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過去ログ1201〜1300
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#1200 
バラージ 2011/02/02 21:27
中国編

『少林寺』……リー・リンチェイ(現・ジェット・リー)のデビュー作にして初主演カンフー映画。少林寺創建伝説を題材にしていて、唐の皇帝も出てきたと思います。
『清朝皇帝』……金庸の武侠小説『書剣恩仇録』の映画化。ビデオ題は『風と興亡』。DVD化はされてません。乾隆帝が実は漢民族で、滅満興漢を目指す秘密組織の首領である主人公と兄弟だった、という設定の物語。何度も映画化・ドラマ化されていて、これより古い映画が1本(『書剣恩仇録』)と新しい連続ドラマ2作(『レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 書剣恩仇録』『書剣恩仇録』)がDVD化されています。
『ウォーロード 男たちの誓い』……清末期に起こった馬新怡総督殺害事件(張天祥という人物が白昼堂々、馬総督を殺害し、動機を語らぬまま処刑された)の真相を全くの空想で描いた『ブラッドブラザーズ 刺馬』という映画のリメイク。登場人物の名前を架空のものに変えたため、あんまり歴史と関係なくなってますが……。ストーリーにちょっと無理があるなと思ったら、主人公と人物の性格設定を旧作とは変えているようです(旧作では主人公は張天祥、本作では馬総督(に該当する人物))。
『西太后』『続・西太后』……すいません、見てません。ドロドロ&ちょっとグロそうなので……。タイトルだけご紹介を。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズ……実在の武術家・黄飛鴻を主人公としたカンフー映画。1〜3作の『天地黎明』『天地大乱』『天地争覇』と、『チャイナ&アメリカ 天地風雲』を見ました。ほとんどフィクションですが、孫文や西太后・李鴻章なんかも出てきます。しかしなんかジェット・リーばっかりだなぁ。ジャッキー・チェンの『酔拳』シリーズも黄飛鴻が主人公ですが、歴史とはほぼ関係ありません。



#1199 
徹夜城(支配人) 2011/01/18 23:14
次々とありがとうございます

>バラージさん
 次々とたくさんどうもです!僕が見たやつ見ていないやつ、いろいろですが。

「大奥」はねぇ、迷っているんですけど、このテーマだけで過去にずいぶんたくさん製作されてるんですよね。確かに歴史物とは言えるんだけど、いったん手をつけるとなかなか大変そうで。映画版は見に行こうか行くまいか迷って結局行きませんでしたが。

「さよなら李香蘭」は見てませんでした。川島芳子のドラマとか溥儀・溥傑のドラマでもちょこっと顔を出すのが定番なんですが、彼女自身を主役にしたものはまだ見てないです。ご本人の戦後の出演作は見てるんですけどね(笑)。彼女が北朝鮮訪問団で訪朝したら、金日成が「李香蘭さん!」と懐かしげに声をかけた、などという逸話もあります。

「ハリマオ」も見てないんですが、監督をつとめた和田勉さんが亡くなりましたね。NHKで名ディレクターとして名をはせ、NHK退職後に映画進出ということで話題になったんですが、残念ながらこれがあまり成功しなかったというしかないようです。

「海と毒薬」は見てみようかと思いつつ、の代表。熊井監督作品は他にも昭和史裏面ものが多いですし、松本サリン事件を扱った「冤罪」も今や「歴史」の範疇になるかもしれません。
「金環蝕」は確かに以前感想文を書いてるんですが、あれもある意味では「歴史物」に近いんですよね。誰がモデルか一目瞭然で、「小説吉田学校」に近い気もします。



#1198 
バラージ 2011/01/18 11:56
ごめんなさい

 『金環蝕』は映画徒然草のほうにありましたね。



#1197 
バラージ 2011/01/18 00:34
またまたご紹介

『海と毒薬』……太平洋戦争末期に九州大学医学部で行われた米軍捕虜生体解剖実験の映画化。淡々とした解剖シーンが、見てて恐ろしくなってきます。
『金環蝕』……九頭竜川ダム落札事件をモデルにして、政財界の黒い内幕を描いた山本薩夫監督の社会派映画。とにかく出てくる人がみんな悪人というドロドロした映画。
『初恋』……3億円事件の実行犯は女子高生だったという設定の宮崎あおい主演映画。もちろん全くのフィクションで歴史映画とは言えないけど、3億円事件は非常に有名な歴史的事件なので……。でもこれも見てないんですよね。すいません。



#1196 
バラージ 2011/01/15 20:02
お返事ありがとうございます

 他にも「こんな映画・テレビドラマもあるよ」というのが結構あるので、何回かに分けて紹介させていただきますね。なるべくDVD化されているものを紹介しますが、DVD化されてないものも僕の趣味でいくつか紹介しちゃいます。
 あ、DVDは別に買わなくても、レンタルで済ませていいんじゃないでしょうか(『鶴姫伝奇』はレンタルもされてます)。いきなり買うなんてリスクが高過ぎますよ。レンタルが見つからなけりゃ、まぁあきらめるってことで(笑)。

『TAJOMARU』……てっきり芥川の『藪の中』の映画化だと思ってたんですが、主人公が盗賊の多襄丸っていうだけでほぼ別のお話みたいです。そもそも時代が室町時代に変わってるし。歴史映画ではありませんが、足利義政が主要人物として出てくるようだし、室町ものは少ないんで……。ちなみに僕は見てません(笑)。
『大奥』シリーズ……フジテレビの人気ドラマシリーズ。最初の主人公が天障院、『第一章』が春日局、『華の乱』が牧野安子、映画版が絵島。僕は『第一章』しか見てないんですが、このシリーズは女優陣の配役が非常に素晴らしい。その半面、お話のほうがちょっと……という複雑な感想を抱いてしまう作品です。もっと昔にも『大奥』というドラマはあったと記憶してますが、見てなかったので知りません。
『さよなら李香蘭』……李香蘭の自伝を原作として、彼女の半生を描いた4時間(2時間×2夜)のスペシャルドラマ。主演は沢口靖子さんで、とてもいいドラマでした……が、DVDにはなってません(ビデオにはなってる)。同じテーマで、最近の上戸彩さん主演の『李香蘭』がDVDになってます(すいません。これも僕は見てません)。
『ハリマオ』……これもDVDになってなくてビデオのみ。有名なマレーのハリマオこと谷豊の半生を描いた映画です。出来にはやや不満があるのですが、個人的にハリマオは李香蘭と並んで心惹かれる人物なので。戦時中の戦意高揚映画『マライの虎』はDVDになってます。あー、誰かハリマオや李香蘭を映画化してくれないかなぁ。



#1195 
徹夜城(支配人) 2011/01/12 23:50
ご紹介ありがとうございます

>バラージさん
はじめまして!そして「歴史映像名画座」へのご紹介、ありがとうございます。

「一休さん」…は、じつはほとんど見たことがないんです。ただ足利義満の時代が映像化されてるのって、実際これだけなんですよねぇ(僕が勝手に作った「仮想大河」なんてものがあったりしますが)。「一休さん」はどうしようかな、というぐらいは考えたことがあるんですけど、また考えてみることにします。

「鶴姫伝奇」…存在は知ってたんですが未見です。僕は海賊(倭寇)研究の専攻なので「見たら?」と史学科内部で言われたこともあるんですが、瀬戸内海賊じゃ倭寇とは違うし、などと食わず嫌いでした。そうか、「源義経」よりもこっちが後でしたっけ。訂正しておきます。DVDは買ってまで見るかどうか…

「虎の尾を踏む男たち」…これは見ています。歌舞伎の映画化、という印象が強いもので「歴史物」の範疇で考えたことがありませんでした。しかし確かに歴史物には違いないですね。そこらへん領域のあいまいなものもこれまで結構「名画座」に入れてしまってますし。黒澤作品ということもあり、入れておくことにしましょうか。



#1194 
バラージ 2011/01/12 15:30
はじめまして

 「歴史映像名画座」を、映画好きとして楽しく見させていただきました。
 以下のような作品もありますよ、というご紹介を。

・『一休さん』……テレビアニメ。室町時代を舞台にした作品では1番有名なものですね。さすがに全話見たりはしてませんが、子供のころにけっこう見てたような気がします。新右衛門さんが実在の人物だと知った時はちょっとびっくりでした。
・『鶴姫伝奇』……日本テレビ年末時代劇の最終作(『源義経』のところに最終作と書かれてましたが、こちらが最終作です)。瀬戸内のジャンヌダルクと呼ばれる大三島の鶴姫が主人公という非常に珍しいドラマです。悪役は陶隆房で、毛利元就もちらっと登場。テーマの珍しさと主演が後藤久美子だからという理由で見ました(笑)。やや冗長で退屈する部分もあり、最後のファンタジー風味(?)は好き嫌いがわかれるかもしれませんが、個人的にはよかったです。DVDも出てますよ。
・『虎の尾を踏む男たち』……世界のクロサワが能の『安宅』と歌舞伎の『勧進帳』を原作に映画化したもの。僕は未見ですが。



#1193 
徹夜城(支配人) 2011/01/04 20:15
謹画新年

 少々遅れ気味ではありますが、あけましておめでとうございます。
 全然更新のない当コーナーではありますが、どうも昨年暮れあたりから映画感想を見に来る方が増えてきたようでして、なんとか増やさなきゃと思った次第です。
 映画の感想文って、見た直後に書かないとダメなんですよねぇ(笑)。ちょっと遅れるとズルズルと書けなくなってしまう。

 さて今年の映画一発目は何になることやら。最近劇場にも足を運んでませんし、DVDも見る暇ないしで…
 あ、今夜NHK衛星映画劇場で「墨攻」やってますね。どうやらこれが今年一発目の映画鑑賞になりそうです。



#1192 
徹夜城(管理人) 2010/11/13 22:58
ついさっき「歴史映像名画座」を更新しました。

>柿娘さま
どうもはじめまして。こちらをお読みいただき、しかも掲示板に書き込みまでしていただいてありがとうございます。このサイトの映画コーナーは歴史だけは長いんですけど、「歴史映像名画座」以外ほとんど動いていないのが実態で、恥ずかしい限りです。なんとか他の映画の話もしないと、といろいろ準備はしてるのですけどね。

偶然ですが、つい先ほど「歴史映像名画座」を更新しました。今回は日本史ものが多いです。
「エリザベス」は一応「三部作」と監督が言ってたんですよ。2作目を作るのに10年もかかるとは思いませんでしたが…エリザベス1世は日本で言うと徳川家康的ポジションですので、大昔から最近まで膨大な映像作品が作られてますよね。ほんと、ヘンリー8世あたりからドロドロですよ、あの辺は。
エリザベス1世の母親であるアン=ブーリンについては「ブーリン家の姉妹」はもちろんですが、「1000日のアン」というのも有名でして…ソフト化されてないのかまだ見る機会がないんです。「ブーリン家の姉妹」もついつい見逃してます。
エリザベスといえば現在のエリザベス2世が主人公の「クイーン」ってのもあるんですけど、これもまだ見てない…
まぁ、いずれにしてもイギリス史ものは英米両国で作りまくるので本数は相当なもんですよね。今度はまたもや「ロビンフッド」が公開になりますし。ローマンブリテン時代はさすがに珍しいと思いますが…

ジャッキー=チェンの「ラストソルジャー」は僕もぜひ見たいと思っています。彼を時代劇で見られるようになるとは…と「プロジェクトA」以来のファンとしては感慨がありますね。



#1191 
柿娘 2010/11/12 15:55


こんにちは
ローマ時代の映画を検索していて、こちらにたどり着きました。
ケイト=ブランシェットの「エリザベス」は以前観た事がありますが、
続編があったのは知りませんでした。機会があったらレンタルしてみたいです。
同じイギリスが舞台の映画で「ブーリン家の姉妹」(これも観てない)という映画もありますね。
実は今原作を読んでいまして、当時の宮廷の空気は良く分かるものの、
どろどろしてこの時代のイギリスの宮廷人にはなりたくないと思いました……
まあエリザベスがどう描かれているのか気になるので、続編も読んでみようかな……

最近の歴史映画ではローマンブリテン時代の「The Eagle」(邦題未定)が気になってます。日本での公開はいつだろう?
あとジャッキー・チェンの「ラストソルジャー」も観に行きたいです。
ジャッキーのこういう時代物は珍しいですよね
タイトルは「リトルビッグソルジャー」で良かったのにと思わないでもないですが……

長々と失礼しました。



#1190 
徹夜城(支配人) 2010/05/11 22:27
どうも、レスが遅れまして。

 こちらのチェックはついつい忘れがちで…凡人さま、失礼いたしました。もうここまで間があくとレスとも言い難いですが、話題に乗りまして。

 まぁ世界の半分は女性であり、観客動員など考えますとカップルで見に来てくれたほうがいいわけで、恋愛映画というのは昔から重要なジャンルなのでありますね。実はパッケージソフトより劇場向けという面もあります。
 ただ僕も恋愛メイン物は正直苦手でしてね(^^;)、もちろん見事なものもあるんですけど、うざったく感じてしまうものも多い。ストーリーの味付けに無理やりつけてるケースなどは最悪です。

 「アバター」は3Dで観ましたけど、う〜〜ん、ジェームズ=キャメロンって、悪く言えばひねりがない、よく言えば実に率直で正直、という感想がまずありました。これは「タイタニック」でも思ったことですが、ストーリー的にはほんとに「王道」で、世界中どこでも大ヒットするんだけど、ひねくれ者の濃いめの映画ファンにはかえって嫌われる傾向のある映画作家だと思います。いい意味でも悪い意味でもオリジナリティ、クセがないといいましょうか。政治的・社会的なテーマも実にてらいもなくストレートに、それでいてあまり嫌味にならないように明確に描いちゃいますよね。

 「タイタニック」は「船の上のロミオとジュリエット」、「アバター」は「SFダンス・ウィズ・ウルブス」と誰が見てもわかるうえに当人がケロッと認めているぐらいで…まぁそれだけ王道ってことなんですよねぇ。だから大金かけた大作を手掛けられるのでありましょう。これでクセのある映画作家でコケたりしたら目も当てられません(笑)。



#1189 
凡人 2010/04/23 21:19
春の変な映画談議

僕はもともと歴史掲示板によく書き込みをしていたんですが、ちょっと最近そこから離れてるんで(新生活などで)、ようやくちょっと余裕ができたのでここに書き込みということで。


ぼくはよく映画ではアクションや刑事ものなどを中心に見るとは以前にも書きましたが、まったく興味がないのが恋愛ものです。何を書きたいのかとも思われるのかもしれないですが、この間動画サイトでたまたま僕の初恋何とかという映画の予告を見つけまして、何気なく見ていたらよくありがちの涙ちょうだい映画だとその時は思いました。しかし世間は好評価だそうでこの映画については別に見ようとも思わないんで、何もぼろくそ言うつもりはありません。そこで徹夜城さんに質問なんですが、このサイトに恋愛というカテゴリーがないのはやはり徹夜城さんも興味ないからでしょうか。個人的な考えを書いてしまいますが、僕はもともと感動恋愛ものとかにはどうしても胡散臭いものを感じてしまうのです(もちろんいい恋愛映画も世界にあるのは別に否定しません)。今まで恋というものを僕がしてこなかったのもありますが、恋愛って人間にそんなに必要かというところまで考えてしまいます。そういえば最近は3D映画ブームで今日出先に行くため通りかかったレンタル店でその火付け役の「アバター」が発売されてました。



#1188 
徹夜城(支配人) 2010/01/20 22:48
「2010年」

 前回、映画「2010年」について書いてますが、今日になって原作小説「2010年宇宙の旅」を読み終えました。

 前回の書き込みで「あれは原作にないんじゃないか」と書いてしまった部分、ちゃんと原作にありました。もっとも原作小説のほうがもう少し合理的説明をしているのも事実ですけど。そこらへん、映像表現ではああなっちゃうかな、というところですね。
 映像表現ということでは、原作と映画の決定的な違いは、映画では「米ソ核戦争一歩手前」という危機が濃厚に描かれることでしょう。原作読んだらその要素は一切ないんですね。一応米ソの対抗意識はあるようですけど、いたって友好的に協力してます。
 逆に映画ではカットされたのが「中国宇宙船」の存在。中国が軌道上に建設していた宇宙ステーションが実は木星探査船で、米ソを出し抜いて木星の衛星エウロパに到達、「領有宣言」をしちゃうという展開があります。この展開を1980年前後で構想していたというのはクラークの先見性を感じてしまうところでした。

>最近見た映画
 「史劇的〜」のほうにも書いてるんですけど、最近見たものではなんといっても「怒りの葡萄」が衝撃的で。
 これも原作読むとまただいぶ違うんでしょうが(深刻度で)、映画も相当なもんだと思いました。とくに各地からの「難民」がカリフォルニアに押し寄せると、その「難民キャンプ」が地元民&警察によって襲撃されるくだりがかなりショッキング。次から次へと不幸に見舞われる一家の旅路に目が離せなくなってしまいました。
 原作者のスタインベックはエリヤ=カザン監督・マーロン=ブランド主演の「革命児サパタ」の脚本も手がけています。これがまた確かに「左翼的」といえばそういう内容でして…で、その監督のカザンは「非米活動委員会」から査問を受けて「赤狩り」に協力する形になってしまうという展開につながっていくから皮肉と言えば皮肉です。



