世界全体で毎年排出されている二酸化炭素量が60億トンであるとか、日本からは3億2000万トン排出されているとか、一世帯あたり年間に1400kg排出されているとか言われても、ピンとこないというのが正直なところだと思います。環境家計簿をつけてもらうと、家庭からの二酸化炭素排出量が計算できるのですが、「一ヶ月で100kg排出されました」と言われてもよくわからない、という感想をよく耳にします。まあ二酸化炭素を実感するなど、空気をつかむような話ですので、所詮は無理なのかもしれませんが、できるだけ実感してもらえるように示す必要はあるでしょう。いろいろ考えてみました。■重さで示す方法
一世帯あたり一ヶ月あたり100kgというと、ほぼ世帯から排出される家庭ごみの量と同じくらいになります。家庭の中で旦那さんが粗大ごみだと言われていますが、毎月旦那さんをひとり分排出する以上の量を二酸化炭素として排出しているわけです。毎月旦那さんがひとり分ずつ大気中に増えていったら大変でしょう?
日本国内のあちこちに処分場があって、もう埋め立てる場所がないと言われているくらい困っています。一方で二酸化炭素は空気とまざってわからなくなってしまうために、実感ができないかもしれませんが、ごみ処分場全部と同じだけを大気中にばらまいてしまったのは事実です。いくら地球が許容量が大きいといっても、もう地球は「げっぷ」をし始めています。■体積で示す方法
一世帯一ヶ月あたり二酸化炭素100kgという量は、だいたい3LDKの住宅一つ分二酸化炭素で埋め尽くされたくらいの量になります。
ちなみに、大型ごみ袋(45リットル)ひとつ分は、およそ25gの二酸化炭素に相当します。つまり標準的な家庭で一日で120袋出していることになります。■人間の息との比較
毎日私たちjは息をしており、酸素をすって二酸化炭素を出しています。でも人間が排出している二酸化炭素はそれほど大きな割合を示しません。だいたい息で排出している二酸化炭素の100倍くらいの量が、エネルギー消費に伴って出されています。
8畳の部屋に一人でいたら換気をしなくても生活できますが、8畳に100人がいたらすぐに息苦しくなってしまうでしょう。残りの99人分は、その部屋にあるテレビであったり、照明であったり、エアコンであったりするのです。■薄めたらどうなるのか
このままでいくと2100年には二酸化炭素の濃度が2倍になり、温暖化にともなう多くの問題が引き起こされると考えられています。あなたが二酸化炭素を排出すると、大気中の濃度が上がってしまうわけですが、もし現状の2倍以内の濃度に薄めるためにはどれだけの空気が必要でしょうか。
一世帯一ヶ月あたりの排出量を薄めるためには、10万立方メートル、50メートルプール67杯分が必要。一日あたり50メートルプール2杯分の空気が必要ということになる。一世帯一ヶ月 100kg
二酸化炭素濃度 360ppm
二酸化炭素の比重 1.26kg-CO2/立方メートル 、 0.34kg-C/立方メートル
二酸化炭素1gを現在の空気で薄めたときに、濃度を2倍にするのに必要な空気量
0.34/360E-6*1000・・・ 1立方メートル
50メートルプール 50メートル×20メートル×1.5メートル=1500立方メートル■そのほか
二酸化炭素というよりは、エネルギー消費ということを実感してもらうために、お金に換算することがよく行われており、これは非常に実感がわくようです。またエネルギーがどれだけ大変かということで、自転車を何時間こぐのに相当するのかで計算することもできます。
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