過去の雑記 03年 3月

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3月11日
珍しく忙しかった(しかも、無為に忙しかった)ためか、内臓も精神状態も弱ってましたが、作業の目処が立ったことでどうにか復調。これで平均3時間睡眠モードは脱することができそうだ。来週くらいから。

横浜・阪神は3対6で阪神勝利。全投手の自責点合計が0で失点6というのは、さすがに面白すぎるぞ、横浜。このまま、点を取って取って、取れる以上にポカで失点という野球をしてくれるならそれはそれで楽しそうだ。でも、疲れているときには響きそうだから、せめてシーズンが始まったら村田は下に落としてください。 > 山下監督

やっと、クリーニングテープを売っている場所を見つけたのでビデオのヘッドをクリーニング。洒落にならなかった再生画像が急に普通になりました。本当にヘッドの汚れだったか。4年間クリーニングしないとヘッドって汚れるんだ。

3月12日
職場近くの喫茶店で、ヘッドセットをつけためがねさんを見かけた。ひじょうに良い感じである。是非とも巨大戦艦のオペレータをやっていただきたいという風情。そうか、ヘッドセット萌えというのもありかも。

3月13日
安田弘之『冴木さんってば…』(FxComics)を読む。収録のまんがももちろん高質なのだが、デビュー前の作品には本当に目を奪われた。大学以降の画だというのに、今の画風とは似ても似つかぬものばかり。画風のいくらかは固有のものだと思っていたが、多分に選択のものであるわけか。結果として今の絵柄を選んだ理由は知りたいところである。

3月14日
久方ぶりにタモリ倶楽部を見る。今回のネタは「横浜のユニバーサル相撲協会」とでも言いたくなる紙相撲協會の話。題して「紙相撲ダイジェスト」。50年間にわたって蓄積された紙相撲力士の量が産む迫力には、まったく圧倒される。遊びもここまでやってこそ本物というか。いや、すごい。

3月15日
休出後、ユタというかルノアール。スタートの遅さには磨きがかかり、二人目の参加者が来たのは7時半頃だった。参加者は林、高橋良平、堺三保、雑破業、添野知生、宮崎恵彦、柳下毅一郎、大森望(登場順、敬称略)。主な話題は、交通費は大変、同じマシンを二つ持つことの大切さ、傲岸不遜、アニメを週に30本見る、最近の仕事、そんな「世界一詳しい」は嫌だ、春からのNHK教育新番組、「毎週別の怪人が…」に反応する人、キネ旬ベストを観ていない人々、きっと映画をあんまり見ていないんだよ、老いて猶嫉妬、ネメシス、エース特濃、シェアード・ワールドとしてのJDCの可能性、スタトレ映画ランキング、ドラゴン映画としてのサラマンダー、ハードディスクレコーダ万歳、アニソン収集者、など。良平先生が「エース特濃」を取り出したのも驚きだったが、そこに掲載されたJDCまんがに対して大森さんが憤っていたのも意外だった。ラストで登場するオリジナルキャラ3人組の名前に、単なるダジャレと作家名パロディが混在しているのが不満だったようだ。「だって、これじゃカテゴリー・エラーじゃん」というツッコミは正しいが、それ以前の問題が山のようにあるような気がしてならない今日この頃である。

3月16日
昼過ぎに起きだして、一日だらだらと。無為に過ごす一日がこんなにすばらしいものだったとは。

神林長平『小指の先の天使』(早川書房)読了。意識と肉体の関係について考察したりしなかったりする短篇六篇。デビュー直後の作品から現在まで、20年の幅があるだけに作風の変遷と芸風の一貫性が楽しい。全体がひとつの時間線上にあるように読めないこともないというのも驚き。このおかげで統一感のある作品集として楽しむことができた。落ち着いたデザインのカバーも含め、ここ数年の著作ではベストだろう。九〇年代前半の枯れた神林までを楽しめた人にはお薦め。

小林泰三『家に棲むもの』(角川ホラー文庫)。老婆の描写が嫌過ぎる表題作ほか、嫌度の高い作品ばかりを集めた作品集。人の嫌がるものを書こうという作者の熱情が伝わってくるようですばらしい。

