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#1100 
徹夜城(支配人) 2006/12/25 20:19
007は危機一発の番号

>小覇王さん
おかげさまで、お久しぶりにこちらの掲示板に書き込んでます(^^)

「007カジノロワイヤル」も見てみたい一本ですね。「ルパン」とはエヴァ=グリーンでつながりますし、どちらもいわゆる「エピソード1もの」という共通項が。エヴァ=グリーン、「キングダム・オブ・ヘブン」にも出ていたし、なにやら僕が見たそうな映画に次々と顔を出してくれる女優さんです(笑)。

 「007」の映画化権は最近でもモメていて、ソニー系が権利をとってイオン・プロとは別にシリーズ化、なんて南北朝分裂みたいな騒ぎもあったんです(笑)。とりあえずそれは回避されたわけですが、なんだかんだでやめられない止まらないシリーズではあります。
 先日、この映画のプロデュースをしているブロッコリさん(の娘の方。父親から家業としてこの映画制作を引き継いでる)のインタビューを新聞で読みました。なんでも野菜の「ブロッコリ」もこの人の一族の名に由来するのだそうで(笑)。

「007」といえばまた日本を舞台にする?との噂もありました(最近書かれた小説版でそういうのがあったらしい)。しかし何と言っても「007は二度死ぬ」の例がありますからねぇ(笑)。
ところで「007は二度死ぬ」の原作小説を読んだことがあるのですが、映画での印象とは違って、日本についてけっこうよく勉強して書いてるな、という感想でした。まぁところどころヘンなところはあるんですが、単純にオリエンタリズムに走るわけでもなく、サントリーのウィスキーが出てきたり、現代日本をそれなりにリアルに読者に読ませようと努力しているところはあります。まぁほとんど日本関係の本を読み漁って書いたんだろうな、と思うものばかりでしたが。映画は原作より見た目優先で遊んじゃってるんですよね。
「007は二度死ぬ」と訳されてますが、原題は「You only live twice」で、「二度しか生きられない」とか「人生は二度しかない」と訳すところかと。これは原作小説ではちゃんと意味がありまして、ボンドが俳句にチャレンジして、作った句の一節目がこれなのでありますね。生まれたときと死ぬときしか人生は実感できない、といった哲学的テーマを込めたものです。映画では単にボンドがいったん死んだ事になるオープニングに使われただけでしたが…

>映画「ルパン」
もうお読みになったかもしれませんが、映画「ルパン」につきましては当サイトの「怪盗ルパンの館」コーナー内に「ツッコミ鑑賞記」を掲載しております。
この映画、濃い目のルパンファンの間でも賛否両論でして(原作改変、複数原作ネタの融合が許せん!という人も多いのは確か)、僕もまぁ個人的には賛否両論。ただし批判部分についてはそうなった理由がだいたい理解できるので「ツッコミ」にとどめている、というところですか。全体としては「カリオストロ伯爵夫人」にかなり忠実な映画化で、「100年前の冒険活劇」を21世紀に蘇えらせたという映画としては大いに評価しています。少なくとも「原作の味をよく理解してる人が映画化してる」ことは確かです。

 ところが最近某所でこの映画の一般の人の評をいくつか読んだのですが、「原作と違う。あの雰囲気で正確につくってほしい」「イメージが違う」といった意見が散見されて「ああ、まだ呪縛は続いてるな…」と思っちゃったもんです。この方達の言う「原作」って明らかに南洋一郎による児童向けのリライト版なんですよね。このリライト版が昭和後期の日本におけるルパンの決定版となったことは事実で、それ自体の価値は僕も認めてるんですが、あまりにも「いい子ちゃん」で「義賊」で「女に興味なし!?」になった「ルパン」なんて「アルセーヌ・ルパン」じゃありません(涙)。
 困った事に映画興行側もこの手の認識で、映画宣伝用のブログで「今度の映画のルパンはこれまでになく情熱的な恋をする!」とか書かれてて、のけぞったもんです(笑)。

 もっともこの手の議論は「ルパン三世」にもありますよね。原作および第一シリーズ初期はかなりワルで渋いルパン三世が、次第に一般化していって人気者になってしまったことには濃い目のファンからは批判もあるわけで。



#1099 
小覇王 2006/12/24 18:05
訂正

 ※最初のほうに銃を交換するシーンがあり、ボンドのキャラを強く印象づけやすいのと
 ※SF的な要素が強く大衆受けするとにらんだからだとか。

 そういうシーンのある、「ドクター・ノオ」にしたということです。





#1098 
小覇王 2006/12/24 16:00
ルパン対007

 今、映画伝言板の過去ログ全部読み終えました。やっぱり、徹夜城さん、ボイス・キャストについて、触れてらっしゃいましたね(汗)。
 歴史掲示板のほうは、半分ほどまでしかまだ読んでおりません。

 で、これだけだと何ですのでエヴァ・グリーンつながりで「007/カジノ・ロワイヤル」について少し。
 ご存知のようにこの作品イアン・フレミングの原作第一号です。では、なぜ映画化がこれまでされなかったかというと、第一号であるがゆえにシリーズ化される以前に映像化の権利がイオン・プロダクションではないところに先に買われてしまったようです。
 まず、アメリカでTVドラマ化され、その際ジェームズ・ボンドはジミー・ボンドと名を変え、MI−6ではなくCIA所属に変わります(逆にCIA所属のフェリックス・ライターはMI−6のエージェントに)。
 その後、映画化の企画があがりますが、その頃には本家イオン版007が大ヒットしていたため、パロディ映画として作らざる得なかった模様。
 ちなみに本家の映画第一作が原作二作目の「ロシアより愛をこめて」にならなかったのは最初のほうに銃を交換するシーンがあり、ボンドのキャラを強く印象づけやすいのとSF的な要素が強く大衆受けするとにらんだからだとか。
 イアン・フレミングが007シリーズとはまったく別に、最初から映画の企画として考えたのが「サンダーボール作戦」。この時にストーリーと共に敵組織「スペクター」が誕生します。結局この映画企画は流れてしまうのですが、フレミングはこれを007シリーズに流用します。その際映画企画のプロデューサーの許可を取っていなかったらしく、既に「サンダーボール作戦」が作られ、映画シリーズにスペクターが登場していましたが著作権と映像化をめぐって長い裁判が行われることに。結局このプロデューサーが勝利し、「サンダーボール作戦」とスペクターに関してはイオン・プロは権利を失うことに。スペクターは『ダイアモンドは永遠に』を最後に登場しません(「ユア・アイズ・オンリー』に首領らしきキャラがちょこっと登場する)。そしてこのプロデューサー(さっきから同じ単語を繰り返してますがこの人の名を失念してしまいました)が作ったのがやはりショーン・コネリー主演の「サンダーボール作戦」のリメイク「ネバー・セイ、ネバー・アゲイン」。このタイトルは最初出演を渋ったコネリーに奥さんが「二度とないなんて言わないで」と言って出演を決めさせたことに由来するとか。でも、まあ駄作といっていいと思います。キム・ベイシンガーがでてたことぐらいしか印象ないし。でもTV放映はこっちのほうが回数が多いんだよなあ。
 んで、その後もイオン版は役者を変え、スタッフを変え続いていきますが、それに対抗して「カジノ・ロワイヤル」を作ろうと考えていたのがソニー。八十年代のシリーズがどん底の時はかなり進んでいたのですが結局ブロスナン・ボンドの登場でシリーズが持ち直すと、断念。2000年に、イオンプロがようやっと権利を手に入れることに。そしてこのたびシリーズ仕切りなおしの新ボンドとして登場となったのです。
 この新作は不安要素はなんと言っても新ボンド。最初に見たときは「イギリス人というよりはロシアの殺し屋にしか見えない」とか「『ロシアより愛をこめて』にでてきたレッド・グラントに似てるなあ」という印象だったのですが(プーチン大統領に似てると巷では評判)、映画を観てからは好印象に変わりました。ただし荒っぽさは最初の任務という設定と密接なので、今後はどうなるか。
 今回は極力SF要素は避けたようですが、もともとその要素が強いのが原作を含めたシリーズの魅力のひとつですから次からはバランスよく入れてほしいですね。
 つらつら書いてきましたが、上記はすべて記憶に基づいて書き込んでますので間違いはあるかもしれません。
 途中触れた悪の組織「スペクター」ですがこの権利が今現在どうなっているか分かりません。個人的にはとても好きな設定、組織ですのでぜひイオン・プロは取り戻して復活させて欲しい。まあ、好評のようだし、ダニエル・クレイグは一番若いボンドなのであと十年は彼で作られるかと。
 ああ、そうそう、今回も主題歌およびタイトルロールは超かっこいいっす。



#1097 
小覇王 2006/12/24 03:09
「ルパン」観ました。

>徹夜城さま
 こちらのほうにもお邪魔させていただきます。
 映画「ルパン」観ました。原作は少ししか読んでない(ポプラ社の児童向けの奴は子供の頃に全部読んでいるはず)のですが、十分堪能しました。僕は家でDVDなどで観る時は基本、吹き替えで観るのですが(特にフランス語と韓国語は苦手、英語と広東語は平気なのに)、声優の配役が面白いことになっていました。
  クラリス〈エヴァ・グリーン〉/島本須美
                 「ルパン三世/カリオストロの城」のクラリス役
  ジョセフィーヌ〈クリスティン・スコット・トーマス〉/増山江威子
                       「ルパン三世」シリーズの峰不二子役

 明らかに狙った配役だと思いますが〈次元役の方も出てました〉オマージュなのか、便乗なのかは分かりません。劇場公開時のことは知らないのですが、この日本語吹き替えバージョンで公開したほうがヒットしたかも。まだこちらの掲示板の過去ログをすべて読ませてもらっていないのでもしかしたら既に出ている話題かもしれませんが、その時はご容赦を。
 いやあ、それにしてもエヴァ・グリーンいいですね。本作と「007/カジノロワイヤル」ですっかりファンになってしまいました。



#1096 
がっぐん 2006/11/08 18:34
亡国のイ−ジスは、おもろないわ

原作は原作でメカの描写ばっかで何がなんやらさぱり分からなかったし
あんなんなら沈黙の艦隊でやっとらないけと思うとたが
このあいだ、テレビで映画のほう、早くもやっとるやないけ、と
(こりゃ興行がぽしゃったから早くテレビへ売ったか)
つまらん、真田広之もと肉体派アクション俳優やったんやから
もっと、使い切ったらんかい、監督(笑
最新鋭ミサイル駆逐艦ってわりに、せこい映像だったぞ
なんやあれ。セガ−ルの「沈黙の戦艦」よりつまらんだわ



#1095 
徹夜城(支配人) 2006/11/05 23:01
イワンこっちゃない

>Кискаさん
 「イワン・ワシリーエヴィチ、職業を替える」、これは是非見てみたいですねぇ。なるほど、歴史上の有名人が現代に来てしまうというパターンもありますね…なんか他にもあったような…と思ったけどなかなか思いつかない。漫画では「Drスランプ」で宮本武蔵その人を現代(というかペンギン村)に連れてきてしまうというエピソードがありましたが…(笑)。

 Кискаさんがお書きのことで全く同感だったのが、「現代の若者が戦時中にタイムスリップ」というパターンへの感想ですね。僕も今回「タイムスリップ」の項目を作るにあたって意識的にこの手のものを避けていたんです。
 「戦争を知らない現代の若者に戦争を理解させる」という狙いなんでしょうけど、余りにも何度も使われたために僕にはもう「安直」としか思えなくなってます。そういうことでしか「体感」できないと思っているとしたらそれは作り手の怠慢というものだとすら思ってます。その時代をきっちりと描く作り方をすればその映画やドラマを見ること自体が「タイムスリップ」になるはずなんですから。「男たちの大和」なんかはこの点では結構成功した部類なんじゃないかと。



#1094 
Киска 2006/11/04 12:21
古文も真面目にやっておかないと・・・

支配人様、お久しぶりです。
モンゴル映画の前に、三百人劇場で中国映画も観たのです。「青い凧」と「盗馬賊」だけでしたが。「盗馬賊」は友人のお薦めのうちの1本でした。馬泥棒の話と言うと、私は勝手にロマンティックな空想を広げていました(エミーリ・ロチャヌーの「ジプシーは空に消える」とか。これは誇り高いロマの壮絶な恋愛(に結局は収まらない)モルドヴァ映画ですが、原作がゴーゴリなので「隊長ブーリバ」みたいなコサックものと相通じるところが多い)が、チベットの鳥葬シーンに、うわあ・・・でした。わかっていたのに。

>神器
「ツォグト・タイジ」にも神器(チンギス・ハン由来のもの?)が出てくるのです。しかし、最後のハンとなったリクデンからツォグトにはうまく渡らず、あらら・・・ということになってしまうのです。

>タイムスリップ映画
私があまり好きでないのは現代の若者が第二次大戦下の日本にタイムスリップする「反戦」映画のパターンです。「ウィンズ・オブ・ゴッド」はオリジナリティが感じられるのでまあ許すとして、「きけわだつみの声」リメイク版はタイムスリップという設定で今の若い世代にも関心を持たせて<今と繋がっている>ことを訴えたかったのだろうと想像しましたが、その発想は安易で、しかも人気取り的なキャスティングで、少し真面目にやってください、という感じでした。

ロシアには「イワン・ワシリーエヴィチ、職業を替える」という人気映画があります。イワン雷帝とソ連時代のイワンさん、ともにイワン・ワシリーエヴィチで、なぜか顔もそっくり。これがタイムマシンで入れ替わってしまう、というコメディーです。イワン雷帝がやってきた現代では折しも雷帝時代の映画を撮ることになっていて、ボリス・ゴドゥノフの話を聞いて雷帝が「何だと?皇帝ボリスだって?」などと言って怒る、その「真実味ある演技」に映画監督が拍手(俳優が売り込みに来たと思っている)。しかし、そのうち監督も目の前のイワン・ワシリーエヴィチが他ならぬ雷帝その人だと悟り、昔のロシア語でお詫びしようとするけれど、監督は必修科目の古文を履修漏れしていたのか、上手く言えません・・・。ソ連(ロシア)の歴史映画もエイゼンシュテインの「イワン雷帝」「アレクサンドル・ネフスキー」やタルコフスキーの「アンドレイ・ルブリョフ」みたいな生真面目な作品ばかりではなく、ほんとうはこういうものも紹介されたら、ロシアのイメージも幾分変わってくるだろうと思うのですが、今のところ日本では未公開でDVD等も発売されていません。




#1093 
徹夜城(支配人) 2006/10/02 13:41
神器好かん(笑)

 ああ、管理人自ら楽屋ネタを(笑)。

>Кискаさん
 詳しいお話、興味深く読ませていただきました。「ツォグト・タイジ」は知りませんでしたが、ぜひ一度見てみたい作品ですね。
 「歴史映像名画座」でずらりと並べましたが、チンギス=ハーン映画はとにかく外国で作られまくっておりまして…チンギス自身が出てこないモンゴルネタ映画も含めれば相当な数にのぼるのではないかと。僕がたまたまTV東京の昼のB級映画で目撃したもので、イタリア製の「ヘラクレス・モンゴル帝国の逆襲」ってのもありました。それだとチンギスはまだいいのですが、その死後のハーンたちがとんでもない悪役にされちゃいまして…ヨーロッパではモンゴルにそうした恐怖とマイナスイメージを強く持つようで(中世以来の恐怖なのかな)、これと重なるのがフン族のアッティラです。こちらも何度か映画化作品があるようですが、残念ながらまだ見ていません。

 そこいくとアメリカ人は割とノーテンキにチンギス英雄観が強いらしい。古くはジョン=ウェイン、オマー=シャリフが演じましたし、実現はしなかった企画だけならずいぶんあったようです。恐らく今もスペクタクル史劇ブームに乗れるうちにどっかが企画してるはずだと思います。スティーブン=セガールはやめてほしいですが(笑)。
 イタリア人ではありますが「ラストエンペラー」を撮ったベルトリッチ監督も「ブッダかチンギス=ハーンで映画をとりたい」と模索してましたし(ブッダのほうで変則的に実現)、コッポラ監督も映画化のつもりがあったのかは知りませんが「地獄の黙示録」撮影中はチンギス=ハーンの伝記を熟読していたとの話があります。
 アメリカの映画でモンゴル…というと思い出しちゃったのがディズニーアニメ「ムーラン」。あれなんかモンゴル人にはかなりマズイんじゃないかと思う描写もありますね(実際トルコやハンガリーで反対運動を起こした人がいたような)。あれで騎馬軍団を描写するために使われたCGプログラムが「アッティラ」という名前だった、という裏話もありまして。

 中国で製作した「成吉思汗」、85年とあるから僕の見たものなんでしょうね。京劇みたい…かどうかはともかく、この時期の中国製作の歴史映画に見られた「三角関係」「大将一騎打ち」をきっちりやっていて失笑してしまった覚えがあります(チベットの英雄「ソンツェン・ガンポ」の映画もまるっきり同じパターンでした)。しかもラストは「その後のことは良く分からない」でオシマイでしたし(笑)。あれが実は中国では非公開だったというのは初耳で、かえって驚かされました。

 モンゴル自前の映画は「マンドハイ」でチラッとチンギスハーンの肖像画を見せて「様子見」をしてから、1992年に製作してますね。ただ、あれも資本は日本が入っていて、それがたたって日本国内公開版は大幅なカットをしており、評価も散々。ビデオの吹き替えにいたっては原語にないセリフまでついてましたし、LD(所有してます)も字幕が間違ってるし、といろいろ困った事態になってしまいました。いつか「完全版」を見てみたいと思っているのですが…
 今度の反町版がどうなるかは見るまで分かりませんが、日本人の「ジンギスカン」への思い入れも多分に日本人の勝手な妄想という面もありまして、あちらからすると首を傾げるようなことも多いんじゃないかと(中国史ものにもいえます)。


