「んーにゅー」とは?
んーにゅー◎商品の概要
「んーにゅー」は市販されている唯一のPC−FXGA専用ゲームソフトであるが、サブタイトルに「PC−FXGAゲームが遊べる創れる本」とあるとおり、出版物の形態をとっている。ただしあくまで「形態」が本のスタイルをとっているだけなので、本屋さんに注文しないように。大手パソコンショップに置かれていることが多かったが、最近はFXGA同様に店頭での入手が困難なようで、NECに直接注文するほか無いようである(NEC関連のサイトに紹介がある)。内容の詳細は以下に譲るが、3Dアクションゲーム「んーにゅー」とその他のサンプルゲーム、そしてFXGAによるゲーム製作の教科書というか参考書というべき内容の本文から成っている。オールカラーで写真も豊富。DoGA製作の「ポリゴンエディタ」が付属している。
◎3Dアクションゲーム「んーにゅー」
上記の通り市販されている唯一のFXGA専用ゲームソフト。伝説的クリエイター「たいにゃん」氏(とか説明しつつ私はよく知らない。ちなみにこの人のホームページがあります。探してみましょう)が製作したポリゴンゲームである。プレイヤーは主人公「んーにゅー」(紫色の謎の物体)を操作し、ステージごとに決められたアイテム(風船、$袋、おにぎりなど)をジャンプしながら取っていく。途中には当然のように「んーにゅー」を邪魔する敵キャラが登場する。これを体当たりで撃破しつつ規定のアイテムを集めると、巨大なステージボスが出現、これを倒すとステージクリアとなり先へ進める。全5ステージ20面(ボス戦を1面と数えて)が存在し、最後は「んーにゅー」の生まれ故郷の地獄へと向かう(注:第三ステージが「地獄」のようにきつい(笑))。

このゲームでまず驚かされるのは、ガチガチのポリゴンではない滑らかなモーフィング技術を駆使した画面全体の柔らかさである。主人公の「んーにゅー」にしてもステージの地面(水面もある)にしても、常にグニャグニャと波打っており、ちょっと気持ち悪いぐらい。タイトルや残り時間の数字までモーフィングで表示する凝りようである。「んーにゅー」は360度全方位を向けるため、プレイヤーはかなりのヴァーチャル感覚でゲームの世界に浸りきれるが、注意書きにもあるとおり慣れないうちは本当に酔う。ゲーム自体は慣れてくればそれほど難しいものではないが、ジャンプしてアイテムを取ったり敵を倒したりするシステムなので、感覚をつかむまではかなり修行が必要。調子に乗ってくるとハマること請け合いだ。音楽もゲーム同様独特の雰囲気を醸しだし、いい感じである。

このゲームを見る限り、FXGAの表現力はPSやN64に十分匹敵する、と言えそうだ。敵キャラが際限なく多くなるとガクンと処理落ちする(スローモーション化する)傾向もあるが、非常に美しい3DCGの世界は必見ものである。これがアマチュアの手で、しかも「GMAKER」スターターキットプラス相当の環境で作られているのだから、「GMAKER」所有者は俄然期待を高めてしまう。ただし残念ながらソースコードは公開されていない。
◎サンプルゲーム
アマチュアゲーム製作集団「Bio100%」によって製作された3本のサンプルゲームがある。懐かしくも新鮮な月面着陸ゲーム「Moon Kids Paradise」、円柱座標のシューティング「DAGYRUSS」、欠陥品戦闘機による3Dシューティング「ROLLOUT」の3本である。いずれもデバッガ「FXDB.EXE」を起動してプレイする仕組みで、プログラムのソースコードもCDに収録されており、研究・改造が可能。とくに「ROLLOUT」は開発までの道のりが本文で詳細に説明されている。
◎クリエイターズ・ステージ
FXGAゲームのプログラミングの基本から、懇切丁寧に教えてくれる解説書。文字の表示からスプライト表示、ポリゴン表示まで基本を説明してくれる。極めつけは収録サンプルゲーム「ROLLOUT」の開発過程とソースコードの説明で、根性さえあればFXGAのゲーム作りの概要がつかめる。
◎ポリゴンエディタ
DoGA製作の3Dモデル作成ソフト。FXGA同梱の「DOGAGINIE」は既製の3Dパーツを組み合わせてモデルを作っていたが、このエディタを使うとパーツを自作できるようになる。
◎まとめと評価
細かいことは言わない。FXGA所有者は絶対買わねばならない。開発環境がない人も「んーにゅー」をプレイできるだけ買う価値はある。FXGAでゲーム開発を志す人は、当然この本を読むべきである。以上。

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