトの基本ね。他にもCorporate Wage Slave(企業の平社員)やCorporate Deckerなども追加されたわ。美月‥‥いえ十六夜の仲間のコンタクトだったPlainclothes Cop(私服警官)は元の絵でも髪型はモヒカンなの。
他にもPedestrian(ただの通行人)、Fan(ファン)、SimsenseStar(シムセンスのスター)、Mafia Don(マフィアのボス)など、興味深いコンタクトは沢山あります。第六世界の人生の機微を味わいたいなら使ってみて下さい]<<<<<
――フチ日本 部長付き秘書 出羽弥生
>>>>>[それにしても、コンタクト8人は気色悪いヤツだな]<<<<<
――フリーの走り屋 “クリムゾン・レッド”D.E.
コンタクトというのはその世界に住んでいる人たちが分かって面白いですね。SR4になると現実のネット時代を反映してか、なんと Blogger(ブロガー) なんてのもいます。 |
各章の題名は引用のようだが意味はあるのか?
夜や闇というのはサイバーパンクの一つの象徴ではないかとも思います。背徳の街ナイトシティでサイバーパンク達が活動を開始するのも夜。歓喜と災厄の街トーキョーN◎VAが災厄後の暗い世界に超新星の如く輝くのも夜。 |
『大地の眠る間に』とは?
リプレイの中で十六夜先生が当時のアーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画『ジングル・オール・ザ・ウェイ』が元ネタではと勘ぐっていますが別の映画にあります。
最終話の構想は、元となったキャンペーン開始時の頃から考えていました。映画『ストレンジ・デイズ』は筆者がインスピレーションを受けた作品の一つです。
SQUIDのチップ(これがシムセンスにそっくり!)の冴えないフィクサーをしている元デカの主人公が友人等と共に、もうすぐ西暦2000年を迎える12月末の退廃したロサンゼルスを舞台に殺人事件に巻き込まれる話。
場末のナイトクラブやストリートの人々、混乱した世界などが描かれ、雰囲気が非常にサイバーパンク物や『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』等に通ずるものがあってちょっと良かったです。
>>>>>[エンディングに流れる曲はディープ・フォレストのWhile The Earth Sleeps‥‥なるほど、これが題名だったのね]<<<<<
――NCB広報部 “広報部の華”静元涼子
こんな話をいつかサイバーパンクRPGでやってみたいなぁと思っていました。 |
‥‥といろいろとイメージが駆け巡り、あんな話になりました。
『大地の眠る間に』はある一夜の物語‥‥気取った表現を使えば、“シャドウラン”のメタファーであってほしいな、と思ったのです。
シャドウ・トークって何?
SR2ではシャドウラン英語版サプリメントのほとんどは、マトリックス上の秘密のデータベース?掲示板?のあるウェブサイトみたいな所?‥‥と具体的には謎である『Shadowland』あるいは『Shadowland BBS』という場所でのデータという形を取っています。
それであちこちに、デッカーやシャドウランナーたちの“Unofficial”なコメントが混じってるという訳ですね。
ネットの海を探すと海外のファンサイトでも、ページのタイトルなどにShadowlandを使っているところもあります。日本だと、2chが近いとも言えますが‥‥若干違ってもう少し良識があって腕利きが集まる秘密の場所のような感じかな?
話し言葉なので訳する時にニュアンスが難しかったり、あんまり意味がないシャドウトークもありますが、なかなか面白いです。よく見るとコメントをしているランナーたちには個性が与えられていて、同じハンドルの人物があちこちのサプリメントに登場したりしています。
>>>>>[で始まるのですが、SR2後期のサプリメントでは書式が変わって、●の中に>があるマークで始まっています。これはBedrockという英文フォントで表現できます。このページのの画像でも使っています。
>>>>>[こうして、他のデッカー達のホットな生の情報を得ることができるってことだよ。反体制派の集うサイバーパンクRPGにはぴったりでしょ? ボクは、足が不自由だけど腕は確かな、UCASの少年デッカーってことになってるよ]<<<<<
――デッカー ネットボーイ
>>>>>[アンオフィシャルなコメント‥‥例えば『日本語版はXXXXだ』とかも平気で言えるワケだな。ちなみに俺はシアトルでハードなランをこなしてる本物のサムライってことになってる。同時に、英語版SHADOWRUNユーザーの意見の代弁者でもあるぜ]<<<<<
――ストリート・サムライ レイザーエッジ
>>>>>[私は、日本語版ユーザーの代弁者だも〜ん。分かると思うけど、私はアレクラスト大陸で精霊使いとして、冒険の旅を続けてまーす!]<<<<<
――ハーフエルフの冒険者 エリーシャ・フィオレット