#1187 
徹夜城(支配人) 2010/01/02 22:51
謹画新年

あけましておめでとうございます。

 今年最初に見た映画はなんとなく「未知との遭遇」になってしまいました(笑)。
思えばズバリ「2010」ってのがありましたな。「2001年宇宙の旅」の続編で。前作に比べて「わかりやすく」なったものの一気にB級感の漂うSFになっちゃってました。
 「2010」は「2001」よりも前の時代に見える、などとよく言われましたが、現実の2010年はソ連も冷戦もないし木星への有人探査もない。映画中で描かれる地球上での日常風景が案外現実に近かったりします(いたって当時普通の日常風景にしちゃったため)。しかしテレビにボーマン船長が出現してメッセージを送るのはどう考えてもオカシイ(読んでないけど原作にはないんじゃないか、あれは)。
 一方でネット社会発展の予測はSFを超えてしまったというところでしょうか。



#1186 
徹夜城(支配人) 2009/12/03 22:26
「死霊の盆踊り」といえば

>凡人さん
「死霊の盆踊り」は見てないんですけどね、あまりのばかばかしさにかえって有名らしく、ウィキペディアにも項目がありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%BB%E9%9C%8A%E3%81%AE%E7%9B%86%E8%B8%8A%E3%82%8A

これ、タイトルの「迷訳」の代表ともされてました、「Orgy(裸踊り、乱痴気騒ぎ)」を「盆踊り」とつけたのがかえってセンスがいいというべきか(笑)。



#1185 
徹夜城(支配人) 2009/12/03 22:23
沈まぬ太陽

 本日、ようやく観てきました。
 休憩こみの3時間以上という、日本映画としては久々の超大作。しかも社会派。原作が同じせいもあるのでしょうが、やっぱり雰囲気が70年代の山本薩夫作品に似てますね。それをよりわかりやすくしてるかな…後半の政界も巻き込んだ権力闘争の複雑な展開なんかは山本風味。
 原作は読んでませんが(週刊新潮連載当時に御巣鷹編を一部読んでましたが)、映画はずいぶんうまくまとめたもんだと思います。「日航機墜落事故」をいきなり冒頭に持ってきてそれから回想と交錯していく、というのはまさに「大河ドラマ映画」の王道というものでしょう。
 日航機墜落事故がクローズアップされやすい本作ですが、メインは「国民航空」内の権力抗争、「企業とは、組織とは何か」ということなんですね。見終えてみると思いのほか墜落事故がメインではない気もしてきます(原作はよりそうらしいですね)。

 山崎豊子作品はいずれもモデルがいて、微妙にノンフィクションっぽいフィクションという「ギリギリぶり」が見ものなのですが、本作では中曽根康弘、金丸信、そして瀬島龍三としか思えない人たちが登場します。瀬島龍三といえば山崎作品「不毛地帯」の主人公・壱岐のモデルですが、「沈まぬ太陽」に出てくるのは「不毛地帯の主人公のモデルをモデルにした人物」というややこしい関係になります(笑)。こちらでは当然ながらより「密使」「影の参謀」といったマイナスイメージが強くなります。
 象徴的で映画的にウマイ!と思ったのが、石坂浩二演じる国民航空会長がその「瀬島もどき」の人から「辞めろ」と圧力をかけられるシーンでした。「お国のためにやってくれ」と頼んでおいて、都合が悪くなると「お国のためにならないから」と辞めさせる、その理不尽なやりとりをズバリ「靖国」の前で行うんですね。多くは語らず、その象徴する意味は明らかです。

 とにかく長時間がまるで苦にならない見事なシナリオと編集でした。原作がどうなってるか知りませんが、映画は山本作品に比べるとやや「勧善懲悪」な終わり方をする気もします…
 ともあれ、この主人公役を原作者に懇願したという渡辺謙、もうこの人なしではこの映画は成立しない!というほどの圧倒的存在感でした。



#1184 
凡人 2009/11/28 20:43
最悪な映画の話と最近の映画

知り合いから聞いた話ですが、世界で一番つまらない映画があるということで、その名は「死霊の盆踊り」というアメリカ映画です。何と作中のほとんどが死霊女の盆踊りのシーンというとんでもなさで、この映画の主人公は夫妻という設定なんですが冒頭の車のシーンも中は夜なのに外に切り替わったら昼間というわけわかんないつくりにもなっいるとか。カンペを読んでるのが丸わかりっていうところもあるらしいです。でも僕は一回も見たことがありません。                                                                話が変わりますが、今公開されている映画は正直あまり見る気力がわいてきません。最近多忙なこともありますが、近未来に人類が滅びるという予言的な映画が公開され始めていますね。まあ僕は正直この手の映画はあまり好きじゃないもので、大した関心はありませんが。「沈まぬ太陽」は結構興味がわいてくるんですが、あまり見る気は起きてきません。というわけで最近の僕にとって映画はなんだか遠い存在さえ見えてきます。  



#1183 
徹夜城(支配人) 2009/11/05 22:29
リンク切れ、修正しました。

>つねさん
 少々反応が遅れてしまいましたが、過去ログのリンク切れ、修正しておきました。何年も気づいてなかったような…(^^;)

 今日時間がとれたら車で30分ほど先にあるシネコンで「沈まぬ太陽」を見てやろうかと思ったんですが、朝起きたらもう第一回の上映開始時間をまわってまして(笑)。長い映画だけに一日の回転数も少ないですからねぇ。午後の回を見るとスケジュール的にきついので今回もパス。

>華麗なる一族
 これ、山本薩夫監督の映画版では、鉄平役を田宮二郎が原作者のところまで押しかけて熱望したらしいですね。しかし仲代達矢にとられてしまい、田宮は出演はするもののその義兄役でした。よけいに悔しかったんじゃないかと。その自殺の仕方まで鉄平そのまんまという形になりましたしね。



#1182 
つね 2009/11/01 22:24
今日はバンテージポイント

最初の40分間は同じ内容を何度も見せられるので
だれてくるのですが、後半は前半の伏線の回収やカーチェイスで
盛り上がりました。

ところで過去ログ見ようとしたらリンク切れでした。



#1181 
つね 2009/10/31 22:18


>沈まぬ太陽

私も興味ありましたが「THIS IS IT」に流れてしまいました。

下記のブログで「沈まぬ太陽」に触れていますが、
労働組合を美化しすぎということのようです。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51301611.html

まあフィクションとして見るべきなのでしょうね。

日航機事故はまだ小学生だった私でも記憶に残っているほどインパクトが
ありました。この事故に触れた映画であれば、
「クライマーズ・ハイ」がおすすめ。
映画版とNHKドラマ版がありますが、映画版から先に見たほうがいいかと。
なぜならNHKドラマのほうが出来がいいので、後から映画版見るとがっかりする。
(私の主観ですが)

>華麗なる一族

原作も読みましたがあれば親父が主人公かと。ドラマのキムタク鉄平はいつも前向きでなぜ自殺したのか分からなかったところがありますが、映画の仲代鉄平は、いつも困ったような八の字眉で、いつ自殺しても不思議ではない雰囲気を漂わせていました。役者の格というやつでしょうか(違うって)。

>怪獣映画
実は私はあまり怪獣映画は見ないのですが、パニック映画が比較的好きで、今回はその延長上です。言われてみればクローバー・フィールドの怪獣もエイリアンを巨大化したような感じでグロテスクだった。ゴジラやモスラはそれなりに愛嬌があるのですが、GODZILLAで既に不気味ですからね。アメリカだと怪獣は単なる化け物扱いで、日本のようにアイドルにはならないのでしょうか。キングコングは違いますが。



#1180 
徹夜城(支配人) 2009/10/28 23:45
「沈まぬ太陽」は3時間20分もあるそうで。

 いま見ようかな〜と思ってるのが大作「沈まぬ太陽」なんですが、ちと時間を取られすぎ、今週は無理っぽい。日本映画としては久々の「中間に休憩タイム入り」になってるそうです。
 3時間20分あった映画といえば、最近では「ロード・オブ・ザ・リング王の帰還」がありましたが、あれは休憩入れませんでしたよね。

 山崎豊子作品はいつまでも映像化と縁がありすぎますねぇ。映画化じたいは久々だと思いますけど。
 かつて山崎豊子の映画化といえば山本薩夫監督が王道でした。「白い巨塔」「華麗なる一族」「不毛地帯」…と最近でもドラマ化されてるやつはみんなやってるんですね。「華麗なる一族」「不毛地帯」いずれも仲代達矢が主演(「華麗」は実質父親役の佐分利信が主役だけど)。やたらに登場人物が多く、豪華でゴージャスで社会派ってあたりが山本薩夫の独壇場でした。いま改めて再評価されてほしい映画作家です。

>つねさん
 怪獣映画好きの僕ではありますが、外国のにはほとんど手を出して泣くって…韓国の「グエムル」は見ましたけど、あれは映画自体は面白いと思ったものの怪獣が「生理的嫌悪」を覚えさせる(もちろん意図してそうしてる)ので繰り返し見たくはないんですよねぇ。
 最近流行りのDVDつき週刊全集ムックで「東宝特撮映画」シリーズが開始されてますが、ついつい「モスラ対ゴジラ」を買っちまいました(笑)。TV放映時に見たことはあったんですけど、DVDはちょうど持ってなかったんですよね。次号は「三大怪獣地球最大の決戦」だそうで、これも買っちゃうんだろうなぁ。



#1179 
つね 2009/10/25 13:26
クローバーフィールド

こちらでは初めまして。

怪獣映画の「クローバーフィールド」をDVDで見ました。
前提知識なしで見たのですが、一市民からの視点というのが
おもしろかったですね。
全体像はつかみにくい代わりに臨場感は最高。
実際に事件の現場にいる人が、事態を把握していることなんて
少ないんでしょうね。

副題が「HAKAISHA」とあるように、かなりゴジラを意識して
造られたみたいです。具体的にどこが、というのは分からなかったのですが。



#1178 
徹夜城(支配人) 2009/10/11 20:44
元旦以来の書き込みとは(汗)

 凡人さま、ようこそこちらへいらっしゃいました。
 管理人自身、新年のあいさつ以来書いていないというのはマズイよなぁ、とは思っていたのですけど。
 映画の感想をHTMLで書こう書こうと思いつつなかなか書けないでいるんですよねぇ。
 実はmixiではお手軽に観た映画の感想は必ず書いてるのですけど。こちらにコピペという手も考えたのですが、それもちょっと…と思っていた所で。

 さてと、最近見た映画のうちでいくつか感想なぞ書いてみますと。

☆「カムイ外伝」
 僕は実は白土三平の大ファンでありまして…実は間接的ながら個人的に「縁」もあったりします。まぁあちらは覚えちゃいないと思いますけど。ともかく、僕が漫画を描くようになったきっかけは白土三平の「サスケ」であり、歴史にハマらせる一因となったのが「カムイ伝」でした。あんなのを小学生で読んでたのかと思うと自分で怖くなるわけですが(笑)。
 そんなわけで「カムイ外伝」の映画化というニュースには期待不安半々だったのですね。崔洋一監督作品のいくつかは僕もかなり好きでして、うまい組み合わせだと思ったんです。
 だけど結果から言うと期待ほどでもなかったかな?原作をなまじよく知ってるので、どうしても比較してしまいますし、比較すれば原作が勝ってるのは明らかですから。まぁ及第点にはいっていたかな、と思います。手間は掛けてるし俳優もいいのをそろえてるし(古武士風な顔が結構多い)、原作への敬意も強いと思います。
 ただなんといっても原作は大長編「カムイ伝」があり、そのサイドストーリーとしての「外伝」がある、というハンパではない蓄積と重みがあるわけです。そこから1エピソードを抜き出して映画化、というのは仕方がないことではあるんだけど、やはりそこだけとっても意味がないと思うんですね。
 僕だったら、少年サンデー連載分のもっとも活劇調であり、それでいてかなり深刻なエピソードの多い部分の短編3本ぐらいを一本の映画にまとめるなぁ、と思いつつ観てました。カムイが失明して百姓の下人になり、天人(今度の映画でもちらっと出てた)との対決のあたりまでがいいんじゃないかと。
 映画の冒頭、カムイが抜け忍になるまでの経緯を原作の絵を使って説明してましたが、これは崔監督の師匠・大島渚が白土作品「忍者武芸帳」映画化の際につかったテクニックへのオマージュだな、と感じましたね。

☆「グッド・バッド・ウィアード」
 現時点で今年僕が劇場で観た映画でベスト1。
 韓国映画で西部劇!という一見無茶な企画をヌケヌケとやってしまう大胆さ、頭からしっぽまで西部劇してるくせに、やっぱり韓国流というか東アジア流が浮かび上がる面白さ。ソン・ガンホ、チョン・ウスン、イ・ビョンホンという見事な取り合わせの妙。とくにソン・ガンホの連発するギャグ、チョン・ウスンのあまりにも絵になるガンアクション(乗馬射撃まである)はしびれます。
 思えばチョン・ウスンって、やはり国籍不明西部劇調作品「MUSA」に出てて、素晴らしい槍アクションをみせてくれてたんですよね。イ・ビョンホンほどには「韓流スター」に祭り上げられていませんけど、僕にはかなり好みな俳優さんです。
 ウィキペディアで調べると、当初は結末が違ってたらしいですね。

☆「大統領の理髪師」
 ソン・ガンホつながりで、だいぶ前に衛星映画劇場でやってたのを録画してそのまんまになってたやつをようやく観ました。
 あくまでフィクション、ともすればファンタジーに近い部分もありますけど、朴正熙大統領(実名は一度も出さない)の開発独裁時代を描いた一品。大統領の理髪師になってしまったソン・ガンホ演じるフツーのおやじさんとその一家の目からみた当時の韓国の雰囲気がノスタルジックに描かれてます。ヘンなたとえですが韓国版「三丁目の夕日」でしょうか(笑)。コミカルに進むけど笑い事じゃない事情もきっちり描かれます。
 ソン・ガンホ、ってこういうちょっと間の抜けたようなフツーのオジサンで、突然大暴れするような役が多いですね。

☆「一番美しく」
 これも録画して放置してたやつ。黒澤明が戦時中に撮った「女性映画」ですね。
 軍部の方針に協力して工場での「女子挺身隊」の活躍(?)を描く内容ですが、思いのほか軍国調は背景に押しやられているのでむやみに否定されずに済んだ作品。今見ると「一種のスポ根もの」のノリで観ることができます。
 レンズ工場で働く女性たちが増産運動で必死に働く姿を延々と映す場面は、なんだか社会主義国の映画みたい。考えてみれば黒澤明はプロレタリア画家をめざし、ほんの一時共産党関係で活動してたこともあったはず。

☆「わが青春に悔いなし」
 その黒澤明が戦後になって、今度はGHQの要請で作った「民主化映画」がこれ。戦時中の大学弾圧事件「滝川事件」と、ソ連によるスパイ事件「ゾルゲ事件」をモデルにして両者を組み合わせた作品。要するに滝川教授のモデルとなる人物(大河内伝次郎)の娘が尾崎秀美をモデルとする人物(藤田進)の妻になっていた、という形でつなげるわけです。主演は当時20代だというのにすっかり「大女優」の貫禄の原節子。
 なんでも当時の東宝の組合の横やりが入って映画の後半のゾルゲ事件部分はかなり省略させられてしまったそうで、その代わりに原節子が農村で「スパイの一家」と迫害を受けつつ必死に努力する展開になってます。しかしこの映画のキモは、なんといってもこの部分。深窓のお嬢様だった原節子が土にまみれていく迫力は文字ではとてもあらわせません(なんか、この辺もソ連映画っぽい気がしなくもない)。
 原節子のキャラが「風と共に去りぬ」のスカーレットとかぶる気がするのは僕だけでしょうか…?

