「ジェリコの戦い」のジェリコを見る |
ジェリコ(エリコ)の戦い the Battle of Jericho | |
『ジェリコの戦い Joshua fit the battle of Jericho』は、黒人霊歌、ジャズのスタンダード・ナンバーとして知られる | |
しかし聖書に登場する逸話の一つだろうということくらいで詳しい内容は知らない人がほとんどであろう。 | |
ヨシュア記は、創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記の「モーセ五書」に次ぐ重要なテキストとされる。 | |
ヨシュア記とはモーセの後継者ヨシュア(ジョシュア)が、ユダヤ民族を率いてヨルダン川を渡り、カナンに住む | |
諸民族を虐殺し、約束の地を強奪、征服していく物語が記されている。 / カナン Canaan -wiki.en | |
この書は、キリスト教においては「歴史書」、ユダヤ教においては預言書に分類される。 | |
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この書が、一神教を信奉する人や国の、ある側面を理解することにつながるというのだが。 | |
ヨシュア記 -wiki / ヨシュア記(文語訳) -wikisource / 文語訳(明治訳)旧約聖書 索引-bible.salterrae.net / | |
ヨシュア記に記述されているように、エリコ(ジェリコ)の戦いは、カナン征服(the conquest of Canaan )の過程の最初の戦い | |
であった。ヨシュア記 6 章 1 節から 27 節によると、ヨシュア軍が城壁の周りを 1 日 1 回 6 日間、7 日目に 7 回行進し、 | |
ラッパを吹くと、エリコの城壁が崩壊した。 / Book of Joshua -wiki.en | |
エリコの戦い - Wiki / エリコ大虐殺 - Wiki / Battle of Jericho- Wiki / 聖絶 - Wiki / | |
Jericho (Tell Es-Sultan)- Wiki / Tulul Abu el-'Alayiq- Wiki / The Origins of Civilization, Gil Stein- uchicago.edu / | |
Herem_(war_or_property) - Wiki / Judaism_and_violence - Wiki / Judaism_and_warfare - Wiki / | |
File:JSC_the_battle_of_Jericho.png public domain
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聖櫃 を担ぎ、角笛を吹きながら城壁の周りを巡る。そして壁は崩壊した。 | |
the walls came tumbling down 神の御加護で我々の進軍を邪魔する城壁 が崩れた万歳、万歳というところだが、 | |
その後になされた大虐殺まで知った上でのことか。史実ではないという説もあるが、聖書に記述され、キリスト | |
教圏では常識とされる物語で語られているストーリーである。聖絶の対象とされた敵対異民族は、女、子供は | |
もちろん、家畜に至るまで全て殺戮された。そして大虐殺はジェリコに止まらず、次々と繰り返される。 | |
絶対善が絶対悪を打ち滅ぼす。何の躊躇うところがあろうか。 | |
十字軍は、ローマ法王の主導のもと、聖地奪還を名目に、当時文明的先進地であった中東への蛮族の侵攻であった。 | |
十字軍のエルサレム占領時になされたおぞましい残虐非道の大虐殺も神の名によるものであった。 | |
スペイン、ポルトガルによる世界分割、大虐殺、大収奪にも宣教師が同行した。 | |
文語訳(明治訳)舊約聖書ヨシュア記(約書亞記)6章:21 | |
6:21 邑(まち) にある 者(もの) は 男女(をとこをんな) 少(わか) きもの 老(おい) たるものの 區別(わかれ) なく | |
盡(ことごと) くこれを 刃(やいば) にかけて 滅(ほろ) ぼし 且(か) つ 牛(うし) 羊(ひつじ) 驢馬(ろば) にまで 及(およ) ぼせり | |
サン・サルバドル島のコロンブス上陸地点を見る / スペインによるアメリカ大陸の植民地化- Wiki | |
Herem (war or property) - Wiki / 聖絶 - Wiki / 福音派 -wiki / Evangelicalism -wiki / | |
Christian_fundamentalism -wiki / トランプ政権を支える「福音派」の素顔- SYNODOS / | |
第8講:一神教における愛と平和と皆殺し | 日経クロステック / ミトラ教 | 世界史用語解説 / | |
アレッポ写本 ヨシュア記 第1章1節 | |
public domain Aleppo_Codex_Joshua_1_1 | |
アレッポ写本は930年ごろ、パレスティナのガリラヤ湖畔にあるティベリアの町で書かれたものと考えられている。 | |
現存する最古のヘブライ語旧約聖書として、ユネスコの世界記憶遺産に認定されている。 | |
