パイザの韓国釜山の旅(韓国旅行記:釜山旅行記)(2/3)



01マクドナルド&郵便局

 今日もいい天気だ。朝から太陽がぎらぎらと照りつけている。また気温が上がるなぁ。暑くなりそうだ。

 さて、今日はとりあえず海雲台(Haeunde)に行こうと思う。海水浴場もあるし、なんと言ってもカジノがあるからだ。お正月にマカオのカジノに行ったときは大小で思いっきりやられてしまったので、その雪辱戦をやらなくてはいけない。今度は、ルーレットあたりで勝負しようかな。しかし、確率からいけばブラックジャックあたりがいいのかも知れない。ま、行ってから考えよう。

 とりあえず宿『ソウルジャンヨグァン』を出て南浦洞の方へ向かう。郵便局に行くのだ。昨日の夜にしこたま絵葉書を書いたので、それを出しに行くのである。これは一種の習慣になってしまった。海外旅行に出れば必ずと言っていいほど大量の絵葉書を書いてしまう。それに今回のは暑中見舞も兼ねていた。

 正直言って最初のうちは
『今、俺は海外に来ているんだぞー』
と、純粋に誰かに言いたくて言いたくてたまらなかったのだが、最近では書くことそのものが楽しくなっている。『今日はこんなことがあったぞー』なんて書いてると、なんだかうれしいのだ。期待している人も最近ではいるし。

 途中、朝飯を食べるためにマクドナルドに入る。香港などでは粥屋に飛び込むんだろうけど、まぁこれでよかろう。表示を見るとセットメニューがあるらしい。『アルジャンセトゥメニュ』とハングルで書いている。何かのセットであろう。よく分からない。ワールドカップ関係のようなのだが・・・・。

『ピクマクセトゥ』(ビックマックセット)

3,350ウォン

『メクチギンセトゥ』(マックチキンセット)

2,500ウォン

『チジュバガセトゥ』(チーズバーガーセット)

2,250ウォン

『フィシバガセトゥ』(フィッシュバーガーセット)

2,400ウォン

セットの内容は分かるので、ビックマックセットを食った。

 腹もいっぱいになったことだし、さらに南へ下っていく。途中マッキンットッシュの専門店を発見。韓国でのマックのシェアは低いと聞いていたのだが、あるにはあるのだなぁ。少しうれしかった。

 さて郵便局の前にたどり着く。大きな郵便局だ。中に入り、早速切手を買う。中にある台の上で切手を貼っていると、中をうろうろしていたアジョシから、

『切手は何処で売ってますか』

と聞かれてしまう。韓国人に見えるのかなぁ、と少しうれしくなってしまった。





海雲台海水浴場とは?
釜山広域市海雲台区中洞・佐洞・佑洞一帯の景勝地。大韓八景の一つで、太宗台・沒雲台などとともに釜山八景に属する。新羅時代の学者である崔致遠がカヤ山へ行く途中、その景色をいたく気に入ってトンベク島の東にある岩の上に自分の号を取って「海雲台」と書いたことが地名の由来である。昔から絶壁が海の中に飛び出していて、その形がかいこの頭に似ていて、その上がたくさんの木で覆われていて、青さが四季一様だと記録されるくらいずば抜けた名勝地である。朝鮮時代末には高官たちは争って別荘を作ったりしたことでも知られている。また、日本の植民地時代は日本人たちのリゾート地として利用されるなど、休養観光地として近代的開発が始まり、現在は温泉・海水浴場・高級観光ホテルなどを取り揃えた韓国有数の観光地に成長している。



韓国マクドナルド
http://www.mcdonalds.co.kr/
メニューを見たところ、プルコギバーガーとか、エビバーガーなどはあるけど、フィレオフィッシュはない。外国ではあまり見たことがないけど、日本のオリジナルメニューなのだろうか?
因みに、マックチキンセット、フィッシュバーガーセットは既になくなっている。

02ヘウンデ(海雲台)に行こう!