伊藤圭一『ソラリウム』1巻(ジャンプ・コミックス・デラックス)。以前、読みもせずに酷いことを書いたのだが、読んでみると普通だった。白黒栄えしない絵柄さえ気にならなくなれば問題ない感じ。ふつうのSF物ですね。ただ、次巻も買って読み気がするかどうかは微妙なところ。

オープン戦は、中日の傍若無人な攻撃を眺めながら、実況板などで横浜・西武の経過を追う。今日もまた見事に負け癖発揮。森中炎上の見殺しで終盤逆転されての6連敗。ほぼベストメンバーを使い続けてこのていたらくではシーズンが始まったらどうなることやら。あわよくば5位の夢も消え去りそうだ。5月まではペナントが続いて欲しいんだがなあ。

『家に棲むもの』掲載の「食性」や「肉」を読んでいたら無性に焼肉が食いたくなってしまったのだが、一緒に食いに行く相手も思いつかず、ひとりでちゃんとした焼肉を食う気にもならなかったので、おとなしく松屋でカルビ焼肉定食を食う。ふっ。これが分相応というものさ。

昼中、駅前に出たときに警官の詰まったバスを数台みかけた。「志井和夫の街頭講演があるとは聞いていたが警官が出るほどでもなかろうし」と思っていたが、講演が始まると右翼が大量に沸いてきてがなりたてていたので、「こりゃ警備も必要だ」と納得。そういうもんなんだ。

3月17日
機本伸司『神様のパズル』(角川春樹事務所)。平凡な大学生と飛び級した天才少女が大学のゼミで研究する「宇宙の作り方」。宇宙のあり方を思索する部分は面白いのに、結果として出てくる回答にリアリティがないのが残念。もっとリアリティのない世界ならこれでも良いが、現在と地続きの話ならもう少し何かが欲しい。

学校の描写に微妙にリアリティがないのも気になるところ。加速器を使うような実験系の研究室なら院生が一人ということはないだろう。進学率が妙に低いのも気になる。物性系ならともかく、素粒子系だの宇宙系だのといった浮世離れした研究室に来る奴らは、7、8割が進学希望という感覚があるのだが。総じて、物理の人間のモラトリアム志向を甘く見ている気がする。みんなもっと社会に出る気がないぞ。

大学周りには違和感があるが、根本の、物理系ジュヴナイル小説の部分は概ね満足。ラスト以外は楽しめた。過剰な期待をしなければ普通に面白い。

3月18日
若田部の好投でオープン戦久々の勝利。打線もそれなりに復活し、明日への希望が持てなくもない状態となった。これなら、5位の目はあるかもしれない。セントラルの他チームを考えると、下に行く球団はまったくイメージできないが。

3月19日
オープン戦。対近鉄は11対1の大勝。それはいいとして、降格候補の筆頭になっていたホルトが好投してしまったのは誤算か。ウッズが絶好調、コックスも間に合いかねない現在、ドミンゴ、ホルト、ホワイトサイドが出揃ってしまっては、誰を落としていいんだかわからなくなる。とりあえずは、病み上がりのコックスを湘南に置いて守備の調整をしてもらうのだろうが、戻ってきたらどうするのか。

オープン戦で絶好調の外国人選手はシーズンで使えないという法則があるから、ウッズを落とせばいいのか。

さて。昨日の勝利に気をよくしてスポーツ紙を眺めていたら不思議なことに気がついた。現在、鈴木尚の得点圏打率は.733で球界一位だ。.733というと、15打数11安打。冗談のような高率だ。実に喜ばしいことである。これ自体は。