>明彦さん
 お久しぶりです。レスが遅れましてすいません。
 そうか、山本作品では「戦争と人間」にも出てました(これ、あまりにいろんなスターが出てるんでかすんじゃうんだよな)。「切腹」での抑えた出演も印象深いですよね。
 話は丹波さんから離れますが、「日本語ペラペラの中国人馬賊」というと、「独立愚連隊」の鶴田浩二の例もありますね。



#1092 
Киска 2006/09/30 21:28
モンゴル映画

「大モンゴル建国800周年・日本におけるモンゴル年」記念「モンゴル映画回顧1945-1987」で、「ツォグト・タイジ」+対談「モンゴル映画の懐古〜ソヴィエトを視野に入れて」、「伴侶」に行ってきました。

「ツォグト・タイジ」は、当時のモンゴルの年間国家予算の1/3を投じて制作された大作(155分)で、モンゴル人には非常に人気の高い作品。1945年にこんな高水準の劇映画を作っていたとは、侮れませんね、モンゴル。対外勢力と闘った救国の英雄を描いていますが、史実に忠実なわけでは必ずしもなく、ツォグト・タイジの行動を検証すると「実は愛国者ではなく、裏切り者だったという研究者もいます」と、モンゴル映画の字幕翻訳を多く手掛けたフフバートルさんはおっしゃっていました。

こちらの「歴史映像名画座」でもモンゴル史映画の中心はやはりチンギス・ハン。ですが、今回の対談では「社会主義政権下の映画作品では、チンギス・ハンは “偉大な祖先”という形で名前が出てくることはあっても(「アジアの嵐」や「マンドハイ」、この「ツォグト・タイジ」)真正面から扱った作品をつくるのは問題があったのでしょうか?」という質問が会場から出されました。フフバートルさんのお答えは「まさにそのとおりです」でした。フフバートルさんがご覧になった最初のチンギス・ハン映画は85年に内モンゴルで作られたもの(ジャン・シャンチー監督のもの?)で、「京劇みたいで、これではモンゴルじゃないと思った」とのこと。中国側で作られた中国語作品だけれど、中国では公開されなかったのだそうです(独立運動に影響するとまずいということか)。「日本がチンギス・ハン映画を作るというので、モンゴルの人気俳優は前の年から髭を伸ばして備えていたのですけど、日本人の俳優やスタッフを使うことになって、モンゴル人をがっかりさせました。」
「ああ、「蒼き狼」、反町ね」と、ここで司会役(と聴衆)が苦笑。
「そういうことがあると、やはりよその国の人が作ったものでなく、自分たちのチンギス・ハン映画を自分たちでお金を集めて作ろうという気概が出てきます。」
先日歴史の掲示板で話題に上っていたカザフの英雄についても、カザフ人俳優がカザフ語で演じ、カザフ人が観て「自分たちの映画だ」と思えるものができるまでには、同じような道を辿るのかもしれません。

「伴侶」は歴史ものではなく、スポーツ選手(モンゴル相撲+レスリング)と保母の夫婦を描く社会主義政権下の作品。民族的な伝統と現代化・都市化・国際化という価値観の二項対立がテーマ。義父から世継ぎが出来ないと冷たい目で見られる妻は、実は心臓病で子どもを生むなんてとんでもないことだったのですが・・・と、ここからはお約束の展開。妻を演じているのがマンドハイ役だったソブダーで、極めて健康的に見えるのが難点。




#1091 
明彦 2006/09/26 23:57
丹波先生

御無沙汰しています。
丹波先生の山本薩夫監督作品出演と言えば、『戦争と人間』第一部の、
日本語ペラペラ(当たり前だ)の匪賊のボス、なんてのもありました。
ある時点からすっかり「面白キャラ」になってしまいましたが、本来はシリアスと凄味の人で、
ちゃんと下級兵士の苦悩を演じていた『軍旗はためく下に』、酷薄そのものだった『切腹』の剣豪など忘れられません。
そう言えば遠い昔、日本が金の力で世界を牛耳るとさえ言われた80年代の話ですが、
「1999年、石原総統が全世界を支配している時代、既にあの世に行っていた丹波先生が
『恐怖の大王』として降臨し、あの世がこの世を支配する。
戦いに敗れた総統も死んだ弟と涙の再会を果たし、真の平和が訪れる」
という、高橋春男の漫画があったことを思い出しました。



#1090 
徹夜城(支配人) 2006/09/26 22:10
丹波ばなしをこちらでも

 歴史の掲示板では歴史劇にしぼって書いたんで、書き足りない分をこちらで。

 丹波哲郎さん出演の映画作品、時代劇を抜いてもいっぱいありますねぇ。今日のワイドショーでさんざん使っていたのが「砂の器」と「007は二度死ぬ」。前者は日本人泣かせの傑作ミステリ映画として、後者は丹波さんの国際的スターぶりを象徴する一本として、の紹介なんでしょうね。

 とにかくやたらに出ている人なので、「代表作」を探すのが難しい。印象に残るものというと「日本沈没」の山本総理役もありますか。これへのオマージュなんでしょうが、今年のリメイク版「日本沈没」では柴崎コウの祖父役で古い写真に若い頃が映っている、という形での「特別出演」でした。クレジットは一応されてるから、これが「最後の出演映画」ってことになるのかな?

 国際スター・丹波哲郎ということで、なかなか話題にのぼらなそうなのが香港映画「水滸伝」。丹波哲郎と黒沢年男が香港に招かれて、それぞれ盧俊義と史文恭を演じていました。特に丹波さんが演じる武芸の達人・盧俊義の存在感は圧倒的で、原作では今ひとつパッとしない梁山泊ナンバー2を見事に演じてしまっています。
 DVDで見たんですが、もちろん丹波・黒沢のセリフは全編吹き替え。撮影の際には丹波さん適当にデタラメ語をしゃべっていたそうなんですが(DVD収録のインタビューによる)、とてもそうとは思えないほどビシッと決まった演技をしております。

 社会派で共産党員監督だった山本薩夫監督にも気に入られていたのか、「不毛地帯」「皇帝のいない八月」に出演。どちらも渋くてかっこいい自衛官幹部役。とくに「不毛地帯」では元軍人の自衛隊幹部で、不正に絡んだ責任をとって貨物列車に飛び込み自殺をするという凄絶な最期をとげたりしてました(あ、ネタバレか)。



#1089 
パパゲーノ川崎 2006/09/17 17:20
グエムル

徹夜城さま、感想有難うございました。
なんとなく、(USAゴジラ+エイリアン)×韓流てな感じでしょうか。
でも生理的に気持ち悪いシーンは苦手なんで、
僕はレンタルされるのを待って観たほうが良さそうです。^^;

監督、浦沢直樹の漫画に影響を受けているそうで、そのあたりは気になってます。



#1088 
徹夜城(支配人) 2006/09/15 12:47
「怪物」見てきました。

>パパゲーノ川崎さん
 レスが遅れまして…一応見てから、と思っていましたので。
 「怪物」こと「グエムル」見てきたんですが、まずこれは「怪獣映画」と評するのは間違っていると思いますね。もっとリアルに現実社会に「怪物」が出現したら?という想定のSF的社会派ホームドラマ(?)な映画になってます。
 WETAに注文したというモンスターは確かに出来が良く、そこにいるという存在感はバッチリ(大きさもほどほどなので)。その代わりちっとも可愛くなく魚が怪物化した純粋に不気味なデザイン、しかも人を食うので「エイリアン」に近い感じと思っていただければ。この点はホラー映画になると言っていいでしょうかね。
 じゃあ映画全体はホラーなのかというそうでもない。基本線はホームドラマで、娘をさらわれたある一家、苦労人で世渡り上手(?)の老父、ダメ親父の長男、大卒フリーターの次男、アーチェリーの選手の長女がほとんどドタバタコメディとも思える騒動を繰り広げて怪物と対決する展開です。いちいち「定石」を外した展開は面白いといえば面白いし、怪物映画でありながら「韓国の今」を感じさせる内容でもあります。怪物が生まれるきっかけが米軍基地というあたりも韓国での対アメリカ感情が出ているといえばいえます(パンフによると米軍基地からの毒物垂れ流し事件は実際にあったそうですが)。
 まぁ「ゴジラ」一作目も水爆の恐怖と、まだ戦後間もない世相を巧みに織り込んでいて(作り手はそのつもりではなかったかもしれませんが)、今見ると社会派映画になってますけどね。

 あとはネタバレ掲示板で書きます。



#1087 
パパゲーノ川崎 2006/09/04 10:45
怪物映画タイトル記憶間違い

でした。すみません。
”グエムル”が正しいです。
ちなみに、辞書をひくと、
”クエ”=”怪” ”ムル”=”物”
ですから、単に”怪物”てことになり、そのまんま。
なんかもっとひねった名前にして欲しかったですね。



#1086 
パパゲーノ川崎 2006/09/02 20:42
グムウェル

韓流も怪獣に手を出すようならもう終わりかー。
と思いきや、辛口の社会派ドラマのようですね。
なんせ、ソンガンホ出てるし。(この人こそ怪獣やろ^^;)

でも、これってホラー映画じゃないでしょうね。
夢に出てきそうなのは嫌です。

僕は”プルガサリ”みたいなお間抜けでラブリーな怪獣が好きです。



#1085 
不肖デルタ 2006/08/29 12:58
ゲロ戦記って色物ホラ−映画が作られませんように

徹夜城さん見られたんですか、げど戦記、いいな〜
未見というか、たぶん見に行かないだろうけど(笑
この前わたしの住んでいるところの民放放送局に
宮崎Jr.監督が映画の宣伝で、どさ回りに来て
ました、お目付役というか、じぶりプロのベテラン
プロデュ−サ−が一緒でした、なんか、やらせくさい
というか、地方民放の手作りアニメ製作会社の
製作映像なんかを見て、じぶりコンビは、
このアニメはすごい、こんな手作りでアニメ作る人
もう絶滅してるんですよ、とか誉めちぎってました
宮崎Jr.とプロデュ−サ−
こんな田舎に監督みずから営業に来たくらいだから
ちからは入っているんでしょうけどねぇ



#1084 
十一郎 2006/08/27 00:47
オタキングの与太話

どこかの出版物に書かれたものをネットの画像で見かけたのですが、『ゲド戦記』における宮崎父子の対立と、天才の息子2人の友情に爆笑感動。
いや、原作者に映像化許諾をもらいに鈴木プロデューサーと宮崎駿が会いに行った時、息子を批判しまくり、「俺の方が上手く作れる」とイメージボードを大量に見せ、グウィンから「アナタ、ナニシニキタノ?」と呆れられたとか。
そして気むずかしやなグウィンが許諾を取り下げようとした時、グウィンの息子がとりなしたとか。そして、そんな困った天才をそれぞれ親に持つ息子達は、映像化の仕事で会っている内に友情を覚えてしまったとか(笑)。
まあオタキングのいつものヨタではあるのですが。

>スーパーマンのコスチューム

どうやら設定が変わっていると小耳にはさみました。
かつては落ちた宇宙船を解体して材料を得て、丈夫な服を作った(だからあんな珍妙なデザイン)。
それが、服はスーパーマンの母が縫ってくれた物で、丈夫なのはスーパーマンの体から出るエネルギーのおかげとか。



#1083 
徹夜城(支配人) 2006/08/25 01:02
ここんとこ見た映画なぞ。

 ひでさんともども久々にネタバレ掲示板にも書き込んでるんですが、とりあえずこちらにもここのところの映画生活の報告がてら。

☆「日本沈没」
 もちろんリメイクのほうです。車で30分ばかり飛ばすと到着する新設シネコンで鑑賞しました。客が少なかった…
 感想の総論を言いますとリメイクとしては秀作のほうです。某所で「旧作は名作だったがリメイクは…」みたいな評を見かけましたが、僕に言わせれば旧作も大ヒットはしたけど映画としての出来については「?」なところが多く(特にドラマ部分)、今度のは特撮は意外に控えめ(そう感じた)ながら人間ドラマ部分は割と濃い目で破綻なく仕上がっていたと思います。…ただ豊川悦司の田所博士はちとキャラの練りこみが足りないようにも感じましたけどね。
 ただしこの映画を語るとき「リメイクとしては」とどうしても書いてしまう。作り手としてはオマージュのつもりなんでしょうけど、前作が強く意識されていて、前作ファンには喜べる細かい遊びが随所にある。ただそれが単なる「パロディ」になっちゃってる観もあり、一本の映画として見たときに気になってしまう。あと話全体も前作を見ていることが前提になっているような気が僕にはしちゃったんですが…
 一言だけネタバレを言えば、タイトルに偽りあり(笑)。

☆「ゲド戦記」
 とうとう原作者からも批判のコメントが…もっとも、それが公表されるまでは経緯があって、出来た映画を観た原作者が控えめにリップサービスを個人的に言ったらそれが公的な場で宣伝に使われたことが怒りを呼んで、はっきりとした細かい批判発言につながったみたい。うん、言ってることはそれぞれわかると思います。
 ル=グウィンとしてはやっぱり父親の宮崎さんに作ってほしかったという愚痴が出ちゃうわけですな。念願の「ゲド戦記」を引き受けなかったからもう引退かと思ったらアカデミー会員の話を断る理由に「創作活動」を挙げていたのがさらに癇に障ったか。
 ところで「ゲド戦記」の一作目と二作目を原作にしたアメリカのTVドラマをネット上映していたので見たんですが(DVDも出ている)、これもあんまし出来がよくないんです。ル=グウィンさん、映像化許可のタイミングを間違えてしまったかなぁ。

☆「スーパーマンリターンズ」
 これのネタバレ込み感想はそっちの掲示板に書きました。
 まずオープニングからしてクリストファー=リーブ版の忠実な続編であることがよく分かります。原作のコミックスがあるとはいえ、明らかに映画版の世界を忠実に引き継ごうとしてますね。キャストは一新されたのにどれもほとんど違和感がないというのも、そういう製作姿勢があったればこそでしょう。
 まぁ主役のブランドン=ラウスはクリストファー=リーブに比べると線が細い気はします。「クラーク=ケント」を演じてる時のほうがよく似合っているという気も。
 旧作ではジーン=ハックマンが演じていたルーサーはケビン=スペイシーになりましたが、これはほとんど違和感なしで驚きます。なんでも11年前にティム=バートンが監督する話になったとき、その時点でルーサー役をオファされていたとか。
 スーパーマンの養母役をエヴァ=マリー=セイントが演じていてこれもまた違った意味で驚きました。だってヒッチコックの「北北西に針路を取れ」のヒロインですよ。そもそも存命だったのか、と思っちゃったぐらい。御年82歳だそうですが、往年の美人女優の風格は今も強く感じられる名演でした。

 ストーリーのほうも前作(正確には映画版「1」「2」)からストレートにつながっています。マーロン=ブランド演じるスーパーマンの父ジョー=エルの映像も出てきますし、実はストーリー上重要な役割をつとめてます。その他いろいろと前作のネタがちりばめられているため、記憶力に自信の無い方は劇場に行く前に前2作をチェックされるとよろしいでしょう。

 コミック原作ということで細かく(一部ブラックな)ギャグがいろいろ入るんですが、空飛ぶスーパーマンがぼけて写っている写真を見て編集長と記者たちが「鳥か?飛行機か?」とさりげなくやる場面にはウケました(笑)。
 あ、あと前から気になっていた、あのスーパーマンのコスチュームはやっぱり単なる「服」なんですね。病院にかつぎこまれて全部脱がされてましたぜ(笑)。



#1082 
ひで 2006/08/14 11:43
王と鳥

もともとは半世紀以上前に作っていた映画で、「やぶにらみの暴君」として一度公開されています。ただ、「やぶにらみの暴君」はプロデューサーが勝手に公開した物で、原作者が半券を取り返して完成させてから「王と鳥」として公開され、それのデジタルリマスター版がいま公開されています。半世紀以上前とは思えないくらい動きはなめらかですし、スピード感がありますね。エンディングはあえて突き放したというかそんな感じですが・・。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1081 
パパゲーノ川崎 2006/07/20 20:11
和製海賊映画ですか

観てみたいですね。
村上水軍が東南アジアまで遠征するのはかなり無理が
あるようですが。。。どうなんでしょ。確かに日本と東南アジアは
交易はしていたわけですが。

邦画は鬼太郎の実写版とか作ってる場合ではないのですがね。^^;
どうも漫画の実写化が続いていて、あまり上手くいっていないような気が。







#1080 
不肖デルタ 2006/07/16 12:45
マ−シャルロ−

この映画、例の911テロの呼び水てきなもんだったって
うわさがあってて、丁度テレビでやってたんで見たけど
じっさいNYテロの前にあった映画としては非常に
暗示的ではありますが、映画としては、ちょっと
それは無いんじゃないの?って感じが一杯ありました。
FBI、イスラム教徒、すぐ射殺(爆
米軍もっと殺しすぎ、軍用ヘリNYで猛攻撃(核爆
小学校にたてこもった銃もった暴徒を警官隊が包囲してる
ときにディンゼル・ワシントンが一人で、いきなり
あっさりと突入して犯人、射殺する場面が
なんでこういう展開なのか理解に苦しい(笑



#1079 
徹夜城(支配人) 2006/07/12 14:36
和製海賊映画

>パパゲーノ川崎さん
 和製海賊映画、過去に一応あるんですよ。見る機会をまだ得ていませんが。

「海賊八幡船」(1960)
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD23230/comment.html

 このあらすじ紹介によると瀬戸内海の村上水軍が東南アジアで大暴れ、というお話のようですね。後期倭寇に伊予海賊がいたらしいという史料はあるんですが、村上水軍がかかわっていたとはちと思えないんですが…それとよく倭寇がかかげていたとされる「八幡大菩薩」の旗も史実かどうかは怪しく、後世作られたイメージの可能性が高いかな、と僕は思ってます。「ばはんせん」という言葉についても、当時そう呼ばれていたことは宣教師の記述からも確認できるんですが、それが「八幡」なのかは確定できなかったはずです。これもいろいろ語源に説があるんですよ。