 絵葉書を投函した後、早速、海雲台行きのバスを探すことにする。方向的には、北に向かわないといけないので、道路の反対側に移ることにする。しばらくバス停を探し、それらしきものを見つけることができた。バス停の表示によると、40、139、140、302のバスが海雲台に行くらしい。待っていると『ヘウンデ』と書いたバスが現われたので飛び乗った。

 バスはくねくねくねくねくねくねくねと30~40分ばかり走り、海雲台駅前に着いた。とりあえず降りてみる。たぶんそのまま乗っていたら海岸まで行くようなのだが、駅前の商店街を見逃すのはいかにも勿体ない。店をひやかしながら、海岸に向かって歩いて行った。
 海雲台駅から商店街を抜けて行くと大きな通りに出た。どうもこの通りの向こうが海岸らしい。いかにも『泳ぎに来ました~!』という親子連れ、中学生の団体、カップルなどが海岸を目指していた。

 その大きな通りに沿って店が立ち並んでいる。日本で言う『海の家』である。それが、ほぼ海岸線いっぱいにつながっていた。近づいてみよう。ん~、日本と同じなのだ。ジュースや食べ物などを売っている。

 しかし、おや? どうもロッカーを並べているようだ。奥には『ヨ』『ナム』と書いてあるブースもある。着替えるための個室のようだ。なるほど、みんなこうやってここで着替える訳なんだ。

 しばらく観察してみることにした。店の前にアガッシかアジョシが座っていて、客引きをしている。客が来ると金をもらい、ノートになにやら書き込んで鍵を渡している。客はその鍵の番号のロッカーを使うらしい。なるほど、僕も着替えて泳いでみよう。

 しかし、その前に!カジノカジノ! カジノに行かなきゃ。さて・・・・、『カジノ』ってどこにあるんだっけ??? よく考えたら、海雲台の何処にカジノがあるのか調べてなかった。ははははは。アホな俺! ま、しかし何処かのホテルの中でしょう。大きなホテルに入れば分かるでしょう。

 ということで適当に入ってみる。まず『ハイアットリージェンシー』に入ってみた。しかし、どうも雰囲気が違うなぁ。案内版を見てもカジノの文字は見えない。

『ここにはないんか』

 仕方ない。次のホテルはと・・・・、となりに大きなビルがあった。これかな? そのホテルは『パラダイスビーチホテル』と書いてあった。

 中はかなり高級感溢れる??造りになっていた。ここかも知れない。案内版を探す。おおっ!ここにあった。カ・ジ・ノと書いてある。そっかー、ここやったんかぁ。早速入って見ることにしよう。





海雲台駅


韓国・釜山 海雲台海水浴場への道
海岸へ向かう

03パラダイスビーチホテル カジノに潜入

 カジノは24時間営業のようだった。よしよし。入り口に近づいていく。しかし!なんか違和感がある。なんだろう?ま、いいか。入り口で金を払い、カメラなどを預ける。さぁて、がんばろうかなぁ。螺旋状になった階段をゆっくりと登っていく。

 そして2階に上がった僕は信じられない光景を目のあたりにするのだった! ・・・・・さしずめ『***スペシャル』とかの“やおい”な番組ならこの場面でコマーシャルになるんだろう。僕は正直言ってびっくりしてしまった。

 そのカジノは学校の体育館程の大きさがあるのだが、客が・・・・4~5人しかいなかった。しかも一つの台にかたまって“バカラ”か“ブラックジャック”をやっているようだった。時間帯を間違えたのか?確かに早いかもしれない。しかし、それにしても・・・と考えているうちに、僕は自分が体育館(の様な大きさのカジノ)の全従業員の熱い視線を一身に浴びているのに気が付いたのだ。

 これはまずいことになってしもた。おどおどしたらあかん! とりあえず端の方にあるバーに入って様子を見ることにする。歩くときに右手と右足が一緒に出てしまいそうだった。

 コーラを注文する。従業員はやる気がなさそうに返事をすると、コーラを出してくれた。・・・しかし、どないしよう。こんな状態で博打をしたって勝てる訳がない。第一、マンツーマンでルーレットをやったって面白い訳ないじゃないか。困ったなぁまったく!