 ああ、久々に書いたら怒涛の勢いで書けちゃうもんです(笑)


>凡人さん
 「相棒」はTVシリーズもまったく観てないんで、劇場版もみなかったんですよ。ただTVドラマの映画版企画は客の入りがいいので、増えてますね。TVを観てなくていきなり劇場で観て楽しめるのかどうか…



#1177 
凡人 2009/10/09 20:56
この掲示板にも書き込みです

時々歴史の掲示板に書き込みをしている凡人といいます。この掲示板にも書き込みをしたいと思いますので、よろしくお願いします。僕はよく推理物やアクション系を中心に映画を見ますが、(といっても結構まれになってますが)最近見た映画は、刑事ドラマ「相棒」の劇場版です。もう半年ぐらい前にテレビで見たものなんですが、マラソンコースに爆弾を仕掛けた犯人との戦いはまあいいとして、後の展開など少々物足りない気分になってしまったのもありました。ドラマのほうはよく見ているものでこの映画もいいところはありますし、主演の二人も嫌いじゃないですが、ドラマのほうがましだったかとも思います。



#1175 
徹夜城(支配人) 2009/01/01 10:52
謹画新年

あけましておめでとうございます。
ここしばらく忙しくって映画を見てない。「ブーリン家の姉妹」も見逃したままですし…都内ではまだやってるみたいですが。
「K-20」もルパンがらみで見ておかなきゃと思ってるところなんですが、見れるかどうかちょっと心配な情勢です。
最近は衛星放送でやってる映画を録画して鑑賞するパターンが大半ですね。昨年年末はもっぱら黒沢明特集を見てました。

毎年言ってるような気もしますが、今年はちいっとは映画関係の更新もしたいものです(^^;)



#1174 
徹夜城 2008/12/17 23:39
チャンバラ映画の古今東西

>サーフェイスさん
 「グリーンディスティニー」「女帝」ともに中国流(というより香港由来なんですが)のワイヤーアクションチャンバラがウリですね。チャン=ツィイー出演作なら、「HERO」「LOVERS」なんかもこの系統になります。
 ほとんどダンスのような剣劇シーンはもともとリアルさを求めたものではなく、映画としての「見栄え」が優先ですからねぇ。もっとも日本の時代劇映画だって実のところかなり不自然で手数が妙に多いダンス的なチャンバラがかなり多いのが実態でして、黒澤明のチャンバラ時代劇みたいなほうが例外なんです(この黒澤による「時代劇革命」が時代劇映画にとって良かったのか悪かったのかは正直微妙なところとも思います)。
 中国風のワイヤーアクションは「不自然」としか思えないのですが、あそこまで極めてしまうともうそれだけで見ものになっちゃうんですよね。欧米人は不自然に思わないんだろうかと疑問も感じますが、「グリーンディスティニー」が大受けしたところをみると特に問題はないようです。
 「女帝」の冒頭のワイヤーアクション、名匠ユエン=ウーピンが参加していたと思いますが、ワイヤーアクション剣劇としてはもう究極形ではないかと思います。
 「女帝」は邦題が…確か原題は「バンケット」なので、興行上仕方がないかとは思いますけど、そもそも女帝の話ですらないんですよね。チャン=ツィイーで呼び込もうとしたのが見え見えで。そのあとに公開された「王家の紋章」なんて漫画からのパクリでしたし(笑。未見なんですけどね)。
 映画の邦題を漫画からパクった前例としてはスティーブン=セガール主演の「沈黙の戦艦」が有名ですね。以後、セガール主演作はシリーズであろうが無かろうが「沈黙」とつくのが定番になってしまいました(笑)。



#1173 
サーフェイス 2008/12/13 08:10
チャンツィーかなアレ

ここの歴史掲示板の新参ものです、はじめまして
さいきん見た歴史かんれん映画はグリーンディステニィ
邦題「女帝」
自分、映画くわしくないのですが、たぶん両方とも
ヒロインはチャンツィーだったと思います。
グリーン〜はワイヤーアクション使い過ぎが目障りも
チョウユンファが渋〜い演技で楽しめた感じです。
中国の剣術って、みんな、あんなのか知らないのですが
手数が多過ぎ、あれだけ剣の一騎打ちで切り打ち合って
どっちも傷ひとつ負わない描写は、日本チャンバラを
見慣れている目には、ちょっと異様でした。
やはり日本の剣劇の静と動のコントラストが魅力だなと
再認識をする。
邦題「女帝」タイトルが何だか安っぽくて見る前は
不安も、なかなか豪奢な映像で、中国の時代映画は
気合が入っているなぁと再認識。
時代設定は五代十国時代、シナリオはハムレットと
いう訳あり感もよく、個人的には
仮面の皇子・蘭陵王の伝説も入っているのではと
思わされ



#1172 
徹夜城(支配人) 2008/11/13 23:30
レッドクリフ、見てきました。

 というわけで、こちらはなるべく映画という面を中心に…と言いつつ、史劇的伝言板で書き忘れたことなども。

 ジョン・ウー監督ということでお約束の「鳩」はまた飛びました。むしろいつもはさりげなく出すのに、今回は大活躍じゃありませんか(笑)。
 映画としての面白さは鳩、亀、馬といった動物類、笛・琴といったいかにも中国な楽器類といった小道具が効果的に使われているところでしょうか。過剰に使うとイヤミになりますが、ギリギリの線で止まってるかな、と思います。ジョン・ウーもハリウッドでしばらく仕事してからの「帰郷」ですから、よけいに「中国」を意識したエキゾチックな描写が多くなっているようです。赤壁周辺の風景なんかも、実際より「水墨画」なイメージを出そうとしてますよね。

 劇中に使われた「鏡の盾の計」は歴史映画では「ソロモンとシバの女王」(ユル・ブリンナー、ジーナ・ロロブリジータ主演)の先例があります。あっちも何か他の話からパクったとしか思えないんですけどね。
 「一本一本の藁は弱いが束ねれば強くなる」というシーンは、毛利元就の「三本の矢」を連想しますが、あれも元ネタは中国の故事だったはず。ただジョン・ウーやチャン・イーモウは黒澤明を意識しているらしく、「乱」を念頭にした逆輸入の可能性もあります。
 故事といえば、周瑜が牛泥棒をした兵士を救うためにわざと泥水の中を行進させる場面は、他の故事の流用ですよね(すぐには出てこないんだけど)。


 僕が行ったシネコンでは、歴史映画観賞者をターゲットにしたのか?本編前の予告編が「チェ・ゲバラ」二部作および「ワルキューレ」。どちらも現代史ものですけど、歴史映画の種は尽きませんね、ホントに。



#1171 
徹夜城(支配人) 2008/11/12 13:35
「赤壁」は明日にでも

>ひでさん
「レッドクリフ」もう見に行かれたんですか〜こちらはこれからです。予定がくるわなければ明日にでも。メンズデーで1000円で見られますから(爆)。
なんでももう観客動員100万人を超したとかで、興業側も予想以上のヒットに驚いてるとの情報があります。「三国志」だからある程度は…と思っていたようですが、客層に女性が多かったとか、謎も多いようです。ちかごろじゃ全員美少女キャラの三国志ネタアニメがあったりもうなんでもアリな状況ですが、女性客というのは…?
僕の仕事先の女子生徒までが「見てきた〜!」と大喜びしておりましたので、ますます驚いてるところです。

「ブーリン家の姉妹」は…うかつでした。そのネタとは気付かなかった。
「ゴヤ」は興味はありつつそこまで足を運べなかった、というところです。「家政婦は見た!」みたいな邦題のために僕の心象にはかなりマイナスだったと思いますが(笑)。

 最近とんと劇場に足を運んでなくって(「ポニョ」を8月末に見たっきり)、映画はもっぱらTV放送の録画をチビチビと消費してる状況です。
 ビスコンティの「夏の嵐」を録画したっきり1年以上ほったらかしてまして、ようやく先日みました。これ、メインは悲恋もの(?)なんですが、時代背景がイタリアとオーストリアのヴェネチアをめぐる戦争なんですよね。



#1170 
ひで 2008/11/10 01:04
最近見た歴史物映画

こっちに投稿するのは久しぶりですが、たまには。

「宮廷画家ゴヤは見た」
現代はGoya's Ghostですが、映画を見ると邦題のほうがしっくり来るなあと思いました。ゴヤ自身は何かをやるというのではなく、ゴヤの目を通して18世紀末〜19世紀前半の激動のスペインを描いていくというかたちなので。この時期のスペインを扱った映画って案外貴重なので、見る機会があったらどうぞ(とはいえ、もう上映が終わっているかもしれませんが)。

「ブーリン家の姉妹」
ヘンリー8世の2番目の王妃アン・ブーリンを題材にした映画です。で、アン・ブーリンをナタリー・ポートマンが演じてますが、上の「宮廷画家ゴヤは見た」とほぼつづけてみたのですが、この人うまいなあ。

「レッドクリフ パート1」
やはり鳩は飛び立った…。とりあえず赤壁の戦いは次回に持ち越しですが、戦闘シーンはなかなか見応えあると思います。今回は関羽・張飛・超雲大活躍って事で。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1164 
Киска 2008/08/17 00:46
赤い悪魔

「史点」に書かれたことをこちらでコメント。

>ベルギー
まず、ベルギーと言えば、私なら「美少年」「映画」、あとワッフル。
日頃「イランと言えば美少年、美少年と言えばイラン」と申しておりますが、かの美少年王国に対抗できるのはベルギーでございます。
今まで観てきた映画のベスト5にベルギー映画を2本入れているくらい大好きなベルギー映画(このベスト5、イランとアニメーションは別枠ですけど)。その2本というのは「トト・ザ・ヒーロー」と「イゴールの約束」。全然作風が違う作品で、共通点と言ったら主役少年が美しいこと。
イランに関してはほんとうに町中に可愛い子がうじゃうじゃしているようですが、ベルギーの方は美少年というのはあくまで映画の中だけなのかもしれず、実際のベルギーが周囲の国々と比べて美少年率が多いのかどうかはわかりません。実際にベルギーに行ったらがっかりするかも。
とにかくベルギー映画に登場するジェレミー・レニエ、モルガン・マリンヌをはじめとするそこはかとなき色香を漂わせる美少年が私は大好きです。可愛ければフランス語系でもオランダ語系でも私としては一向に構いません。

>ソルジェニーツィン
ずっと前に「誓いの休暇」との二本立てで観た「イワン・デニーソヴィチの一日」が、原作に忠実で観ていていかにも寒そうで辛い収容所生活を淡々と撮っていて印象的でした。古い作品で、勿論ソ連でソルジェニーツィンの作品の映画化なんかされているわけがないから北欧あたりで撮ったのかなあと思っていました。今はネットという便利なものがあるので調べてみたら、イギリスのスタッフとキャストによるもので、撮影はノルウェーだったようです。
ソルジェニーツィンは、国外追放になる前にはロストロポーヴィチの別荘に匿われていましたが、双方の帰国後の交流は希薄だったようにも思えます(ソクーロフ監督の「ロストロポーヴィチ〜人生の祭典」でロストロポーヴィチの傘寿祝いのパーティーの様子を見ていてそう感じた)。何があったのかしら?
ソルジェニーツィンはもう「作家」としては過去の人のように私は感じていたのですが、先日レフ・トルストイの子孫のウラジーミル・トルストイさんの講演会に行ったら、文豪の子孫はソルジェニーツィンやラスプーチンなどを高く評価していて意外に感じました。

それから、前回の「12人の怒れる男」についての書き込みでは、ロシアの陪審制度が地方ごとに違うように書いてしまいましたが、2003年の法改正後ロシア全土に陪審制度が採用されているということを、この映画の情報サイト(公式サイトとは別)によって知りました。「陪審員制度」「裁判員制度」「参審制度」についての説明、「12人の優しい日本人」の紹介なども載っていて、なかなかの情報量です。
そうそう、この映画は「12人の優しいロシア人」というタイトルにはならないでしょう。陪審員たちはロシア国民ですが必ずしもロシア人(民族)ではなく、その微妙な点がこの映画の核心でもあり、そういう世間で「今話題になっていること」をいち早く作品に取り込むのがミハルコフのミハルコフたるところ。日和見だって悪口を言う人もいますが。

長い割には落ちがなくて、すみませんでした。




#1163 
徹夜城(支配人) 2008/06/30 12:55
ああ、これリメイクだったんですね。

>Кискаさん
ミハルコフのこの映画、「12」はそもそも「十二人の怒れる男」のロシア版リメイクだったんですね。今頃になって知りました。
まぁもともとリメイクということですからそういう邦題になっちゃうのは仕方ないのかもなぁ…「十二人の優しいロシア人」とかにしたらそれこそダジャレだし(笑)。
「十二人の怒れる男」はアメリカでもTV映画としてリメイクしていましたが(ウィリアム=フリードキン監督)、あれは時代を反映して女性や黒人も陪審員に加わってました。

ロシアで陪審制が死刑抑制になるとみられている…というのは面白い。日本でも来年から裁判員制度開始となりますが、死刑存続・廃止論者の双方で裁判員制度だと死刑が多くなるか少なくなるかで議論がありますね。どっちともとれる気もするのですが、実際にやってみないとこれは分かりません。



#1162 
Киска 2008/06/29 20:24
そのままじゃないの!

セルゲイ・ボドロフの「モンゴル」やアンジェイ・ワイダの「カチン」などとアカデミー賞外国語映画賞を争ったミハルコフの「12人(原題)」は、8月に日比谷シャンテなどで公開されることになったようです。
邦題は「12人の怒れる男」。
うーむ、もうちょっとひねったタイトルにしてほしかったな。「シベリアの理髪師」みたいな駄洒落はもういいけど。

ロシアでは、実質的に死刑制度はモラトリアムになっていますが、制度上存置されている地方はあります。そういう地方では必ず陪審員制度があり、陪審員たちは自分の手で死刑にはしたくないという心理が働くのでまず死刑判決は出ない・・・という仕組みになっているのだとか。(日本で実施予定の裁判員制度ではそういう心理的抑制は働くのかと考えてみると、結構興味深い指摘です。)

しかし、現代ロシアの話のはずなのに、どうして陪審員が男性ばっかりなのかしら?



#1161 
徹夜城(支配人) 2008/06/26 23:23
19年ぶりのインディ・ジョーンズ

 いや〜、僕が自分のお金で劇場に足を運んでみた最初の映画が、確か「最後の聖戦」だったんですよ。大受けして二度見に行ってます(笑)。今頃続編ができるとは思わなかったなぁ。
 映画の中でも実際にあれから19年経ったという設定なんですね。さすがにインディもマリオンも老けまくっておりますが、おなじみのテーマ曲が鳴っていざの冒険が始まればノリは相変わらず。ハチャメチャ、ドタバタの大冒険を繰り広げるその姿は安心して見ていられる、という感じですね。予想以上に前作の雰囲気のままに作られた続編だと思えます。

 あとはネタばれ掲示板を久々に使おう(^^)



#1160 
徹夜城(支配人) 2008/06/17 23:59
しまった、先を越された(笑)

>ひでさん
 「インディ・ジョーンズ」新作、早くもご鑑賞されたんですね。僕も今週中には見ておきたいところです。
 それにしても去年「ダイ・ハード4」「ロッキー・ザ・ファイナル」、今年になって「ランボー4」「インディ・ジョーンズ・クリスタルスカル」…と、80年代肉体アクションキャラが20年近いブランクをおいてみんな復活してるのが面白い(しかも同じ主役で)。新規のシリーズを作るのはやっぱり大変なんだ、ってことでもありますね。

 最近忙しくて映画を劇場でもTVでもほとんど見てなくって。
 今度の「インディ」から再開かな。



#1159 
ひで 2008/06/15 21:17
ソ連も歴史になりにけり…

久しぶりの映画館での映画鑑賞が「インディ・ジョーンズ クリスタルスカルの王国」先行上映でした。今回の話は第2次大戦後ということもあって、敵がナチスではなくソ連でした。ナチス相手の映画にすると、やはり今のハリソン・フォードでは一寸年取りすぎな感じになってしまって、昔との整合性が一寸とりにくいですし。

で、大戦中はインディ・ジョーンズもヨーロッパで諜報活動やっていたなんて話もちらっと出てきます。あと、時代が時代なので赤狩りとか反共・反ソ連でもを大学でやっていたりする場面も出てきますし、インディもFBIからソ連のスパイじゃないかという疑いをかけられ、大学を休職する羽目になったりしてました。

映画自体は、「クリスタルスカル」なんて物が出てきているうえ、映画の冒頭に移るある物をみると映画の方向性はわかってしまうひともいるかもしれませんが、普通に面白かったです。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1158 
徹夜城(支配人) 2008/04/21 14:04
用心棒

久々に…こちらも整備・更新したいとはずっと思ってはいるんですけどねぇ。

 先週土曜にNHK衛星映画劇場で黒澤明「用心棒」が放映されてました。今年は黒澤没後10年ということで半年間作品を次々放送するそうです。
 で、「用心棒」ですが、僕にとってのベスト・オブ・クロサワなんです(笑)。そのむかし「椿三十郎」派と激論を交わした過去もございます(笑)。「七人の侍」はデカすぎる、徹底した娯楽作品ということでは「用心棒」が「映画の極地」をいってるとすら思ってます。

 とまぁ、「用心棒」で語りだすとまたとまらなくなるので、先日の放送でちょっと思ったところを。
 「用心棒」に限らず、黒澤映画には現在では「放送禁止用語」扱いされてる言葉が数多く登場します。もちろん当時はなんら問題なしと思われてたわけです。「隠し砦の三悪人」なんて放送禁止コードで削除してったらドラマ自体が成立しません。
 以前「用心棒」が民放地上波で放送されたとき「キチガイ」が消されていました。「椿三十郎」でも「メクラ」が消されていたのを目撃しています。衛星放送だと若干甘いような印象もありますが、先日の「とことん石ノ森章太郎」中の「佐武と市」でピーッ音で何度もセリフが消されているのを目撃しています。他にも往年の特撮ドラマで同様の処置がされてる場合があります。
 ところが黒澤作品だと絶対に消さないんですよね。もちろん「お断り」は出るんですけど。「キチガイ」といえば市川崑監督の「獄門島」もこれをカットされると話が成り立たなくなりますが、これもカットはしなかった。ならば旧作を放送する場合は「おことわり」を入れて全部カットしないようにすればいんじゃない?と思うのですが、対応はまちまちなのが実態です。
「佐武と市」などアニメや特撮ドラマは子どももみる可能性が高いものだから、という考えもあるのでしょうけど、一般映画で消すか消さないかの基準が「名匠による名作だから」というものになってるとすると(どうもその気が濃厚に感じられます)、その基準は誰が決めるんだろ?と。あるいは消した場合と入れた場合とでかかってくる抗議の数がどっちが多そうか、という分かりやすすぎる基準なのでありましょうか…



#1157 
徹夜城(支配人) 2008/02/15 00:02
市川崑監督死去

 昨日から今日にかけて、この関係の話題を追いかけ、ミクシィでも日記でいろいろ書いたりしておりまして…こちらでも書いておかねば。

 市川崑監督の映画となると、実は僕もあまり多くは見ておりません。石坂浩二主演の「犬神家の一族」「悪魔の手毬歌」「獄門島」「女王蜂」「病院坂の首縊りの家」そして豊川悦史主演の「八つ墓村」の一連の金田一シリーズは一通り見てますが、遺作となったリメイク版「犬神家」はまだ見てません。
 劇場で公開時にみたものとして金田一路線復活を狙ったけど一作で打ち切った「天河伝説殺人事件」、高倉健主演の忠臣蔵映画「四十七人の刺客」、黒澤明・小林正樹・木下恵介との共同脚本を映画化した「どら平太」…と自分でも驚きましたがこの3本しかない(汗)。あとはビデオで見た「竹取物語」ですか。

