キャラクターに抱きつかれた話

東京ディズニーリゾート内では、いろんなキャラクターが歩いている。人気のキャラクターは人にとり囲まれている時間が長くてなかなか近づけないのだが、移動しているときなどはそうでもないときもある。私はそこを狙ってすばやく写真を撮ったりしている。そんなときでもカメラに気がついて手を振ってくれたりする。さすがだな、と思う。
さて、東京ディズニーシーのロストリバーデルタではサルのようなキャラクター、モンキーが数匹、歩いているときがある。モンキーはなかなか面白みのあるキャラクターで、あるとき小さな子供が怖がって泣いてしまったとき、仲間のモンキーが”子供を泣かすな”みたいなアクションを取り、また泣かせたモンキーは寂しそうにいじけて見せたりしていた。泣いた子の親がこれを見て、泣いている子をなだめ、またその子の兄弟がモンキーに抱きついたりして見せたけどだめだった。

あるとき、東京ディズニーランドのアドベンチャーランドでもモンキーを見かけた。こちらにも出るんだ、と思いつつ横目で見ながらゆっくりウェスタンランド方向へ歩いていた。不思議な気配にふと左を見るといつの間にかモンキーに追いっかれ、私を見上げるような姿勢(モンキーは腰を曲げている)で目が合ってしまった。目が合ったとたんす一つと寄ってこられ、そのまま抱きつかれてしまった。これは嬉しかったけれど正直驚いた。周囲ではわざわざ呼び止めて写真を撮ったりしているのに、向こうから寄ってきて、しかも抱きついてくれたのだから。大人気のキャラクターではないことの余裕からかもしれないけれど、あとで考えたら私が一人で歩いていたからかもしれないな、と思った。東京ディズニーリゾートのキャラクター、車椅子の人や目の見えない人などには自ら寄ってゆくことがあるそうだ。これと似た考えで、一人でいるからあえて、と思ってのことならすばらしいな、と思う。

でも、どうせ抱きつかれるならアリエルがいいな。歩いてこられないから無理だけど。


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