Pertronix Ignitor II の取り付け
ポイント調整の良否がなかなか分からず、また、点火エネルギーのロスも嫌なので、ポイントレス化してみました。
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ポイントレス化キットは各社から出ていますが、評判のよさからPertronix社のものを選びました。 この会社の製品で1962キャデラックに適合するものは、 ・Perronix Ignitor (1181) ・Perronix Ignitor LS (1181LS) ・Perronix Ignitor II (91181) ・Perronix Ignitor III (71181) の4製品。いずれも1956-74年のキャデラックで使用できます。 Ignitor (1181)は、純粋にポイントと置き換える製品です。 レジスターワイヤー後の低い電圧でも動作する(動作電圧8-16V)ので、12Vのイグニション電源を引きなおす必要がありません。 注意が必要なのは、エンジンをかけずにイグニションスイッチをONのまま放置すると故障の原因になることと、1.5Ω以上のコイルと組み合わせる必要(8気筒の場合)があることです。 メーカーでは、同社のFlame-Thrower 40,000 Volt Coil (1.5Ω)との併用を推奨しています。 1181LSの"LS"はLobe Sensorの略で、基本機能は素のIgnitorと同一ながら、ローターの回転を拾うマグネットリングの取り付けが不要なモデルです。 Ignitor IIは、ドエルタイムの調整機能が加えられています。 これにより、高回転域の点火特性が改善されると共に、0.6Ωのコイルが使用できるようになり、さらにイグニションスイッチをONのまま放置してもOKになりました。 フル12Vで動作するので、イグニション電源を引きなおす必要があります。 メーカーでは、同社のFlame-Thrower II 45,000 Volt Coil (0.6Ω)との併用を推奨しています。 Ignitor IIIはさらにマルチスパークとレブリミッター機能が加えられます。 このモデルもフル12Vで動作し、1181LSと同様にLobe Sensorになっています。 メーカーでは、同社のFlame-Thrower III 45,000 Volt Coil (0.32Ω)との併用を推奨しています。 |
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長々と書きましたが、結局買ったのは、Ignitor II (91181)とFlame-Thrower II 45,000 Volt Coil (45011)。 無印と悩んだのですが、45,000Vのコイルを使ってみたかったのと、イグニションONでの破損が怖かったので。 |
基本的な取り付け方法は、←の動画が分かりやすいです。 最も重要なのが、本体とマグネットリングのギャップです。 最小値が0.010"以上、最大値が0.060"以下になるように調整します。 具体的には、動画に出てくるワッシャーでデストリビューターシャフトの上下動を抑え、マグネットリングの上に入れる小さい金色のワッシャーでギャップを詰めます。 |
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私のはシャフトの上下のガタが大きく、ギャップが広くなりすぎるため、ワッシャーを入れる必要がありました。 ギアを取り外すため、ロールピンを叩き抜きます。 3mmのピンポンチを使用しました。 |
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ワッシャーを2枚入れてもOKでした。 |
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ロールピンは外すときに傷めてしまったので、新品を使用しました。 1962年式であれば、太さ1/8"、長さ7/8"のピンを使用します。 なお、1956-61年式であれば太さ3/16"、長さ1 1/16"のピンを使用します。 ただ、1961年式以前はピンの両端がカシメてある可能性が高く、リューター等で削る必要があるかもしれません。 Lobe Sensorのモデルを使用すればこの手間は省けます。 |
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ちなみに、このデストリビューターは随分前に予備として買っていたものです。 元々状態が悪かった上に、車の下で保管していたので、さらにボロになっていましたが、錆落としとリペイントで復活しました。 |
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バキュームアドバンスはついでに交換しておきます。 STANDARDのVC89を使用。 グラウンドワイヤーは切れていたので、直接グラウンドに落とすことにします。 |
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マグネットリングのネジ部分をてっぺんのネジ穴に通して。 |
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ローターと一緒にナット締め。 付属の小さなワッシャーのうち、銀色のものはこのナットの下に使用します。 |
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グロメットと本体を取り付けて、マグネットリングとの隙間を確認。 最小値が0.010"以上、最大値が0.060"以下であればOK。 もし、隙間が広すぎるようなら、付属の小さなワッシャーのうち、金色のものをマグネットリングのネジ部に挟みます。 私のは挟む必要なしでした。 |
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OリングもFelproの新品に交換しました。 |
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2本のワイヤーの先端に付属の端子を取り付ければ完成。 ワイヤーがバラけないようにチューブを被せとけばよかった。 |
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取り付け。 12Vの電源は、イグニションスイッチに記載のとおり、イグニションスイッチの裏から引っ張っています。 安全のため、スイッチ直後に30Aのインラインヒューズを入れています。 結果ですが、若干アイドリングが安定し、空ぶかしの吹けが良くなったようです。 ポイントギャップを気にする必要がなくなったのでちょっと安心。 |