 正直なところリアルタイムで見た映画ではどれもイマイチな感想でして…悪くはないし絵も綺麗なんだけど、物足りない思いで映画館を出る作品ばかりだった、というのが本音。金田一シリーズはビデオで見てハマったクチですが、これだって「犬神家」「手毬歌」「獄門島」は問答無用の傑作だけど、あとはどうも…という出来で。期待してた「八つ墓村」も原作にはもっとも忠実だったりするんですが、インパクトではもう一つでした。「竹取物語」に至っては「なんじゃこりゃ」と(笑)。
 金田一シリーズ以前ですと、文芸作品と「東京オリンピック」があるわけですが、これからチビチビとみていこうかなぁ、と。

 ところで市川崑といえば劇場版「銀河鉄道999」で「監修」で参加しています。このサイトの劇場版999のレビューページに市川崑の名前が出てるので昨日来そこそこ検索サイトからのアクセスがありました。ただ実際のところどれほど製作に関与したのかは不明なんですよね。以前「BSアニメ夜話」で紹介された「噂」によれば、当初原作どおりに鉄郎の母が殺され、メーテルに会い、機械伯爵を殺し、列車に乗る…という展開になっていたのを「これではお団子である。映画にならない」としていきなり鉄郎が999のパスを盗み、メーテルに会い、そこから回想で母親の死が語られる…という展開に変更させたのが崑さんなんだとか。

 当時のパンフレットを引っ張り出して市川崑のコメントを読んだらなかなか面白いことを書いてます。今度の訃報でもあまり触れられてませんが、この方もともとアニメーター出身なんですよね。
 以下、抜粋。

「鉄郎より少し年長だったころ、アニメの仕事をしていたことがあります。まだトーキー漫画といわれていた時代です。
 人手がないのでキャラクターの原案から、シナリオ、キャラクターの設定、コンティニュイティ、作画、撮影、編集とすべての工程を自分一人でやったこともありましたが、そんな時、私はもっぱらウォルト・ディスニーの「ミッキーマウス」や「シリー・シンフォニー」のフィルムを借りて来て、その1コマ1コマを克明に分析研究したものです。このことから私は、映画の本質というものを学んだような気がします。
 …映像化の監修者としては、かつての体験を生かし、アニメーション独自の面白さに溢れた活力のある映画になるよう心がけました。」

 市川監督のミッキーマウス好きは筋金入りだったようで、リメイク版「犬神家」の現場でもミッキーのスリッパをはいていたとかどなたか出演者がコメントしていたような…



#1156 
パパゲーノ川崎 2008/02/07 19:25
レスが遅れましてすみません。

せっかく、”猿の軍団”および”猿の惑星”(TV版)について
情報をお寄せいただいたのに、レスが出来なくてすみません。
両作品、どこかで再び観てみたいものです。





#1155 
徹夜城(支配人) 2008/01/27 19:33
チンギスハーン役者がまた増えて

>Кискаさん
 「モンゴル」、アカデミー賞ノミネートということで大いに結構なのですけど、日本人が絡むと初めて騒ぐ日本の芸能マスコミにもちと…毎度のことではあるし日本だけの現象ではないのかもしれませんが。浅野忠信主演なのに事前にまったく話題になりませんでしたよね。
 それにしても謎なのが、なんでこの映画のチンギスハーン役が浅野さんにオファされたのか、という点です。アカデミー賞ノミネートをモンゴル人は複雑な思いで見てるんじゃないかなぁ、と。それでなくてもモンゴルでは「あっちゃこっちゃの外国人がチンギスハーンを演じたがる」とちょっと不快に思ってもいるようですし。
 実現性のほどは知りませんけどスティーブン=セガールまでやりたがってるらしいですしね(笑)。

 ミハルコフ監督が「十二人の怒れる男」をリメイクで、それもノミネートですか…これも少々意外な組み合わせですね。「十二人」は何年か前にウィリアム=フリードキン監督(「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」)でTV用映画でリメイクされてて、それも見たことがあります。
 ちょっと話は違うような連想話ですが、最近になってソ連版の「シャーロック=ホームズ」TVドラマが存在していたことを知りました…

 ハンガリー動乱と「水球」という組み合わせもまた意外ですね。タイトルは…まぁ興業側としては客に(それも狙いとしては女性客に)来てもらわなきゃならないと必死に頭をひねった結果なんでしょうね。
 スポーツを扱った映画で実際に選手をやってる人を出演させるのはよくありますね。スポーツに歴史をからめたものとしては最近の「力道山」なんかも現役レスラーをずいぶん使ってました。




#1154 
Киска 2008/01/26 15:22
いきなり注目の的

徹夜城さま、こんにちは。お久しぶりです。
浅野忠信さん主演ながら、これまで日本公開未決定だった「モンゴル」が、アメリカのアカデミー賞外国語映画賞ノミネートで一躍注目を浴びていますね。
外国語映画賞にノミネートされている他の作品は、「ヒトラーの贋札」(現在日本で公開中)、「ボーフォート〜レバノンからの撤退」(DVD発売予定あり)、「カティン」(アンジェイ・ワイダ)、「12」(ニキータ・ミハルコフ、あの「十二人の怒れる男」のリメイク)。さすがにどれになってもよさそうな作品ばかりですが、敢えて予想をするならやっぱりワイダ?

ワイダも「灰とダイヤモンド」「地下水道」みたいな<ポーランド史上の悲劇>ばかりを撮っているわけではなく、コメディーもあってむしろその方がお薦めかもしれないのですが、「カティン」は言うまでもなく「カティンの森事件」についての映画なので、アメリカや日本におけるワイダ及びポーランド映画のイメージそのものの路線、しかも最近のポーランドは親米度合が高いですからね、獲りやすいのではないかしら?日本でも、岩波ホールあたりで上映しそうではないですか。

ミハルコフも最近の作品は大体日本公開されています(「シベリアの理髪師」みたいな駄作でも)から、<ここで受賞して話題になって日本公開に漕ぎつけてほしい>などと心配する必要はないと思います。特にもうすぐ日本でも始まる裁判員制度の参考になるとか言って宣伝するというのはどうかしら、と思ったりもしています。

なので、ここは「モンゴル」が獲ってほしい。「モンゴル」を撮ったセルゲイ・ボドロフ(親)監督は、その昔「コーカサスの虜」でノミネートされていましたが、今度はどうでしょうか。脚本家組合のストライキが続けば、ゴールデングローブ賞同様授賞式なしでしょうが。

話は変わりますが、ハンガリー事件についての映画「君の涙、ドナウに流れ〜ハンガリー1956」、タイトルがどうにも恥ずかしいものになってしまっています。が、中身はまあまあです。個人的には「そこをカヴァーしろ!」「まわりこめ!」といったスポーツで使うロシア語がいっぱい出てくる貴重な映画でありました。一番良かったのは水球選手たちがすごくかっこよかったことです!敵役のソ連の水球選手を演じているのは本物の水球ハンガリー代表の面々(シドニー、アテネと五輪連覇、実力世界一!)、試合の場面がもっともっと多かったら、と残念な気がします。水球の場面、市街戦の場面は迫力あります。それと比較すると恋愛部分は平板かもしれません。しかし、「ウィニング・チケット」というサッカー(プシュカシュがちょっぴり登場!?)+ハンガリー事件の映画を観た時も感じたのだけれど、このとき何故にこんなにも凄惨な悲劇になってしまったのか、映像だけでは不条理劇を目にしているようで、やっぱり理解不能に陥ってしまいます。




#1153 
徹夜城(支配人) 2008/01/18 13:33
黒澤リメイク

 TVドラマでも映画でも黒澤映画のリメイクが続いてますねぇ。黒澤プロがたたき売りしてるようにも見えなくはないわけですが(笑)。

 そんな一本、「椿三十郎」を話の種に見てきました。オリジナル版は黒澤明監督作品中ではぬきんでて娯楽色、ユーモア色が強いうえに、ラストの決闘シーンは映画史上有数のショッキングシーという、ぜいたくな作品であります。ま、個人的にはハードボイルド炸裂の前作「用心棒」のほうが好きなんですが。
 その「椿三十郎」のリメイク権を角川春樹氏がとり、森田芳光監督で再映画化。主役の三十郎は織田裕二。織田裕二も「そろそろ四十郎」なんていう年になっちゃったのねぇ、というわけです。

 脚本は菊島隆三・小国英雄・黒澤明の執筆したものがそのまま使用されており、頭からしっぽまでほぼ完全な「リメイク」です。リメイク映画の例は数多いですが、ここまで徹底してるのはかえって珍しいのではないでしょうか。オリジナル版がいつでも脳内で完全上映できるほど頭に入ってる僕などには、同じ戯曲を違う俳優で上演してる舞台劇の感覚で見ることができました。また、ある意味「間違い探し」みたいな感じでしたね(笑)。

 ほぼ徹頭徹尾オリジナルどおりなので、かえって全体のテンポの遅さが気になりました。オリジナルは黒澤映画でも短いほうで、かなりハイペースなテンポだったんですが、それから比べると明らかにセリフ運びも動きも遅い。織田裕二もセリフを区切り区切りいちいち強調してしゃべる傾向があり、ますます遅くなる。これは演出の違いと言ってしまえばそれまででしょうけど、話の内容からしてもテンポが遅いのは致命的だと思うんですけどねぇ。
 そのテンポの遅さのために、殺気立つキャラたちの中でマイペースな奥方とその娘(今回は中村玉緒と鈴木杏)が生み出す笑いがいまいち不発。オリジナル版で「椿を流しましょう」と二人がのんきに提案、聞いた三十郎がイジイジとふすまの文字を指でなぞるシーンは大爆笑だったのですが、今度のはちょこっと変えつつとりこんでみたけどいま一つ笑えない。この場面、かえって意識しすぎて織田三十郎を前面アップにしたのが失敗だと思うんだけどなぁ。

 織田三十郎は当人のキャラからいっても剣豪じゃなくて「弱いが頭の切れるサムライ」にしたほうが正解だったと思うんですよね。これは企画を聞いた時点で思ったことで、「椿三十郎」のストーリー上の原作である山本周五郎「日々平安」はもともとそういう話なのです。といって「椿三十郎」のリメイクである以上はそうはいかなかったんでしょうけどね。

 総じて出来は悪くはないんです。オリジナルを見てない人が初めて見れば、それなりに「傑作」と感じるかもしれない。白黒無声版「ベン・ハー」を見てない人がカラー版「ベン・ハー」でビックリできるのとおんなじように。配役・演技・美術など水準並みかそれ以上のものではあると思います。でもこの場合、なまじ有名作の、しかも徹頭徹尾のリメイクであることが足を引っ張ってる気もします。
 実際、角川さんが意気込んだほど客の入りはよくないようで…もう正月映画としての旬が過ぎたころの平日昼とはいえ、劇場内に5人しかいないのは問題だろうと(汗)。角川氏、「男たちの大和」では当てましたけど「蒼き狼・地果て海尽きるまで」と「椿三十郎」とでだいぶコケちゃったんじゃなかろうか。

 あとは、久々にネタばれ掲示板に書きます。



#1152 
問題児 2008/01/10 21:59
エイリアンを全部、見て

エイリアン2を見て、これで全部このシリーズを見終えましたわけですが
(エイリアン対プレデターやエイリアン対バネッサパラディはシリーズに含めません)
どの作品も各監督の特色が出ていて個性が異なりますが、それでいて連続性が
よく立派にリレーされていて、これほどよくできた連作も珍しい気がします。
第一作の完成度は確かに群を抜いて高いのですが
第二作も監督がその後に傑作ターミネーター2を作る勢いがエイリアン2に
色濃く感じられます、特殊効果に凝るキャメロン監督はエイリアン2では
工業デザイナーの巨匠シド・ミードを呼び、そのインダストリアルデザインは
4作中では最強に感じました。
三作目はサスペンスの名手の監督だけあって地味目ではあるのですが
ホラー映画の絶望感は4作中では最強、ショッキングな感想
個人的には4作目が最高に楽しめました、デリカッテッセンなど
怖いけどブラックユーモアな仏の監督の4作目はエイリアンは進化するし
人類は、それを科学や武器に利用しようとするしアイデア満載
5作目を作れそうな勢いをつけている快作と感じられました。
といっても4作目ができてからかれこれ十年で
そのうちに今は「エイリアン対プレデター」2は封切りになるし
そんなものを作れるなら5作目を見たいのですがね



#1151 
徹夜城(支配人) 2008/01/09 23:09
エイリアンは1作目だけ

 ホラーが苦手な僕ですが、いちおう「エイリアン」1作目は見てます。むしろ「ブレードランナー」の監督が撮ってるから、という動機で見たわけですが、確かによく出来てるなぁ、と思うしかありませんでした。シンプルそのもの、ある意味「よくある話」でもあるんだけど、実にストレートによく出来てる、と感心したもんです。もちろんギーガーのデザインがすさまじいことは言うまでもありません。
 ギーガー以外にも、大友克洋ら日本の漫画家たちにも多大な影響を与えたメビウスなんかもデザインに参加していたはずです。

 「ブレードランナー」は僕はうるさいですよぉ(笑)。とにかくこれまであまたの映画を見てきましたが、とにかく見終わって脱帽、しばらく二度目の鑑賞をしなくてよかった(僕の場合不思議とそういう基準があります。気に入ってすぐ何度も見るのもあるけどそれとは別)数少ない映画の一本です。ほかはなんだ、と聞かれると困るんだけど、「太陽がいっぱい」とかもそうだったなぁ…


 年末に没後10周年記念ということで伊丹十三監督の「女」シリーズ5本をNHK衛星でやってて、立て続けに見ました。改めて通してみましたが、いやぁ、やはり「マルサの女」は傑作です!映像の作り方、俳優の使い方、音楽の使い方、そしてテンポ、何度見ても飽きない映画です。
 また映画の中のバブル絶頂期の日本は今から見ると「歴史映画」でもあるわけです。「バブルへGO!」なんて映画も最近あったぐらいですし。



#1150 
問題児 2008/01/07 18:36
エイリアン

>猿の惑星
SF映画というのは特殊効果や特殊美術がかなりものをいう分野だし
元祖・猿の惑星が成功したのは猿のマスク特殊メイクが大きなウエイトを
しめていると思います、単に猿の毛皮のお面なだけでなく表情まで
変わるのですから。ティムバートン版の猿マスクは元祖と比べて
そんなに進歩しているように見えなかった、というか元祖にかなわない
レベルに見えました。元祖「猿の惑星」はアカデミー賞に特殊メイク部門を
立ち上げてしまったほどだそうですから。

>エイリアン
わたしは3と4は見たのに、1はまだ見てなかった、という非常に変則的な
見方だったのですが今回みてみたら、やはりこれは傑作ですね。
ブレードランナーは何回みても訳わかんないSFですが
エイリアンは非常にダイレクトなSF映画だと思います。
それにしてもルーシ−・ギーガーのバイオビジュアルは圧倒的ですね。



#1149 
小覇王 2008/01/07 00:47
猿の惑星・革命

皆様
あけましておめでとうございます。
 >パパゲーノ川崎さま
 テレビ版「猿の惑星」は確かに存在します。一応「最後の猿の惑星」と最初の「猿の惑星」を繋ぐ話になっていて、人間は言葉をしゃべれなくなるまでは到っていないものの猿の半奴隷化状態になっている、という世界にタイムスリップしてきた宇宙飛行士がやってくる、というものです。宇宙飛行士二人と彼らに理解を示すチンパンジー(演じるは映画版でコーネリアスやシーザーを演じたロディー・マクドウォール!)が毎回、ゴリラの軍人から逃げるという話だったと思います。たぶん途中打ち切りなので、結末がどうなったかはわかりませんが。
 ちなみにアニメ版も存在して、こちらは原作にあって映画になかった飛行機や戦車を操る猿が描かれていたとはずです。
 評価の低いティム・バートン版ですが旧作が作られた当時と現在の類人猿に対する我々の見方の変化がわかり、とても興味深いものです。66年当時はゴリラは凶暴、チンパンジーは温和で賢い、というイメージだったのが現在ではゴリラは温和でチンパンジーはヒステリックで凶暴、へたすりゃ共食いまでする動物という最近の研究結果がそれなりに反映された映画といえるでしょう。ちなみに僕の一番好きな作品は「猿の惑星・征服」。たとえ誰がなんと言おうとも!



#1148 
パパゲーノ川崎 2008/01/06 17:21
猿の軍団続き

問題児さま>
ご覧になられたのですね。それは珍しい体験ですね。
ひょっとしたら店の人が間違って置いていたのかも?(笑)

ところで、僕は”猿の惑星”のテレビシリーズのようなものを
観た記憶があるのですが、、、
当時の記憶だと、この”猿の軍団”とは異なるのですが、
ひょっとしてアメリカで”猿の惑星”のテレビシリーズが製作されて
いたのでしょうか?それとも単なる記憶違いなんでしょうかね。

それにしても、鼠年なのに猿の話題で引っ張ってしまっています。

鼠の映画も多いですね。アメリカ人は鼠が好きなんかなー。
昨年もネズミーな美味しいレストランのお話の映画がありましたね。



#1147 
問題児 2008/01/05 13:47
なぜか見たことある(汗

猿の軍団とかいうのは昔レンタルビデオ屋で借りて見たような記憶があります、というか単に猿の惑星を借りようとして無かったので代わりに借りたような
猿の惑星は無いが猿の軍団はあるレンタル屋ってのも変な店ですが(笑

猿の軍団は猿の惑星の2番煎じは2番煎じのようですが微妙に設定が違いました
猿の軍団での猿たちは進化してはいるものの体格の関係じょう物を投げるとき
オーバースローが出来ないという設定。この猿たちの弱点をついて主人公の
タイムスリップしてきた人間たちはピンチを脱する回があったような。
猿の軍団のテレビ放映期の世相をよく知っている人が言ってましたが
当時、学園もののSFドラマがテレビでよく流行っていて
学園もののSFといっても今ではピンとこないのですが
「時をかける少女」あんなタイプのドラマで、今では考えられない
のですがNHKが、その手のドラマをよくやっていて
「七瀬ふたたび」や「その街を消せ」が代表作とか
猿の軍団も、その流れを汲んでいるのかタイムスリップしてくるのは
学生の少年少女



#1146 
パパゲーノ川崎 2007/12/30 21:01
”猿の軍団”て知ってますか?