 しかし、コーラを飲んでてもらちがあかないので、ちょっとルーレット台のほうに近づいてみた。台にいるアガッシ達の目がちらちらとこちらを見ている。どうしよっかなぁ~、・・・しかしやっぱりこれは帰るしかないでしょう。
 やはりこの状態で遊ぶ気になれなかったので、一度も賭けることもなくそそくさとカジノを後にしたのでした。
 やはり、夜に来ないといけないのかなぁ? だろうなぁ。





パラダイスホテル プサン
http://busan.paradisehotel.co.kr/en/main/
webで見た限り、「パラダイス ビーチ ホテル」ではなく、現在は「パラダイスホテル プサン」になっているようである。
カジノのページを見てみると、5種類のゲームとスロットマシンが用意されているらしい。((Black Jack, Baccarat, Roulette, Big Wheel, Daisai)

04海雲台ビーチ

 さてカジノをそそくさと出てきた僕は、海岸の方に向かって歩いて行った。お昼近くになっていたこともあり、太陽がじりじりと照りつけていた。泳ぐには絶好の条件だ。

 先程ぶらぶらしたローッカーを置いている店の方へ歩いていく。海岸線いっぱいに並んでいるほとんどの海の家にロッカーがあるようだった。その中のひとつに、かわいいアガッシが店番をやっている所があった。どうせならこの店にしよう。そうしよう。それに何かあったときアジョシのやっている店だと英語が通じない可能性がある。若い女の子なら(大学生っぽかったし)英語が喋れる可能性は随分高い。

 ちなみに韓国で英語が通じるかどうかだけど、日本と同じくらいと僕は思っている。通じるとも言えるし、そうでないとも言える。おばちゃんやおじさんはまず駄目。若い世代も喋れる人と喋れない人といる。しかし、観光地などは通じる可能性が高い。でも一般の人はなかなか通じない。

 朝寄った郵便局では英語がぜんぜん通じなかったので朝鮮語で会話しなければならなかった。しかしマクドナルドの店員の女の子は英語が通じた。カジノでももちろん英語が通じた。しかしコンビニでは通じなかった。ようするに、日本だっていきなり英語で喋りかけられてまともに答えられるかってこと。慣れてればなんともないけど、やはりびびる人が多いよね。
 前回韓国に来たときは大田(Taejon)の万博に行ったんだけど、その時に知り合った大田大学の女の子が、
『韓国は結構英語が通じるでしょう!』
と言っていたけど、(もちろん英語で)僕はあんまりそうとは思わなかった。しかし韓国人は日本より英語が通じると思っているのかも知れない。それから発音には日本人より自身を持っているみたいなので、刺激しないようにしましょう。

 話がそれてしまったけど、とにかく僕はその若いアガッシのいる店のロッカーを借りて、海パンに着替えた。
 ビーチには思ったほど人がいなかった。場所をキープしてごろっと寝転んだ。アガッシたちがキャーキャー言いながら走り廻っている。リゾート地のビーチと言うよりは関西で言う『須磨』のような感じだった。

 しばらくして海に入って泳いだりする。かなり遠浅のビーチだ。ひょっとしてブイの辺りまで行っても足がつくんじゃないかぁ? と思って泳いで行ったけどさすがにそれはなかった。
 ところで、さっきから気になっていることがある。服を着たまま泳いでいる人が多いのだ。日焼けしないようにと思ってのことだろうか? しかし、もっと気になるのは、若い女の子で“その服の下がどうも水着ではない”人が何人もいるようなのだ。白い服を着ている人など、*****が透けて見えているようなのだ。これはいったいどういうことだっ!ティーバックとどっちが目のやり場に困るか!難しい問題だ! 僕の見間違い(ううっ、パイザくんそこまで・・・)なのだろうか?