>>>>>[わしは今日が非番だから、ナイトシティの自宅のデータタームから息子と一緒にアクセスしとるぞ。ナイトシティは知っとるな? シャドウランの先輩にして元祖、『サイバーパンク2.0.2.0.』の舞台だ]<<<<<
――ナイトシティ市警察 マック巡査
>>>>>[私たちは、歓喜と災厄の街トーキョーN◎VAから、DAK回線上のウェブをたどってお邪魔しています。
こちらのページの方もシャドウランに負けないプラチナムなサイトだから、よろしくね!]<<<<<
――NCB広報部 “広報部の華”静元涼子
>>>>>[んん〜! ファビウスである! ワシは、魔導帝国の残した“てくのろじぃ”というやつを使っとるのだ! 周知の通り、ワシは熱血世界の住人じゃぞ。“しゃどうらん”もいいが目標値計算が面倒じゃ。おぬしらも一度ワシらの世界に来てみよ! トップページから飛べるぞよ]<<<<<
――“ゲイルチェイサー”老竜ファビウス
>>>>>[私は『創聖記エルジェネシス』の世界で旅を続けている者なのだが‥‥。他にもよく探せば、『深淵』『天羅万象』『ブルーフォレスト物語』『ガープス・妖魔夜行』『真・女神転生II TRPG<覚醒編>』『パラダイス・フリートRPG』らの世界から参られた遠き友人たちもおられるようだが‥‥?]<<<<<
――龍族の魔銃使い “白炎”
>>>>>[YEAH! どうやら、リプレイの元のセッションが行われた、青学SFソサエティでの他ゲームのフェイマスなキャラクターが顔を出してるみたいネ! 真面目な人にはソーリー! イッツ・オンリー・ジョークネ!]<<<<<
――居合抜刀術使い 覚醒者チャーリー
>>>>>[HA,HA,HA,リアルスペースのChummers、そういうことなんだ。このサイトのシャドウ・トークはかなり冗談が混じってる。あんまり気にしないでくれ。ま、ゲームなんだし楽しくやろうや!]<<<<<
――エルフ・デッカー メタリック・マウザー
というわけで、このWebコンテンツのシャドウトークらしきものは、お遊びでかなり冗談が混じっています。はっはっは、趣味のページには遊び心が必要なのです。ご寛容ください。
さてそんな Shadowland ですが、管理者は Chaptain Chaos 氏。2064年の第2次マトリックス・クラッシュの際もやはり被害を受け、一旦は停止。
ワイヤレス・マトリックスに生まれ変わった2070年には、パスワードと生体認証で入れる同じく秘密の場所、Jack Point として生まれ変わっています。(Jack Pointが特定の場所を指す固有名詞なのか、現実世界のマトリックスの入り口を指すスラングの方のJack Pointなのか、いまいち不明。) |
おわりに
いかがだったでしょうか。英語版資料を御購入の際の参考などになれば幸いです。
他にも英語版サプリメントの詳しい解説が載っているウェブサイトも色々ありますので、そちらの方を御参考になさってはどうでしょうか。
‥‥とページ作成当時書いたのですが、現実で2006年の現在では状況が変わっています。とはいえ今も出版物リストが掲載してあるサイトさんもありますので、そちらもどうぞ。
当サイトがサイト立ち上げ時期の1998年近辺に掲載したシャドウランのリプレイは、もちろん、ある一つの形でしかありません。オリジナルな部分もありますし、皆さんのシャドウランから見れば異なる部分、おかしいと思われる部分もあるでしょう(きっとあるはずです)。
その頃から筆者は日本語版でプレイしている方に対して『ヌル過ぎる』などと言うつもりもなく、日本の展開に不満を持っていて英語版でプレイしている方に対して『ハード過ぎる』などと言うつもりもなく、リプレイの後書きで述べたようにTRPGを楽しむ本来の気持ちのほうが、はるかに大事ではないかな、という意見でした。今でもそれで正しかったと思っています。
>>>>>[要は、想いを馳せる人の数だけ、第六世界はそこに存在するってことだな。
それじゃあリアルスペースの相棒たち、Sayounara。クールなストーリーができたら、オレ達にもぜひ教えてくれ。じゃあみんな、よいシャドウランを!]<<<<<
――エルフ・デッカー メタリック・マウザー
[追記] 思い起こせば90年代後半、日本のネット界ではTRPG系の黎明期。ウェブサイトの数もそれほど多くなく、まだ情報リテラシーもネットのマナーも未成熟の頃、シャドウランはよくネット上でもSNE版が叩かれたりしていました。
サポート停止と共に自然とネット上でも下火になり、日本では遊ぶ人も少なくなった後。2006年の夏の祭典JGCにて、2007年にSR4が翻訳されることが発表されました。
そして翻訳するのは、SNE版が翻訳される前から愛好家だったことで知られる朱鷺田裕介氏。10年の時を経て、シャドウランが最も愛するデザイナーの手で蘇るのです。運命とは実に不思議なものですね。
それでは、2070年代を駆ける全ての影の上に、祝福のあらんことを!
<<End of Data....>>
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