 「倭寇」を扱った日本映画はたぶんこれだけ。大友宗麟を描いた「国東物語」に倭寇の「八幡」という男が出てきたぐらいしか僕は確認してません。あ、「もののけ姫」のエボシ御前が過去に倭寇の親分の女房だったという裏設定があるようですが。
 中国、というか香港映画で作られたものとして「忠烈図」は、なぜか大学の図書館に入っていたLDで鑑賞できたんですけどね。サモ=ハン演じる「博多津」には苦笑しつつ、妙に史料にあたっているのも分かって面白かったです。


 ちょっと時間が出来たのでHDDレコーダーに録画して数ヶ月ほったらかしになっていた映画を何本か見ました。昼の衛星映画劇場でやってる懐かしの日本映画が多い。
 そのうち東映時代劇の「紅顔の若武者・織田信長」(1955)と「風雲児・織田信長」(1959)を立て続けに見まして…前者は白黒、後者はカラー。主役はどちらも中村錦之助(のちの萬屋錦之介)の信長、脚本が結束信二、監督も河野寿一でおんなじです。配役も平手政秀=月形龍之介、斉藤道三=進藤英太郎がおんなじ。面白いのが前者で信長の父・信秀を演じていた人が後者では今川義元になってしまってるところ(笑)。
 織田信長青春期を描く映画となっておりまして、前者は斉藤道三との会見がクライマックス(!)。後者はもそっと後まで描かれ、雨中の桶狭間決戦がクライマックス。カラー版は白黒版のわずか4年後のリメイクなんですが、映画としてはこちらのほうがずっと金がかかってますね。白黒版は合戦シーンの予算がなかったと見た。
 やはり錦之助演じる若き信長がハマってますね〜。ただの不良ヤンキーに見えますが、この時期の信長はこれでいいのです(笑)。カラー版では錦之助の弟の中村賀津雄が秀吉を演じてます。



#1078 
パパゲーノ川崎 2006/07/10 13:24
海賊映画

とにかく一作目をビデオで観てみようと思っています。

日本では、麦藁帽子被っている手足が伸びるやつが
流行ってますが、、、これはちょっと。。。

時代劇の海賊映画、
日本でも作ってくれないかなあ、と思います。




#1077 
徹夜城(支配人) 2006/07/09 00:21
カウンタックガ道路のど真ん中を…

>不肖デルタさん
 ええ、ありましたね、松田優作がランボルギーニ・カウンタックに乗って大喜びで走るシーン。銀座通り?のような気もする一台も車が走っていない大きな通りのど真ん中を交通ルール無視で走ってくんですよね。早朝に撮ったんだろうなぁ。
 カウンタックというと、「こち亀」でそれを買って「自宅」にして一家四人で住んでるカーマニアが出てきた話を思い出してしまいます(笑)。

 「蘇える金狼」、まぁいいのですが、「人間の証明」にもあった妙に長い銃撃戦やカーチェイスが入るのがかなり気になります。どうでもよさそうな場面にやたらに時間を割いてしまい、リズムがだれるところがありました。
 あと松田優作が殺し屋達を襲撃するシーンで、優作に撃たれた殺し屋がその衝撃で障子(だったかな?)を破って向こう側へ倒れていくカットがあるんですが、どうもうまく障子が壊れてくれなかったらしく(笑)、一瞬の間があって殺し屋役の俳優さんが自分の肩で障子を押して無理やり壊しているとしか見えなかった…。
 ツッコミどころは多々あるんですが、もとの話がピカレスクで面白いんで結構のせられてしまいます。ある意味「サラリーマンの夢」でもあるし(笑)。映画に関しては20分ぐらい短くしたほうがまとまりが良かったんじゃないかと思うところも。

>パパゲーノ川崎さん
 「パイレーツ・オブ・カリビアン」はいまだに見てないんです…評判は悪くないようなんですが。
 ディズニーランドのアトラクションの映画化というと、この「カリブの海賊」のほかに「ホーンテッドマンション」もありました。他になんかありましたっけ?アニメが先にあってアトラクション化というパターンは多いですけど。



#1076 
不肖デルタ 2006/07/07 18:45
蘇る金狼は

徹夜城さん、あの映画みたんですかぁ。
後半で松田優作さん がランボルギ−ニ
カウンタックに乗る場面あったでしょ
あのカウンタックは織田無道・被告の所有
だった、って説がありますね(笑
原作を読んだことがあるんですが原作じたい
映画より何十年も前の作品で、映画と原作で
時代設定のズレが深いですね
原作者はカ−マニアらしく自動車の書き込みの
ディティ−ルが濃いのですが出てくる車種が
みな大昔の車ばかりだったですね。



#1075 
パパゲーノ川崎 2006/07/06 22:37
パイレーツオブカリビアン

海賊+映画とくれば、徹夜城さまにとってはまさにトレビアーンな
内容のはずですが、専門家からすればいまいちなんでしょうか。

ディズニーのアトラクションから出来た映画が人気拡大中なんて
ほほえましいです。
パート3ではアジア系の海賊もストーリーに絡んでくるそうです。
とはいえ、私はパート1も観てませんが。。。



#1074 
徹夜城(支配人) 2006/07/02 23:09
ネットで映画鑑賞

 そのうちそうなるだろうとは言われてましたが、ネット経由でパソコンで映画を鑑賞するという時代に実際になってしまうと「映画生活」のあり方がまたちょいと変わってくる気がしてます。
 劇場へ出かける暇もないんで、最近はGyaoで古い映画を見ております。もともとは中国史大河ドラマを見るために入会したんですが、映画・アニメばかりチェックしてる昨今。
 タイトルは常時用意されてるわけでもない、途中で入るCMが少々うざったい、録画は基本的にできないといったウルサイ面もありますが、覚えてみると便利なものです。レンタルビデオに出かける機会がぐっと減ったのは確か。それと古い映画やマイナー映画については特集を組む形で放送するので、マニア心をくすぐられるところもあります。

 このところは松田優作主演作品をいくつかやってまして、未見だったものを2本見てみました。
 一本目は森村誠一原作・佐藤純弥監督の「人間の証明」。角川映画第2弾だったと思うのですが、第1弾でこのたびリメイクしている「犬神家の一族」に比べると「映画」としては遥かに見劣りする出来のような…原作を少し前に読んでいたのですが、脚色の仕方があまりうまくないような(これでもシナリオは公募してプロの書いたものが選ばれたはずですが)。原作小説のいろんな事件が同時並行的に進行してそれが次第に収斂し、終戦直後の一つの悲劇に結びついていくという、先の読めない展開の面白さが原作の魅力だと思うんですけど、どうも原作を先に読んじゃったせいか、映画のほうはその収斂ぶりが面白くないんだよなぁ。アメリカパートじゃ意味不明のカーチェイスと銃撃戦やっちゃうし。

 もう一本は大藪春彦原作・村川透監督「蘇える金狼」。これについては原作未読だったせいか(?)えらく楽しんで見てしまいました。ま、シナリオでも一部、千葉真一が絡んでくるところがバタバタしていて途中で見るのをやめそうになりましたが。
 香取慎吾バージョンは見ておりませんが、日ごろは平凡なサラリーマンが実は…という「スーパーマンもの」(二重の意味で)であり、ウソっぽい設定ながらも結構説得力をもって見せてしまうお話ですね。ピカレスクな主人公には松田優作が確かにハマリすぎ。平凡なサラリーマンを演じてる部分もメーキャップが狙いすぎだけど、それなりにハマってるところもこの人らしいような。
 平凡社員パートを見ていて岸谷五郎に似てるなぁ…などと思ってしまいました(笑)。連想で思ったことですが、松田優作主演で構想されていた崔洋一監督の「犬、走る」の主人公が岸谷五郎になっているのは偶然ではないのかも。



#1073 
徹夜城(支配人) 2006/06/16 01:16
どぶ鼠作戦

ここしばらく支配人自らの書き込みがすっかりなくなっていたので、久々に。というか、映画自体を見たのが久々です。

先ほど史劇的伝言板にも書きましたが、岡本喜八監督の戦争アクション「どぶ鼠作戦」(1962)を鑑賞しました。同監督の出世作「独立愚連隊」の流れを汲んだ、日中戦争の戦場を舞台にした西部劇風味痛快アクション&ブラックユーモア込みの反戦テーマを盛り込んだ、岡本監督ならではの作品です。こうしたジャンルは日本においては岡本作品以外ではなかなか見つかりませんね。

 加山雄三・夏木陽介・佐藤允の三人が並んでトップタイトル扱いになってますが、やはりメインは岡本戦争映画の顔・佐藤允さんですね。最近の映画しか見てない方だと「もののけ姫」のタタリ神の声だったりしますが…この時期の東宝戦争映画ではとにかく毎度のように出まくっていた方でした。
 この映画での佐藤允は中国人になりすます日本人特務部員。もっとも二重スパイにかなり近く、日本軍とは距離を置いて自由に行動していて戦争で死ぬなんてバカバカしいと思っている。加山雄三や藤田進も似たような行動原理で動いているが、そこへ若いバリバリの秀才将校の夏木陽介が赴任してきて軋轢を起こす。その夏木陽介が八路軍の捕虜になってしまい、その父親の師団長(加山雄三の父・上原謙なのでちょっと苦笑)の命で佐藤允らが夏木陽介の奪回を命じられる(といっても実は自決をさせるよう暗黙に命じている)。佐藤允と加山雄三、これに田中邦衛や中谷一郎らが加わって捕虜奪回のための珍道中が繰り広げられる、とまぁそんなお話です。事態が二転三転するシナリオで一口にはとても語れません。まぁ「独立愚連隊」と比較するとやや散漫な印象を受ける部分もありますが、ラスト一気に「漢気」の世界へ突入していくあたりも、爽快な余韻を残します。

 スピーディーな展開と細かいギャグ、そして少々ブラックな笑いにからめて戦争の馬鹿馬鹿しさをえぐりだしていくあたりはさすが喜八流戦争映画。八路軍の捕虜になった夏木陽介が、自分が処刑を命じたのに助かった中国人青年医師と対話するシーンは結構ジンと来ます。この中国人青年が実は日本で医学を学んだと語るあたりなど、この時期案外こうしたことは実際にありえたんじゃないかという気もしました。
 怪獣特撮や黒澤映画など東宝映画を見まくってるとおなじみの顔はわんざと出てきますね。中丸忠雄の馬賊風中国人っぷりが見ものでもありました。水野久美さんはセリフすらなかったような…



#1072 
ひで 2006/06/08 22:30
ココシリ

久しぶりに映画館に行って映画を見てきました。
美しくも厳しいココシリを舞台にチベットカモシカの密猟者を追う私設パトロール隊のお話しです。一寸走っただけで高山病になったり、竜差にいきなり飲み込まれたり、とにかく過酷な世界なのですが、一度でも普通とは違う世界に魅せられてしまうともう日常にはそう簡単には戻れないんだなあと言うことがよく分かりました。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1071 
十一郎 2006/06/04 07:08
黙示録の笑う大天使達

日曜洋画劇場で放映された『クリムゾン・リバー2』の録画を見ました。
どう見ても『ダヴィンチ・コード』の便乗放映ですが、非常に面白いインディ・ジョーンズでした(笑)。

地下墓所に隠された秘宝がマジノ線の工事で見つかったという設定。旧ドイツ軍と異端キリスト教との共同関係。真面目に作れば、皮肉の効いた伝奇サスペンスになったと思うのですが・・・特撮番組の怪人並みなアクション。アンフェタミン程度で筋力が十倍に増強。ありえないほど古典的な遺跡の仕掛け。ラストの能天気な音楽。
映画の全要素が、笑わそうとしているとしか思えませんでした(苦笑)。



#1070 
不肖デルタ 2006/05/29 18:10
トランスポ−タ−

地上波でやっていたんで見たんですが
映画タクシ−が好きだったんで、ああいうのを期待して
たのですが、前半までは、そういう主旨の映画だったので
すけど、中半以降、主人公は自動車を駆使するより
主に格闘に走っていきカンフ−ものといってもいいくらい
格闘てんこもり。もっとカ−アクションを期待してた
のですけどね。



#1069 
パパゲーノ川崎 2006/05/07 19:46
Vフォーベンデッタ

早くも観てきました。
第三次世界大戦勃発後2020年、イギリスは暴力による圧制の独裁国家に、
アメリカは内紛で元合衆国に。。。そして自由のために仮面の男Vがテロを行う、
というかなり強烈な設定。
Vは深い教養を持つ紳士だが、その戦闘能力は超人。
ゆえにピンポイントなテロを行い、無関係な民間人を巻き込むことは
。。。?テレビ局では職員が何人か巻き込まれてしまったが。

はたして自由と正義のためには、暴力は許されるのか。
しかしVには私的な恨みを晴らすという面もあったのだ。。。

とこれ以上書くとネタバレになってしまいます。

こんな深刻なテーマで、こんなにスタイリッシュに、
娯楽作品としても充分楽しめるのだから、
こんなの創れるハリウッドはやはりすごいと言わざるを
得ません。
やはり欧米の永木における国家間の争いと和解の歴史が
この深みをもたらすのでしょうか。

ちなみに、ラストはルパン三世とは違いました。^^;
ルパンは逃走するために仮面(変装)を使いましたが、
Vはそうではなかったから。。。

多くの人に観てもらいたいですが、流行らないだろうなあ。。。





#1068 
パパゲーノ川崎 2006/05/07 19:33






#1067 
Киска 2006/04/29 22:48
敵同士が鉢合わせ

アレクサンドル・ロゴシュキン監督「ククーシュカ〜ラップランドの妖精」は、ロシア人・フィンランド人・サーミ人
クリスチャン・カリオン監督「戦場のアリア」は、フランス人・スコットランド人・ドイツ人
パク・クァンヒョン監督「トンマッコルへようこそ」(公開は秋)は、韓国・北朝鮮・アメリカ
「敵国の兵士同士が偶然出会い、警戒し、いがみ合いながらも、交流してみると、実は相手も自分達と同じだとわかって」といった、似たようなテーマの映画。
「ククーシュカ」では、なんといってもサーミ人女性アンニが魅力的。“大祖国戦争”の大義名分の下で“ファシスト”ドイツと戦うソ連ではあるけれど、ロシア人兵士は同僚から何やら中傷されて連行されようというところを自国戦闘機による誤射で負傷、ドイツとともに枢軸国として戦うフィンランドですが、ロシア文学にも造詣の深い若者は非戦思想を抱いているのを罰せられ・・・と両人とも自国でははみ出し者であり、そういった国とか軍とか政治とか一切を超越した極北の自然の中で厳しくも素朴である意味ノスタルジックな生活を営んでいるかのようなアンニでさえも、夫を戦争に取られ(結局帰ってこなかったのだろうか)孤独を強いられているという点であの時代の当事者なのだということも、忘れてはいけないように思いました。
「戦場のアリア」は、イーサン・ホークが出演していた「真夜中の戦場〜クリスマスを贈ります」(キース・ゴートン監督1990年)にも通じるようなお話ですね。
「トンマッコルへようこそ」・・・シン・ハギュン好き!なので、期待しています。

敵同士で(一時的には)心通わせるけれど、個人的努力では乗り越えられずといった悲劇的結末の作品にも傑作は多いですね。パレスティナ・イスラエルの「カップ・ファイナル」(ワールドカップが近づく度に思い起こす)、ボスニア=ヘルツェゴビナの「ノー・マンズ・ランド」などなど。




#1066 
たらちね小僧 2006/04/24 19:32


ジョニー・デップ主演の「リバティーン」を観ましたが、
イギリス王政復古期の実在の詩人ロチェスタ−伯爵が主人公の映画なので
歴史映画に入りますね。



#1065 
不肖デルタ 2006/04/23 18:49
マトリックス・リロ−デッド

この間、地上波でやっていたんで今さらながら
劇場で見に行けなかったので見たが。
話わけわからんぞ(笑
じぶん的には、あの白づくめのタ−ミネ−タ−2号
みたいなドレッド双子の大活躍を期待していたが
単に悪役・幹部の用心棒なだけなのかよ(爆
撃たれたヒロインの体内から素手で弾丸を抜いて
素手で心臓マッサ−ジして生き返らす場面は
ジョジョのスタ−プラチナと
ディオ・ザ・ワ−ルドとの最後の死闘を彷彿と
してんなぁ、と思ったのは私だけかな。



#1064 
パパゲーノ川崎 2006/04/21 20:34
フォンベンデッタ

で、いいのでしょうかこの映画の題名。
近未来英国的仮面の男、、、?