 いずれにしても、若い熱気でムンムンしていた海雲台ビーチでした。さて海雲台ビーチで2時間程ぼーっとしたので、そろそろ別のエリアに移動することにした。

 どうしようかなぁ。梵魚寺(Pomosa)にでも行くことにしようか。そしてその帰りに温泉にでも入るとしよう。トンネ温泉(Tongnae Onch'on)なら帰りに寄れる。

 早速着替えにロッカー屋さんに戻る。その店の前にシャワー屋さんがあったので、金を払いシャワーを浴びた。時間分だけ店番が蛇口を開けるようだ。原始的な方法のシャワー屋さんだ。しかし、その辺りをうろうろしているアガッシたち・・・・やはり透けている。

 着替え終わったので店を後にし、大通りに出る。人だかりがしている方に行ってみると、バス停があった。行き先を見てみると『高速バスターミナル』とあるではないか。これに乗れば方向からして地下鉄のトンネ駅辺りを通過するはずである。一旦釜山駅の方に戻ってから地下鉄に乗り換えて『梵魚寺』に向かうつもりにしていたけど、これに乗れば大幅なショートカットができる。そうすることにしよう。






海岸沿いの道に並ぶ海の家



海雲台海水浴場

05梵魚寺(Pomosa)へ向かう

 バスが来るまでしばらくかかったが、かなり人を乗せた座席バスが現われた。くそう!座席バスのくせにすわれないじゃないか。まぁ仕方ない。道がよく見える様に前の方に立つことにした。 しばらく走って高架が見えた辺りでバスを降りる。予想通り地下鉄トンネ駅前だった。地下鉄はこの辺りでは高架の上を走っているのだ。因にトンネ駅は地下鉄の釜山驛から12個北の駅だ。市の中心部からは少し北になる。梵魚寺駅はここからさらに8つ北に位置している。一旦釜山驛まで戻っていたら、20駅も地下鉄に乗らないといけないところだった。

 駅をうろうろしているうちにお腹が減ってきたので、何か食うことにした。地下鉄の駅ビルの中に簡単なスタンドの様なものがあったので、そこで食うことにする。

 カウンターに座って隣の人のを見ると、なにやら冷麺(ネンミョン)のようなものを食べている。どうもシクスのようだ。僕もそれを食うことにした。早速アジュマに注文する。なかなかの味だった。

 そこから地下鉄に乗って梵魚寺駅まで移動した。途中『温泉場』(Onch'onjang)駅を通過する。ここで降りると温泉があるらしい。金剛公園(Kumgang Park)もあるとのこと。帰りに寄ってみようと思う。

 駅に着き、外に出る。『地球の迷い方』(^_^;によると、そこから少し坂道を登った所に梵魚寺行きのバスターミナルがあるらしい。それらしい道を見上げてみると、バスが何台か止まっているのが見えた。あれだっ。そこに向かって歩き出した。

 さてさて、問題は今来たターミナルが『梵魚寺』という場所なので、そこからほんものの寺に行くにはどのバスに乗ればいいんだぁ? さっきのガイドブックをよく読んでみると、バスの番号が書いてあった。90番だ。その番号のバスは・・・・・・・と、あった!

 しかし、ほんまにこの番号のバスであってるんやろなぁ。このガイドブックには、何回かだまされたからなぁ。少し心配になったが、聞いてみるとやはりあっているようだった。まだ運転手が乗っていなかったが、客が何人か乗っていたので僕も乗り込むことにした。

 しばらくして運転手が現われ、バスは発進した。そこから狭い道をくねくねと走って梵魚寺についた。バスを降りたパイザくんは梵魚寺のほうに向かって歩き出した。入り口で金を払う。500ウォンだった。





梵魚寺(범어사)とは?
부산광역시 금정구 청룡동 부산 금정구 청룡동 546 609-844
大韓仏教 曹渓宗の第14教区の本山である「梵魚寺」は、「海印寺」「通度寺」とともにに嶺南(慶尚南北道)の3大寺刹と呼ばれている。梵魚寺は、新羅の文武王の時代、義湘大師が創建したと伝わっている。
「梵魚」という名前は、「天の国の魚」という意味と言われている。記録によると「寺の名前は、金井山の由来に起因する。金井山の山裾に三尋くらいの高さの石があるが、その上に井戸があった。そのまわりは 10尺くらいで、深みは7寸ほどであった。井戸には水がいつもいっぱいで、日照りになってもかれず、その光は黄金色であった。そこに金色に光る一匹の魚が五色雲に乗って空(梵天)から下って来てその中で遊んだといい、「金井」という山の名前と「空の国の魚」(梵魚)と言う寺の名前がつけられた。」と伝わっている。