来年は鼠年なのに、猿の話題が続きます。

”猿の惑星”の人気に触発されて製作された、日本の特撮TVドラマ
なんだそうですが。
視聴率が振るわず、(だって”アルプスの少女ハイジ”の裏番組)
その低視聴率をなんと”宇宙戦艦ヤマト”と競っていたとのことです。^^;

でも、脚本は小松左京氏と豊田有恒氏であったそうで
かなりいい筋だったようです。
観てみたいですねー。



#1145 
問題児 2007/11/20 18:59
続・猿の惑星

こんな変なSF映画やってるなんてNHK衛星ならではだな、こんなん見てるの自分
ぐらいだろう、と思って見てましたけど、お仲間が(笑
わたしはリメイクのほうを先に見たほうで、ジザースハンズの監督がやったほう
あれは酷かったんですが、あれがひどいのはアレ自身がひどいのか元祖がひどいのか
確認するためもあって今回、映画1、2を連続で見たのですけど
(アメリカではスペシャルテレビドラマ版で3〜4もあるとか)
SF映画の怪作かつ傑作だったんだなと感じました。
むろんツッコミどころ満載ではあるんですがね。一番きになったのは
主人公の宇宙飛行士たちがカミカゼ自殺マシンみたいな時空を飛び越えるロケットで
航行する宇宙探査を志願するなんて普通だれも志願しない、やるのはアンタら
ぐらいだよ、と見ながらツッコンデいました(笑
いまは全米ライフル協会の幹部のチャールストン・ヘストンが映画で撃ちまくって
います(笑



#1144 
徹夜城(支配人) 2007/11/18 23:44
猿の惑星

 有名すぎて、しかもだいたいのストーリーは知っていて…「見たような気になっている映画」の代表みたいな作品でした、僕の中では(笑)。NHK衛星映画劇場が昨日から来週にかけて全シリーズを放映するというんで、これを機会に、と第一作を見てみました。

 あのあまりに有名なオチ、言われなくても分かる仕掛けにはなってるんですね。だいたい猿どもが英語で話し、読み書きもしてるし(笑)。別の惑星だと思い込んでる主人公の方に矛盾を感じてしまうわけですが、昔のSF映画はそういうところはあまり深くツッコまないようにしていた気がします。
 それはそうと、初めて見た感想としては、やはり「名作」といわれるだけのことはあるわ、と思いましたね。これ、かなり辛らつな人間文明批判映画になっているわけで、猿達の宗教・文化のそれは現代の人類(というかキリスト教圏というべきでしょうか)の痛烈なパロディにもなってるわけです。
 
 ご存知の方も多いとは思いますが、この映画の原作を書いた作家は「戦場にかける橋」の原作を書いた人でもあります。太平洋戦争時に日本軍の捕虜になった経験があり、その体験をもとにこの2作が生まれています。つまり「猿」と「人」の立場が逆転するというアイデアはそれまで文明人扱いしてなかったアジア人の捕虜となってこき使われた経験が反映しているわけですね。
 以前、このことを某民放のTV番組でとりあげていて、「戦場にかける橋」が人類の普遍的友情を描いた「美談」になっているのに対して、「猿の惑星」が作者の本音をのぞかせている(つまりアジア人への蔑視、屈辱を晴らす意図がある)…というようなまとめかたをしていたのを見てるんですが…小説のほうは読んでみないとわかりませんけど少なくとも映画の方は「猿」たちを見下してるわけでもなく、むしろそれが人間のパロディであり、その猿たちから人間がもっと愚かな存在とみなされているわけで、その番組でまとめたような単純なもんじゃなかろうに、と思った次第でした。
 なお、映画の脚本を書いた人は「赤狩り」にひっかかった人で、主人公が猿達から受ける仕打ちの描写には自身の赤狩り体験が反映しているらしい、というオマケもつきます。

 さて、来週から続編の方にもつきあってみますか(笑)。やめられない、とまらない…で続いちゃった映画の代表でもありますね。



#1143 
小覇王 2007/10/28 22:38
ロッキー・ホラー・ショー!

 たった今川崎で「ロッキー・ホラー・ショー」を観て帰ってきたところです。「ロッキー〜」は大好きな映画で今までDVDやビデオでは飽きるほど観ていたのですが、なかなか劇場で見る機会はなく、これでは本当の「ロッキー〜」ファンとはいえないと恥じていたのですが、これでやっとヴァージン卒業!堂々と胸を張ってファンを名乗ることが出来ます。
 とはいえこれ、改めてみて思ったのですがやはり万人に薦められる映画ではないですね。内容は意味があってないようなものだし、ご存知の方も多いとは思いますが、劇場では観客参加型なのですがいわゆる下ネタが多いので嫌いになってしまう人も多いかもしれません。僕は平気だったのですが。中には子供(幼稚園から小学校低学年ぐらい)をつれてきている人もいて、将来が楽しみだ、などとおもってしまいました。来年も見に行くぞ!「Let`s do the time warp again!」



#1142 
問題児 2007/10/25 12:09
アウトブレイク

ダスティン・ホフマンという俳優は、名優だというのは聞いていたのですが
彼の代表作を全く見ていないので、どんなアクターなのかは今まで知らなかったし
少なくとも肉体派アクション俳優ではないのはわかるので
見る前は、こんなサスペンスアクション映画に合うひとかは疑問だったのですが
なかなか、よかったです。ウィルスという肉眼では見えないものを相手にする
映画ということで、なかなか表現をうまくやらないといけなさそうな
もんですが、なかなかの出来でした。
主人公が軍人は軍人でも軍医という知性を前面に出していくキャラ
なのでダスティンホフマンが適任だったのかな、と。
元・映画俳優の現・カリフォルニア州知事だったら
少々むつかしい役かな(笑




#1141 
徹夜城(支配人) 2007/09/17 10:08
ドキュメントと劇映画の狭間に

>Кискаさん
 この映画、話には聞いていたんですけどね…う〜ん、なんとなく危惧していた問題点がそのまんま具現化しているような。
 歴史事実をドキュメントではなく劇映画にした例はいくらでもあるわけですが、ともすると作り手が真面目なだけに陳腐で説教くさい…悪く言えば「下手なプロパガンダ」以外の何者でもなくなってしまう、というケースはままあります(怖いことですが「上質のプロパガンダ映画というのは見る分には面白い)。この手のテーマの映画はやはり工夫次第、というかまず「映画」として成立させ観客に提示することを大前提にしてもらいたいものだと思います。

 実際の事件を扱ったドキュメントタッチの劇映画というのも僕は結構好きでして、日本映画では「日本のいちばん長い日」にトドメをさすと思ってます。海外だと「JFK」とか「アポロ13」でしょうか。これらに共通するのはリアリティのある演技・演出もさることながら語り口の「テンポ」が素晴らしいことですね。



#1140 
Киска 2007/09/16 15:54
日本国憲法誕生秘話?「日本の青空」

この手の作品には映画的なおもしろさを期待してはいけないのかもしれませんが、予想通り<観ておもしろい映画>ではありません。期待していませんでしたが、<初の憲法についての劇映画>(ドキュメンタリーではなく、という意味)だそうなので、日本法制史上は重要な作品なのかもしれないと思って観てきたわけです。結論から言うと、<そういう意味においては>観るべき、観てほしい作品ではあります。

でもね、<現代の若者が過去の真相を探って平和の尊さを実感する>という設定が陳腐(大澤監督、「GAMA〜月桃の花」で既にこの手法を使っているし)。1945年〜1946年の日本国憲法草案作りのみで充分で、現代の部分は全く不要。ジャーナリスト志望の派遣社員と恋人の司法試験浪人の演技は目も当てられないほど酷かった!これは両人の資質ばかりではなく、わざとらしい演出にも難が大ありだからだろうけれど。←なんだか<タイムスリップを安易に持ち出す反戦映画は嫌>と申し上げた以前の書き込みと同じような趣旨になってしまいましたが。

現行憲法の草案としての憲法研究会の「憲法草案要綱」の存在自体は別にスクープでも真相の掘り起こしでもなく、高校とか大学とかで普通に教わるようなことです(私は法学部だったので憲法学の講義でしたが、日本現代史などでもあるのではないでしょうか)。確かに大多数の人にとっては記憶に残る事項ではないだろうし、突然職務を投げ出したお方が常日頃口にしていた「現行憲法はGHQの押し付け」的な論調の方が印象深いでしょうから、憲法研究会について全く知らない(忘れた)人から見れば「真相が明らかにされた」と新鮮に感じられるのかもしれませんが、実際には新資料が発見されたとか秘密を暴いたということもありませんでした(それがあるのかも、と多少期待していたのに)。
であればなおさら、「そうだったんだ、それすごいじゃん!」などと騒ぎ立てる現代の描写はない方が、憲法研究会及び鈴木安蔵のお話はそれなりにドラマチックに盛り上がったのではないかという気がします。

五日市憲法について地元の高校生が創作劇をする場面はなかなかおもしろかったのですが、惜しむらくは「秋川」を「あきかわ」(低高高高)と発音していたこと。「あきがわ」(低高低低)と言いましょう。

これを読んで「観る気をなくした」という人がいたらごめんなさい。そのつもりで書いたのではありません。繰り返しますが、日本国憲法誕生の舞台裏に触れるという点では意義深い作品ですので、観る価値は十分あります。(だからこそ、もっと一般に通用するおもしろさが欲しかったのです、井上ひさし(『箱根強羅ホテル』)やジュエームス三木(『真珠の首飾り』)みたいな)




#1139 
elevater 2007/07/20 07:08
細かい話ですが、よく見ると

>ダイハ−ド4.0
非常に細かいつっこみなんですが、本作はシリ−ズの中で非常に
一線を画する点があります、主人公が肌身離さず所持するピストルは
1〜3作みなベレッタMF92で、この映画のヒットの影響で同種の
ピストルが世界中で売れに売れてブル−ス・ウィリスが、このピストルの
コマ−シャルをやったようなもんだとまでいわれたようですが
4.0は、主人公、拳銃が違うようです、ジグザウアのものを使っている
みたいです、MF92じたいは、まだそんなに古い銃でもないし
モデルチェンジで亜種が多くあるみたいですが
メ−カ−鞍がえとは
あと、まだ米軍が開発段階の垂直離着陸機と主人公が戦うのもすごいですね(笑



#1138 
徹夜城(支配人) 2007/07/19 20:57
最近見た映画

劇場、DVD、TV放送録画もふくめてかなりの数を最近見ているのですけど、報告が面倒になっちゃって(笑)。本来はちゃんと感想日記を書かなきゃいけないんですけど、なまじニュースとは違うもんだからドンドン先送りになっちゃいます。
とりあえずこのところ見たものをタイトルとコメントを軽く並べます。

「ダイ・ハード4.0」
ずいぶん間のあいだシリーズ最新作。「ロッキー」も「インディ・ジョーンズ」も忘れたころに新作を作っております(笑)。ランボーも復活するらしいし。してみるとハリウッドは90年代以後はヒーローもののヒットシリーズを生み出せなかった、ということになりそう。
で、「4.0」ですが、やはり「911」以後にテロリスト集団との戦いを映画化するのは難しかったんでしょうね。ほとぼりが冷めてから作った観もあり…サイバーテロなんてのは今となっては特に新鮮味はありません。
 ただこのシリーズの特色である、フツーのオジサンがボロボロになりながらも根性と知恵(?)で難局を打開していくという展開は相変わらず安心して面白く見られます。ラストが拍子抜けだった「3」よりはラストまで緊張感を保っていたと思いますし、今回は「相棒」が少々情けない引きこもりハッカーというあたりがサスペンスを生み出していました。
 一作目の奥さんの役どころを今度は娘がやってるわけですが、一作目でチラッと出てきたあの娘がこんなに大きく…とそこにも時代の流れを感じちゃうのであります。


「日本以外全部沈没」
DVDでレンタルして見ました。筒井康隆の原作は短編ですので、思いっきり話をふくらませちゃってます。それでも基本エッセンスはなんとか残してますけどね。
意外に原作にないオリジナル部分のドラマが気になって見入ってしまいました。皮肉の利いたギャグ描写についてはもっと弾けちゃってもよかったのでは。藤岡弘、をせっかく引っ張り出しながら出番が少なくて残念。あ、それと今どき貴重な正統派の(?)ミニチュア爆破特撮が見られます(笑)。


「太平洋の翼」
これもDVDレンタル。東宝十八番の特撮戦争映画の一本で、大戦末期の本土防衛にあたった松山の紫電改部隊をモチーフにしています。史実では源田実にあたる役を三船敏郎が演じてますが、モデルが存命だったこともあってかかなり理想化して描かれてしまいました。
 ただ本来の主役は加山雄三・佐藤允・夏木陽介のトリオ。この三人が出てる戦争映画を何本みたことか(笑)。その他の出演者もおなじみの顔ぶればかりで「東宝劇団」状態で安心して見ていられます。加山はレイテ島から、佐藤はラバウルから、夏木は硫黄島からそれぞれ本土へ駆けつけてくる冒険談が前半で、とくに佐藤允のパートは米軍の船をかっぱらって日本へ向かい、途中で日本軍から攻撃されたりとギャグ満載。ここに珍しいことに渥美清が出演しておりまして、佐藤允と漫才よろしくギャグを連発。
 しかし後半は一気に悲劇の連続。渥美清は戦艦大和大好き兵士の役どころで、沈みゆく戦艦大和につきあって運命をともにします。なお、東宝特撮で大和が出演したのはこれが最初で、巨大なミニチュアを山中湖(だったかな?)に浮かべてヘリで空撮したのだとか。


「潜水艦イー57降伏せず」
これまた東宝特撮戦争映画。「太平洋の翼」と同じく松林宗恵監督作品で、日本映画では珍しい正統派の「潜水艦映画」です。DVDでは松林監督に樋口真嗣監督が加わったコメンタリーが入ってましたが、なるほど「ローレライ」が似ているといえば似てる。「ローレライ」は第三の原爆投下を阻止する話でしたが、「イー57」はポツダム宣言前の終戦秘密工作のためにアメリカ人父娘を大西洋カナリア諸島まで届ける、という話です。もちろん完全なフィクションですが。
 潜水艦ものお約束の駆逐艦とのバトルや狭い艦内での苦労話、そこへ外人美女が乗り込んでくるわけですからいろいろと騒動が(笑)。水不足の艦内で彼女が水浴びをしたり、発熱したため艦内のエネルギーを削って氷を作ったりといった涙ぐましいヒューマニズムも紛れ込んでます。
 現代人の感覚からするとラストが納得しにくい気もするんですが…これも「太平洋の翼」同様、実際に海軍で戦場に出た松林監督の気分の表現なんでしょうかね。


「千年湖」
劇場公開もしたらしいですが全くノーマークだった韓国映画。DVDでレンタルしてきました。新羅末期を舞台にした伝奇ホラーで、ノリはちょっと前の香港ホラー。
中国映画「始皇帝暗殺」「HERO」で使われた咸陽宮の大セットをそのまま新羅王宮に見立ててロケしてます。史実の人物としては統一新羅唯一の女王・真聖女王がヒロインとして登場するところが興味深いです。


>パパゲーノ川崎さん
「スタートレック」、僕は最初のシリーズのものでは映画版一作しか見てないんですよ。それも見た動機はアシモフが珍しく原案に加わっていたからです。
新シリーズの映画版は2作ぐらいは見てますが…これを機会にファーストシリーズも目を通しておきますかね。
「スタトレ」といえば、パロディとしてはあまりにも上出来の「ギャラクシークエスト」も必見ですね。



#1137 
パパゲーノ川崎 2007/07/17 19:18
スタートレック

TVドラマはこちらでいいのですかね。

NHKBSでスタートレックが始まります。
一作目です。デジタルリマスターがされているとか。
私が子供のころは”宇宙大作戦”という題名でした!

(若い)Mrスポックやカーク船長に再び会えるのですから
大変期待しています。

ただ問題は放送禁止用語が結構あったはず、、、で
内容がわからないような場面が出てこないか心配です。



#1134 
徹夜城(支配人) 2007/06/21 21:33
見たいのは多いんだけど

 劇場まで足を運んで見たい映画が現時点で3本(「プレステージ」「300」「アポカリプト」)もあるんですが、諸般の事情で家から離れられず。在宅の仕事をしながら(笑)横目でビデオをいろいろ見ております。
 なんちゅうても「ロード・オブ・ザ・リング」全巻一挙鑑賞しましたからねぇ。もっとも一週間で細かく分けつつ見たわけですが。DVDの完全版のほうですので、合計12時間はあるというとんでもない長さ。日本映画だとこれに匹敵できるのは「人間の条件」ぐらいでしょうか。本で読んだところによると富野監督は「ガンダム」劇場版を当初4〜5部作で作って「人間の条件」並みにする計画もあったらしいですが(笑)。

 他に見たところで、岡本喜八監督の「ダイナマイトどんどん」。「仁義なき戦い」に出ていた人たちがヤクザ役で、抗争ではなく野球で他の組と勝負するというトンデモない映画でありますが、ここまで「遊んだ」映画は珍しいかもしれません。野球を扱った映画の一本としても、あるいは「仁義なき戦い」のパロディとしても見れる一本。

 昨日はHDD内に録画したまま放置していた「西部戦線異状なし」を、3度目くらいかな、また鑑賞。いや〜改めて、反戦戦争映画の古典にして最高峰になっちゃってるかもしれんと思いました。あるライターさんの文章で読んだ指摘ですが、その後の戦争映画の多くがこの映画の「翻案」といえるかもしれません。
 またこの映画を見るといつも感心しちゃうのが戦闘シーンの凄まじさ。1930年という時点でこれだけのものを作ったのか…と驚かされます。またこれだけの映画(もちろん原作小説も)が作られながら、その後第二次世界大戦をやっちゃってるということを考えると何とも空しくなるところもあります。アメリカのベトナム戦争映画を見ていて昨今のイラク戦争のことを思ったりするようなもんで。



#1133 
小覇王 2007/06/15 21:48
300!!

