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そこに空間があり・そこに流れがあり・そこに営みがある
 
Galwariear 2
Youhloses married life
 
作者  しまぷう
 
 
 
・・・・・・・・・・そう・・・・・・・・・・
悠久の時の流れに逆らい 神をも恐れぬ人類の歴史は永く続いた
そして空間制御と言う名の理論の完成により 全宇宙へ爆発的に散った
           ある者は英雄となり ある者は独裁者を名乗り またある者は神を名乗った・・・
 
・・・・・・・・・・やはり・・・・・・・・・・
彼らは生まれてくるべきでは無かったのかも知れない
 

 時に西暦ならば718243年 ガルスブリーズ
この宇宙の端にある小宇宙の中心よりいくつか離れたところにユリノ星系と呼ばれる宙域がある そのユリノ星系のほぼ中心に位置するガルバリア恒星系 その第2惑星ガルバリアβの第1衛星αの衛星軌道付近 ラグランジュβ1 そこには全長1400km余りの巨大機動要塞がこの宙域を支配していた

 自室で作業中のフリーナは現在定期報告の報告書を作成していた そんな彼女の側面に色白の女性が眠たそうにスカイブルーの髪の毛を櫛で溶く姿が平面画像で表れた
「フリーナさん バルキリーです 今日新しいユニットが来るって本当ですか?」
「ええそうよバルキリー でも来るのはユニットではなくて私達と同じ・・・ ・・・」
 考え込むフリーナ
「フリーナさん」
「えっ? ああごめん彼女のデータそっちに送るね」
「あっ はいはい・・・ 嘘っ」
「どうしたの?」
 フリーナは平面画像の方へ目をやった
「ねえ これから・・・」
 フリーナが画像の向こうのバルキリーに話しかけようとしたそのとき 通信が途絶えた
「・・・ あーあ 私一人で迎えに行くのか・・・ UAI」
 「はい」
「彼女の到着まで後どのくらい?」
 「24分です」
「ワープシステムよね?」
 「そうです そろそろ出かけませんと・・・」
「車を」
 「フリールの車ですか?」
「そうよ」
 「分かりました 通路でおまちください」
「さて・・・」
 フリーナは菫色のショートヘアをかきあげ作業を一時中断して自室を後にした

 ガルバリアβ南極海上のライジングアロー内部
 テーブルからユウロスは窓の外に映る氷山を静かに眺めていた
「ああ また 一緒に・・・」

 ガルフブリーズ内
 フリールの車に乗っているフリーナ だがワープシステムまであと少しと言うところで突然車は急ブレーキを掛けた
「どうしたの」
 「前方に空間の歪みが発生 ワープアウトしてきます だだしこれはワープシステムの作動ではありません ワープシステムはいまだ待機状態です」
「ユウロス」
 フリーナがワープシステムの方を向くと目の前に ユウロスの姿があった
 静かにユウロスはワープシステムが作動するのを待っている
 フリーナはフリールの車から降り ユウロスの側へ寄る
 ユウロスはすぐ横まで来たフリーナに一度目をやりすぐにワープシステムに戻した
 「チーフ ワープシステム作動します」
 数秒後ワープシステム内部でUAIがインフォメーションを告げた
 「到着しました ようこそガルスブリーズへ 私はメインシステムのUAIと申します以後よろしくお願い申し上げます ・・・」
「UAIもうその辺りでいいわ」
 フリーナはUAIの自己紹介を制止した
 「はい」
 ワープシステムから出てきた赤毛の彼女は手提げ鞄を持ったままユウロスに飛び付いた
 ユウロスは飛び付かれた勢いで姿勢を崩し 二人は床に倒れた
 彼女はフリーナに向かって言った
「ナッキャ・ストラフィーネ 辞令により今日付けでガルスブリーズに転属しました」
「ご苦労様」
 フリーナは二人の様子が見ていられないのかそう言ってフリールの車に乗り込んだ
「お帰り ナッキャ」
「ただいま ユウロス」
「長かった・・・ 本当に・・・」

・・・・・・・・・本当に・・・・・・・・・


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Ende