実は”自分の住んでる国がとんでもない独裁国家になった時、
テロに訴えてもいいのか?!”という問題提起の映画であり、
その独裁国家のモデルは、なんとサッチャー政権時代のイギリス
なんだそうです。

ということで、すごく辛口の映画。とても期待していますが、、
今の日本人にはうけないような気がしています。。。。
GWにも入りますが、果たして興行成績はいかに?
ラストのネタがルパン三世と同じだったらどうしよう。^^;
(デパートでルパンが覆面をお客さんに配って、
包囲網を突破する話、がありました。)



#1063 
徹夜城(支配人) 2006/04/18 22:11
訃報といえば

>Кискаさん
確かに最近映画関係で訃報続きのような気がしますね…黒木監督の作品はそれほど見ていたわけではないんですが、先日岩波ホールで次回作の予告編を見た直後だったので驚きました。

 訃報といえば、北朝鮮に連れて行かれて向こうで怪獣特撮映画「プルガサリ」を撮り、その後亡命して韓国で「真由美」を撮るという、本人いわく映画以上に数奇な生涯を送ったシン=サンオク監督も亡くなっていました。

>十一郎さん
今日報じられてましたが、ショーン=コネリーが引退表明だそうで…「インディ4」に出るとのもっぱらの噂でしたが、ついに待ちきれなかったようで。



#1062 
Киска 2006/04/16 19:03
最近、訃報ばっかり

長らくイギリス首相官邸内に住みつき、重要機密を熟知していたハンフリー卿(推定18歳)、これまで何度か暗殺説が流れたことがありましたが、今度は本当の訃報でした。
彼がイギリス政治の表舞台?に登場したのは89年、なんとサッチャーさんの時代だったのですね。見れば見るほど、偉そうな、<首相官邸の主>という感じです。
http://www.japanjournals.com/dailynews/060320/news060320_4.html
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200603200015.html
元々TVドラマ「Yes,Minister!」に登場する補佐官の名前をいただいたハンフリー卿ですが、「我輩は猫である」仕立てのドラマになるなどしないでしょうか。映画ならなおよろし。

そして、「Tomorrow〜明日」「美しい夏キリシマ」「父と暮らせば」の黒木和雄監督が先週天に召されました。




#1061 
不肖デルタ 2006/04/12 07:50
映画2001&2010は

>十一郎さま
レスどうもです、私は、つい最近、映画2001年や
2010年を見たほうです。
最近しったことなんですけど、木星は強烈な磁気を
広範囲に発していて、それは人間が浴びれば即死する
レベルだそうです、磁気で死ぬといってもピンとこない
のですが、木星の磁気圏はバンアレン帯を強大にした
ようなものだ、という話です。しかも木星の磁気圏は
膨張と収縮を連続しているが、大きい時は土星の軌道より
広範囲もある、べらぼうなものだそうです。
したがって、この磁気の脅威をクリアしない限り木星圏を
有人航行することは自殺行為で、最初に木星圏へ行った
NASA探査機も木星磁気で壊れる不安があったそうで。
映画2001年・宇宙の旅は非常に考証が確立した話で
そこのところも考えてあるかどうか不明ですが
映画2010年では木星の衛星上空で米ソの宇宙飛行士らが
船外活動をする場面があり、これが、非常に薄っぺらい
宇宙服で船外を滞在してるので見てて磁気は大丈夫かよ
と、ひとり突っ込みを入れてた私でした。



#1060 
たらちね小僧 2006/04/08 21:13
お久しぶりです。

 「我々がこれまでと同じように生き残るには、我々自身が変わらなければならない。」とは、ヴィスコンティ監督の映画「山猫」の一節で、小沢一郎氏が民主党の党首選挙の演説で引用した言葉です。
 しかし、このセリフは小泉総理が好きそうなセリフだし、ヴィスコンティの映画自体も総理が好きそうです。自民党も民主党も、違いがなさすぎなのは如何なものでしょうか。




#1059 
十一郎 2006/04/06 05:40
こちらでは初めまして

ソースとしては不確かですが、『インディ・ジョーンズ』の4作目が始動したとの事。
http://www.eiga.com/buzz/060321/index.shtml
世界遺産の仏像を破壊しようとするイスラム過激派と戦ったりするのでしょうか?・・・いえ、きっとハリウッドらしくどの勢力も刺激しないような慎重な作りになるのでしょう。

>Кискаさん
>だから今度は川本監督の方がノルシュテインさんのところに赴き、友情アニメーションだと言って、例の「外套」をどんどん進めてしまったらいいのではないか、とつい思ってしまいます。

やはり同じ事を考える人がいるのですね(苦笑)。

『外套』の制作技法は、現在であればCGどころか個人制作のFLASHアニメですら可能なのがつらいです。あまりに時間をかけすぎたため、道具に追いつかれてしまったのですね。
もちろん、完璧な技術再現ではありませんし、技術と作品の質は等号で結ばれませんが、下手したらノルシュテインが今からCG技法を習得して制作続行した方が早いような気がするのが(苦笑)。

>不肖デルタさん
>『2300年 未来への旅』

もちろん邦題はもろに『2001年 宇宙の旅』をパクったものですが、そもそも『2001年〜』の邦題自体が日本でつけられたようなものなので、オリジナル映画スタッフには責任ありません。原題は全く違うのです。

ちなみに特撮はマット画がバレバレで、デザインも技術もチャチではあるのですが、これでもアカデミー特殊効果賞を取っているのです(笑)。
逆説的に日本の黄金期特撮技術がどれだけ世界的に見て高かったかを示す作品とも言えるでしょう。『2001年宇宙の旅』は突出しすぎていて、基準にはなりません(いくつかの映像技術は現在ですら事実上使用不可能で、まさにオーパーツ)。

個人的には、ディストピア映画が好きな性分なので評価したいですが、全体的な安っぽさはいかんともしがたかったですね。
http://www.generalworks.com/databank/movie/title3/logan.html



#1058 
徹夜城(支配人) 2006/04/05 23:49
「ルパン」のDVD

 昨年公開された「ルパン」、ついにDVDが発売されました(僕は先日「力道山」を見た映画館で見てます)。「コレクターズエディション」となっていていろいろルパンファンには楽しめそう。まだパッケージは開けてないですが。
 このパッケージに日本語版吹き替えのキャストがデカデカと出ておりまして…
カリオストロ伯爵夫人=増山江威子
スビーズ伯爵=小林清志
クラリス=島本須美
 …いやぁ、もう狙いまくっております(笑)。島本須美さんは「元祖クラリス」を演じる羽目になったわけで…考えてみりゃ峰不二子だって元はといえばカリオストロ伯爵夫人のキャラなんですよね。
 さすがに栗田貫一をルパンの声にあてる暴挙は避けられたようで(笑)。

>不肖デルタさん
 そういえば「海底二万哩」を撮ったリチャード=フライシャー監督が先日亡くなってました。89歳だったとか。SF映画では「ミクロの決死圏」も撮ってますね。変わったところで「トラ・トラ・トラ!」のアメリカ側監督。結局ポシャりましたが、日本側を黒澤監督が担当していたら釣り合いがとれなかったような気も…黒澤監督には当初「アメリカ側はデビッド=リーン級の監督を持ってくる」という話で来たらしいんですがね。
 もちろんリチャード=フライシャーが才能がないとかそういうことではないんですが、傾向が違うのではないかと作品を見る限りでは思います。小品ながらいいのをパッパッと作っちゃう職人系の人ですよね。「ミクロの決死圏」はツッコミどころは多いですが、エンターテイメント作品としてはよく出来てます。


>Кискаさん
 そうそう、スタニスワフ=レムも亡くなりました…もっとも僕は著作は一編も読んでおりませんで(SFはアシモフとか一部限定の半端ファンなので…)タルコフスキーの「惑星ソラリス」を見ているだけなのですが。でもやっぱり死亡記事で一番多く名前が挙がったのが「ソラリス」でしたね。映画化っていうのはやはり大きいか。
 「死者の書」ですが、先日僕の母親が見に行きまして、いたく感心しておりました。もともと飛鳥・奈良ネタが好きな人ではあるのですが(一応日本史専攻ですし)、映像的にも素晴らしいと言ってました。

 「力道山」は単純に偉人伝的にはならず、けっこう手段を選ばないやつに描かれますし、家庭的にも破綻者的に描かれたのは史実かどうかはともかく映画としてのまとまりはよくなっていたかと思います。ただ、家庭・私的な部分は関係者も多いので(プロレスラーの息子さんも協力してますし…)適当にボカしたところがありますね。
 パンフレットも力道山の朝鮮出身に関しては「詳しいことはわからない」とか書いてますが、在日朝鮮人二世(三世?)のジャーナリストが書いた力道山本ではかなり詳細に調べてまして、かなりのことがわかるようです。北朝鮮にも一度だけ、ちょこっと行ったことがあるらしく…向こうに残した家族もいたようです。一方で韓国にもかかわりをもち、急死する晩年には双方が絡んで微妙な立場でもあったみたい。その謎の死についてもその方面からの噂もあるわけですが、この映画では限りなく「事故」になってました。



#1057 
Киска 2006/03/30 22:14
訃報:スタニスワフ・レム、84歳

タルコフスキーによって映画化された『惑星ソラリス』が突出して有名ですが、私が好きなのは地味ながら「ピルクスの審問」という、短編連作『宇宙飛行士ピルクス物語』の中の一編『審問』の映画化作品です。
レムは、なんだかもう仙人のように、90歳や100歳、或いはそれ以上、生き永らえる方なのではないかという気がしていました。
国書刊行会の「スタニスワフ・レムコレクション」が完結する前に逝かれたのは、とても残念!
(現時点で刊行済なのは『ソラリス』『高い城・文学エッセイ』『天の声・枯草熱』)

>川本監督
川本監督は傘寿を超えていらっしゃるのですが、お肌もつややかなので、とても若々しいです。元々仕事は早いし、だから今度は川本監督の方がノルシュテインさんのところに赴き、友情アニメーションだと言って、例の「外套」をどんどん進めてしまったらいいのではないか、とつい思ってしまいます。

>「力道山」
モーニングショー1回のみ、というのに焦りましたが、大丈夫。テアトル新宿はまだ日中も上映中です。昨日、7時20分の回に行ってきました。
まさにソル・ギョングの映画ですね。私が元々プロレスに疎いせいもありますが、ソル・ギョング熱演!の印象しか残っていません。橋本さん等本職のレスラーの方々がすっかりかすんでしまっています。それと、正直なところ、「こういう男性のことは現実にはぜ〜ったいに好きにならないだろうなあ」と思いました。




#1056 
不肖デルタ 2006/03/28 18:14
海底20000マイル

なにか最近、昔の古典SF映画ばかり見てます(笑
なにぶん原作よんでないので「海底〜」は、え〜?
こんな話だったんだ、て感じです。
ま、1950年代の映画にしては結構、カラ−映像が
色あせてなかったです。
で、まぁ、無難な作品だとは思ったんですが
突っ込みどころ満載な別のSF?映画は
邦題が「2300年・未来への旅」(爆
邦題からして色物映画て感じがして見たら
やはりというか(笑
ぶっちゃけていうと「猿の惑星」と
「2001年・宇宙の旅」を意識しつつ全く
効果が滑りまくっている笑えるSF映画(笑
役者は皆おおまじめに演じていて
決してギャグ映画じゃないんですが(笑
製作時期が1970年代と思われます。



#1055 
徹夜城(支配人) 2006/03/28 00:10
力道山

 ようやく見てきました。都内の上映館はみんなモーニングショー一回きりになってしまい、さすがに客が少ない(汗)。
 
 まずは主演のソル=ギョングですね〜「ペパーミントキャンディー」「聖徳太子」「シルミド」といろんなところで顔を見てる人ですが、そのたびに印象が違う。今回は力道山ということで太らせて体型を変え、力士時代とレスラー時代での変化も見せてくれます。セリフは当然大半が日本語なので(ごく一部のシーンに朝鮮語会話あり)大変だったことでしょう。「聖徳太子」で経験済みではあるでしょうが…あのときよりずっとネイティブに近い話し方になってきたと思います。ただやはり発声にまだまだ難あり。時々何を言ってるのかわからなくなる場面もあります。
 でも特に映画後半、時々ドキッとするほど力道山に似てくるんですよ…試合シーンも凄い迫力です。ま、プログラムに書いてたプロレスファンの話だとこの映画のプロレスシーンは当時の再現ではなく現在のプロレスの技がかなり入っていたようです。

 そもそもプロレスシーンでは現役レスラーたちが出演しておりまして。当時の実在人物としてはハロルド坂田(007にも出たことで有名)だけで、あとはみんな名前を一部変更してますね(ま、分かる人にはみんなモデルが分かる)。
 そんななかの一人・相撲からプロレスに転向する「東浪関」(東富士がモデル)を演じていたのが橋本真也で…これ、亡くなる直前の姿なんだなぁと思うと感慨無量。

 他の出演者もほとんどが日本人。韓国俳優は大木金太郎(キム・イル)役を含めて2人だけですね。そういや「チャングム」やってるイ=ヨンエは少女時代にキム=イルの頭突きのマネをよくやっていたそうで、この映画でも力道山に「得意技は?」と聞かれて頭突きを見せるシーンがありました。映画だとキム=イルが自らジムに来て弟子入り志願をしてましたが、史実では密入国で捕まって追い返されるところを力道山に手紙を出して引受人になってもらったと聞いています。

 ヤクザ系と思しき後援者にして興行主を演じる藤竜也はもうハマリすぎ。実在人物複数をモデルにしたようですが、さもありなん、という感じがあります。映画つながりになりますが、映画「仁義なき戦い」の実在モデルたちが力道山の試合の興行をして力道山とみんなで一緒に写っている写真が存在していまして、第3作「仁義なき戦い・代理戦争」に登場するプロレスラーは力道山その人がモデルだと言われています。

 妻役の中谷美紀、マネージャー役の萩原聖人もそれぞれハマっています。最後の最後にチラッと山本太郎が出てきたので事前に知らなかった僕は「おお、こんなところにまで!」と驚いてましたら、力道山を刺してしまうチンピラ役でした。なるほどね。

 事前に予想した以上に「日本映画」になっちゃってますね、これ。朝鮮半島での力道山の前半生はほとんど語られませんし、節々で「朝鮮人」という問題は触れられはしますが、そう深刻に扱われる感じではなく、「○○人」ということを超えた一人の男の物語として描く事に徹しているようです。だいたい韓国映画でほとんど字幕なしなんてなかなかない…いや、「ロスト・メモリーズ」があったか(笑)。
 この映画、韓国ではイマイチ入りがよくなかった…という話も聞いたんですが、それが事実かどうかはともかく、実際この映画にいろいろ感慨を覚えるのってやっぱり日本人だと思うのですよね。戦後日本のある一時代を象徴した「歴史映画」の趣きすら感じました。映画の終盤、プロレス人気が落ちてきてTV中継が打ち切られ、「もう長島や王の時代です」とTV局に言われてしまうあたりとか、韓国の人にはピンと来ないんじゃないかと。
 そういや張本勲氏は現役時代に力道山に出身を公表しろと詰め寄って大喧嘩になったことがあるとか聞きましたが。


>Кискаさん
 レスが遅れましたが、川本先生のダジャレ、こちらも脱帽しました(笑)。
 李白は僕も好きなキャラクターなので、ぜひ完成を見たいですね。



#1054 
Киска 2006/03/21 14:13
次回作は「李白」

「死者の書」、私は土曜日に観に行ってきました。
私は完成披露上映会の時以来、観るのは2回目。「ほぼ完成」時のラッシュを見せていただいたのを含めると3度目ということになります。「死者の書」上映に先立って、「天の二上」という解説用短篇フィルムの上映があっったので助かりました(奈良時代のことをよく知らないので)。
初日に観に行って監督からサインをいただいた際に「少々難解ですね」と感想を述べた友人によると、「ああ、そしたら何回でも観てください」とおっしゃったのだそうです。支配人さまも顔負けの駄洒落ですねえ・・・。
奈良時代を扱った映画はこれまであまりなかったですね。特にアニメーションでは希少でしょうし、パペットアニメーションでは全然なかったかもしれません。
支配人様が書かれているように、家持=劉備の感じはすごくします。川本監督の人形は、題材が大概日本の古典物(「平家物語」「花折り」「鬼」「道成寺」等)か中国物(「人形劇三国志」「不射之射」)で、一目見て「川本喜八郎の人形」とわかるものですが、それでもやはり師匠であるチェコスロヴァキアの巨匠トルンカを偲ばせます。特に「チェコの古代伝説」を、でしょうか。
人形自体の上品さに加えて、人形の所作も流麗で実に品がよく、たぶんこの点がトルンカ&ポヤルとの共通点なのだと思います。ポヤルは「飲みすぎた一杯」等に代表されるようにスピードにとりつかれた男という感じだけど、今回の川本監督の「死者の書」の、奈良の人たちのゆったりした動きが、ポヤル作品のスローモーションのようにも見え、ポヤルはきっと「ノルシュテインがしているなら、自分にも友情アニメーションをさせてほしかった!」と悔しがっているだろうなと思えて仕方なかったです。
観終わってすぐ再度観たくなる作品であるとともに、折口信夫の原作を読みたくなり、奈良を訪れたくなり、お能「當麻」」も観たくなりました(エンド・クレジットで協力者の氏名を流す間(4分くらいある)に謡を入れるというのはなかなかよいアイディアだと思いました)。

>映画「松川事件」
国立近代美術館フィルムセンターの「シナリオ作家新藤兼人」の中の1作として、4/19の0:00と5/19の18:30に上映があるとのことです。




#1053 
Киска 2006/03/11 11:12
「まだ最高裁がある!」

>冤罪もの
「逆転無罪」のビデオを授業で見せられたことがあります。が、調べてみたら、これは映画ではなくて2時間ドラマでした。いかにも冤罪事件です、という感じのタイトルですが、大森勧銀殺人事件をドラマ化したものです。
主任弁護人だった方のお話では、所ジョージが元被告人役を演じると聞いて、何てふざけた配役だと憤慨していたら、これが大好演!芯から驚いた、ほんとうにあんな若者だったから、等々。所さんにとってもお笑いだけでなく役者としての才能を世間に知らしめた一作だったようです(片岡鶴太郎にとっての「太平記」のように)。

>「無罪」と断定し「その線でなければ書かない」と言った
そのお話には感動します。無罪を確信したのなら、圧力があろうが、「真相は藪の中」な作品にはできないでしょうね。特に死刑判決であれば。

>「殺人に関する短いフィルム」
監督名は正しくは、「クシシュトフ・キェシロフスキ」です。

>「力道山」
昨年末、「ペパーミント・キャンディー」を観て、大変よかったと友人に感想を述べたところ、「ソル・ギョング主演では今度「力道山」をやるから観ておくように」と命じられました。が、まだ観に行っていません。きっとまた濃い演技をするのだろうなあと思うと、観るのに覚悟がいりそうです。

>ソクーロフ
「太陽」の前に、前作「ファザー、サン」がユーロスペースで公開されることになりましたね。「太陽」については、2005年末から2006年初頭公開という話が延び延びになっていますが、まあ、ロゴシュキンの「ククーシュカ〜ラップランドの妖精」も配給会社が決まって「今年公開予定」のまま数年経ってようやくの公開ですから、「太陽」公開までにも紆余曲折があるのでしょう。