 僕も「300」観ました。時間的に都合がついたので、そのまま「プレステージ」をはしごしようと思ったのですが、さすがにあれを観てから「プレステージ」を連続で観ると映像の暴力に頭がもたないな、と思ってあきらめました(「プレステージ」は相当頭を使うらしい)。
 史実を基にしているとはいえ、原作がコミックですからまずはそれの再現が第一であって、歴史考証は二番目なのでしょう。アケメネス朝時代のペルシャ人と現代のイラン人に直接のつながりは無いと思いますがどうなんでしょうね。古代ギリシャと違って日本の時代劇で白人が日本人を演じることはまずないのでその辺の感覚はちょっと分かりかねますね(あ、でもジョン・ウェインの「征服者」とか白人が東洋人を演じるやつはあるな)。「トロイ」のときもギリシャの人たちが「俺たちの先祖はブラピみたいな金髪碧眼の白人じゃない!」と抗議したといいますし、ハリウッド映画で日本人役を中国人が演じるようなものなのかな。
 ただ映画の「ペルシア帝国軍」は一定の人種、風俗に固定されておらず、ペルシアに征服された国々の連合軍という感じが出ていました。この辺は原作よりうまい描写かな。中で明らかに東洋人の風貌をした弓を使う兵士たちがいて、モンゴルのイメージなんでしょうか。黒人もいれば中東系、東洋系もいるという感じでギリシャ、スパルタとの対比は良く出ていました。まあ、確かにクセルクセスの描写は人によっては噴飯モノなんでしょうけど。
 それでも燃える漢の映画であることには間違いなく、前半、アルカディアの義勇軍に対しこっちは300人全員戦士だ!というシーンなんかは格好良かったですね。とにかく燃えるシーンには事欠きませんでした。ただ、スパルタ軍が執拗に「自由のため」「正義のため」「民主主義のために」というのは現代の感覚から言うとすこし違和感はあるかも。アテナイあたりの兵士が言うならともかく、スパルタが言うか?って思ってしまいました。これぞスパルタ!



#1131 
ひで 2007/06/14 21:33
300

早速見てきましたが、テルモピュライの戦いをベースにしたハードボイルドな歴史アクション映画という理解でいいのではないかと思われる作品でした。で、これの原作漫画の方も読みましたが、映画の方はこれをかなり無理して2時間にしたのではないかという気が…。むりに2時間にしなくとも1時間半もあれば十分だったのではないかという気がします。

あと、この映画に対しイラン政府が興ったという話もありますが、今の政府とアケメネス朝がつながるのかと言うことはさておき、こりゃ怒るのも無理はないなと思います。どうみたって化け物の軍団だし…。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1128 
elevater 2007/05/20 08:34
戦場のピアニスト

近代の社会派・戦争映画は、大袈裟な演技がいる演劇型より、むしろ
淡々とした描写のもののほうが臨場感があるんではないかと思いはじめて
いますが、この作品は、そのつぼをふんでいる気がします。
ただ、淡々と話が流れていくので、映画の前半、中半いや大部分は眠気が
たっぷりあります(笑
ラスト30分足らずの展開が、この映画はいいなと思います、うまく言えませんが
昔よんで、これは第二次大戦を描いた社会派・短編では傑作だなと思った小説
「一切れのパン」を映像化したらこうなるかなと思ったくらい
思えば、ロマン・ポランスキ−の映画は初めて見たんですが



#1127 
徹夜城(支配人) 2007/05/11 23:20
怖いのは苦手で(笑)

 ホラー映画というわけでもないんでしょうけど、どうも怖いのが苦手な僕はレクター博士シリーズは「羊たちの沈黙」しか見ておりません。

 原作シリーズの第一作である「レッド・ドラゴン」は実はちゃんと最初に映画化されてまして、その当時日本ではまるっきりウケず、興行側も理解不能で困ったあげく「刑事グラハム/凍りついた欲望」などというアクション刑事ものなんだかエロものなんだかという妙なイメージの邦題で公開し、やはりアクション映画を思わせるパッケージでビデオ化もされています。
 ところがその後、原作の続編である「羊たちの沈黙」が大ヒットでアカデミー賞作品賞をとってしまい、ビデオ販売元は大慌て(笑)。すかさず「レクター博士の沈黙」と無茶苦茶な邦題に変更して再リリース。パッケージもストッキングをかぶったレクター博士の写真が前面に押し出され、同一の映画とは思えないほどです(笑)。
 さらにその後「ハンニバル」があって、この「レッド・ドラゴン」も「エピソード1」的にリメイクされることになり、過去の映画化はますます忘れ去られてしまってます。レクターシリーズってそんなにみんな見たいのか、とうとう「ライジング」まで作られ、次の作品も決まってるそうで(日本が舞台とか…)。

 大ヒット確実なものはともかく、地味な素材の映画は興行元もあれくれ苦しい工夫をするんですよね。中身と全然違う邦題&ポスター、最近問題になりましたが予告編だって実際の映画とはまるで違うものに仕立てた例もあります。
 あと劇場公開時とビデオリリース時でタイトルやパッケージのイメージをガラリと変えるケースもありました。DVD時代になってからはそうでもないのかもしれませんが、レンタルビデオ全盛期にはとくにその現象が目に付いた気がします。つまり劇場に足を運ばせるには女性客をひきつけるイメージを、ビデオレンタルをさせるには男性をひきつけるイメージを前面に押し出していたのです。
 一例としてリチャード=ギアが中国は北京で無実の罪で裁判になるという彼自身の宗教的立場も反映したと思える映画「Red corner」がありましたが、劇場公開時はラブストーリーを思わせる「北京の二人」の邦題、ビデオ版は「レッド・コーナー」で、リチャード=ギアが銃を持って走る(ちょっと記憶違いかも)アクション映画を思わせるパッケージになっていたものです。

 もっとも最近は劇場未公開、レンタル専用のDVDに凄い印象操作が目立つかなぁ…結果的に意外な掘り出し物だったんですけど、「ファイナル・エンペラー」って邦題と歴史スペクタクルを思わせるパッケージのDVDは内容がまるっきり違う(だいたい皇帝は一度も出てこない!)地味〜な歴史ドラマだったりしました。パッケージ写真では主人公に鎧を勝手に着せたり、他の映画(「ルパン」だったんですぐわかった)の風景写真をはめこんだりとかなり手が込んでおりました(笑)。



#1126 
elevater 2007/05/11 13:04
レッドドラゴン

最初に見ているうちは知らなかったのですが、この映画、シリ−ズ3作目ですが
話の時期の設定は、一番ふるく、オ−プニングでハンニバルが逮捕されて
これは時をさかのぼった話なのかとようやく気付きました。
にしても、Dr.レクタ−が、ああもたやすく捕まったのは拍子ぬけ
しかも、自称レクタ−の後継者な殺人魔も、さほど天才的な犯罪者には
見えず、少々しょぼいものでした、でも4作目つくっているらしいし
まだ、シリ−ズは続くのか



#1125 
徹夜城(ルパンマニアの支配人) 2007/05/05 20:30
昨日は「ルパン対複製人間」放映

 新聞のTV欄に「ルパン誕生40周年企画」などと出ていて「なに?」と怒ったのですが(笑)、さすがに番組では「ルパン三世」とちゃんとなってました。
 しかし日本では相変わらず「ルパン」というと「三世」を連想する人の方が多いようで…しかも「ルパン」って本当は姓なんだけどファーストネームと勘違いしてる人も多い感じですね(モンキーパンチさんは百も承知でやってると思うけど)。


>elevaterさん
 映画「ルパン」は原作ファンならいろいろと楽しみが多いのですが、確かに原作を知らない人には「あれ?」ってな感じを受ける方が多いかもしれません。まず大前提としてあれは19世紀末から20世紀初頭の「推理冒険活劇」であるということを理解しないといけません。しかしあの映画の日本での興行は「三世」を意識したフシもあったからなぁ…DVDの日本語吹き替え配役はモロに狙ってましたし。
 あと、日本では「ルパン」というと南洋一郎・文(訳ではない!)の児童向けシリーズの影響があまりに強く、あの映画で描かれるようなやたら女たらしで情熱的、わりとワルで危なっかしい若者風味のルパンに違和感を感じた人が多かったのではないかと。ネット上でも「原作どおりやってほしい」と言ってる人がいて驚いたんですが、その人の言う「原作」って南版のことなんですよね(南版はルパンの恋愛関係は大半カットしてます)。ルブランの「カリオストロ伯爵夫人」のルパンに関して言えば映画はかなり忠実に再現してました。
 一方で濃い目の原作マニアからは「話が変えられてる!」「他のストーリーも合成しちゃってる!」ということで一部では不評を買ってたりするんです。まぁ人気のある原作ものの映像化には常につきまとう問題なんでしょうが…僕なんかは少なくとも作り手が原作世界をよく理解したうえで作っている良作ととらえてます。

 宮崎駿監督の「カリオストロの城」の件ですが、以前名前は忘れましたがさる評論家の文章で「『カリオストロ』とは実在した人物の名前であり、宮崎監督はよく調べている」と褒める趣旨のことを書いていてこれまたその無知に驚いたことがあります。もちろん「カリオストロ」とはフランス史上有名な実在した詐欺師で、「マリ・アントワネットの首飾り」という映画でクリストファー=ウォーケンが演じてたりするわけですが、「カリ城」のあの名前は明らかにそのカリオストロの「孫」の設定の「カリオストロ伯爵夫人」が元ネタでしょう。この小説のヒロインが「クラリス」なんですから断定できます(ついでに言えばルパンシリーズではもう一作「クラリス」という同名のヒロインが登場しています…二十歳の息子がいる年ですけど)。

 宮崎監督は「ルパン三世」を作りつつ、「カリ城」ではむしろルブランらが書いた古典的冒険小説への先祖がえりをしているわけで、アルセーヌ・ルパンシリーズにヒントを得たと思える場面が多々あります。もっとも有名なのが湖底からローマの遺跡が出てくるあのラストで、ルパンシリーズ中期の作品「緑の目の令嬢」のラストをそのまんま拝借したものです。そのほかにも「カリ城」は全編に「どっかで見たような」場面がルパンシリーズに限らずあらゆるアニメ・映画・小説から拝借されており、宮崎監督のオリジナル部分って実はほとんどないんじゃないかという指摘もあります。
 こんなことを書くと「カリ城」をくさしてるように見えますが、そういう拝借なり引用を自分のものとして消化し、一本の映画に仕立てちゃうところが監督の「なせる業」なのでありますね。

 フランスの映画制作スタッフが「ルパン三世」を見ているまい…とお書きでしたが、僕は確実に見ているはずだと思ってます。「三世」ってあれで欧米はじめ世界中で放送されちゃっていて、知名度はかなりありますので。
 モミアゲの件は単に当時の流行をそのまんま描いただけですので偶然だと思いますが、映画中でルパンが化学薬品を使った時間限定のゴムマスク(?)で変装している場面は「三世」の影響が強いんじゃないかと思ってます。ルブランの原作だとルパンの変装って役者のメーキャップと演技の領域を出るものじゃないんですよ。1970年代にフランスで作られたTVドラマシリーズではすべての変装をルパン役の俳優さんが見事に演じ分けてくれてました。



#1124 
elevater 2007/05/04 20:02
ルパン

え?もうテレビでやるのは、そんなにうけなかったのかな?と思いながら見てみましたが、自分は原作、読んだことなくて三世(笑)のほうに馴染みがあるので
この映画は、ちょっと拍子抜けというか、原作よんでないと展開がよく分らない感じが
して、ここの管理人さんみたい原作フリークのかたじゃないと分らないような展開が
そこはかとなくありました。
やっぱ、モーリス・ルブランのとモンキーパンチのは全然ちがうものなんだな、
と思いました。
クラリスやらカリオストロやらネーミングが出てくるので、今まで、これらは
宮崎監督が考えたものだとばっかり思っていたので原作にあるものだったと
初めて知りました。
しっかし、この映画のルパンの独特のモミアゲは、三世の感じが出ていて
まさか、この映画の制作側は日本の三世は見てはいないだろうとは思いますが
それにしても、あのモミアゲだけは三世っぽかった(笑




#1123 
ひで 2007/05/04 12:43
イタリア映画祭2007

久しぶりにテレビやDVDではない形で映画を見てきました。
見た作品は「N -私とナポレオン-」という、エルバ島に名がされていたときのナポレオンを題材にした映画で、向こうではナポレオンの新解釈として結構評判だったとか。
で、これは一応コメディタッチの映画らしいんですが、主人公の姉が好きな男のちょっと馬鹿っぽいところは笑えました。

5日にはサイレント映画「カビリア」の最新復元版(第2次ポエニ戦争の時期を扱ったスペクタクル史劇だとか)があるので、それを見られると良いなと思っています。問題は朝日ホールは長時間座って映画を見るのがかなり苦痛だと言うことですが。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1122 
徹夜城(獄門島を横目に書き込む支配人) 2007/05/01 21:18
「放送禁止用語」

 今週のNHK−BS第二のBSシネマは市川崑監督・石坂浩二主演の金田一シリーズ5作がすべて放映されており、ついつい録画しつつも見ております(笑)。
 やはり「獄門島」は推理の核心部分にいわゆる「放送禁止用語」が使われていることが注目されてしまいます。で、先ほどその場面にさしかかりましたら、ちゃんと消されずに放送してましてホッとしたりして。もっとも知ってる人はご存知のように本来は「その意味」の言葉ではないのですけどね。
 この部分、片岡鶴太郎版のTVドラマシリーズなど、多くの作品でその言葉が出ないようにシナリオが変更されてしまうことが多いのです。さすがのNHKも市川監督の傑作ということでそのまんまということらしい。過去には黒澤明「隠し砦の三悪人」で「おし」が消されずに放送されたこともありました(だいたいこれは消すと話が成り立たない)。
 しかしそのほかでは駄目なケースも多く…「モスラ」で「こびと」が消されたこともあり、先日も「あしたのジョー2」で「廃人」が削除されてました。


>明彦さん
 女王様及び首相の話かと思ってました(笑)。
 僕がよくいく書店兼CD&DVD屋のエスカレーターには「中央にお乗りください」という注意書きのあるシールがはげて「ください」部分が消えちゃってるのがあり、ささやかに笑いを誘っております(笑)。もう十年以上そのまんまだな。



#1121 
明彦 2007/04/29 23:49
アルコールが入った状態で書き込んでしまいました

「及び」→「お呼び」ですね。
大変失礼しました。



#1120 
明彦 2007/04/26 23:39
女王様と及び

御無沙汰しています。
『クィーン』観て来ました。いや、凄いです。
戯画にもせずファンタジーにもせず、真正面から堂々とリアリズムで
「見て来たような『英国王室の私生活』と『公私とも多難なブレアの奥方や側近との生活」を見せてくれます。
あまりにも堂々とやっているので、実物より何割か美しい女王陛下は勿論、
全然似ていないチャールズ氏まで「本物はこう言ったろう」と思えて来ます。
しかしあの頃って、英国王室存亡の危機だったのですね・・・
それにしても現役の君主や首相をここまで描いてしまう映画って、前例はあるのでしょうか?



#1119 
徹夜城(支配人) 2007/04/15 21:45
ドイツのいちばん長い日

>elevaterさん
 こちらでもヒトラーばなしが(笑)。
 「ヒトラー〜最期の12日間〜」というのは邦題でありまして、原題は直訳すると「壊滅」。英題も「DAWNFALL」となっておりまして、まさに「落っこちていく」話なのであります。でも僕はあのラストにはむしろ「救い」を感じましたけどね。
 ヒトラーは恐らく近現代史上の人物の中でもっとも多く俳優に演じられているのではないか?と思えるほどよく映画やドラマに登場しています。一番早いのはチャップリンの「独裁者」と考えれば(あれはパロディですが)、実に早くから「映画化」されちゃってたわけです。そもそもあの存在自体が「映画的」なんでしょうね。高い演技力が要求されるため俳優さんもやりたがったりするそうです。
 有名どころではオビ=ワン役者アレック=ギネスが演じてますが僕は未見。僕が見た中ではソ連映画に出てくるヒトラーがいずれもソックリさんで凄いです。「ヨーロッパの解放」なんてヒトラー、スターリン、ムッソリーニ、ルーズベルトなどなど第二次大戦史ソックリさん大会になってて、どこまで記録映像なのかドラマ部分なのかわかんなくなるほど。

 で、ドイツ人がドイツ語で演じるヒトラーってのは実はこの「ヒトラー最期の12日間」が事実上初めて(キワモノで前例はあったらしいですが)だったのですね。それでヨーロッパの一部ではかなりの拒否反応もでたりしたのです。その件はずいぶん前の「史点」でネタにしたことがあります。

 僕はこの映画にはむしろ「ドイツのいちばん長い日」という邦題をつけたかったですね。内容自体はヒトラー個人よりもナチス・ドイツそのものの崩壊の日々を描いており、ヒトラーとはとくに関係のないベルリン一般市民の様子もかなり描かれているからです。
 このノリにそっくりな日本映画がちゃんとあるんですよ。それがズバリ「日本のいちばん長い日」(1967東宝・岡本喜八監督・橋本忍脚本)です。「歴史映像名画座」にも挙げてますが、僕はこの映画は「日本最高の戦争映画」などと評しております。8月14日から15日までの話なんで戦闘シーンとかはまるでないですけどね。



#1118 
elevater 2007/04/14 13:11
ヒトラ−最期の12日間

特殊効果フェイスメイクアップもあるんでしょうが
どこから連れてきたんだ?と思ったくらい
たしかに、俳優が独・第三帝国・総統に似てました(笑
映画じたいは、真っ暗な話です、救いがまるでない話で
題材が題材だけに救いがあったらリアルじゃないか
ただ、日本が、この手の話を作ったら、玉砕精神たっぷりの
話になりますが、人間の情けないところを余すところなく
出してましたってところなのか



#1117 
北京バイオリンと現実 2007/04/02 21:42
パパゲーノ川崎

NHKBSの海外新ドラマ、韓国ドラマと思いきや
”北京バイオリン”のテレビドラマなんだそうです。
すんごい変化球?やるなNHK.

