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1983年 このころエイズが問題となる


 エイズ(AIDS=Acquired Immunodeficiency Syndrome 後天性免疫不全症候群)は、1981年に発見され、原因不明で白血球が減少して免疫力が極度に低下することによりふだんは感染しない病原菌(カリニ肺炎・カポジー肉腫・カンジダ性食道炎など)に感染して、死に至る病として、世界中で大きな問題となった。
 当時は治療法がなく、発症すると1年以内に約半数が、3年で4人のうち約3人が死亡するとされた。
 はじめは、男性の同性愛者の間で広まったが、その後、エイズウイルス(HIV ヒト免疫不全ウイルス)が発見され、感染者の血液・精液・膣分泌液に大量に含まれることから異性間の性交渉などでも感染することがわかった。

 1996年に標準治療法が開発され、早期に治療すれば死亡することはほとんどなくなったという。
 しかしながら、世界では、適切な治療を受けずに死亡している人が多く、感染も広がっている。
 2006年の「国連エイズ報告書」によると、これまでに世界で2500万人が死亡しており、更にアジアでの拡大が懸念されている。


【治療法】
 読売新聞(Yomiuri on Line)によると、エイズの治療法は、複数の薬を服用する標準治療法が1996年にアメリカで開発され、発症前に治療を始めると、死亡することはほとんどなくなったという。
 亡くなる患者は主に、長期間の闘病で薬の効かない耐性ウイルスが出現したり、副作用で服用を続けられない人とみられていた。しかし、感染に気付くのが遅れたために医療機関を受診後1年以内に死亡したとみられる患者が、2003年に日本で少なくとも29人いたという。
LINK 読売新聞エイズ、早期治療で助かるのに…手遅れで29人死亡(2004年6月7日付の記事) (リンク切れ)
 エイズ流行の初期には、エイズを発症してから2年以内に死亡するのが常だったが、現在は治療法の進歩により、エイズにかかっても何年も生きて、生産的かつ活動的な生活を送れるようになった。
LINK 万有製薬株式会社メルクマニュアルメルクマニュアル医学百科家庭版ヒト免疫不全ウイルス感染症


【予防薬の承認】
 下の日本経済新聞の記事によると、「米食品医薬品局(FDA)は2012年7月16日に、既存のエイズ治療薬「ツルバダ」を、感染を防ぐための予防薬としても承認した。」「FDAによると、一方がHIV感染者のカップルを対象とした調査の結果、非感染者がツルバダを毎日服用した場合に、HIVに感染する危険が4分の1に減った。」という。
LINK 日本経済新聞米当局、エイズ予防薬を世界で初めて承認(2012年7月17日付の記事)



【LINK】
LINK エイズ予防情報ネット
LINK 厚生労働省 エイズ治療薬研究班
LINK Yahoo!ニューストピックスサイエンスヒト免疫不全ウイルス(HIV)研究
LINK UNAIDS: The Joint United Nations Programme on HIV/AIDS2006 Report on the global AIDS epidemic(英語)





参考文献
「ホーム・メディカ 家庭医学大事典」小学館、1987年
LINK エイズ予防情報ネットエイズQ&A
LINK 万有製薬株式会社メルクマニュアルメルクマニュアル医学百科家庭版ヒト免疫不全ウイルス感染症
TV NHK BS特集「未来への提言 医師アーネスト・ダルコー 〜地球をエイズから救う〜」2006年8月13日放送


更新 2012/7/17

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