Book_of_Genesis -wiki.en / Criticism_of_the_Bible -wiki.en / Biblical_criticism -wiki.en / | |
死海写本、死海文書( Dead Sea Scrolls) | |
1947年以降ヨルダン川西岸地区のクムラン洞窟などで発見された写本群の総称。 | |
死海文書 -wiki / Dead_Sea_Scrolls -wiki / The Dead Sea Scrolls socialstudiesforkids / | |
クムラン洞窟 -wiki / クムラン洞窟 31.7299/35.4597 -openstreetmap / | |
ワシントン写本 ギリシア語訳、申命記の終わりとヨシュア記の始まり。 | |
public domain / Book_of_Joshua
-en.wiki | |
ハスモン朝時代のヨシュア記の断片がクムラン洞窟(死海文書)で発見された(4QJosh aと4QJosh b) / ハスモン朝 -wiki | |
米博物館の断片は「すべて偽造」 - BBC / 死海文書の断片16点は「すべて偽物」 米聖書図書館 - CNN / | |
死海文書とは何か。日本語訳プロジェクトに携わる研究者が明かす、その全貌-追手門大学 / | |
聖書博物館が集めた「死海文書」 16点すべてが偽造 - 日本経済新聞 / | |
"世界最古"のヘブライ語聖書「サスーン写本」(Codex Sassoon) | |
アレッポ写本と同時期 | |
出エジプト記21-23(f.61) File:Page from Codex Sassoon 1053.png - Wikimedia Commons / | |
2023年5月、 米ニューヨークのサザビーズで競売にかけられた 9世紀後半~10世紀初頭に書かれた世界最古の | |
ヘブライ語聖書「サスーン写本」(Codex Sassoon)が、 史上最高額の3810万ドル(約52億4000万円)で落札された。 | |
Codex Sassoon 1053 -wiki / | |
コーデックス サスーン 1053 は、10 世紀に作成されたヘブライ語聖書の 写本。 | |
アレッポ写本と同じくらい古く、レニングラード写本(西暦 1008 年)より古いと考えられている。 | |
アレッポ写本は 1958 年に発見されたとき、全体の40% が失われていたが、 コーデックス サスーン では欠損は少ない。 | |
しかし 筆記者が、非常に杜撰で、句読点、発音区別符号、母音、子音の綴りなどの間違いが 何十箇所もある。 | |
ヨシュア記10章に出てくるカナンの都市 | |
カナン - Wiki / ギブオン - Wiki / アイ_(聖書) - Wiki / ラキシュ - Wiki / Onomasticon_(Eusebius) - Wiki | |
The Conquest of Canaan: The Southern Campaign – Bible Mapper Blog / Bible Maps -bible-researcher / | |
Joshua Conquest Of Canaan|iBible Maps - ibiblemaps / イエスの時代のパレスチナ地図 Palestine map | VISUAL UNIT / | |
申命記1章から3章の、エジプトからヨルダン川までの民族移動の行程地図 Deuteronomy map | VISUAL UNIT / | |
紀元前9世紀のイスラエル周辺の王国 | |
File:Kingdoms around Israel 830 map- Wikimedia Commons | |
フェニキア-(ブラウン)。 アラムダマスクス-(アクアマリン)。 アモン-(オレンジ)。 モアブ-(パープル)。 | |
エドム-(イエロー)。 フィリスティア-(赤)。 | |
モーセ五書(トーラー) | |
【出エジプト記】 モーセが、ユダヤ人を率いてエジプトから脱出する物語が中心。 | |
【レビ記】 内容は律法の種々の細則が大部分を占めている。 | |
【民数記】 出エジプトから二年二ヶ月後に始まり、40年目ヨルダン川に至るまで。 大きく分けて三つに分けられる。 | |
(1章〜10章10節)シナイ山における人口調査と出発に至るまで。 | |
(10章11節〜21章20節)シナイ山からモアブにいたる道中、カナンへの斥候の報告。 | |
(21章21節〜36章)カナンの民衆との戦争、ヨルダン川に到達するまで。 | |
【申命記】 死を前にモーセがモアブの荒れ野でユダヤの民衆に対して行った3つの講話。 | |
モアブ - Wiki | |
一神教 - Wiki / 二元論 - Wiki / 善悪二元論 - Wiki / ユダヤ人 | 世界史用語解説 / パレスチナのガザを見る | |
聖絶:(Herem) について en.wikipedia より抜粋 | |
イアン・ラスティックによると、1980 年代、ハナン ポラットなど、イスラエルの宗教および政治運動である | |
グーシュ・エムニムの指導者たちは、パレスチナ人をカナン人またはアマレク人のように見なし、 | |
アラブ人に対して無慈悲な戦争を行う義務があると主張した。 | |