でも、これって日本人向けに作ったテレビドラマなんでしょうか。
たしか、映画での結末は中国の人には理解できない、と評判悪かった
らしいですから。
昨日のNHK特集で、上海の土地バブルで取引されるマンションの地価が
出稼ぎ労働者の年収700年分(!)と聞き、片や出稼ぎ元の農村では
腕が事故で曲がってしまった息子の手術代がどうしても稼げない、
という現実を見ました。
 ああいうの観てしまうと、中国の人が映画を観たときの反応というは
なんだか納得してしまいます。
 もし、故郷がああいうところだったら、お父さんと帰ったところで
どうしようもないですよね。
 映画での、出身地の田舎はけつこうのんびりしていて、それなりに豊か
でしたが、時代が少し前だったから?

 とにかく、富裕層の富をなんとか分配して、格差をなんとかして
欲しいものです。

 で、このドラマは中国で放映されたのかな?
 



#1116 
Киска 2007/03/10 11:02
「墨攻」後

このところ結構忙しく、今年に入って観た映画がまだ2本きりで3月を迎えそうだったのですが、27日に「墨攻」、28日に「エンロン〜巨大企業はなぜ崩壊したのか?」、1日に「善き人のためのソナタ」と、観るペースが上がってきました。でも、「墨攻」以外は支配人様となかなか作品が被りませんね。
自分の感想を読み直してみると、相変わらず俳優品評会に終始していて、史的な視座がまるでない。ごめんなさい。「墨攻」も、支配人様の解説を頭に入れてから観ると、もっと楽しめたでしょうに。やはりあれは「東アジア的」と感じます。それゆえ他の地域では受容されるのが難しいのではないかという印象は持ちました(欧米のみならずイスラーム圏とかでも)。

>アンディ=ラウ出演作はあんまり見てなくって(汗)。

「墨攻」のプログラムには、彼は約120本の映画に出演とありましたね。ラウファンの友人曰く、その4,5本しかない「いいと思うもの」の一つは「今すぐ抱きしめたい」。確か「炎の大捜査線」にも出演していましたが、ウー・チーロン(彼の名も「歴史映像名画座」に入れていただいてありがとうございます!大変嬉しく思います)出演の「炎の大捜査線2」の方が断然いい出来です。

「エンロン」は前半少々うつらうつらしました。しかし、“規制緩和”で電気が投資対象になってしまい、故意に電力不足にしたうえで電気料金を吊り上げる、といったモラルなき市場経済の悪例(カリフォルニア電力危機)を見せつけられ、眠気も覚め、気分が悪くなってきます。炎暑の日々にそれをやられてエアコンが動かなかったどうなるのか・・・。

「善き人のためのソナタ」は、旧東ドイツもので、これまで人気を博してきた「グッバイ、レーニン」や「ベルリン、僕らの革命」などのコメディータッチの描き方には批判的な考えを持つ、比較的若い監督の、遅いデビュー作で、寡黙で地味で心に染みる、実にいい映画。監視される劇作家役は「ミヒャエル・バラックが年取ったらこうなるか」という感じ。主役のスパイおじさんは「カジノ・ロワイヤル」の新ボンド役の人よりプーチンさんがかっていました。あと一言書きたいことがありますが、それはネタバレの掲示板の方に書き込もうかと。だから是非、作品をご覧になっていただきたいです。




#1115 
徹夜城(支配人) 2007/03/01 00:44
その「墨攻」も「歴史映像名画座」に追加しました。

>Кискаさん
 こちらでも反応が遅くなってすいませんです。
 「墨攻」、映画を見てから原作漫画を読むことになったんですが、映画は映画でまたずいぶん話を変えてるんですよね。漫画を原作にしたといいつつ、ずいぶん味わいの違う作品になったな、と思います。
 アンディ=ラウ出演作はあんまり見てなくって(汗)。振り返ってみたら「LOVERS」しか見てなかったです。革離役は僕はあれはあれでいいんじゃないか、という感想でした。これもずいぶん原作漫画とはイメージが違い、より「普通の人」な感じを狙ってるかな、と思うのです。
 王志文は「始皇帝暗殺」のロウ毒(ろうあい)役が強く印象に残ってます。始皇帝の母親と密通した「偽宦官」という実在の人物なのですが、この映画では「純愛」として肯定的に描かれたのが新鮮でした。ちょっと見た目は不気味なんだけどだんだん魅力を放っていく過程がすごかったです。そのときも「千の顔を持つ男」との評判を聞いていたのですが、今度の梁王役なぞまさに。
 アン=ソンギさんについてはとにかく「この人、また出てるよ!」と思うばかり(笑)。「MUSA(武士)」で中国大陸行って、帰国できずに時空を飛び越えてしまったかな、などと(笑)。中国語はさすがに間に合わなかったんで吹き替えなんだそうですけどね。チャン=ドンゴンは「PROMISE」でなんとかしゃべった(でも口パクで吹き替えのようです)と聞いてますが。

 まぁ総合的な出来については、僕自身は期待が高かっただけにちょっと厳しい評価をしてます。むしろ東アジアスタッフ・キャスト結集でこういう映画が作られる時代、ということに面白さを感じますね。最近この手の企画がいくつか出ているみたいで、ジョン=ウー監督の「赤壁の戦い」がほんとに実現するのか楽しみにしてます。

 その「赤壁」に曹操役で出演とも噂される渡辺謙さん、アカデミー賞でドヌーブと一緒にプレゼンターをやってましたが、主演男優ノミネートが来なかったのも残念。映画「硫黄島からの手紙」の方も本命視されてた割に音響編集賞1つだけと、ちと寂しい結果になってしまいました。
 作品賞の「ディパーテッド」って、香港映画のリメイクなんですよねぇ(元ネタの方も未見)。まぁマーチン=スコセッシはいい加減とらせてあげないといけない、って空気があったから監督賞は間違いなかろうと思ってましたが。

 明日は「マリー・アントワネット」を見てくる予定。また近日中に「キング・オブ・スコットランド」を見ておかないと。なんだかんだで歴史ネタ映画ってのはコンスタントにあるものです。



#1114 
Киска 2007/02/28 21:05
行って参りました

一昨日、金券屋さんに寄ってみたら「墨攻」チケット500円、2月いっぱい有効というのがあったので、「くださーい」と言ってしまいました。そして、昨日はそそくさと自主的にノー残業デーにして、7:00の回に滑り込みました。

女性の騎馬隊長との絡みがいかにも不自然だというのはあるにしても、まあまあよかったです。何というか、東アジア独特の暗さが通奏低音になっていて。
私としては、子団役のニッキー(呉奇隆)の出番をもっとつくって欲しかったけど。彼は兵役後に体調を崩していたためか、以前のような豪快なアクションシーンを見せ場にする、というより、やや演技派に移行してきたようです。
全体的にあまり派手ではなく、安聖基や王志文らおじさんたちがとてもいい感じです。特に「北京ヴァイオリン」以来「岸部一徳に似たおじさん」と思っていた王志文は「オヤジ」の嫉妬深さ・執念深さなど不気味な嫌らしさを怪演!
友人が嘆いたように、主役のラウは周囲の俳優達に迫力負けしている印象を受けます。アンディ・ラウの革離は・・・、うーん、誰が演じたらミスキャストにならなかったのだろうか?と考えされられます・・・。でも、反町のチンギス・ハーンよりはましなのではないかと(と発言したら、ラウファンの友人に怒られました)。




#1113 
Киска 2007/02/25 18:52
「墨攻」、観たい!

ウー・チーロン、好きなので。
と言っても、彼を観ていたのはニッキー・ウーという名で金城君とともに台湾のアクション映画で活躍していた頃の話。「炎の大捜査線2」では、誘ってくれた友人に「ねえ、何でこういうタイトルなの?全然捜査なんてしていなかったじゃない」と文句を言いつつも、キックボクシングで鍛えた彼の姿は素敵でした。
この友人、「アレクセイ・バターロフとアン・ソンギとアンディ・ラウが好き」というだけあって(「ア」が付く名前の俳優がいいみたい)、「墨攻」はさっさと観ていました。
その感想「大好きな安聖基と王志文の二人はよかったが、主役の劉徳華が、相変わらず・・・大根で・・・!これではジェイコブ・チャンが作品にこめた思いが伝わってこない。」
彼女、ファンとは言えラウには辛口です。常々「彼の作品はもう7,80本観たけれど、ファンの私から見てもいいと思えるのは4,5本しかない」と言っています。
ニッキーのファンの私を気遣って、「彼はなかなかよい芝居をしていました。成長しました。」とも書いてくれていたので、それを是非ともこの目で確かめたいです。

好きな俳優の近況をもう一つ。
イスラエル映画「カップ・ファイナル」などに出演しているパレスティナ・アラブ人俳優のムハンマド・バクリ。このあたり出身の俳優としてよくあることながら、今までアラブ人・ユダヤ人・インド人・エジプト人等々いろいろ演じてきましたが、今度はトルコ人。イタリアのタヴィアーニ兄弟監督の新作「ひばりの畑」のトルコ人物乞いという役どころ。
映画で「ひばり」というと、旧ソ連の戦争映画「鬼戦車T-34」の原題、という連想が働いてしまったりもしますが、「ひばりの畑」の原作『ひばり館』(アントニア・アルスラン著草皆伸子訳早川書房2006年刊)も全く凄まじいとしか言いようのないストーリーで、タヴィアーニ兄弟のような原作を忠実に再現するタイプの生真面目な監督の手による映画化ともなると、すごいことになりそうだなあ・・・。
これは、あれです、支配人様が2/1付「史点」でも取り上げられていた、1915〜1917年のトルコによるアルメニア人虐殺の話。エゴヤン監督の「アララトの聖母」が数年前日本でも公開されましたが、今なぜ欧米の映画監督がこの問題を取り上げるのか、トルコ人役を誰に演じさせるのか、などなど興味深い点がいろいろあります。
バクリに関して言えば、このところイスラエルの映画界からは干されていたのです。イスラエル軍がジェニンで行った「虐殺」について、被害者達から聞き取ったドキュメンタリー映画「ジェニン、ジェニン」がイスラエル当局の逆鱗に触れて。
バクリもほんとうは虐殺場面のない作品に出演したいのではないかと思いますが・・・。




#1112 
elevater 2007/02/18 11:37
ダニ−・ザ・ドッグ

ジェット・リィ&モ−ガン・フリ−マンのタッグ映画って一体
どんなのになるか予測不能だったんですが見てみたら結構よかったです
ジェット・リィという俳優はキスオブザドラゴンを見るまでは
ブル−ス=リィの後継者?ぐらいの印象しかなかったのですが
あれを見て以来けっこう出てる映画は見るようになったかな
「犬人間」の映画は前にあったような気がして、それは見てないけど
セリフがほとんどない今回のジェットの役は何か〜つぼにはまって
ました。



#1111 
ぞーさん 2007/02/09 17:43
「たのみこむ」米TV映画「センテニアル」日本語版DVD化

1978 年 米国 TV 映画「センテニアル〜遥かなる西部〜」の1回だけ NHK で放送された日本語吹き替え版を DVD 化してほしくて「たのみこむ」サイトに発案しているのですがなかなか賛同者の方があつまりません。こちらをご覧の方でご賛同いただけるかたは是非おねがいします。(もっと効きそうな投票サイトなどあればご紹介ください)



#1110 
elevater 2007/02/01 22:31
トゥ−ムレイダ−2

これまたテレビでやっていたものを見たのですが(笑
さいきん金はらって映画をみてないなぁ(笑
去年度は、洋画より邦画のほうが興行成績が良かったそうですね
ハリウッド、ネタ不足ぎみ?(笑
このトゥ−ムレイダ−2にしたところで去年の風潮の兆しが
感じられるような〜ヒロイン、キャスト、監督に大物が起用で
制作に金かけてあるのは感じられましたが、なんか斬新さが不足な
きがしました。

>硫黄島からの手紙
米国では、興行がかんばしくないそうですね、なにせイラク戦争が
継続中のようなかんじですし、その影響があるとか

>憲兵隊
なんで映画の掲示板でこのような話題が(笑
けっこう各国で「憲兵」の意味合いにズレがあるようですね
アメリカではMPという機関がそれらしいですが、これは
軍隊内での犯罪を取り締まる部署で戦前の日本のような政治犯も
しょっぴくような秘密警察ではないらしいし。
かくいう日本もアメリカの影響で戦後は自衛隊のMPが憲兵隊に
あたるようですね。
フランスはアルジェリア独立戦争で内戦に近い状態が続いたので
憲兵隊は内務省のもと強権の機関で、それがいまなお続いている
みたいで。ロシアも憲兵隊とは内務省の治安維持の強権系の機関
っぽいし。
ドイツは、くわしくはわかりませんが所轄の警察とは別に
連邦警察というのがあって、これがアメリカでいうところのFBI
に似たものらしく、てゆうかFBIじたいそもそもアメリカ連邦警察
て名称ですしね(笑
FBIはフ−バ−長官の時代は、防諜の縄張りを拡大していて中央情報局の
領分まで越権していて効率が良くなかったとかなんとか




#1109 
徹夜城(支配人) 2007/01/25 21:54
裁判映画を「傍聴」

 見てきました、周防正行監督の12年ぶり(?)の新作「それでもボクはやってない」。
 さんざん宣伝もされてますし、一応フジテレビが製作という事もあって(プロデューサーが「踊る大捜査線」の人ですね)、あちこちで話題が出ているから多くの人はご存知であろうと思いますが、「痴漢冤罪裁判」を扱った作品です。
 周防監督作品としては頭から尻尾までいたってシリアス。でもどことなくブラックユーモアっぽい「怖さ」がある映画ですね。監督自身も言っていたと思いますけど、「素人」の目線で見た「業界」の実態に対する驚きを描くという点では「シコふんじゃった」や「Shall We ダンス?」にも通じるところはあります。

 何を語ってもネタバレになるんで、未見の方には語りにくい映画なんですよねぇ。そのうちネタバレ掲示板を久々に活用すべきかな。
 僕も知人にとある強盗殺人事件(当事者はすでに服役を終えてます)の冤罪証明の支援をしてる人がいたりするので、基礎知識みたいなものは頭に入っていたつもりですけど、この映画はもっと身近な、誰にでもふりかかりかねない「痴漢冤罪」を取り扱い、どのように無実の人が容疑者・有罪に仕立てられていくのかを見せており、こちらも「えー」「ホントかよ!」と思うような事実がいろいろと出てくる。監督自身、「これは作らなければいけない」という使命感を持ったと語ってますが、それが良く分かります。
 タイミングよく…と言っては非常にまずいんですが、おりしも富山県で強姦事件の犯人とされ服役を終えた人が、真犯人の発見により「冤罪」と判明するというとんでもない事件が発覚しました。これもどういう過程でそんなことになっちゃったのか、新聞報道などを見ていましたので、この映画の説得力がさらに増しちゃう事になりました。

 映画としてみると、裁判という地味なテーマ(予告編ではちょっと派手そうな場面が流れてましたがカットされたようで)で、公判の場面ばかりの映画というのは作る側としてはかなり大変だったのではないかと。それでも全く飽きさせずに2時間以上緊迫感のある映画作りをした周防監督はさすがかと。あと、やはり俳優さん、とくに脇役が素晴らしい(メインキャストももちろんですが)。裁判長の役の方々なんて、ホントに本職に見えます!
 ストーリー的にはあくまで「日本の裁判」を見せることが主眼なので、ありがちな家族・親友の葛藤やら泣かせやらは極力カットしているのは正解でしょう。主人公の周囲が善人ばかりというところに文句をつける人もいるようですが、映画の主眼はあくまで「裁判」そのものなので、その他の部分でメロドラマ調にしなかった判断は正しいと思います。
 一方で裁判映画によくあるカタルシス、謎解き要素についてはあまり期待しないほうがいいでしょうね。と、未見の方のためには言っておきます。

 冤罪問題を扱った日本の裁判映画というと、「真昼の暗黒」が有名ですが、残念ながら未見(前にも書いた話題ですが)…今度の映画を見てからなおさら見たくなりました。
 松本サリン事件をあつかった「冤罪・日本の黒い夏」という映画もありましたが、これは、警察とマスコミ・世論が冤罪を作り上げてしまう恐ろしさがテーマなので、裁判映画ではありません。
 アメリカでは陪審制のため裁判がある意味「知能勝負」で面白くなるせいか、やたらに裁判映画が多いですが、日本では「裁判」そのものを扱った映画はあんまり記憶にないですね(あくまで僕の見た限りですけど)。サスペンスものの一要素として裁判が出てくるケースはあるようですが。
 古いところでは黒澤明の「醜聞(スキャンダル)」が意外なところでしっかり裁判映画。しかも刑事裁判ではなく名誉毀損の民事裁判であるところも異色かと。松本清張原作で野村芳太郎が監督した「疑惑」も裁判映画の趣きが強かったかな。
 「日本に陪審制があったら?」という架空の設定ですが三谷幸喜作の舞台劇を原作にした「12人の優しい日本人」も裁判映画の一種になりますね。



#1108 
小覇王 2007/01/14 18:48
陸海相争い、余力を持って外国と戦う。

>徹夜城さん
>一方でその似た者同士の特高警察とはひどく仲が悪かったそうですが(こうした現象は自衛官と警官、海上自衛隊と海上保安庁の間の中の悪さとして今なお引き継がれているという話も)。
 アメリカでもFBIと一般の警察は仲が悪い、というのは『ダイ・ハード』でもやってましたね。海軍と陸軍が仲が悪いというのはよく聞く話ですが、『硫黄島からの手紙』でも階級の低い中村獅堂が上の伊原剛志にタメ口を聞けるのは所属が違うからで、もし同じ陸軍、海軍同士ならとんでもないことになるそうです。これも原因をさかのぼると関ヶ原までいってしまうそうです。現在の自衛隊や他の国の軍隊はどうなんでしょう?
 
