システム調整の話 マーメイドラグーンシアター その2

2017年6月、月曜日にマーメイドラグーンシアターに行った。この翌日からは運用休止の予定。と言ってもたった3日間だけだけど、その前にと思っていた。この日の最終公演は20:30開始である。19:50頃に入ると既に待っている人がいて、ドアから2列目くらいになった。この時間にしては入りが多いな、と感じてしまう。ドアに向かって右の座れるスペースはいっぱいである。座りたい気持ちがあるが、ネクタイ姿で床に座るのはちょっと、と思う。幸い、奥の狭いけど座れる場所が空いていた。

今回は劇場に入るまで約30分の待ちである。本を読んだりしているが、その合間など今日はどこに座るか? と考えてしまう。座りたい場所は何か所かあるが、その通りに座れるとは限らない。最初に入る扉からは中央のブロックへと案内される。中央のブロックは一番人気だからここの最前列は一番目に入らないと無理なことが多い。なので中央のブロックから見て右側のブロックに行こうかと思っていた。が、ここの右端の席は早々と抑えられてしまった。もちろん中央はもっと競争が激しい。ということでそのまま先に進んで中央から見て左側のブロックに向かった。左端は既に女性が一人座っているので2席あけて座る。2列目以降だと順に詰めないと座りにくいが最前列はあまり気にしない。2席あけるのは、真ん中にしたいのと、2人のカップルが多いからである。私の右側は早々に塞がったが左はしばらく空いていた。空いていた2席、かなり遅めに入ったカップルが座ったがこのタイミングで最前列が空いているのはかなりの幸運だと思う。落ち着いた頃に右側、中央ブロックを見ると最前列で手を振っている人が見えた。マーメイドラグーンシアターの常連さんである。全く気が付かなかった。最前列に座っている人の前を通ったはずなのだが・・・。
左側ブロックのこのあたりの席、アリエルが手を振ってくれることが多いので好みではあるがこの席が何回か続いていた。今回もここ、との気持ちも実はあった。が、結果として今回はここが最良の席であった。もちろん座った時には想像もしていなかったことである。

ショーが始まる。ふと最初に狙おうとした右側ブロックの席の人が目に入った。セバスチャンばかりじっと見つめている。よく見ると手に小さなぬいぐるみを持っている。確かに、あの席はセバスチャンを近で見ることが出来るので良い上席である。多くの人はアリエルを見続けるのだが、セバスチャンのファンも当然いる。
それはさておき、ショーは普通に進む。今回、アリエルは会場に向けて手を振る回数が多いように思う。そして間もなく終わり・・・というところで突然動きが止まり、静かになった。すぐにシステム調整の放送が入る。会場内にシステム担当者らしい2人が入ってきてステージ脇、左側のブロック近くで立っている。
幸運だったこと、それはアリエルの向きである。丁度私の方向で止まっている。この時の会場、ライトは停止した時のまま。天井の円形スクリーンは、位置はそのままで映像が消えている。トリトン王はでてはいるけど止まっている。そして天井から下がる回転する装飾(?)も降りたままで止まっている。この状態ではアリエルを動かすにしてもワイヤーが装置に干渉して思うように動かせないだろうな、と思う。

止まった後、アリエルは客席のあちこちに向かって手を振ってくれた。そして、客席にいるセバスチャンとフランダーも動き回っている。やれる範囲のことをやってくれている、と感じる。アリエルも、一度宙返りをしてくれた。その瞬間、会場からは“お~”という声と拍手が上がる。客席ではアリエルが手を振ってくれると振り返している。そして、会場からは、子供の声で“アリエル~ 頑張って~”などと声も上がる。アリエルはその子の方向を向いて手を振っている。観客はそのまま足止め。次のアトラクションに行きたい人もいたと思うのだが、普通のシステム停止みたいに苛立ちみたいなものは全く感じなかった。
アリエルは、その後も客席を見て手を振ってくれる。正面だからそれがとてもよく見える。そして私にも目が合って手を振ってくれる。すぐに手を振り返す。止まった位置の関係で、ステージ左側のブロックがどうしても中心になる。時々横や振り返るようにして手を振っている。さすがに真後ろはやっていない。後から考えると、逆立ちすれば可能だろうな、と思うが体力的にもきついと思う。

しばらくしてセバスチャンとフランダーが退場、その頃に施設担当が増えた。ときどきアリエルに合図を送ったりしている。ここでアリエルの向きがゆっくりと正面に変わった。続いて施設担当がステージに2人上がり、アリエルがゆっくりと降りてきた。2人が左右から支えるような感じである。そしてステージ中央にアリエルが座った。会場からも拍手が上がったりしている。このとき、後から考えたらデンマークの人魚姫みたいに座れたら最高だろう、と思う。でもそれはさすがに無理だろう。

アリエルがステージに座った頃に扉があき、退場ができるようになった。多くの人はそのまま出口に向かったけど、私は少しだけアリエルの近くに寄って退場した。他にも同じようにしている人もいる。アリエルは寄ってきた人に手を振ったりしている。

マーメイドラグーンシアターで、ショーの途中での停止、これで2回目である。アトラクションの途中での停止、他にはスター・ツアーズやセンター・オブ・ジ・アースなどで経験している。そのときは不安感や情報がないことへの苛立ちも感じた。でもマーメイドラグーンシアターではそれは感じない。他の人も同じだと思う。これは2回ともアリエルが出ていたからだろう。アリエルは宙吊りで大変なのだろうけど、それでも客席に配慮している、そんな風に見える。そして、それに答えて客席からも拍手や声が上がったりする。それ故だろう。むしろアクシデントを楽しんでいるような感じさえあった。
もしも、同じように人が演じるマジックランプシアターでも途中停止があったなら? 多分シャバーンやアシームは同じように客席に対してなにかアクションを取ってくれると思う。そして、同じように感じるだろうな、と思う。今のところ途中停止は未経験だけど。

さて・・・出口でのこと。期待した優先入場整理券の配布はなかった。前回は貰えたのだが、ほとんど終わりだったから、という判断だろうか? こちらとしてはショーをほぼ見ることができ、そしていつもと違うところが見られたのだから満足感は高いのだけど、残念に思えた。後で合流した常連さんも優先入場整理券を同じよう期待していたそうだ。



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