#1052 
たらちね小僧 2006/03/10 20:05
裁判映画

おひさしぶりです。

>徹夜城さま
私は「真昼の暗黒」は京都文化博物館の映画上映で観ました。
また、京都文化博物館では、2月に社会派映画監督、山本薩夫監督特集をやっていまして
「にっぽん泥棒物語」を観ました。
これは、松川事件をモデルにした映画で、コメディでもあります。
山本薩夫監督は、このほかにも
「松川事件」「証人の椅子」と
実在の冤罪事件の映画を撮影しています。





#1051 
徹夜城(支配人) 2006/03/10 00:20
しばしの映画三昧

 先日、「ミュンヘン」「PROMISE」の二本をハシゴして鑑賞しました。奇しくも同じビルの5階と7階で(笑)。どちらもそろそろ終わりっぽいから優先しました。

 軽く感想を書きますと…「ミュンヘン」は現代的テーマに挑んだ意欲的な問題作ではあるのですが、そこはスピルバーグらしさといいますか、「スパイもの娯楽作」の側面が少なからずあります(というか予想以上にその面は強かった…偶然でしょうが「次の007」も出演してるし)。派手ではないけど暗殺チーム役に達者なクセのある役者をそろえて、面白いアンサンブルになっていたと思います。個人的には謎の情報組織の連絡役で出てくるフランス人役の人がお気に入り(笑)。
 「PROMISE」のほうは、「グリーンディスティニー」「HERO」「LOVERS」以上にファンタジーの方向に突き進んだ形です。「まだ人類が神々と同居していた時代…」という空想的設定は「ロード・オブ・ザ・リング」「ナルニア」あたりを意識した東洋的ファンタジーを目指したものなんでしょう。真田広之、チャン=ドンゴン、ニコラス=ツェーと実にいい顔の役者をそろえて「東アジアサミット」状態なんですが(笑)、どうも脚本が中盤からチグハグな印象で、絵は綺麗なんだけど訳が分からないうちに終わってしまったという印象。
 陳凱歌監督作品としては、あまり世間的評判がよくなかったけど、僕は「始皇帝暗殺」が妙にお気に入りなんですけどね。


>明彦さん
 『力道山』は近日中に見ておきたい映画の一つ。内館牧子さんもエッセイで褒めていまして…大相撲の考証のデタラメさには苦言を呈してましたが(笑)。
 しかし「殿下」は気になりますね。特にモデルとなった史実があるのかどうか…三笠宮あたりだと気軽にそういうことがあったかな?と思わないでもないですが。
 今上陛下が「映画」で描かれたことがあったとは、初耳でした…昭和天皇なんか生前のうちからずいぶんいろんな役者に演じられてましたけどね。そういやイッセー尾形が昭和天皇やった「太陽」は国内公開するのかどうか。


>Кискаさん
 現実の裁判結果に影響が実際にあったかどうかは分かりませんが、裁判で係争中の事件を題材にして製作・公開し「冤罪」を断定した映画はありましたね。八海事件を映画化した「真昼の暗黒」(今井正監督、橋本忍脚本)です。
 …と書いてる僕も、実はこの映画はまだ見てなくて…最近集英社新書で出た「脚本家・橋本忍の世界」(村井淳志著)でこの映画の製作舞台裏を読んだのです。当初の企画では死刑判決への疑問を呈しつつ「真相は藪の中」的な映画にしようとプロデューサー・監督が考えて、「羅生門」のシナリオを書いた橋本忍に脚本を依頼したところ、捜査資料を読んだ橋本氏は「無罪」と断定し「その線でなければ書かない」と言ったので、今井監督らも腹をくくったのだとか。最高裁の圧力もありメジャーでの公開はできず自主上映となりましたが、それがかえって大ヒットにつながってしまう結果になったそうで。
 「真昼の暗黒」、ぜひ見てみたいのですがソフト化はされていないのかな…


>不肖デルタさん
 「2010」は、「2001」で頭を悩ませた僕(感受性の強い時だったのか、初めて見た日は夜ずっと寝られませんで…)には「つまんないけどホッとしちゃう」続編映画なんです(笑)。映画「2001」の正統続編なんですけど、キューブリックのような「天才」ならではの近寄りがたさは無いんですよねぇ。人間にも理解可能な範囲に降りてきてくれたような映画でした。クラークの小説のほうはその後も続編が描かれてますけど、映画化の話はないような。

 「2010」と「さよならジュピター」の発想は偶然ながらよく似ている(といっても木星を吹っ飛ばす、ってアイデアだけですが)とは当時から言われてはいたようで。
 「さよならジュピター」は特撮(川北紘一)に関しては評価していいんじゃないかと僕は思いますよ。東宝の特撮映画史上に一つのエポックにはなってると思います。問題だったのはシナリオと演出のほうだったかと…でも評価はともかくマニア受けは今なおしてる映画だとも言えます。
 日本映画で「宇宙」そのものを舞台にしようという作品が今後いつ出てくるのかなぁ…



#1050 
不肖デルタ 2006/03/09 12:50
2010年

最近、見た映画「2001年・宇宙の旅」を見ていらい
あの話、続きはどうなるんだ?と考えていたんですが
昨日、有線テレビで偶然「2010年」つう映画を
やっていたんで、見てしまいました。
いがいと前作の続編を忠実にやっている、といった感じ
でしたね。さすがに、前作の鬼才監督のようにロング
パノラマの連続映像てわけにもいってませんでしたが。
ネタばれになるんで結末は詳しく書きませんが
なんか、ああいう結末なら日本でも昔、木星がらみの
SF特撮映画があったと聞いたことがあったんですが
たしか「さよならジュピタ−」って題でしたっけ?
セットや特殊効果がしょぼくて流行らなかったとか
なんとか。



#1049 
明彦 2006/03/07 22:29
今上天皇はとっくに映画出演済み

映画『力道山』について詳しいデータが載っているサイトが見つかりました。
「殿下」役は日本人で役名は「皇族」。
なおずばり『孤独の人』(1957年日活・西河克己監督)という映画に
今上天皇が登場していたことを、別のサイトで知りました。
皇太子を外に連れ出そうとする「御学友」達のお話で、
「殿下」役はオーディションで選ばれながら台詞も殆ど無く、
顔もはっきり見せなかったとか・・・。
凡作のように書かれていましたが、一度観たいものです。





#1048 
Киска 2006/03/07 00:36
裁判映画は限りなく多いかもしれません

>裁判映画
アメリカ映画ではたくさんありますね。「フィラデルフィア」とか「レインメーカー」とか。最近のものではシャーリーズ・セロン主演の「スタンド・アップ」(鉱山でのセクシャルハラスメントを含む差別に対して闘う女性労働者・・・というお話らしいのですが、あっという間に上映終了していたので、観ていません)などがありました。
古典文学の映画化では、「ヴェニスの商人」の他、「カラマーゾフの兄弟」や「復活」でも法廷の場面は重要ですね。

>白バラ
「ヒトラー〜最期の12日間」の原題が「没落(Der Untergang)」、「白バラの祈り〜ゾフィー・ショル、最期の日々」の原題が「ゾフィー・ショル、その最後の日々(Sophie Scholl ―― die letzten Tage)」なので、「ヒトラー」の邦題をつけるときに、こちらの映画のタイトルを意識したと考えられますね。
別サイトで書いたことですが、「白バラ」グループについては先行する映画として「白バラは死なず」「最後の5日間」(ともに1982年)があります。「白バラは死なず」のラストは当初、ゾフィーの処刑の後、スクリーンが一旦暗転し、「このときの判決は現在も有効である」という白い文字が現れるというものだったそうです。が、1985年に連邦議会でナチス政権下の人民法廷の名で行われた法廷は法に基づくものではなかった」との声明が満場一致で承認されました。それで、この間私が「白バラ映画祭」で「白バラは死なず」を観た時には、「有効である」の文字部分はカットされ、ゾフィーの処刑場面で終わっていました。この映画は、法廷の場面にはそれほど重きをおいていない(もしかしたら全然なかったかも)のですが、実際のドイツの裁判に与えた影響はものすごく大きかったわけです。

そんな風に、法廷場面は殆どないにもかかわらず、一国の法制度を変えるほどのインパクトがあったものとしては、クシシュトフ・キェロフスキ監督「殺人に関する短いフィルム」が挙げられるでしょう。
ある青年が行きずりに全く何の理由もなくタクシー運転手を殺す。公判がどのようなものだったかは明らかにされず、いきなり死刑確定。弁護士が裁判官を訪ね、「死刑判決が出たのは新米の自分が弁護したからか」と問う。そうではない、と言われてもわだかまりが残る・・・。死刑執行の前に、青年は弁護士に初めて自分のことを語る。「<あのこと>がなければこんなことにはならなかった」(←はっきり言ってそれは言い訳)。そして死刑執行。
それだけの話で、決して死刑制度の賛否を問うような内容ではないのですが、ポーランドではこの作品ゆえに世論が高まって死刑廃止に至ったと言われています。





#1047 
明彦 2006/03/06 23:39
映画『力道山』の謎

お久しぶりです。あ、こちらへは初めてでした・・・・・・。
噂の『力道山』観て来ました(プロレスにはあまり詳しくありません)。
かなりフィクションが多いだろうなとは思わせましたが、
様々な「演技」を重ねてボロボロになっていく哀しい「ヒーロー」の、
スケールの大きな悲劇になっていました。
『シルミド』の時とは同じ人間に全く見えないソル・ギョングのなり切りぶりが見事です。
ちょっと変(時々かなり変)な日本語など全く問題になりません。

ところで、これはネタバレとまでいかないと思いますが・・・・・・。
全盛期の力道山のジムを「殿下」が訪れる意味深なシーンがあります。
「殿下」は自分のことを「私」と言う小学生の男の子を連れています。
(役者は知らない人。韓国の人かも) 顔はともかく雰囲気から
「すわ、現天皇と皇太子の映画初出演?か」と思ったのですが、
時代を考えると全く合わないんですよね。
条件に適うのは三笠宮とヒゲの殿下ですが・・・・・・。



#1046 
ひで 2006/03/06 21:31
アカデミー賞

今年はノミネート作品に結構デリケートな題材を扱った物が多かった中で、
ロスの人種問題を扱った群像劇「クラッシュ」が作品賞など3つを取りました。
他の作品賞にノミネートされた映画を見てないのでどうなのかわかりませんが、
確かに非常に良くできてるなとおもう作品でした。

で、今年は4つの映画が3部門ずつ受賞したという感じになっているのですが、
なぜに「SAYURI」が・・・・。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1045 
徹夜城(支配人) 2006/03/05 22:56
裁判映画

>Кискаさん
 「白バラの祈り〜ゾフィー・ショル、最期の日々」というタイトルには、昨年公開された、彼女の最大の敵であるところの人物を描いた「ヒトラー最期の12日間」を連想させてしまうところがありますね。それも見てみたいとは思っているのですが、そういう作品がつもりつもってきて、時間がなかなかとれないなぁ…

 「白バラの祈り」が「裁判映画」「法廷映画」のジャンルに入るかどうかはわかりませんが(それを言い出すと「裁かるるジャンヌ」も入るのか)、特にアメリカ映画では裁判そのものをテーマにした映画が多いですよね。陪審制度のためでもありましょうが、検察官・弁護人のパフォーマンスが勝負を決めるところがショービジネス的にマッチするのか、あるいは裁判というロジカルな勝負事じたいがアメリカ人は好きなのか。

 最近衛星放送で「アラバマ物語」を見る機会があったのですが、これもグレゴリー=ペック演じる主人公が弁護士。明らかに冤罪としか思えない黒人による白人女性レイプ事件の弁護をするお話で、その法廷シーン描写は「JFK」ほか僕がいくつか見た法廷映画と共通する熱っぽさを感じました。まぁ映画全体としては「法廷」がメインテーマというわけでもない映画なんですが。この映画の真面目で地味な主人公が昨年アメリカ映画協会選出の「映画ヒーロー」第1位に輝いている、というのもアメリカンなところだなと思います。

 日本における「裁判映画」って何があったかなぁ…と連想したものでは…
 目立たないところで黒澤明「醜聞(スキャンダル)」は日本映画としては珍しい社会派法廷(しかも民事)もの。ま、映画そのものはいささかセンチメンタルに流れすぎた空気もありましたが、他作品ではあまり見られない怪演を見せる志村喬の弁護士が印象的です。

 松本清張原作・野村芳太郎監督の「疑惑」も面白かったです。桃井かおり演じる「どーみても悪い女」が夫とともに車で海に飛び込み、夫だけが死亡する。当然のごとく彼女に濃厚な嫌疑がかかりマスコミも大騒ぎ、それに押される形で逮捕され裁判になるが、「国民的悪役」状態の彼女に弁護士もしり込みする。成り行きで国選弁護人になった岩下志麻が、桃井かおりと大喧嘩しながらも次第に真相に迫っていく…という展開が物凄く面白い(その後の「三浦和義事件」なんかも想起させる展開です)。桃井かおりの悪女っぷりが全編にわたって強烈。

 仮想の設定のコメディとしては三谷喜劇を原作にした「十二人の優しい日本人」もありましたね。



#1044 
Киска 2006/03/04 23:12
「次に裁かれるのはあなたたちだ」

「白バラの祈り〜ゾフィー・ショル、最期の日々」の中で、ゾフィーが公判で裁判長に向かって言った台詞です。「今度はあなたが被告人席にいることになる」だったかしら。
実際にはこの裁判長は空襲で命を落としたそうで、ナチスの下で働き、法によって多くの人の命を奪ったことに対して、この世においては裁かれることはなかったのですが。
仮に戦後まで生き延びられたとして、法曹分野は体制が変わっても思想弾圧を行った責任追及はあまりされなかったようですね、ドイツにおいても。
この「白バラの祈り」は白バラグループ関連映画の中でも尋問と裁判の場面が中心で、私は非常に関心を持って観ることができたのですが、知人は少々退屈したようです。

裁判ものと言えば、アル・パチーノ主演の「ヴェニスの商人」は見逃してしまいました・・・。
法廷場面が中心というわけではないですが、東京国立近代美術館フィルムセンターの「ドイツ・オーストリア映画名作選」で観た「マヅルカ」(ヴィリ・フォルスト監督1935年)はなかなかでした。




#1043 
Киска 2006/02/19 20:01
天から降ってきたような美形ではないですが

私にとって韓国映画は、監督で選ぶというより、俳優で選んでいるという感じです。アン・ソンギ、パク・チュンフン、シン・ハギュン、ソル・ギョングらが好きです。

>「風の丘を越えて(西便制)」
私もどこかの上映会で観て、これが私にとっての韓国映画の原点みたいになっています。文芸作品ですね。お父さん役が山口崇さん似、弟役が元ジャイアンツの定岡さん似、そして「そこでどうして○○しない?!」というラストだったという印象が強いです(←めちゃくちゃなコメント)。

>「将軍の息子」
T・U・Vとあるそうで、友人のお勧めリストに入っていました。独立運動の英雄だった父、ヤクザの親分に成りあがった息子とも実在の人物だそうですね。観てみたいです。

韓国の自国作品保護政策は、それ自体は相当前から存在していたのだけれど本当に映画人がやる気になって守らせるようになった(映画館をパトロールして上映作品をチェックするとか)のはここ10年くらい、ちょうど「韓流」が世界に名を知らしめるようになった時期と一致しているとのこと。このあたりの事情は友人からの受け売りでして、徹夜城様はすでにご存知のことかもしれませんね。
現在の韓国映画について「ここまで力をつけたから大丈夫」と言えるのかというと、私にはそうは言い切れないのです。10年ちょっとの「実力」では優位性は吹き飛んでしまうのではないかしら、と。

そもそも「どの国の映画も自由に制限なく観られるべきだ」「芸術が国家の庇護の対象となるのはどうか」という意見もあり、「それはそうなのだけど」という面はあります。が、ヨーロッパ(特にフランスですね)の例を出すまでもなく、映画は文化であり、文化はアイデンティティーであって、一般的な視点での市場開放論には賛同できないのです。多分に心情的なものですけど。
韓国映画にしてもイラン映画にしても、自国作品の質を上げてしかもそれを量産できるようになったのは、ハリウッド映画の流入を抑えて徹底的に自国作品保護をしたからではないかと、やはり思うわけです。これは全くもって感覚的な(論理的根拠のない)私見ですけれど、イラン映画の美少年達を見ていると、「ハリウッドのアホらしい作品が氾濫し暴力的にその文化的影響下に置かれているようでは、こんな美しい瞳の子は存在しえないのかもしれない」とさえ思います。(勿論ハリウッド作品にもよいものはありますが、抗いようもない大量宣伝がされているものにはアホらしい作品が多いので。)

アラブ映画ではないのですが、こういうものがあるそうです。
「エドワード・サイード OUT OF PLACE」佐藤真監督2005年
http://www.cine.co.jp/
私は不勉強にして、サイードの著作は全然読んでいないのですが。




#1042 
不肖デルタ 2006/02/16 18:53
3DCGは結構、ミニチュアみたいもんですね

やってみられたら分かると思いますが3DCGモデリングは
ミニチュアと似たような感じもしますね、ようはパソコンで
模型を作ってくわけだし。結構、模型をこなす人は3DCGへ
すんなり移行しやすい気もします。
3DCG形状デ−タ−って有料のものが多いですが
簡単なもので無料のものもありますが、無料でも優れ物の
形状ファイルを配布しているところがあります、ホンダの
サイト「ウェブプラモ」ではホンダのバイクや自動車の
形状ファイルを無料で配布しています、ダウンロ−ドは
DXFファイルとLWOファイルの2つに別れてますが
LWOのほうは、ちょっと本格派の3Dソフト向けですが
DXFのほうは汎用CADファイルで、2.5DのCAD
ですらも読み込めて3DCGプラモデルができるかも。
興味のわかれたかたは、寄ってみてくださいアドレスは下↓
http://www.honda.co.jp/WebPlamo/
アドレスが間違っていたら、ホンダの公式サイトからでも
入れるはず。



