宮谷作品の中の三鷹


<宮谷一彦は1960年代から70年代初めにかけて東京都三鷹市に住んで数々の傑作を生み出した。>
僕が三鷹在住であるということで、宮谷氏から最近の三鷹の写真を見たいという要請を受けてお送りしたところ大変喜ばれました。そこでここに宮谷作品に登場する三鷹の景色と三十数年経た現在の様子を掲載してみようと思います。(興味持ってくれる人います?)


update 2004.2.29.
「風に吹かれて」1968、に登場する三鷹陸橋。(以下作品サムネイルはクリックすると拡大表示になります)
原画に彩色したコピーを送っていただきました。
60年代の三鷹駅周辺を舞台に宮谷自身を連想させる若い童話作家・左翼活動家・三鷹陸橋の上で出会ったヒモと別れた水商売の女・ボブ・ディランの「スナー・オア・レイター」の流れる喫茶店「ホタ」・・。
この作品に関わる様々なエピソードの書かれた未発表原稿のコピーもいただきました。ここに掲載できたらいいなあ。




「風に吹かれて」で「・・太宰の臭いがする」とある現在の三鷹陸橋。
はじめの写真のあたりで1970年頃僕は宮谷一彦と偶然すれ違いました。僕はバイク、彼はジーンズの上下を着て徒歩。一瞬目があって「あっ・・!!」と思いましたが振り返る事もできなかった。
陸橋は今も変わりません。僕にとってもここは長男が一歳になった頃よく手をつないで散歩した所です。

同じく「風に吹かれて」の三鷹駅南口。この改札口は70年代には改装されてなくなりました。


作品中の改札口があった場所。現在は交番と駅ビル。


喫茶店「ホタ」。「風に吹かれて」ほか「ライク・ア・ローリング・ストーン」など宮谷作品に登場するが実在していました。

当時の「ホタ」。宮谷氏のホームページのphoto67から。
当時僕も見つけたんだけどとても入る勇気はなかった・・。

現在は跡形もなく、広い駐車場になっています。

これも宮谷氏の当時の写真から三鷹南口前の交差点。右奥に喫茶店「リスボン」、左手前に中華そば「江ぐち」がありました。


現在の同じ場所。「リスボン」も「江ぐち」も場所はビルの地下に移動しましたが今もあります。
「江ぐち」は泉昌之の漫画・エッセイで有名ですね。宮谷氏は私信によるとあまり好みではなかったようですが。
左側のビル、当時はミタカ・センターと言ったのですが宮谷氏は六階に避難場所として寝室を借りていて、今もまだあるなら「また住んでみたい」そうです。

「地下大戦 第五話」(コミックサンデー昭和43年)に登場した喫茶店「リスボン」。宮谷氏は当時のマスターが健在とは思えないので誰が引き継いだのかな、と。

「=第四間戦期に生きて= おとうと」(COM 1968)から三鷹駅南口駅前にあった「三鷹楽器」。


「三鷹楽器」は70年代には少し離れた場所に移って僕もずいぶん楽器を買った店でしたが数年前になくなりました(倒産したのかな?)
宮谷作品に描かれた場所は現在駅前ロータリーの拡張などで跡形もありません。

「風に吹かれて」から深大寺の山門。

2004年の深大寺。三鷹駅からバスで20分ほど。調布市にあります。
僕も子供の頃からときどき来ては「深大寺そば」を食べるのが大好きなので、宮谷作品に出てきたときはうれしかったなあ。

山門前の「門前そば」の蕎麦。ちょっと食べかけ。
宮谷氏に「テキトーに手ぶれした画面になっていて本当においしそうでした!」との感想をいただきました。

掲示板へ感想などぜひ一言・・。
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