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概要
TWIは、最も普及している監督者訓練法で、長年の実績があります。
二次大戦中アメリカにおいて、生産性の非能率を改善するために、監督者の、仕事の教え方(Job
Instruction)、改善の仕方(Job Methods)、人の扱い方(Job
Relations)の3つの技法が開発され、戦後日本に導入されたものです。
戦後経済の復興から高度成長期にいたるまで、風土に定着するよう技法の指導理念を重視しすると
か、あるいは、産業界の要請に応え前述の3Jに、安全作業のやり方(Job
Saftety)を加えるなどの経過を経て、いまでは、労働省の「職業能力開発促進法」による法定の監督者訓令課程に位置づけられているものです。
◆訓練の仕組み
「職業能力開発促進法」では、現場監督者にリーダーとしての基本的技能を身につけさせ、
監督能力を発揮させる目的で、JI(仕事の教え方)を、訓練一科、JM(改善の仕方を)二
科、JR(人の扱い方)を三科、JS(安全作業のやり方)を四科と定め、監督者訓練課程と
しています。
しかも、トレーナー養成講座(八日間、五十六時間)を受講して、トレーナーとして認定さ
れると、企業内で、第一線監督者を対象にして、一〇時間講習(JSのみ)を実施することが
出来ます。
さらに、TWIのコース修了者を対象に、訓練計画の進め方(PDI)と、問題解決の仕方
(PST)の科目が別に設けられており、企業内訓練の進め方や、職場内においての問題解決
の科学的な方法を会得させ、職場の活性化をもくろんでいます。
◆研修内容
日本経営科学研の菊池氏の意見によると、3Jの訓練のうち、JI(仕事の教え方)が
60%のウェイトを占めていると、見解を述べています。ここでは、その代表的なJIを、例
に上げて紹介します。
●JI−仕事の教え方
まず、新人、配転者、未経験者に対して、作業基準通りに作業を行います。その間、品質、コス
ト、数量が常に的確に確保できるように指導します。目的は、作業中において、研修者の戸惑い
や、不慣れ疑問などを見抜いて、確実なフォローすることを指針します。
- @訓練必要点を明確にします。
- A教える作業の内容を相手の能力にあわせて作業分解しておきます。
- B四段階に従って指導します。
- 第一段階 習う準備をさせます。
第二段階 作業を説明します。
第三段階 やらせてみます。
第四段階 教えた後を見ます。
JIによる方法は、サービス業においてのレジ作業、ホテル業においてのルームサービスにも適用でき
ますし、通常の指導時間のおおよその二分の一で相手を十分習得させるメリットがあります。
◆研修の進め方
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● 参加者は、10)名程度(8名〜12名)
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● 黒板は、1m×2m以上の充分な大きさのもの
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● 訓練予定表の作り方は、黒板に色チョークなどを
- 用いながら、フォームの実例を示し、様式を説明しながら、上段には作業者名、左側に
は、工程順の作業名を、マトリックスの交点には予定日を記入します。
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● 作業分解の仕方は、作業分解の目的を、
- 頭の中で仕事を順序よく整理するために行います。急所のみ付け方、訓練教材の作り方な
どを分解シートを用いて学びます。
◆付記
なお、他のJM、JR、JS他においても、研修進度を段階毎に組み合わせ、各ステップは分解
の上、手順や予定表を作成して指導結果を確認しながら進めていく手法は、JIにほぼ類似してお
ります。