#1041 
徹夜城(支配人) 2006/02/15 23:39
ミニチュアも結構使ってるみたい

>不肖デルタさん
「男たちの大和」にはもちろんCGもかなり使われています。特に海洋を進んでいく遠景カットなどはCGでなければ不可能です。また実物大セットを海辺に作ったといっても船の周囲の海は当然航行している場面では波を立ててなきゃいけないわけで、それは実際に海上自衛隊の艦船に航行してもらって波を撮影し、CGも加えて合成しているみたいですね。
 それと、パンフレットで見た限りでは特撮の伝統といえるミニチュアワークもまだまだ使われているようです。特に米軍の戦闘機が攻撃してくるシーンでの煽りカットなどでは大きめのミニチュア撮影による合成が駆使されているとか。

 それにしても太平洋戦争映画など「海軍もの」は特撮部門がある東宝がお家芸、といわれてたんですけどね。東宝は特撮用大プールも廃棄して少なくともミニチュア特撮の海戦映画は作る気はなさそうで、入れ代わりのように東映が作っちゃったあたりに時代の流れを感じます。
 東映の戦争映画大作はひところの「二百三高地」だの「大日本帝国」だのがありますが、一見軍国調を匂わせて実は結構痛烈な反戦映画だったりする、という伝統も「大和」に感じるところもありました。



#1040 
不肖デルタ 2006/02/15 18:18
映画「男達の大和」の戦艦大和は

映画のほうは見てませんが、この映画で登場する大和は
登場するのは全編、あの特製、戦艦大和のセットでの
実写撮影か、というと、一部3DCGのものがあり
その3DCGは私が使っているソフトShadeの
メ−カ−・テクニカル・アドバイザ−の人が手がけたのだ
そうです。Shadeは自由曲面という、独特のモデリング
特性で、いまの3DCGの主流であるポリゴン・モデリング
の系統とは一線を画してて、また、自由曲面の形状デ−タ−は
動画、いわゆるアニメ−ションには不向きなソフトでして
ひらたくゆうと、動かしたり、変位をさせると形状に、しわが
出やすいのでして、しわ が出やすいので人物を作る場合も
やりづらいソフトではあるんですが、メカや建造物を作る場合は
やりやすく仕事も速いので、戦艦大和のようなオブジェクトは
Shade向きの題材だろうな、と思います。




#1039 
徹夜城(支配人) 2006/02/14 00:46
ようやく劇場に行けて。

 もう先週の話になるんですが、公開終了間際(僕が行った劇場では)の「男たちの大和」を劇場で鑑賞して来ました。
 総じて言えば、日本的な「泣かせ」の詰まった戦争映画。この点は良くも悪くも日本の戦争映画の系譜にのっとっていると思いました。兵士たちの故郷とそこに残した家族をしつこいほどに描いた上で戦場の悲劇を描く、というのは作り手のポジションはどうあれ、日本戦争映画の伝統だったように思います。

 今回の「大和」で目を引くのはまず実物大のセットを作った事による臨場感(これは東宝「太平洋の嵐」で空母・飛竜の実物大セットを作った前例がある)、そしてそれをフルに生かしたと思われる、日本の戦争映画としては恐らくかなり異例の凄惨な描写です。もうカッコいいも悪いも無く、ただただ辺りは血の海、あっという間にボロくずのようになって無意味に死んでいく兵士たち、というのはやはり「プライベート・ライアン」以降の戦争映画の流れだなぁと思うのでした。
 実は「太平洋の嵐」では病院室のシーンで部屋が真っ赤な血の海になっているカットがあり、これを製作側が嫌ってカットを命じたが監督が拒絶したという逸話があったりします。そんな話からすれば、この「大和」なんてもうホラーの領域といっていいかもしれない。

 あと「大和」は映画全体として「生きることの大切さ」を強烈に訴えており、ともすれば悲壮感に満ちた滅びの美学に陥りがちな日本の戦争ものの悪弊(と僕は思う)に陥らずにすみ、かなり前向きな姿勢で映画は幕を下ろします。
 また、宣伝で連呼されていた「愛する者を守るため…」なんて同名の宇宙戦艦みたいなテーマは実は映画ではかなり希薄。そう、結局「守れない」んです。そこをかなり直截的に描いていた点も評価していいんじゃないかと思います。
 それにしても「いい顔」がそろった映画だなぁ…と思いましたね。そういう格好をさせたから、というだけではない「本物らしさ」を特に少年兵役たちに感じましたね。ここんとこホントに出まくっている中村獅童もいいキャラでした。主役のはずの反町隆史はかなり影が薄かったりして。

>予告編
 で、劇場に行く楽しみの半分は「予告編」であります(笑)。
 ウォルフガング=ペーターゼン監督の新作は「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクかい。やるらしいという噂は聞いていたんですが、予告編を見た感じではまさにそのまんまなりメイクのようで、今さら…という気しかしない。
 ジェット=リー主演のカンフー映画「スピリット」に、日本武道家(剣道?柔道?空手?よくわからん…)として中村獅童が…ここにも出てるんかい!(笑)。
 噂には聞いていたチャン=ドンゴン主演の韓国海賊映画もついに予告編が。「タイフーン」ってタイトルになったんですね。タイトルのセンスがなかなかいいのも最近の韓国映画の特徴かな。
 そのチャン=ドンゴンと真田広之ほか東アジアごった煮共演のファンタジー「PROMISE」も面白そう。それにしても張芸謀監督の「HERO」を「荒唐無稽」と酷評していた陳凱歌監督がこんなの撮るとは(笑)。

>Кискаさん
 韓国映画、僕も「シュリ」あたりからいろいろ見るようになりましたね。それ以前は確かにレンタルビデオ屋でもポルノ路線か文芸作品ぐらいしか置いてなかった。映画そのものの評価についてはいろいろ言いたいこともあるんですが、「シュリ」が大きかったのは間違いないでしょう。実は「冬ソナ」なんかよりずっと重大な影響があった一本だと思ってます。
 ふと思い出しましたが、「シュリ」以前に「風の丘を越えて(西便制)」は大学でどういう経緯か忘れましたが上映会があり、見たことがありました。これが当時では最大ヒットの韓国映画だったんですよね。これがまた辛いお話で…
 ああ、あと話のタネに、と史学科の東洋史ゼミで「将軍の息子」という韓国ヤクザ映画(?)を字幕なしでみたことがあります。これは日本統治時代を舞台にした日本ヤクザと朝鮮ヤクザ(といっていいのかな)の抗争劇で、セリフの多くが日本語。ただし向こうの俳優さんが無理して日本語話しているのが明らかで(笑)。日本ヤクザが当然悪役ですが、柔道の達人の日本人警官がなかなかカッコよくていい人だったのが印象に残りました。
 
 韓国映画の「スクリーンクオーター」制度ですが、本音を言えば今の韓国映画ならハリウッド映画の進出にも十分対抗できると思うんで(というより作り方がハリウッド的娯楽志向でもあります)、もそっと率を下げて競争するのも悪くなかろうとは思ってます。国家の映画への支援は別の形でも出来ると思うんですよね。
 「シュリ」から始まった、香港ものとは異なったアジア娯楽映画の形を提示し隆盛した韓国映画ですが、これがどこまで続くのか、またどういう形になっていくのかは興味の尽きないところです。またどうしてこのラッシュがもたらされたのか、日本もよく研究しなきゃならないでしょうね。



#1038 
Киска 2006/02/12 17:56
韓国映画、危うし?

中国語の先生から伺ったことをアジア映画ファンの友人に書き送ったら、今度は彼女から「私は如何にしてアジア映画ファンになったか」とでも言わんばかりに中国映画や韓国映画の資料が送られてきました。私が昨年末にようやく「ペパーミント・キャンディー」を観て「韓国の映画人はやっぱりさすが」と言ったことも念頭にあってのことでしょう。
「韓流ブーム」以前、さらに「シュリ」よりも前、1994年の韓国映画レビューには「どうも韓国映画は「エッチっぽい」「難しそう」の二言で片付けられがち」「なかなか女性には敬遠されそうなイメージですが」との記載があって、隔世の感があります。

その韓国では、現在スクリーンクオーター縮小方針を発表した政府に対する抗議行動が起こっていますね。ここでも大スター、アン・ソンギが率先して頑張っていますが、彼に続いて今をときめく若手人気スターも参加して積極的に発言をしている点が、政治的言動を忌避する日本の芸能界と際立った違いを感じさせます。




#1037 
不肖デルタ 2006/02/12 12:03
ゴッド・ディ−バ

わたくしごとですが、最近、自分が持っていた安物3DCGソフト
にも、いっぱしに回転ジョイント関節の機能が、そこそこにある
のを発見、この手のソフトに、ありがちですが説明書というものが
無いため、全機能を把握するのはヘルプか自分でいじって覚えるか
参考書を買って自発的に使わないとなかなか覚えられないもので。
ボ−ルジョイントを使いこなしてモ−ションプラウザもマスタ−
できれば自作ゲ−ムや3Dアニメ−ションも夢ではない、つうか
そこまでいくのにいつまで掛かるやら(爆

で、全然かんけいない前置きでしたが、見出しのフランスSF映画
特殊効果・SF美術は、なかなか、です、この前、地上波でやってた
マイノリティレポ−トより映える映像かな(笑
話の大筋は何かブレ−ドランナ−みたい感じしましたが
ブレ−ドランナ−と、どことなく違うフレンチシネマ特有の
アンニュイさがありました。
この映画のキャストは、ヒロインや主人公は人間の役者ですが
その他大勢エキストラは3DCGフィギュアを動かしてます。
こういう手法は増えてきてますね。




#1036 
パパゲーノ川崎 2006/02/12 00:20
下の書き込み

最初にかいてある映画はキングコングについてです。



#1035 
パパゲーノ川崎 2006/02/12 00:18
公開中の映画

は、観に行った人の話によると3時間という長さの割りには
退屈しない面白さがあったとのことです。
ただし、キングコングに対して哀れみの気持ちにはなれなかった
とのこと。設定の問題ですね。(書くとネタバレになるのでやめとこ。)
かわいそうで泣いた人もいるらしいけど。

僕が気になっている映画は”フライトプラン”と”オリバーツイスト”
です。
”フライトプラン”は旅客機の内部を詳しく見せてくれそうだし、
”オリバーツイスト”は産業革命のころのイギリスが忠実に再現されて
いるそうで、古い機械や町並み、ファッションがいろいろと見られそうです。
劇場に観に行くかどうかは微妙なところですが。




#1034 
徹夜城(支配人) 2006/02/06 14:32
劇場に行くヒマがない(涙)

 映画館にずいぶん行ってない気がします。「ロード・オブ・ウォー」が最後という状況で。「キング・コング」と「大和」は話のタネに見に行く気だったんですが、ほとんどのところで終わってしまっているような…都内まで進出しなくちゃいかんようです。
 それよりは「ミュンヘン」「単騎、千里を走る」あたりをハシゴして見た方がいいか。

>Кискаさん
情報ありがとうございます。アラブ映画というのも今までまったく見たことはないもので、いい機会だから時間さえあれば見に行ってみたいものです。



#1033 
不肖デルタ 2006/02/05 17:54
マッハ

ジャッキ−・チェ−ン氏は息子さんがいて俳優を
してるそうで、彼のカンフ−路線の後継の心配は
ないかもしれませんが、決して安泰でも無さそうで
すね、タイに何やら強烈なライバルが出現か(笑
ムエタイ・アクション映画は初めて見ましたが
最近の香港映画はカンフ−映画は減ってきましたし
このタイ映画は勢いがありますねぇ。なんか
ひさびさにダイレクトな肉弾アクションを見せて
もらいました。



#1032 
Киска 2006/02/02 23:55
ムスタファ・アッカド監督追悼講演会

昨年11月にアンマン連続爆弾テロで亡くなられたムスタファ・アッカド監督の追悼講演会が3/11(土)16:30〜国際交流基金フォーラムにて「アラブ映画祭2006」のクロージングで行われます。(「ザ・メッセージ」「砂漠のライオン」は、版権の関係で上映されません。)日本でのムスタファ・アッカド監督の追悼行事としては、おそらくこれが唯一のものになるのではないかと思われます。




#1031 
徹夜城(支配人) 2006/02/02 23:23
「宇宙戦争」の次が「ミュンヘン」

 結局いまだに「宇宙戦争」のほうは見ていないんですが、スピルバーグっちゅう人はホントに次々と全然傾向の違うものを撮っちゃったりするから、凄いというか身軽というか(笑)。その変幻自在ぶりは映画作家としてはあまり例がないような気がします。こういう人って一言にまとめらんないから評論家泣かせで(笑)、映画作家・スピルバーグの研究本って、その名声に比べると決して多くはないように思います。

>ブッチャー3世さん
 確か「ミュンヘン」の原作って、まさにその「標的は11人」だったはずですよ。
 そういう本があるという情報を聞いていなかったもので、最初スピルバーグが「ミュンヘン・オリンピック」を題材に映画を撮る、って聞いて、ちょっと心配していたのですよ。「シンドラーのリスト」の時のようにユダヤ系映画監督としてこれは作っておくと意気込んで、ヘンに偏った映画をつくられると厄介だな、と思いもしたんです。
 しかし、「シンドラー」もそうでしたが、そこはスピルバーグのバランス感覚。むしろイスラエル側で不評を買いそうな映画みたいですね。このテーマを今この時代につくる、というのはスピルバーグにしても勇気がいるでしょうし、また逆に大の商業ベース監督ともいえるスピルバーグだからこそ出来る、ということでもあるんでしょうね。



#1030 
ブッチャ−3世 2006/02/02 08:28
ミュンヘン

ミュンヘンオリンピックでのイスラエル選手団に対するテロの模様を
描くドキュメンタリ−風・映画かと思っていたのですが
雑誌の予告編を読むかぎりではミュンヘンオリンピックテロに対する
報復としてイスラエル諜報組織がPLO幹部11人の暗殺チ−ムを
西欧に送り西欧でアンチ・テロのテロが繰り返される、という話
みたいです、だいぶん前に洋書の翻訳版で邦題「標的は11人」と
いう小説を読んだことがありますが話の大筋が酷似で、
この小説の著者は、くだんの対PLO暗殺団の隊長でイスラエル
当局に反発してアメリカへ亡命、諜報機関から抜けて本の出版に
いたる時期、相当、イスラエル当局の脅迫や妨害があった
ということです。
あまりにも話が似ているのでスピルバ−クの映画は、この小説が
原作か?と感じていますが、もしそうなら、ずいぶん厄介な原作を
映像化する気になったものです、イスラエルでの上映は困難でしょうし
世界じゅうでのユダヤ系社会での反響も大きいかもしれません。
ただ、スピルバ−クはユダヤ系の人のようなので、だからこそ
彼がやるのが、ふさわしい映画かもしれません、シンドラ−ズリスト
みたいに。




#1029 
原田 実 2006/02/01 21:02
ナーザちゃんか・・・

『ナーザちゃんの竜退治』に限らず、中国・香港・台湾では『封神演義』の映画化・アニメ化作品は無数に作られているようですね。
以前、TVで見た珍品は邦題『ドラゴンの妖怪退治』、原作の大筋をそのままたどっているのですが、申公豹がかわいい子鬼の姿だったりして違和感あります。で、なんでこんな邦題かというと、楊セン(文字が出ない〜)がブルース・リーの顔をしていて、敵の妖仙どもを、蹴り倒しまくるから。
で、最後は燃え盛る朝歌の城の上で、自ら刀を振るって戦う紂王を、楊センが炎の中に蹴り落としてめでたしめでたし・・・
怖いもの見たさでもう一度、とも思うのですが、ナーザちゃんのようにメジャーな映画ではなく、ウエブにも情報がありませんね。

http://www8.ocn.ne.jp/~douji/


#1028 
徹夜城(支配人) 2006/01/31 10:17
TV放映とアクセス急増

 この「栄耀映画」コーナーは「歴史映像名画座」以外はとんと更新しないのですけど、それなりにアクセスは多いんですよね。で、アクセス解析をしていると1〜2日だけ特定のページにアクセスが急増している時があります。理由は簡単、その映画がTVで放映されるとネット上の映画評を探す人が結構いるからなんですね。

最近ですと、ドキュメンタリー「アザー・ファイナル」。NHK教育で放送したのには驚きましたが、その直後のアクセス急増にも驚きました。確かにあの映画の感想書いてるところってあまり無いような…
また二週間ぐらい前でしたか、「新幹線大爆破」へのアクセスが急増していたことがあります。関東ではTV欄で見かけなかったので、関東以外のどこかで放映したのでしょうか。実はアクセス解析ではどういうキーワード検索をしたかもわかるのですが、「新幹線大爆発」で検索してもひっかかるんですね(笑)。
そして先週の「金曜ロードショー」枠での「マイノリティ・リポート」。スピルバーグの「ミュンヘン」を公開するんで関連での放映だったんでしょうが、同じ監督とはいえ傾向が違いすぎるよなぁ…スピルバーグとしては駄作と言っていい作品だと思いましたし。
監督関連といえば「単騎、千里を走る」のチャン=イーモウ監督の「HERO」も放映してました。これも全然違う傾向の作品ですが…この放映のおかげで「歴史映像」の中国史ページにアクセスが多かった。
それと、最近モンゴル史映画へのアクセスがちょっと増えています。どうもどこかで「マンドハイ」をやったみたいですね。
とにかくなんだかんだで地上波TVで映画を見る人って多いんだなぁと。衛星で放映した場合はここまでアクセスに反応はありません。


 映画話といえば、「犬神家の一族」を市川崑監督・石坂浩二主演という旧作とまったく同じ組み合わせでリメイクするんだとか。「戦国自衛隊」「日本沈没」とリメイク企画が続発しておりますが、いまさら「犬神家」でもあるまいに。もちろん旧作が日本ミステリー映画史上に残る傑作映画だった(原作は横溝作品中では特に目立つ作品ではない)のは否定できませんが。今更ですが市川監督が豊川悦司主演で撮った「八つ墓村」は石坂さんの金田一でやってほしかったと思います。