鈴木尚の昨日時点での打率は.320。50打数16安打。これも、それ自体としては良い数字だ。良い数字なのだが。この程度で、なぜ得点圏打率が7割を越えるんだろう。

前の数字を使って得点圏に走者がいる打席を除くと、35打数5安打。非得点圏打率は.143となる。……チャンスじゃないと、まったくやる気がないのな。

ちなみに今日は5打数1安打。すべて走者非得点圏なので非得点圏打率は40打数6安打の.150となった。ちょっと改善。

やっぱ、尚典は2番に向いてないよ。 > 大ちゃん

つい出来心で借りてしまったジャッキー・チェン『酔拳』を見る。すげえや、なんにも覚えてないぞ。虚心に観たらとても面白かったので満足。でも、やはり成龍映画は吹き替えのほうがいいね。

3月20日
戦争が始まった。戦争がおきないほうが幸せそうなのだが、そうもいかなかったらしい。

始まってしまった以上は、早く終わる方が幸せだろう。となると、期待すべきは米軍の完勝か。

しかし、ここで米軍が勝ってしまうと、アメリカの傍若無人を止めるものがなくなりそうだ。明日はともかく、明後日はどこが標的かを考えるとあまり幸せではないかもしれない。

しかし、アメリカが開戦を後悔するというのは、戦争が長期化し厭戦気分が高まるだの、テロが汎世界化するだのという形だろうから、不幸になる人が多そうだ。後者だと他人事ではないかもしれない。

どうも、どっちに転んでも幸せではないようだ。何を願っていいんだかよくわからない。

そりゃまあ、最善は、アメリカが突然愛に目覚めて平和的解決を目指すことなのかもしれないが。それは夢物語だよなあ。
#第一、北朝鮮への牽制効果を考えれば、日本の短期的最善はアメリカ完勝だろうしな。

考えてもわからないことは、考え続けることにして。それはそれで日常は日常。

会社帰りに高田馬場に寄り新宿書店で買物。大型書店が開いている時間は望めないにしても、Coco壱番屋でカレーを食べた帰りに新宿書店に寄るくらいは、と思っていたのだが、気づいてみると新宿書店に寄るのもやっとという時間に。恐るべし普通に忙しい職場。

寄ってみると手持ちの現金が足りなくなるくらいに新刊が溢れていた。しかたがないので珍しいものを優先して8冊ほど買う。だから、いつ読むのかってば。

帰りの電車で取りあえず二冊。

唐沢なをき『BURAIKEN』(ビームコミックス)。白泉社版の内容に加えて、書き下ろし一本と、水玉螢之丞の解説まんがが追加。男児たるもの、血煙今日四郎のようにありたいものである。

ひらのあゆ『迷宮書架』(雑草社)。「活字倶楽部」のレビューページ扉に連載されている四コマを集めたもの。雑誌のレビューページの構成と同様、「SF・ファンタジー」「ミステリー・ホラー・サスペンス」「現代文学・純文学・歴史・時代小説」「エッセイ・ノンフィクション・ガイドブック」「少女小説・ボーイズラブ」「海外翻訳小説」の各コーナーに別れ、それぞれのジャンル(ジャンルか?という疑問はさておく)をネタにした四コマが23本ずつ、計138本と、コーナー横断的に統一テーマで書かれたシリーズ四コマ、4シリーズ24本、総計162本が収められている。なによりも「ジャンル」に対する辛辣でいながら愛に満ちた視点が楽しい。SFにしろミステリにしろ、ジャンルに対する自意識を持て余している歪んだファンは、当該コーナーだけでも読んでみるがよろし。しかし、よくもまあ限定されたテーマでこれだけネタが転がせるものである。集中の白眉はやはり巻末の連続もの。どれもよく練られた六題噺になっている。

さすがに、これは電車では読めない掘骨砕三『閉暗所愛好会』(SANWA COMICS)。絵柄で買ってみた成年コミックだが、いきなりスカトロ&人体変形物だったんでちょいと驚いた( < 物知らず)。暗くて狭いところに籠もった人と世話係のエッチ、かと思っていたら、なんだかよくわからない展開に。SF、かもしんない。スカトロはさすがに人を選びそうなんで、中身の確認ができるところで少し読んでみてから手を出すほうがよさげ。大丈夫そうだったら一読をお薦めしたい。読後感は穏やかなファンタジーなんだこれが。

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