90番 ポモサ駅発 ポモサ行きバス

06梵魚寺の中に入ってみる

 では少し梵魚寺(Pomosa)について解説しておきましょう。トンネ温泉場の北4・の金井山(Kumjongsan)の中腹に位置している梵魚寺は、陜川海印寺、梁山通度寺、順天松廣寺、求禮華嚴寺とともに韓国五大寺刹の一つで、西暦678年新羅時代の高僧義湘大師によって創建されました。壬辰倭乱(秀吉の朝鮮出兵のこと)の際に焼失してしまったが、現在の建物は1713年ごろに再建されたのです。宝物第435号(国宝みたいなもんか?)の大雄殿や、三層石塔、一柱門などがあります。

 さて、中に入って山道を登りはじめる。途中川があったが、干上がっていた。韓国でも水不足は深刻のようだった。さらに参道を上がって行くと山門が見えてきた。なるほど、ガイドブックに載っているのと同じだ。(あたりまえだけど)
 敷石の上に座って少し休憩することにした。

 休憩して山を見ていると、おじいさんが寄ってきて僕の横に座った。そしてそのおじいさんは僕の方に向かって何やら話しだした。しかし、僕の語学力では何を言っているのかさっぱり分からなかった。困ってしまって『モルゲッスムニダ』とか『チョヌン イルボンサラム・・・・・』などと言っていると

『あぁ、日本人かね』

と日本語になってしまった。やはり、このおじいさんも日本語教育を受けた世代らしい。

『そうです』
『日本人ならわからんわなぁ』
『ええ・・・』
『まぁ、楽しんで行きなさい』
『はい』

 おじいさんは、ゆっくりと立ち上がると下の方へ去って行った。それを黙って見送る私・・・。韓国を一人旅していると、こういう場面に何回か出会うことになる。
 いわゆるおじいさんの世代は、日帝時代の名残で日本語を喋れる人が多い。それを武器にヨグァン(旅館)などをやる人もいるけど、普通の人はあまり喋りたがらないようである。しかし日本語の本を読んでいたりすると話しかけられることもある。
 前回韓国に来たとき、大田(Taejon)から扶余(Puyo百済の都があったところ)にバスに乗って移動したのだが、そのとき横に座っていたおじいさんがやはり日本語が喋れた。ガイドブックを読んでいると『日本の方かね?』と話しかけてきて、いろいろと話をすることができた。
 ソウルに行ったときに泊まったヨグァンのおじいさんも、今回の釜山のヨグァンのおばさんも日本語を流暢に操る。日本語で旅をすることも可能なのだ。これはアメリカ人が英語だけで世界を旅をしてい
る感覚に近いのかも知れない。
 しかし、これに甘えていてはいけないと僕は思っている。やはり、極力現地語を使うようにしている。その方が現地の人も喜ぶだろうし。でもなかなか現実は甘くないのだ。まだほんの数センテンスしか喋れない。それに向こうからいろいろい返されるとお手上げだ。ついつい英語や日本語になってしまう。もっと勉強しないと!

 さて寺についてだけど、典型的な韓国の寺って感じだった。色彩と言い、塔があることと言い、仏国寺とかと同じだ。印象に残ったことといえば、若いアガッシが真剣にお祈りをしていたことだ。立ったり座ったりして一心不乱に祈っていた。日本で言うお百度参りに当たるのだろうか?

 それから大雄殿は、そんなに大きな建物ではなかったが、屋根の四隅に付いていた風鈴の様なものの音が印象的だった。音と言えば、蝉の鳴き声も印象的だった。日本で言うツクツクホウシ、アブラゼミ、ミンミンゼミなどがいるようだった。やはり海を隔てているとはいえお隣の国。虫も似ているようだ。

 その大雄殿の裏手に回ってみると、湧き水があった。薬水かな? と思って看板を見てみると『・・・・シクス イムニダ・・・・』と書いてある。シクス・・・・これは『食水』のことかなぁ。勝手にそう解釈した僕はその水を飲んでしまった。大丈夫かな?