>パパゲーノ川崎さん
 「梁山泊与祝英台」…ほほう、「水滸伝」の祝家荘との対決のネタですね。アニメにもなってるんだ。
 ディズニーといえば中国ネタで作った「ムーラン」がありましたね。濃厚に「中国風」を意識して作っていましたが、反面でモンゴル(直接名指しは無いけど)がステロタイプに悪役化されているのが気になったりもしたものです。「史点」で書いたことですが、確か当時ハンガリーだったかトルコだったか、騎馬民族の子孫を自認する人たちが抗議行動をしていた記憶が。



#1027 
パパゲーノ川崎 2006/01/29 01:19
梁山泊与祝英台

みなさま、けっこう”ナーザの大暴れ”ご存知なのですね。
日本で公開当時、雑誌”アニメージュ”などでも宣伝してましたから。。。

ところで、タイトルのアニメ、これは中国では有名なお話で、京劇に
演目としてあるようです。
中国語教室にちょっとだけ通ってかたときに、先生からビデオを借りました。
最近の作品らしく、ディズニー調のバタくさい絵の作品でした。
(歌って踊るシーンまである^^;)
しかし、CGも採用したり、最先端の技術で作られている作品でも
ありました。
かつて、”ナーザ”のような素朴なアニメを製作していたのが、
こんなになっちゃったのか、、、と驚いてしまいました。



#1026 
Киска 2006/01/26 00:58
下の書き込みでも、実は「ナーザ」のことは触れようかな、と思っていたのです。

でもその前に訂正。×「中国の小さなお針子」→○「小さな中国のお針子」

「ナーザ」は有名なお話らしく(「封神演義」の一挿話)、絵本も邦訳されています。
アニメは1979年王樹忱ほか監督の作品で、建国30年記念につくられたものだそうです。原題も邦題もいろいろあるらしいですね(「ナーザの大暴れ」「ナージャと竜王」「わんぱくナージャの竜王退治」「ナーザが海を騒がす」)。私が2002年にユーロスペースの「上海アニメ特集」で観た時のタイトルは「ナーザの大暴れ」でした。<京劇調>セルアニメという触れ込みでしたが、私が観た感想は、第一に「新体操みたい!」・・・だって、ナーザの武器はボール・リボン・クラブ・ロープ(これが竜の筋なのですが)・フープ、と新体操の手具そのままなのですよ!第二に、私にはひどく衝撃的だったのは中国の映画には非常に珍しく(といってもあくまで私の観ている範囲内ですが)自刃のシーンがあることでした。

この間お話を伺った中国語の先生(女性です)がおっしゃるには「日本人が時として口にする<死生観>というものは中国人にはあてはまらない。「古井戸」でヒロインに夫が言うように「生き抜け。豚になっても生き抜け。」が中国人の<生死観>だから。死んで責任を取るとか罪を清算するという発想は、中国人はしないものだ。」
しかし、私はそれを聞いて「ナーザの大暴れ」を思い出したのです。「あれはまさに死んで責任を取れ!とばかりに自決を強いられるわけではなかったか」と。先生がおっしゃったのは、「現代中国人は」という意味だったのかしら?

このアニメは宮崎駿さんのお好きな中国アニメなのだそうです。
いずれにしろ、こういったゆったりしたテンポの流麗な上海アニメの傑作群は80年代までで、90年代以降はディズニーの下請け的な仕事が殆どになっていると聞きました。かつては中国にしかないとされていた水墨画アニメも、今や中国では制作されておらず、辛うじてカザフスタンで細々と作られているといった現況です。




#1025 
徹夜城(支配人) 2006/01/25 23:25
新007は「火事のロワイヤル」

↑おっと誤字です(白々しい)。

>不肖デルタさん
 ピアース=ブロスナンの007最終作は、残念ながらシリーズ全体を見渡しても最低ラインの駄作だったかと。中国や日本とゴッチャになってる北朝鮮ネタはともかくとして(独裁者である父親は穏健派に描いて息子のほうを悪役にするあたりは微妙な配慮も感じますが)、文字通り氷だらけの「アイスランド」とか、つくりの安易さが目立ちました。完全透明になるボンドカーぐらいかな、見所は。
 俳優さんの使いまわしで思い出したけど、先日TVで紹介していたアメリカのコメディ番組で、先週は金正日のパロディを演じていた俳優さんが次の週ではカツラつけて小泉さんを演じていたんです(笑)。東アジア首脳はみんなこの人が担当してるらしい(どうも韓国系米国人らしい)。

>中国アニメ
 「ナーザと…」ってのはまったく知りませんでした。というか、中国製アニメもろくに見たことがありません。芸術映画風の「西遊記」の一部なら見たことが…

 そういや中国で「SAYURI」が公開中止になった、という報道が出てましたね。お役人の過剰反応(騒ぎが起きたら困ると考えての)としか思えませんが…その数日前まで人民日報web版でかなり詳しい紹介記事を読んだんですけどねぇ。「渡辺謙」「役所広司」「桃井薫(中国語ではこうかく)」のコメントが全部中国語で書いてあるというのもかなり新鮮でした。
 真田広之&チャン=ドンゴンが再度の共演を「プロミス」したという「プロミス」も楽しみにしております。



#1024 
ひで 2006/01/24 22:07
ぁ、あのアニメですね。

>ナーザの大暴れ
そういえば「ナージャと竜王」というのが中国のアニメにあったなあと思ってネットで調べてみたところ、映画として日本で公開されたときは「ナーザの大暴れ」だったものがテレビ放映時に「ナージャと竜王」に変えられたとか。悪い奴は筋を抜いちゃうぞと行って本当に抜いちゃうところがなんとも(笑)。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1023 
パパゲーノ川崎 2006/01/24 20:14
僕の好きな中国映画は

”舞台姉妹”と”絶響”ですが、
「そんな古い映画は知らんで。」
と中国の若者に言われてしまいそうですな。

アニメでは”ナーザの大暴れ”(これまた古い)

この板の方はご存知でしょうか。





#1022 
不肖デルタ 2006/01/23 18:41
007VS北の軍団

この間、007最新版がTVでやってたんで見たら
北朝鮮の軍団っていうけど、香港映画で、お馴染みの
顔ばっかり出てたんで何だかな〜と思いました(笑
韓国俳優をキャスティングしようとは考えなかった
のかな。
ま、主役の俳優も長いこと007やってて、お疲れ
のようなのが、ありありと出ていると感じました。




#1021 
徹夜城(支配人) 2006/01/23 01:33
中国映画事情

>Кискаさん
 僕も中国からの留学生と映画談義をしたことがあります。その留学生も、Кискаさんがお書きのようなことを話しておりました。女性の方だったんですが(ついでに言えば人妻)「外国に紹介される中国の映画は、いつも田舎の貧しい話ばかり描いていてイヤッ」ってな趣旨の発言をしていたのです。確かに当時でもあちこちの映画賞を総なめにしている感のあった中国映画の多くが確かに指摘のとおりで、当の中国人にしてみると「なんだかなぁ」という思いもあったのでしょう。日本人もふくめて、欧米では中国によく言えば「古きよきノスタルジー」、悪く言えば「古い因習と貧困に苦しむ後進国」のイメージを見たがっていた…という面は否定できないと思います。
 歴史のところの未完(汗)の中国旅行記にも書いていることですが、同じツアーにいたオバサンたちが杭州の西湖(歴史的観光地でテーマパークっぽくもなっている)の観光船からの眺めに杭州の町の高層ビルが見えることを「興ざめ」とかさんざん言ってたことがあり、映画の話でもそれを連想することがあります。なお、この旅行中にバスで映画館の前を通過した一瞬があったのですが、どうも「抗日戦争」ものの映画がかかっていたようでした(笑)。ホテルのTVでも香港製作らしき「川島芳子」の映画をやってました。

 話を戻すと、今度張芸謀監督が高倉健主演で撮った「単騎、千里を走る」もともすれば多くの中国人には「またそんな田舎を」などと思われそうな素材ではあります。製作ドキュメンタリーを見ましたが、ダムで湖底に沈む明代以来の古い村で撮影されてるんですよね。監督としては失われゆく中国のそうした面影を記録していくという意図もあるのでしょうが…。ある意味日本における山田洋次みたいなもんかも。
 そういや張芸謀監督が若いころに俳優として出ていた名作に「古井戸」がありますが、これがまた地方の因習バリバリの村が舞台だったなぁ…北京の大学生が故郷にTVをお土産に帰ってくるけど、電波が入らないという出だしで(汗)。

 で、以前にも書いたことですが、高倉健といえば中国では「君よ憤怒の河を渉れ」なのです。くだんの中国人留学生も世代的には下にも関わらずこのタイトルをまっさきに挙げていました。後日僕も鑑賞したのですがツッコミどころが多すぎて困った映画だと思うばかりだったんですが(先日のドキュメンタリーでNHKがこれではなく「遥かなる山の呼び声」を挙げていたのもそれが原因だと思う)、構造汚職を追及する構図が受けたのか、けっこうきわどいシーンがあることが受けたのか、ともかく文革期を通り抜け自由な空気が流れたときにグッドタイミングな衝撃度だったのでしょうね。
 「単騎」のロケでも高倉健にはこの映画の役名「杜丘(もりおか=トーチュウ)」を呼びかける野次馬が絶えなかったそうで(笑)。



#1020 
Киска 2006/01/22 12:28
中国映画いろいろ

トニー・レオンが好きなくらいで、中国映画はそれほど積極的に観ているわけではないのですが、中国語の先生に「中国人が見た中国映画」についてお話を伺う機会がありました。雪の中わざわざ聴きに行った甲斐あって大変意義深いものでした。

「日本人と中国人はこんな風に感じ方が違う」という点をどんどん具体的にだしてくださり(「日本人」「中国人」で一括りに出来ない部分は当然出てくるのですが)、日本で評価が高くヒットした作品でも中国では受けなかったもの、或いはその逆パターン、国民性の違いを考慮に入れてラストを違うものにしている等々、おもしろいお話を山ほどしてくださり、「ああ、もっと中国映画を観ておけばよかった!」と心から思いました。

・日本で受けて中国で受けなかった作品例〜「あの子を探して」(中国の農村を貧しく描いている→国の恥を晒した)「山の郵便配達」(経済至上主義下の中国では地味すぎたが、日本では「癒し」と受け止められた)「北京ヴァイオリン」(「成功への道をなぜ放棄するのか」と日本以外、アメリカ・シンガポール等でも理解されなかった)

・中国人が見たら現実離れしていると思う作品例〜「初恋のきた道」(畑仕事をしている様子もなく、出稼ぎに行っている家族がいるわけでもなく、あんな豪華な料理を毎日作る糧をどこから得ているのだろう?)「中国の小さなお針子」(若い女性が田舎から都会に何のつてもなく出て行っても、配給券がなければ一日だって暮らせないはず)「至福のとき」(盲目のヒロインが自立を始めたかのようなラストは潔いけれど・・・尚、中国版では工場の解体工事が着手されそうな中でヒロインが父の手紙を書いているのが小父さんであると察する、というラストになっているとのこと)

映画からは離れますが、「麻雀という文字を日本の街中でよく見かけ、スズメ料理のレストランがたくさんあるなと思っていた」、「銭湯→お金のスープ?では男湯・女湯は???」といった漢字にまつわる勘違い話も聞かせてくださいました。




#1019 
徹夜城(支配人) 2006/01/14 11:43
映画空耳

>ブッチャー3世さん
「ターミネーター」は見てたけど、「信じられへん」は僕は気づきませんでした(関西弁ヒアリング能力不足かもしれませんが)。ところであの映画って確かその年のアメリカのSF作家協会賞だったかなにかを受賞してるんですよね。「2」以降はそうじゃないらしいけど。一作目は手作り的なまとまりのよさがあったように思います。

「映画空耳」では「トリビアの泉」で、「ターミナル」のトム=ハンクスのセリフが「そりゃ納得いかんのう」と聞こえるというのが紹介されてましたね。東欧の架空の国の設定なので架空言語らしいのですが。
そういや「ターミナル」の原案となった脚本は「ロード・オブ・ウォー」の監督さんが書いたんですってね。



#1018 
ブッチャ−3世 2006/01/13 18:13
I’ll be back!は実は一作目でも言っていた。

タ−ミネ−タ−の1作目を有線テレビでやっていたんで
なつかし〜と思い見ていたら、ちょっと発見がありました。
2作目の名文句”I’ll be back!”のセリフは
1作目にもあるのです、どこの場面かというとサラ・コナ−
すなわちジョンの母が保護されている警察署の受付に
タ−ミネ−タ−が来て知人を装いサラに面会を求めますが
受付の警官は取り調べが終わってないから面会謝絶といい
タ−ミネ−タ−は、そこでI’ll be back!といい
字幕の訳では「また来る」でタ−ミネ−タ−は受付から
出ていきます、で、その直後、1分もたたぬうちに
タ−ミネ−タ−は警察の受付を自動車で突入し銃撃戦開始
彼は有言実行だったわけで(爆
あとですね、昔、何かのテレビ番組でタ−ミネ−タ−1作目で
サラ・コナ−が大阪弁を言う場面がある、ってのを聞いたんで
確認したら、それらしきものがありました。
彼女が警察に保護され、友人のシンディがサラと間違われ
殺された、と聞かされサラが泣き叫ぶ場面ですが
おそらく英語で「シンディがどうのこうの」と言ったんだろう
とは思いますが「信じられへん」と聞こえるんですね(笑




#1017 
徹夜城(支配人) 2006/01/08 16:10
2001円府中の旅

府中競馬場で2001円を元手に…ってなパロディ一時構想していたことあり。2001年が過ぎちゃったのでもうやめましたが(笑)。

>ブッチャー3世さん
 「2001年」のあの妙な帽子ですが、おそらく無重量状態で髪がふわふわするのを防ぐためのデザインではないでしょうか。あの映画、細かいところでいろいろな分野の専門家に意見を聞いてデザインしてるらしいので。
 キューブリック自身が「同じジャンルは作らない」と言っていたとは知りませんでしたが、そういえばほとんど違うジャンルばっかりですね。歴史物では「スパルタカス」と「バリー・リンドン」がかぶるのですが、「スパルタカス」は急遽頼まれた雇われ監督だったこともありキューブリック自身は自作にカウントしてないそうで。「フルメタルジャケット」が戦争映画、「シャイニング」がホラー映画、「ロリータ」がロリ映画…ってそれは違う?(笑)。


>パパゲーノ川崎さん
 ピンク・フロイドの件は知りませんでした。「2001」の音楽というと、クラシックを使った最良の例としてよく引き合いに出されますけどね。ラストではまた違った音楽構想もあったわけですな。
 映画ファンのみならずシュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れると「宇宙もの」というイメージがついちゃったというのは凄いことですよね。近い例で「地獄の黙示録」の影響でワーグナーの「ワルキューレ」が流れると戦闘ヘリ攻撃しか頭に浮かばなくなったというのがありますが(笑)。


>不肖デルタさん
 「2001」の本来の原作はクラークの「前哨」という短編でして、人類が月面で自分たちを見守っていた異星人の痕跡を見つけるという話だったようで(とか言いつつ未読で)。キューブリックからそのアイデアでSF映画を、と誘われたクラークは脚本から参加して新たな「原作」も書いていますが、その過程で木星探査を加えたようです(原作では土星ですが)。その後クラークは「2010」「2061」「3001」と続編を書き続けて実質ライフワークにしちゃってます。

 「2001」と手塚治虫の関係ですが、キューブリックは「アストロボーイ」を見て未来世界のデザインに手塚を起用しようとした、というところのようです。手塚治虫の自伝だと「未来の月面を舞台にした映画の仕事があるが、1年ほどこれるか」と手紙が来たので「私には食わせなければならない人間が何百人といるので(もちろん「虫プロ」のこと)」と返事して断った。するとキューブリックから「あなたに何百人も家族がいるとは知らなかった」と返事が来たとか(笑)。いくら東洋人でもそんなにいるもんかと手塚自身は書いております。


>Кискаさん
 ソ連製コメディーは以前から名前だけはいくつか聞いているものの、見る機会がございませんで。以前なにかの映画マニア本の喜劇映画分類で「底抜けに笑える」という部門になにかのソ連映画が入っていたのを覚えてます。
 「ロード・オブ・ウォー」ですが、オープニングが衝撃的かつ象徴的でしたね。一発の弾丸が製造されるてから戦場で飛び出して少年の頭に命中するまでを弾丸の主観映像(?)でとらえるというやつ。
 それにしてもああいうテーマの映画を作ろうという映画人がおり、それに出資する人がおり(なんだかんだ言っても結構かかってますよね、あれ)、それにスター級が出演しているというあたりにアメリカ映画の強さを感じたりもするのでした。



#1016 
不肖デルタ 2006/01/06 12:52
当分、キュ−ブリックの夢にうなされそう(笑

この間、初めて見た2001年宇宙の旅の残像が
いまだに脳裏を離れなくて(笑
これほどサブリミナルな効果がある映画を見てしまった
のは久しぶりです。一番、思うのは、月面のモノリスから
超音波か怪電波みたいもんが出て探検隊が皆、もだえて
人事不肖になったあと、どうなったのか全く
映画本編では触れないのが、すんごく気になりました。(笑
そのあとに続く木星探査編もたしかにミステリアスで
たまらないのですが、個人的には月面編を もうちょっと
突っ込めば少し分かりやすい映画になってたのになと思った。
でも原作が月面編は尻切れトンボになってんのかな。

>キュ−ブリックと手塚漫画
手塚さんの短編漫画で「時計仕掛けの林檎」という、もろ
なタイトルのものがあり、また、ブラックジャックで登場する
コンピュ−タ−管理病院はHAL9000が支配する宇宙船
ディスカバリ−号とシンクロする感じがしますね。
そうだ、三つ目が通る、にまでコンピュ−タ−管理病院が
出る回があったのを思い出しました、かなり意識してた
のかもしれませんね。