 あと、アメリカには特高に類するものが無い、と書いてしまいましたがなんら調べたわけではありませんでした。あとで思うに過去にでもそういうものがあった事があるんでしょうかね。一時期、フーバー長官の時代のFBIがそういう秘密警察的な存在に一番近いかな、とはおもうんですが。

>Киска さん
 はじめまして。
 日本とアメリカだといかにも外国人どうし、と一発で分かるけど、冷静に考えるとイギリスとアメリカ、フランス人も外国同士ですもんね。アメリカで三銃士をつくったりするのもおなじようなことですね。マカロニウエスタンとか。いがいと外国のほうがその国の人より面白いものを作れるのかもしれません。



#1107 
Киска 2007/01/14 16:59
巨匠とは

今年最初に観た映画は「敬愛なるベートーヴェン」でした。去年最後のが「ニキフォル」なので、ポーランド人監督続きです。
「晩年のベートーヴェンを女性コピイストの目から見た作品」と説明して母を誘ったところ、「ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』にもジョアンナとかいう女性コピイストが出てきた」と俄かに関心を持ち、一緒に観に行くことになった(プーチン大統領似?「007」は却下された)のですが、プログラムなどにも『ジャン・クリストフ』についての言及はなく、別物みたいでした。自分では読んでいないので、これから読んでみようかと。
クラシック音楽には不案内ですけれど、音楽家を扱った映画としてはなかなかいい出来だったのでは。特に冒頭、ヒロインが急ぎ馬車で駆けつけ、ベッドに横たわる瀕死のベートーヴェンに「あなたのように大フーガを聴きました」と言う、その言葉の意味するところがこの映画のテーマでもある、そんな構成がなかなかしゃれています(第九の初演が大好評、めでたしめでたし・・・では終わらない)。
目立つのはやはり、ミロシュ・フォルマンが「アマデウス」で描いたモーツァルトに匹敵するような、ベートーヴェンの奇人変人ぶり。天下の楽聖の映画なので、今度ばかりはホモセクシュアルを思わせるシーンはありませんでしたが、ベートーヴェンのヌードシーンが数箇所ある(セクハラオヤジなのです)ところがさすがはホランド監督。
「7番の初演のときから隣に住んでいるのよ。誰よりも先にマエストロの曲を聴けるなんて、これ以上の贅沢はないわ」とお隣の老婦人がウインクするなどのエピソードも素敵です。マエストロ、さんざん近所迷惑なことをやらかしているのに、こう言ってもらえるなんて、幸せ者。持つべきものは天賦の才能だ!←一貫してそういう態度のベートーヴェン。

>なぜ、日本でこれが作れん!

小覇王さま、こんにちは。
昭和天皇を主人公にしたソクーロフの「太陽」でも、そんな感想がありましたね。
まあ、先んじられはしたものの、そのうち自国人の手で描かれていくこともあろうかと。
逆にアメリカ人が撮らない(撮れない?)アメリカをドイツ人ヴェンダースが撮っていたり、「中国人が撮れなかった中国を日本人が撮った大傑作」と中国人に言わしめた「延安の娘」があったり。昨年ひでさまが歴史の掲示板に書かれていた「麦の穂を揺らす風」でも、アイルランド人ではなく英国人のローチが、先行するアイルランド製アイルランド独立ものに伍するか又はそれ以上の作品を作ったわけで。ローチのこの作品、「優れた監督・良い作品とは“ご当地主義”を超えるものなのだ」という感銘を私に与えました。

さて、今年2番目に観た映画は「グアンタナモ〜僕達の見た真実」(試写会に行ってきました)。この監督はご両親がアルゼンチンで政治的な理由で逮捕されたことがあり、ラテン・アメリカでの人権侵害には無関心ではいられないようです。




#1106 
徹夜城(支配人) 2007/01/07 23:49
レスが遅れまして…まずは映賀新年(笑)。

 先月は週1本ペースで劇場に行っていたんですが(某シネコンのメンズデーを利用していたため)、年末から正月は仕事でそれどころじゃありませんでした(笑)。TVでやってる映画番組は録画だけでどんどん溜まっていきます…
 とりあえず正月に最初に見た映画は録画もしくはDVDもしくはGyaoで、ということになります。昨年の正月映画だった「THE有頂天ホテル」を録画で鑑賞、その後Gyaoで「007ゴールドフィンガー」を見ております。ああ、全身に金粉ぬられて皮膚呼吸ができなくなって窒息死という大嘘(そんなことはありえず、この映画から迷信が広まった)のシーンはこれだったのか、と今ごろになって確認。
 

>ひでさん
ドパルデューは相変わらず良く出てますねぇ(笑)。なんか、フランスから来る映画には何かというと出ている人、と言う状態が長いこと続いております。まぁジャン=レノなんかもそうですが。エヴァ=グリーンがそのあとに続くんでしょうか(笑)。

>Кискаさん
そういえば、アングルによってはプーチンさんに似てなくもないですね、新ボンド氏。
プーチンさんはむしろ一昔前の007映画だったら悪役で出てくるタイプのような(笑)。しかしこの大統領も戦闘機に乗り込んだり、潜水艦に乗り込んだり、本人の関与はともかく毒殺・暗殺事件が次々起こるとか、スパイ映画を地で行くようなところがあります。

 ピノチェト死去に関して映画話をしますと、僕は以前ミゲル=リディン監督の「戒厳令下チリ潜入」の上映会(自分のいる市の福祉会館の一室でやってました)を覗きに行ったことがありまして…思えばあれが最初に見たドキュメンタリー映画でした。

>elevaterさん
ブルース・ブラザースは見てないんですが、そういえば黒ずくめ衣装でそろえるルーツではあるかもしれません。
タランティーノの「レザボア・ドッグス」はジョン・ウーの「男たちの挽歌」からの拝借なのは間違いないでしょうね。そのタランティーノは「マトリックス」の黒ずくめ衣装に「俺のをパクッた!」と怒っていた(まぁネタとしてですが)ことがございます(笑)。

>小覇王さん
 「硫黄島からの手紙」、ホントに「なんで日本でこれが作れない!?」と思ってしまうところがありました。イーストウッド、なにげに凄いです。凄い監督であることはもうわかっていたんですが、異文化の異国の人々だらけの映画でも作れちゃうんですねぇ。
 もちろん資本力の違いということもありましょうが、アメリカにこういう日本人戦争映画を作られてしまうと「また負け戦だったな」などとどっかで聞いたような感慨(笑)を覚えてしまったものです。
 「硫黄島」2部作はやはり続けて一本の映画として見るのが正解なのではないかと思いますね。双方の視線から描いたために、戦争映画ではともすれば「迫り来る敵」にしか過ぎない兵士たち一人一人がそれぞれに家族や人生や苦悩を抱える人間であることを認識させることに成功した数少ない戦争映画とはいえそうです。

 ところで「憲兵隊」のことですが。
 特高警察とゴッチャに…とのご指摘ですが、もともと憲兵は軍人警察といった性格のもので、おもに軍隊内、さらには一般国民に対して目を光らせる役割(とくに思想犯・反戦活動に目を光らせたところがある)を持っていましたので、あの映画の描写はひどく間違っているというわけでもありません。実際、特高とはかぶる部分が多く、兵士や国民から嫌われていたという事実はあるようです。一方でその似た者同士の特高警察とはひどく仲が悪かったそうですが(こうした現象は自衛官と警官、海上自衛隊と海上保安庁の間の中の悪さとして今なお引き継がれているという話も)。
 ただ、映画の中でイヌを飼ってることにイチャモンをつけるのはまだいいとして、直接銃で撃ち殺すというのは無理なのでは?という指摘は多いです。日本の場合はもっと陰湿に始末するんじゃないかと。実際「犬の供出」というのはありましたしね。



#1105 
小覇王 2007/01/04 02:49
なぜ、日本でこれが作れん!

 皆様、あけましておめでとうございます。
 少し遅いですが『硫黄島からの手紙』、観て来ました。予想以上に日本映画していて、びっくり。これまで作られた、外国による、日本を描いた映画としては現在最良といってもいいのではないのでしょうか。日本映画でないのが悔しいやら、楽しいやら。
ただ、気になったのが憲兵隊の描写なのですが、あれは特高警察とごっちゃにしてますね。まあ、ストーリーの流れ的なことと、アメリカには特高に類するものがないから分かりづらいということだったのかな。後はいくらなんでも二宮和也と祐木奈江が夫婦というのは無理があるかと。アメリカ人には違和感が無かったのかな。
 クリント・イーストウッド監督を改めて見直しました。『父親たちの星条旗』も観ればよかった!(激しく後悔・・・)



#1104 
elevater 2007/01/03 18:59
ブル−ス・ブラザ−ズ

こちらでは、はじめまして
テレビでやっていた古ぅぅい映画を見ました、偶然なんですが
先日なくなられたジェ−ムス・ブラウン氏が、ちょこっと出てました
ギャグ映画はギャグ映画なんだけど、随所に、落ちが、よく分からない
ちょっと見てるほうが沈黙してしまうような、あのころのアメリカン
ジョ−クってこうゆうの?という感じのギャグが幾つか、ありました
まぁ、いま、こういう映画て、ちょっと作れないでしょうけどねぇ
おもえば、黒い背広と黒ネクタイ、白シャツの喪服みたいかっこの
コンビが主人公のって危ない刑事とかジョン・ウ−映画とか
トミ−リ−ジョ−ンズの宇宙人捜査官のやつとかレザボアドックス
とかアクション映画ではよく出ましたがブル−ス・ブラザ−ズが
はしりなんでしょうかねぇ



#1103 
Киска 2007/01/01 23:21
上司は永らえていた

>人気スパイ映画
ゾルゲの上司が存命だったとは驚きですね。この方の訃報(毎日新聞)には、「60年代以降、スパイ関係本 の著者や映画作家に助言を与えた。」とあります。・・・ああ、それではあれですね、きっと、と思うものを。
去年フィルムセンターで「私は二十歳」というソ連映画を再見して、いきなりサッカーに興じているシーンから登場するスポーツ好きの青年スラーヴァ役のスタニスラフ・リュプシンという俳優が「不思議惑星キン・ザ・ザ!」で「クー!」連発のマシコフおじさんと同一人物と気づきました。さらにミハルコフ監督の「五つの夜に」では、かつての恋人を前に見栄を張ってしまうちょっと情けない男を情感豊かに演じていました。改めて彼に惚れ直し、彼の経歴を調べてみると、人気スパイ映画「盾と剣」シリーズに出演していることもわかりました。日本では公開されていなくて、私も観ていないのですけど、ソ連ではとにかくすごく人気があった作品です。特に、ウラジーミル少年にスパイへの憧れを喚起させました。彼はやがてKGBに入って、途中省略しますが、前任者の突然の辞任と指名により、大統領になった、そのことで有名(でもないかな)。
この「盾と剣」、ソ連時代の女性作家の小説に「私の浮気相手はスティルリッツ(主人公の名)みたいないい男なのよ!」と自慢する台詞が出てくるなど、しばしば言及されているので、私は「スティルリッツを演じた俳優って一体どんなに恰好いいのかしら?」と夢と憧れを抱き続けてきたのです。全ソ連女性的人気を誇った男、それはスラーヴァ、あなただったの?!でも、スラーヴァ・リュプシンさんは主役ではなかったのかもしれません。しかしともかくこのシリーズでリュプシンさんが人気者になったのは事実。
007、これまで全然関心がなかったのですが、「新ボンドが・・・プーチン大統領に似ている」の文字に釘付け。思わず「えー、似ているかしら?」と言ったら、母は「そうねえ、髪が薄いところと背が高くないところが」と述べていました。私見ではやっぱりリュプシンさんの方が恰好いいと思います。

>ピノチェトの訃報
で思い出すのは「イル・ポスティーノ」。亡命詩人パヴロ・ネルーダ役を演じたフィリップ・ノワレが先日亡くなっていますが、ピノチェトも遂に・・・。
「イル・ポスティーノ」の原作者アントニオ・スカルメタには『ペドロの作文』(宇野和美訳アリス館2004年刊)という作品があって、「上手く書けたものには将軍が金メダルをくださる」と軍人が子どもたちに作文を書かせて各家庭を探る軍事政権下の様子が描かれています。70年代に書かれ、まずヨーロッパで刊行されラジオの朗読などで評判になったそうですが、2000年にベネズエラの画家が絵をつけて人気が再燃、日本でも絵本として刊行されました。

前後しましたが、明けましておめでとうございます。よい年になりますように。



#1102 
ひで 2007/01/01 19:46
あるいは裏切りという名の犬

謹賀新年。

年末に見た映画でこれは特におもしろいものを挙げろと言われたら(誰も頼んでないと言う突っ込みはさておき)、この邦題だけ見ると何の映画かわからないフランス製フィルム・ノワールを薦めておきます。パリ警視庁の階級・年功・成績では互角でも人間的にかなり違う2人(ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューが演じてます)の織りなす渋い警察物です。ちなみにドパルデューのほうが悪いキャラ(というか友達にはしたくないタイプ)を演じてます。

現時点では銀座の単館公開であるせいか、平日の昼に行ったのにものすごい混んでいました。もうちょっと多くの映画館で公開してくれれば楽なのですが…。

今年も面白い映画が見られるといいなあと思いつつ。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1101 
徹夜城(支配人) 2006/12/29 22:50
007火事のロワイヤル

 ジェームズ、だから火遊びはダメよ、って言ったのに(笑)。

 えー、というわけで、「007」最新作にして6代目ボンド・ダニエル=クレイグ第1作となる「カジノロワイヤル」を見てまいりました。
 オープニングから気合入ってますねぇ。テーマ曲と共に流れる、トランプをモチーフにしたアニメーションがなかなか面白い。今回のボンドはお色気系は押さえ気味ということもあってか、男性歌手による歌で、以前よくあった女性の裸体にクレジットが出るといった演出は抜き。

 原作は未読なんですが、大筋ではかなり忠実に作っているらしいですね。冒頭の冒険でジェームズ=ボンドが条件をクリアし「00」ナンバーへの昇格が決まる話が語られ、「007最初の冒険」を描く映画となっています。それでいて時代は完全に21世紀初頭であり、911テロ後の国際テロ組織(別にアルカイダではない)が相手となっています。「冷戦時代が懐かしいわ」などと上司「M」も言う始末。
 そうそう、上司「M」はジュディ=デンチが続投してて、ここら辺が「リセット」不徹底なところだなぁ、とも思うのでした。お約束で毎回出ていたマネー=ペニーが今回は出てませんが。

 今回は「リアルなスパイアクション」を目指したようで、秘密兵器のたぐいはほとんど登場しません。ボンドカーも通信機器や医療設備(これは新機軸)がある程度。ボンドがいたってフツーの携帯電話とノートPC(なんとVAIO!ソニー・ピクチャー提供だからですな。我が家にあるやつとソックリで笑った)で仕事をしているのを見ると、現実が一昔前のスパイ映画の世界になっちゃってるんだな、とも思ったり。

 ボンドガールのエヴァ=グリーンの使い方は確かに歴代ボンドガールの中では異色でしょう。エヴァ=グリーンは「ルパン」と同様、清楚な美しさ、かよわさを前面に出したキャラクターとなっていて、ボンドもそうやすやすとは手を出さず、結構「純愛」です。この女性とのあれこれを通じて、ボンドが完全に腕利きスパイ「007」に脱皮していく、という物語構造は、やっぱり「ルパン」とおんなじというところが面白い。

 おなじみのボンドテーマの音楽が聴けないなぁ、と思っていたら、ちゃーんと最後の最後にとってありました(笑)。ラストで完全に「007」となったダニエル=クレイグが「ボンド、ジェームズ=ボンド」とニヤリと名乗ってこの音楽が鳴り出しエンド・クレジットになる演出はシビレました!まさに新しい007シリーズの幕開けを印象付けた形です。

 当初「イメージじゃない」とかなり言われていたダニエル=クレイグ、僕も「ミュンヘン」で「へ〜こいつが次の007かい」と意外に思いつつ見ていたものでしたが、いざやってみるとちゃんとハマってる。まぁ歴代の中ではかなり「無骨」で「非色男」に属するのは間違いないですが。それでもタキシードでビシッと決めると「ボンド」になってるんだよなぁ。



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