ウチで初診相談した時によく聞く話のまとめです。
その9:「歯を抜かないで治せませんか?」
世の中には「できること」と「できないこと」があります。
A:歯の大きさ(前歯から奥歯までの歯の幅を足し算した距離)と
B:顎(歯槽骨)の大きさが
ピッタリ一致すれば(A=Bならば)、歯はきれいにならびます。
AのほうがBよりも大きければ(A>Bならば)、叢生(歯並びがガタガタ)になりますし、
BのほうがAよりも大きければ(A<Bならば)、空隙歯列弓(スキッ歯)になります。
30坪の土地に、50坪の家を建てたい!と言うのなら、二階建てにするしかありません。歯と歯が重なった状態ですよね。
30坪の土地に30坪の家は建てることが可能です。(駐車場も庭も造れません。)
30坪の土地に20坪の家を建てると、駐車場も庭も楽々,余裕たっぷりです。
家の大きさは決まってます。小さくすることはできません。(基本的に歯は削りません。)
第T期治療(10歳以下の子ども)なら、顎の拡大が可能な場合がありますが、成長のない大人ではまず無理です。(20歳以下の人でも上顎骨は横に広げられる可能性は残っていますが、キツイ治療になります。)
土地が広くならない場合、家の大きさを諦めてもらうことは、イコール歯を抜いて歯の本数を減らす方法となります。
理屈で分かっても、感情的に許せない人は多くいらっしゃいます。感情的に受容できない場合は歯科矯正治療を諦めてください。あるいは、受容できるようになってから受診されてください。
非抜歯で無理矢理並べても,必ず戻ります。後戻りするのが分かっている治療は無駄だと思いますので、治療をお断りしてます。
TOPに戻る | 前のエピソード | このエピソードの目次へ戻る | 次のエピソード