#1015 
Киска 2006/01/05 01:45
映画初め

明けましておめでとうございます。
お休み中、家で友人に借りているソ連製コメディー(12/25の朝日新聞に記事が載っていた「運命の皮肉〜またはいい湯でしたね!」や「お祭り騒ぎの夜」など。どちらも大晦日から新年のお話)を観ていましたが、映画館には今日が新年初めてで、「ロード・オブ・ウォー」に行ってきました。
まあ、まったくお正月にはふさわしくないお話でしたね。ウクライナ語部分の聴き取りは殆ど出来ませんでした。それが悔しかったし、時間的にももう一回観ることはできたのですが、とてもじゃないけどそんな気にはなれませんでした。
観ているうちに思い浮かべたのは(実は観る前から、観ようと思った時から思い出さずにはいられなかったのですが)、『アラーの神にもいわれはない〜ある西アフリカ少年兵の物語』(アマドゥ・クルマ著真島一郎訳人文書院)に描かれた、リベリア・シエラレオネ・コートジボアールなどでの内戦下の身の毛もよだつエピソードの数々。
こんな風に書いてしまうと怖気づいて観るのを思いとどまる人がいるといけないので、若干補っておきますと、この映画は(上記の本もそうなのですが)実際の戦闘や殺戮の描写はそれほど多くはなく、ちょっと前にお隣BBSで話題になっていた残酷シーン比べに挙げられるタイプとは違いますので。
主人公の出自がウクライナという割には家族や親戚皆全然スラヴの雰囲気がない(抱擁が足りません!画面上のゴルバチョフにはキスしまくっていたのに)し、主人公や弟のキャラクター(人を殺すことについての割り切り方等)の描き方には不満が残りますし、武器売買に関わるようになったきっかけ・止められない理由を「天職」の一言ではなく示してほしいし、と思うところはいろいろありますが、イーサン・ホークがいい役で素敵だったのと、よくぞつくってくれましたね、ということで、私は大いに評価します。




#1014 
パパゲーノ川崎 2006/01/04 16:04
2001年宇宙の旅

もうとっくに2001年は過ぎたのに、輪っかの宇宙ステーションも
月基地も無いし、HAL9000も誕生していません。。。

もっとも、冷戦時代の狂気とも言える宇宙開発競争が、
今日まで継続されていたのなら、それだけの力をつぎ込んだら
映画のそれらのものが現実化していたかもしれませんね。

ところで、映画自体は、当時キューブリック監督が最初に描いた
構想が、製作スタッフとの折り合いがつかず変更につぐ変更を
余儀なくされてしまったようです。
そのあたりの紆余曲折が、この映画をいっそう難解にしているのかも
しれません。

候補に挙がっていたのは、手塚治虫、ピンク・フロイド(プログレッシブロック)など
超大物でした。手塚先生は”丁重にお断りした”そうですが、ピンク・フロイドは物別れになったみたいです。

一説によると、ピンク・フロイドの音楽にあわせて映画が作られて
いるということです。
HALを停止させて、ボウマン船長一人になってから
木星のシーンが始まり、光の洪水、白い洋間で老化、
スターチャイルドへ再生、の一連のシーンです。
映画では、現代音楽が流れますが、その音声を消し
ピンク・フロイドの名曲”エコーズ”を流すとがかなりの率で
画面とシンクロします。

これは、ピンクフロイドのファンのWebでは有名な話です。



#1013 
ブッチャ−3世 2006/01/04 12:51
快挙ならずか

>2001年宇宙の旅
わたしも、新春・深夜映画でやっていたのを久しぶりに見ました。
あいかわらず、どういう話か分かりませんでしたが(笑
はっきりいって、この映画は、見てると眠くなります。(爆
特に最初の場面が、猿人?の章が異様に長く感じます、
宇宙の旅って邦題なのに「何で猿の惑星みたい始まり」なんだ?
と初めて見た人は思うのじゃないですかな。
各場面に謎や変な描写があって突っ込みどころが沢山あり
過ぎる(笑)映画ではありますが、私が一番、謎?と思うのは
宇宙旅客機の女性・客室乗務員が何故、タ−バンみたいもんを
頭に巻いているのか未だに分かんなくて気になってんですが(爆
乗務員は無重力環境のため、磁力靴を履いているという
説得力ある設定のわりに、あのタ−バン型帽がすごく意味不明
ですねぇ(笑
この作品の監督は同じジャンルの作品は絶対つくらないんで
有名な監督でしたが、もっと長生きされてたらAIも手がけて
本人のタブ−を破っていたのにな、と、ふと思いましたね。



#1012 
徹夜城(支配人) 2006/01/02 22:06
今年の初映画は

 年末にやってた「ゴジラ・ファイナルウォーズ」(笑)。昨年、劇場で見そびれましてね。
 …あ〜劇場で見てたら激怒モンですな、これは(笑)。
 よく言えば怪獣映画にしては人間ドラマに力を入れてるし、人間同士の戦いのアクションも凝っている。しかし監督のその意向がやはり「怪獣映画」とは相容れなかったといいましょうか。これなら怪獣抜きでヒーローものでも作ったほうがよかったかと。
 開き直ってギャグに走ってるところは結構面白いんですがね。大槻教授や松尾貴史さんとかが宇宙人出現でTV討論してるシーンとか、アメリカンゴジラソックリのCG怪獣「ジラ」が本家ゴジラに一撃で粉砕されて悪役の北村一樹(これは怪演で見もの)が「やっぱマグロ食ってるやつはダメだな」と楽屋落ちをつぶやくところなんかは確かにウケる。
 歴代ゴジラ映画の怪獣が総出演状態、宝田明、水野久美、佐原健二といったゴジラ映画常連者たちの出演、さらに「X星人」「轟天号」はおろか「妖星ゴラス」まで出てくるという東宝特撮マニア以外はお断りなてんこ盛り内容なんですが、マニアが見ても面白くないんだよなぁ。何考えてんだか、という場面多し。
 この作品でゴジラシリーズが終わるとは、ゴジラも哀れな…と言いつつ、絶対数年以内に復活させちゃうでしょうね。着ぐるみはやめちゃうかもしれませんが。


>不肖デルタさん
 僕も「2001年宇宙の旅」を初めて見たときは結構ショックで…なんといいますか、訳がわからないんだけど、そこが怖くもあり。こんなことを描いて作っちゃう人ってどういう人なんだ、とかいろいろ考えちゃいました。あのラストについてはずいぶん考えちゃって、夜も寝られなかったものです(笑)。
 「2010」は原作者クラーク自身が書いた続編小説にもとづいた正統な続編。前作をかなり意識して作ってるのでそう違和感は無いんですが(ボーマン船長だけは同じ俳優さんが演じてます)、前作の神秘性はかなり薄れて、「2001」で悩んだ人々にはホッとするような一編です。理解可能な範囲に降りてくれたと言いましょうか(笑)。

 しかし米ソ冷戦が21世紀を前に終わっちまうとはクラークも予想外だったようで。いや、1990年代にそういう事態になるとは直前でも予想した人はほとんどいませんがね。
 日本映画だと「ゴジラvsキングギドラ」で未来人が未来社会の情勢について「ソ連」と口走ってしまう場面がありますが、公開直後にソ連が解体されてしまいました(笑)。



#1011 
不肖デルタ 2006/01/02 10:53
2001年・宇宙の旅

ちょうど、深夜映画でやっていたんで、そういえば、この
巨編は見てなかったな、と思い見てみましたが、
やぁ、さすが鬼才の監督の作だけあって思うところが一杯
あった映画でした。宇宙空間の虚無を表現するためなのか
あの独特の「間」、長回し映像の連続、じつに斬新な映像
でした、って、これ、ものすごい昔の映画ですよね。(笑
結末も恐ろしく意味不明で、そこがまた、たまりません(笑
あの薄気味わるい感じが絶妙のキュ−ブリックワ−ルド
をたっぷり堪能いたしました、見てないんですけど
映画「2010年・宇宙の旅」って続編なんですか?
何か続編は、よほどのことしないと第一弾を超えられ
ませんよね(笑



#1010 
徹夜城(支配人) 2006/01/01 16:30
謹画新年

あけましておめでとうございます。今年もよい映画をみたいものですね。
昨年は忙しかったのか、それとも見たいと思うのが少なかったのか、映画館に足を運んで見た映画が少なかった気がします。いわゆる「福井三部作」はしっかり付き合ってしまいましたが(笑)…あとは「ヒトラー」とか「ロード・オブ・ウォー」とかぐらいしか記憶にない。あ、「スター・ウォーズ」があったか。
あとはみんなビデオとかDVDの旧作とか衛星放送の録画とか…この方面に関しては結構掘り出し物も多かった一年という気はします。

 なんにせよ少しはこのコーナーも更新&内容充実を進めないとなぁ、と思う管理人でした(笑)。
 なお、先日からこっそりと時代劇「ゴルゴ13九龍の眼」「座頭市と用心棒」の感想なんかもアップしております。




#1009 
ひで 2005/12/28 17:43
MASAI

最近こんな映画を見てきました。干ばつに見舞われた村で、神に獅子のたてがみを捧げるために若者達を送り出し、若者達が成長していくという至って単純なストーリーですが、本もののマサイの戦士を登場させた映画というのは今まで無かったのではないかと。主演がマサイで言葉はマサイ語と言う映画で、一番大変だったのは演技指導だったとか。映画撮影に当たって「弱者」という観念が存在しないマサイの戦士に「弱者」を演じさせると言うことの困難や、マサイの戦士を普通の訳者のように扱うと撮影に支障をきたすためかなり配慮したとか。

http://pezetairoi.hp.infoseek.co.jp/


#1008 
不肖デルタ 2005/12/18 13:15
ケイナ

日本でも輸出映画向け「アップルシ−ド」がフル3DCGだった
そうですが、私じしんはフル3DCGアニメ映画を見たのは初めて
だったです、自分も、ちょこっと3DCGをかじってるだけに
この映画の画像の質感は圧倒されました、何から何まで3DCGで
作って動かしてるのですから、よくやるな、と思いました。
映像に関しては、ライティングが暗すぎる感じがした以外は
濃厚で良かったです、スト−リ−的には
何かナウシカとエイリアン4を足して2で割ったような話だと
思っちゃいましたね。(笑
宮崎監督、あと、極めてないのはフル3DCGアニメだけ
なんじゃないんですか?挑戦されてみては?(笑



#1007 
Киска 2005/12/08 23:35
「北欧映画は幻想的か?」

北欧映画の項目ができ、ますます充実の歴史映像名画座ですね。
しかも最初がアイスランド???北欧の中でもマイナーな。管理人様のセンスを感じます。

アイスランド映画と言うと、日本では殆ど知られていませんよね。私自身、アイスランド映画で最も印象に残っているのはフリデリクソン監督の「精霊の島」(北欧映画祭でのタイトルは「デビルズ・アイランド」)。普段全く馴染みのないアイスランドという彼方の国における<戦後>社会の情景(アメリカの進駐軍なんかがいて日本の戦後を描いた映画と似た感じにも見える)がファンタスティックに、というよりむしろオカルトめいて描かれていて、非常に不思議な感じでした。

ところで、タイトルにしたのは数年前の某所でのレクチャーの演題です。
私は北欧映画で連想するのはデンマークやスウェーデンの地味で堅実なレアリスム系の作品だったので、こういうテーマの立て方は意外でしたが、どうも年配の方々にとってはやはり「北欧映画は幻想的」なイメージが強いようです。




#1006 
不肖デルタ 2005/11/27 14:26
ミシェル・ヴァイヨン

フランスで二十年以上、続くコミックが原作とか、
日本でいうところのルパン3世でしょうか、
ルマン24時間・耐久が舞台、ユ−ロの雰囲気
満載、やはり、どこかハリウッド映画とは、
ひと味違ったフレンチシネマ
アクション映画でした。ルマンレ−スの
雰囲気が味わえ、実際、映画製作側が本当に
レ−シングカ−を作ってレ−スに出場して
その時にカメラを競技車に背負って撮影した
映像を本編のシ−ンに使った、という凝りよう。
何かハリウッドでルパン3世・実写版がやるとか
やらんとか言ってますけどミシェルヴァイヨン
見たらルパン3世、フレンチシネマでやって
くれないかな〜と、ちょっと思いました(笑



#1005 
徹夜城(支配人) 2005/11/26 23:28
「ミヤギさん」逝く

 もちろん「ベスト・キッド」の空手師匠、日系俳優のパット=モリタさんの訃報のことであります。一作目は少なくともスポーツ映画の王道的佳作であったかと。僕は中学の時に学校のイベントで鑑賞しております。
 今にして思えば中学で年一回あった「映画鑑賞会」は「ベスト・キッド」「炎のランナー」「ゴーストバスターズ」というどういう基準で選んだんだかわからん三本でした(笑)。小学校のときは「東映まんがまつり」が学校の体育館で上映されたりしていたもんです…なぜか「森は生きている」がプログラムに入っていたのを覚えてます。


>不肖デルタさん
 へぇ、ドイツ映画でそんなのが。
 まぁ考えてみればどこの国でも結構くだらない娯楽映画は作っているはずで(社会主義国でも割とそうだったらしい)、アメリカ以外の国からはその手のものがあまり入ってこないので「そんなのがあるんだ?」って感想を持っちゃうだけのことかもしれません。
 スパイもの(?)ってことでは「スパイ・キッズ」の一作目は馬鹿馬鹿しくも結構楽しんじゃった僕でした。二作目以降は見てないけど。



#1004 
不肖デルタ 2005/11/26 11:06
スパイエンジェル

もう、もろチャ−リ−ズエンジェルズが入りまくり
ドイツのアクション映画(爆
何ってったって3人の女性・潜入連邦刑事って設定
だもん(爆笑
しかし、どこかドイツっぽいと思うのは結構
銃器やメカの効果が堅実というか
(ドイツらしくベンツやBMWわんさか登場)
アクションが渋めで、ドイツ映画って今回はじめて
見たけど、そこそこのものを作るんだなぁと
感じました。



#1003 
徹夜城(支配人) 2005/11/15 13:33
驚きました…

>Кискаさん
 アンマンの自爆テロで映画制作者が巻き込まれた…という見出しだけは見ていた覚えがあるのですが、それがあのムスタファ=アッカド監督だったとは驚きました。映画監督としては事実上現役引退状態だったためか、大きく扱われてなかった気もします。
 「ザ・メッセージ」「砂漠のライオン」ともにイスラム側の立場からのハリウッド風大作映画で、イスラム文化を欧米に紹介する役割の一端を果たしていたようにも思います。それがこういう形のテロで命を奪われるとはさぞや無念ではなかったかと…ご冥福をお祈りします。



#1002 
Киска 2005/11/14 17:35
テロで亡くなるなんて

お久しぶりでございます。
歴史映像名画座でもお馴染み?のリビア映画「ザ・メッセージ」「砂漠のライオン」等を監督したムスタファ=アッカドさんが、先日のヨルダン連続爆弾テロで逝去していました。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20051112ddm041060069000c.html
人はいつか天に召されるものだとは言え、こうしたことで亡くなるなんて、言葉もありません。




#1001 
徹夜城(支配人) 2005/11/09 14:23
ここんとこ映画館に行ってない…

 「ルパン」見たのが最後になっちゃってますね(汗)。
 もっとも忙しい間をぬって「仁義なき戦い」シリーズ五部作をDVDで買い込んで通しで鑑賞したりしておりましたが…(笑)。
 実録と照らし合わせつつ見ると、意外なほど史実に忠実な映画でもあるんですよね。その意味では脚本家・笠原和夫自身も言っておりましたが「ヤクザ戦後史」でもある映画で、「歴史映画」に入れたくもなっちゃう。考えてみりゃ「歴史映像名画座」のアメリカ史に「ゴッドファーザー」入れちゃってるしなぁ…ただ広島ローカルネタなんで躊躇してしまうわけですが。山口組(映画中では「明石組」)も出てきて西日本スケールぐらいにはなってもいるんですけど…


>ひでさん
 レスが遅くなりましたが、メル・ギブソンの「マヤ語映画」の情報、僕も最近知りました。古代マヤを舞台にしたアクションという話なんですが、そのむかし『太陽の帝王』っちゅう映画があるにはあったんですよね。後半の舞台はテキサスで、セリフは全て英語でしたけど。
 古代マヤ語ですが、昨年の「マヤ文明展」を見てパンフレットを読んだ限りでは、解読自体はかなり進んでいるようです。僕も「マヤ文字とインダス文字は未解読」と思っていたのですが、意外なほど解読は進んでいるようで、メル・ギブソンもそれで実行する気になったのかもしれません。
 ふと思いつきましたが、いっぺん全編アイヌ語のアイヌ映画っちゅうのも見てみたい気がしますね。


>不肖デルタさん
 ビートたけしの「座頭市」、僕は劇場で鑑賞してます。実は北野武監督の映画で見たのはこの一本だけでして。ベルトルッチ監督が北野監督に「今までの中で一番気に入った」と声を掛けたそうですが、「一番いいのがリメイクかい」とたけし本人は苦笑しておりましたっけ(笑)。
 殺陣はなかなか独創的でしたし、娯楽時代劇志向とちょっと風変わりなゲージュツ映画志向がうまいバランスでまとまった佳作だとは思いましたよ。ま、少なくとも勝新の「座頭市」は忘れてかかるべきでしょうけど。

 勝新太郎の「座頭市」は、やたらにシリーズ本数がありますが、僕が見た中ではやはり第一作に尽きるのではないかと(笑)。「天保水滸伝」の話にからめて、最後の決闘は平手神酒とやるんですよね。一作目は特に「ハードボイルド」炸裂な映画で強烈な印象を残してくれます(ラストのキレがカッコイイ)。黒澤の「用心棒」といい勝負で僕のお気に入りの一本です。
 「座頭市」はシリーズのどれかで国定忠治と遭遇する話もあったなぁ…



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