 しばらくぶらぶらしてから、さっきのバス乗り場まで降りて行く。ほどなくバスが現われて、地下鉄の駅のそばのバスターミナルへ戻った。




ポモサの山門







山門からの風景

07東莱(トンネ)温泉へ

 ではでは、地下鉄で温泉に行くことにしましょうか。
 地下鉄の梵魚寺駅から温泉場(Onch'onjang)駅まで移動する。さてさて・・・・、温泉がこの辺にあるのは確かなのだが、具体的に何処に行けば入れるのかを調べていなかった。
 どうしよう・・・とにかく大きなホテルに行けば入れるかも知れない。ということで温泉街へと入って行く。しかし今回は行き当たりばったりな旅行だ。もうちょっと調べて行けばうろうろしないで済むのに。と、思いつつにぎやかな通りに出てきた。この辺りが中心らしい。地図で自分の位置を確認してみる。

 しばらくうろうろしていると、なにか登山口らしい所に出てきた。ちょっと登ってみる。表示を見てみると、どうも『金剛公園』のようだ。温泉街の一番奥に来てしまったようである。このまま進むとロープウェイか何かがあるらしい。ん~、ピークハンターの僕としては是非登りたいところだけど、時間がない。今回は諦めるとしよう。

 公園にはパジョンを売る店が軒を連ねていた。ねぎを切らずに、そのまま並べてお好み焼きのようにしている。パジョンってねぎ切って入れるんじゃなかったっけ?ここの名物なのだろうか?

 気を取り直して風呂探しをする。路地を歩いているとお風呂屋さんらしきものを発見した。聞いてみると温泉らしい。しかし・・・もうちょっと探してなかったら、ここにしよう。なんか、きたならしいもん。
 しばらく歩いて大きいホテルを発見する。どうも新しいホテルのようだ。中に入ってみる。きれいなホテルだ!しかし、ビジターはないような感じだった。そのフロントにパンフレットがあったのでもらってみる。中にトンネ温泉の解説が載っていた。よく読んでみると、主な見どころの所に『・・・・・温泉風呂◇ホシンチョン(T:555-1121)を始めここの近くのホテル、旅館を利用してもいい。』
となっている。ホシンチョン?ホシンチョン??? なんじゃ、そりゃ。きれいな写真も載っている。

 これは是非突き止めなくてはならない。よくよく調べてみるとトンネホテルの別館のようだった。漢字で書くと『虚心廳』だ。場所についてはさんざん探した挙句、見つけることが出来た。分かってしまうとこれ以上分かりやすい建物はないという位、大きくて派手な建物だった。前面が円形のガラス張りで・・・・中はスーパーマーケットやレストランなどが入っていて、一大レジャーランドのようだ。しかしでかい。






トンネ温泉
このとき、初めて訪れたのだが、この後、何度もお世話になる温泉である。トンネ温泉の詳しい情報は、「韓国南海岸旅行記 親父と行く韓国南海岸の旅 第6話」をご覧ください。

08虚心廳(ホシンチョン)とドンネパジョン

 上のほうに温泉の入り口があるらしく、エスカレーターを上っていく。フロントらしきものがあり中に入った。システムは日本のサウナ風呂と全く同じで、ロッカーに着替えを入れてパンツ一枚でうろうろするのである。風呂も日本のサウナと基本的に同じだとはいえ・・・その規模はけた外れだった。とにかくでかい。
 檜風呂、打たせ湯、薬湯、バブルバス、露店風呂、テミリ、将棋台まであった。サウナ風呂には目がない僕なので、それに温泉までついているとは、これはなんというか極楽じゃぁ!
 しっかりふやけた僕は風呂を出て、ビールを一杯やる。これがまたうまい。下のスーパーマーケットで『法酒』を購入したパイザ君はほろ酔い気分でふらふらとトンネ温泉街に繰り出すのだった。

