歯科矯正あるある

 ウチで初診相談した時によく聞く話のまとめです。


 その10: なぜ、歯科矯正治療は健康保険が効かないのですか?

 これは、残念ながら政治の問題です。厚生労働省が「これは病気だから,保険治療に入れよう。」と決めれば、健康保険適用となりますし、「これは病気じゃない!」といえば健康保険適用となりません。

 口蓋裂に起因する不正咬合の歯科矯正治療は1982年までは健康保険適用ではありませんでした。国会でコロンビア・トップさんが頑張って,保険導入になったのは有名な話です。この経緯については、福原教授の文章に詳しいです。(口蓋裂学会雑誌1993年第4巻、手元にあります) そうでした。国会審議のビデオも見せていただいたことがあります。

 

 現在では顎変形症や各種先天異常に起因する不正咬合、多数歯におよぶ先天欠如歯、3本以上の埋伏歯については歯科矯正治療が健康保険適用になってます。

 顎変形症は、手術が保険適用だから、その準備の歯科矯正治療も健保適用になったといういきさつもあります。

 

 現状では、厚生労働省が医療として認めているのは以上の疾患に起因する不正咬合だけです。それ以外は健保が適用になりません。

 しかし、財務省は歯科矯正治療を医療として認めておりますので、「医療費控除の対象」となってます。安心して医療費控除を申請してください。医療費控除を提出するとその年の所得税が減額されますし、その次の年の住民税が安くなります。1回の提出で二度美味しいシステムなのでお忘れなく!


 TOPに戻る | 前のエピソード  | このエピソードの目次へ戻る | 次のエピソード