病院側の代理人である弁護士の前川信夫氏は、上記の文献を武器に、この入院はター
ミナル医療で「検査など百害あって一利ない」や「癌検査を実施する
がごときは愚の骨頂で過剰な話」などと主張。これらが医学の常識とまで書かれました。
『被告医師は原告との話合に基づき、胸水の除去による呼吸困難等の苦
痛を緩和し、それと共に栄養点滴による体力の保持に重点を置いた治療を継続してきたのである』
(平成10年4月13日 大阪回生病院側の答弁書)
『原告は亡き淑子を出来る限り速やかに自分の居住している東京の病院に転院させる意向させると述べたのである』
(平成10年4月13日 大阪回生病院側の答弁書)
『東京への転院ごときは、単に控訴人自身の便宜のため』
(平成13年7月9日 大阪回生病院側の準備書面)
『癌検査を実施するがごときは愚の骨頂で過剰な話』
(平成10年5月10日 大阪回生病院側の準備書面)
『検査を実施すれば患者を収捨出来ない精神状態にまで追込み取返しの
つかぬことになっただけのことである。』
(平成10年7月31日 大阪回生病院側の準備書面)
『先の短いターミナルの患者のQОLから判断しても大きなリスクをおかしてまで補正する実益に乏しいのであり、低ナによる症状が顕れない
限りは補正しないというのがあるべき姿勢であって、そうである以上は
単なる検査の為の検査などは無意味で有害無益と言わねばならないので
ある』
(平成13年5月10日 大阪回生病院側の準備書面)
『進行性の末期ガン患者に対しては水分制限により患者
を或程度ドライな状態に維持し患者を楽にさせるというのが臨床医療の一般
的な方向』
(平成11年3月8日 大阪回生病院側の準備書面)
『そもそも、ホスピス専門病院におけるこれらの実践は
一般医療のばあいと異る末期医療の特殊性にもとづく正当な医療行為であり、それと立場を同じくする被控訴人医師』
(平成13年5月10日 大阪回生病院側の準備書面)
『淀川キリスト教病院の担当医がターミナル前期には高カロリー輸液を
中止して輸液の滅量を、中期ともなればその中止を考慮すべきことを指
示しその通りに実践しているのも、単純な頭脳では、これ亦安楽死誘導
として殺人行為に該当するということになろう』
(平成13年5月10日 大阪回生病院側の準備書面)
『当審に至り、被控訴人側がターミナル医療の特異を明らかにする最適任者としてホスピス実施病院の専門担当医師らに対し、意見書の作成ないしは証人としての出廷を要請したところ、全員インターネットの内容は知悉しており、意見書を書き証人となってはどんな攻撃にさせされて
も構わないが、このような集中豪雨的なインターネット攻撃によりデリ
ケートな心境の患者や家族に対する悪影響を考えるとホスピスを平穏に
維持しえないことが危惧されるので勘弁してもらいたいとのことであった。
そして、このような危惧はもっともであり、被控訴人側において何より
も痛切に理解しうるところであるから、止むなく被控訴人らは次善の方
法としてかかる危惧を抱く必要のない立場にあるホスピス以外の市内開業医師で癌末医療に詳しい小田博士に、意見書作成依頼するに至ったのである』
(平成13年7月16日 大阪回生病院側の準備書面)
(ナトリウム値について)
『私の経験例でも100Emg/l程度 にまで低下しても何の症状も呈さなかったが』
(乙第一九号証小田胃腸科医院医学博士 小田徹也医師意見書)