 温泉に入ったフォシンチョンを後にしたパイザ君は温泉街へ歩いて行った。ビールは飲んだけど飯はまだ食っていない。何か食おうと店を物色することにした。

 さて何を食うか・・・・。サムゲタンは食ったしなぁ。特に食いたくなったものはなかったのだが、気になっているのが一つあった。夕方に見た金剛(Kumgang)公園のパジョンだ。お好み焼きのような感じの食べ物で中に葱が入っている。同じ様な感じの店が並んでいたので、もしかして名物か何かじゃないだろうか?あとで分かったことだけど、トンネパジョン(東莱葱油焼き)はここの名物だった。
 確かに温泉街の中にパジョンを食わせる店がいくつかあった。その中のひとつに飛び込んでみることにした。

 店に入り、さじきに通される。さっそくパジョンを注文した。店の人は少しびっくりしたような表情をした。なんでやろ?ま、とにかく出てくるのを待った。
 出てきたものを見て、さっきの店員の表情の訳がわかった。恐ろしくでかいのだ。これを全部食うのか?多分無理だろうけど、ま、食ってみることにしよう。なかなか腹もちが良さそうだ。思った以上に腹にどしっと来る。なかなかの味だ。
 しかし全部食うのはやはり無理だった。少し残ったけどギブアップ。悪いけど店を出ることにした。 金を払い、店を出る。腹ははちきれんばかりだった。さてさて宿に戻るとしよう。






虚心庁

09宿へ戻ろう

 ところで戻り方だが、地下鉄を使えば確実に帰れるのは分かっていた。しかし、それでは面白くない。この温泉場(Onch'onjang)駅あたりでは地下鉄が地上を走っているけど、程なく地下にもぐってしまう。景色も見えないし、なんとかバスで帰れないないだろうか。迷っても知れてるしね。

 とりあえずバス停を探すことにした。バス停は苦もなく見つかった。人だかりがしている所を見つければいいだけだからだ。さてさて・・・、バスマップが無いので、適当な方向に向かうバスを選択しなければならない。ここのところかなり土地カンが付いてきたので大体の感じはつかめる。

 バス停には目的地のボタンを押せば、どの番号のバスに乗ればいいのか教えてくれる案内ボードがある。試しに宿のある中央洞(Chungang-dong)らしきボタンを探してみたがなかった。中央市場ってのを押してみたが、壊れていた。(因に中央洞と中央市場は全然別のところにあります)
 とりあえずどれでもいから、南の方向に向かうやつに乗ることにした。バスはひっきりなしに来る。そのバスを見ていると、交差点で止まったバスから運転手がのこのこと降りてくるのが見えた。なんじゃ???と思って見ていると、その運転手はなんと薬屋に入っていったのだ。『おいおい』と思って見ていると、間もなく薬を手に持って店を出てきて、何事もなかったようにバスに乗り込んで運転していった。変わった運転手がいるなぁ、韓国は。

 しばらく待っていると『西面』(Somyon)を通過するバスが来たので飛び乗った。西面は温泉場(Onch'onjang)の南にあって、中央洞(Chungang-dong)との中間地点にあたる。とにかく西面まで行ってみよう。
 バスは競技場などをぐるぐると走りまくった後、賑やかな所に出てきたので、
『この辺ちゃうかな?』
という感じで降りてみると見事!『西面』だった。ほとんど野性的カンですね。
 『西面』は釜山の繁華街の一つだ。若者の街というニュアンスである。明日もう一度来ることになる。しばらくぶらぶらしてから中央洞まで戻った。

 明日は帰国だ・・・・。

1994年 7月22日(金)  第2話了 第3話へつづく・・・

 

釜山上陸後、南浦洞から国際市場、太宗台、そしてサムゲタン(参鶏湯)
第2話
1997.7.22
マクドナルド、郵便局、海雲台ビーチ、パラダイスビーチカジノ、梵魚寺(ポモサ)、トンネ温泉、虚心庁
第3話
1994.7.23
コインロッカー、釜山駅、大廳公園、西面、帰国