聖書学者ニールス・ペーター・レムチェは、19世紀のヨーロッパの植民地主義はイデオロギー的に、 | |
征服と絶滅の聖書の物語に基づいていたと主張している。また、パレスチナに移住したヨーロッパ系ユダヤ人は、 | |
征服と絶滅という聖書のイデオロギーに依存しており、アラブ人をカナン人と見なしていたと述べている。 | |
アーサー・グレンケは、申命記で表明された戦争観がアメリカ先住民の殺戮やヨーロッパでのユダヤ人迫害に | |
貢献したと主張している。 | |
パレスチナ人の作家であり学者であるヌール・マサラは、「戒めのジェノサイド」はその後の世代に保持され、 | |
敵を虐殺するための神の支援の例とされたと書いている。 | |
UCLA の古代地中海宗教の准教授である ラナン・ブースタン は、好戦的なシオニストが現代のパレスチナ人を | |
カナン人と同一視しており、申命記 20:15-18 で義務付けられている暴力の標的であると述べている。 | |
レナード・B・グリックは、シュロモ・アビナーのようなイスラエルのユダヤ原理主義者は、パレスチナ人は | |
聖書のカナン人のようなものであり、パレスチナ人が土地を離れない場合、パレスチナ人を殲滅する準備を | |
しなければならないと考えているとしている。 | |
シェフィールド大学の聖書研究の名誉教授であるキース・ホワイトラムは、シオニスト運動が聖書にある | |
征服から着想を得ていると主張し、ジョシュア記の「大量虐殺をするイスラエル人」と現代のシオニスト | |
との間に類似点を見ている。 | |
https://en.wikipedia.org/wiki/Herem_(war_or_property) | |
イスラエルによるアパルトヘイト - Wiki / Israel and apartheid - Wiki / パレスチナのガザを見る / | |
Shut down Israel! - Lasse Wilhelmson / パレスチナ戦争 | 法政大学出版局 / パレスチナの民族浄化 | 法政大学出版局 / | |
申命記 20章12-17 | |
20:12 其(それ) もし 平穩(おだやか) に 汝(なんぢ) に 降(くだ)ることを 肯(がへ) んぜずして 汝(なんぢ) と | |
戰(たた) かはんとせば 汝(なんぢ) これを 攻(せむ) べし | |
20:13 而(しか) して 汝(なんぢ) の 神(かみ) ヱホバこれを 汝(なんぢ) の 手(て) に 付(わた) したまふに | |
至(いた) らば 刃(やいば) をもてその 中(うち) の 男(をとこ) を 盡(ことごと) く 撃(うち)殺(ころ) すべし | |
20:14 惟(ただ) その 婦女(をんな)嬰孩(こども)家畜(かちく) および 凡(すべ) てその 邑(まち) の 中(うち) にて | |
汝(なんぢ) が 奪(うば)ひ 獲(え) たる 物(もの) は 盡(ことごと) く 己(おのれ) に 取(とる) べし 抑(そもそも) | |
汝(なんぢ) がその 敵(てき) より 奪(うば) ひ 獲(え) たる 物(もの) は 汝(なんぢ) の 神(かみ) ヱホバの | |
汝(なんぢ) に 賜(たま) ふ 者(もの) なれば 汝(なんぢ) これをもて 樂(たのし) むべし | |
20:15 汝(なんぢ) を 離(はな) るることの 遠(とほ) き 邑々(まちまち) すなはち 是等(これら) の | |
國々(くにぐに) に 屬(ぞく) せざるところの 邑々(まちまち) には 凡(すべ) てかくのごとく 行(おこ) なふべし | |
20:16 但(ただ) し 汝(なんぢ) の 神(かみ) ヱホバの 汝(なんぢ) に 與(あた) へて 產業(さんげふ) となさしめ | |
たまふこの 國々(くにぐに) の 邑々(まちまち) においては 呼吸(いき) する 者(もの) を 一人(ひとり) も 生(いか) し | |
存(おく) べからず | |
20:17 即(すなは) ち ヘテ 人(びと) アモリ 人(びと) カナン 人(びと) ペリジ 人(びと) ヒビ 人(びと) ヱブス 人(びと) | |
などは 汝(なんぢ) かならずこれを 滅(ほろ) ぼし 盡(つく) して 汝(なんぢ) の 神(かみ) ヱホバの 汝(なんぢ) に | |
命(めい) じたまへる 如(ごと) くすべし | |
文語訳(明治訳)舊約聖書(1953年版) | |
現代聖書神学においては、ヨシュア記から列王記下までを「申命記史書」と呼ぶ。 | |
五書にヨシュア記を加えて六書と呼ぶこともある。 | |
申命記史書は、ヨシュア記、土師記、ルツ記、サムエル記上下、列王記上下。 | |
ジェリコとエリコ。ジョシュアとヨシュア | |
聖書ヘブライ語には j の音はない。ラテン文字には本来ヤ行の子音字がなかった。 | |
そこでヤ行の子音字として j が当てられた。 その後、英語、フランス語、スペイン語 などの西ヨーロッパの言語 | |
では、ヤ行の子音字は y に移ったが、北ヨーロッパでは j がそのまま残った。 | |
Jerichoをジェリコと読むのは、現代アメリカ読みである。読み方が異なっても語られている内容は同一である。 | |
Fudaraku Voice | |