「多摩川源流回廊」

回廊設定の統一的な基本ルール
巡る道、結ぶ道
源流回廊設定の目的
回廊が目指す2つの仕掛けと新しい価値

回廊設定の統一的な基本ルール

 多摩川流域全体からみた横断的な視点を重視
ルール1:多摩川の本・支流の主な源流域を有する市町村の源流の里を通ること
   →奥多摩町、丹波山村、甲州市、小菅村、桧原村、あきる野市(五日市)
       (青梅市、日の出町は回廊を構成するため、山の一部を含める))
ルール2:川を遡る道、川を下る道を優先し、著名な登山道に拘らない
ルール3:源流を有する主な山に登るルートを含める
ルール4:ルート上の1日のレグは20km程度とし、宿泊施設で1日を終える刻みとする
ルール5:回廊を構成する道は、一般道(自動車道)、遊歩道、林道、登山道を含む
ルール6:回廊から、各市町村が取り組んでいるウォーキングルートに繋げることが出来る

この様なルールに従って作成した概略地図が、ネット上に公開・提案されている...「地図Z」
多摩川源流回廊の概略地図

 <回廊”の組み立て>
回廊の基本的な構成は、出来るだけ車の通らない道を選び、現存する各種の道を繋げる。
     「里の道」;一般道、既存の遊歩道、セラピー路、むかし道など
     「山の道」;尾根道、林道、ふれあいの道など
     「沢の道」;川縁の道、谷と山を繋ぐ林道、仕事道など

  <ルート上で考慮した源流域の川>
  ・本流系;一之瀬川、丹波川、後山川、日原川・大雲取谷・川苔谷、大丹波川、小菅川
  ・秋川系;南秋川、北秋川、神戸川、養沢川、平井川 

  <源流の後方に立ち水源を提供してくれる山;パワースポットとしての滝も加味>
  ・笠取山/水干、雲取山(東京最高峰)、川苔山/百尋の滝、高水三山、三頭山/三頭の大滝、
  ・御岳山/七代の滝、大岳山/大滝、鋸山、御前山/栃寄の大滝、大菩薩嶺/妙見五段滝・雄滝

巡る道、結ぶ道

多摩川源流回廊模式図

回廊;源流・山・人の営みを巡り、源流の里を結ぶ
  続けて歩けば、12日間で回廊を一周出来るよう構成した(概算距離=240km)
12のレグの構成...@〜K>
 収集した資料に基づき算出したが、資料により若干所用時間が異なるのは調整した。赤字は宿泊場所

@高水三山・大丹波川...計;7:05(左廻り;上段)/7:00(右廻り:下段)
        2:20     1:15      1:30      0:40            0:35       0:45
 奥多摩駅← →古里← →御嶽駅← →惣岳山← →岩茸石山・名坂峠← →大丹波川← →百軒茶屋
  (大多摩Wkトレイル)         1:05      0:40            0:55       0:45  (素)

A大丹波川・川苔山・川乗谷・日原川...計;7:30/7:35
        3:20       2:30      1:30
 百軒茶屋← →川乗山 ← →川乗橋← →日原
        2:35       3:30

B日原川・雲取山...(大ダワ林道は通行止め;情報は「奥多摩ビジターセンター」で入手可)
<ルートA>...計;6:35/4:45
     1:30      1:20           3:30            0:15
 日原← →八丁橋← →日原林道分岐点← →富田新道・雲取山← →雲取山荘
     1:30      1:00           2:00            0:15
<ルートB>...計;7:20/5:25  (奥多摩小屋泊まりで設定、雲取山荘も健脚なら可能)
     1:30      1:20           3:00              0:40          0:50
 日原← →八丁橋← →日原林道分岐点← →唐松谷林道・ブナ坂← →奥多摩小屋(素)← →雲取山
     1:30      1:00           2:00              0:20          0:35

C雲取山・後山川・丹波山村...計;6:55/8:30
      0:20        1:55        2:40    2:00
 雲取山← →三条ダルミ← →三条の湯← →お祭← →丹波山村
      0:40        2:20        3:30  (国道411)

D丹波山村・一之瀬高原...計;5:20/5:00
        3:10           2:10
 丹波山村← →一之瀬川合流点← →一之瀬高原
        3:00           2:00

E一之瀬川・水干・笠取山・落合...計;7:20/8:40
       2:50    0:30      2:20       1:40
 一之瀬← →水干← →笠取山← →(一之瀬)← →落合 (宿泊地は、時間・ルートで選択可)
       2:30    0:30      4:10       2:00
F落合・丸川峠・大菩薩嶺・大菩薩峠...計;6:00/4:55
     1:35          1:00            1:00      1:20       1:05
 落合← →柳沢峠分岐点← →林道経由牛首谷← →丸川峠← →大菩薩嶺← →大菩薩峠
     1:15          1:00            0:45      1:00       0:55
G大菩薩峠・小菅川・小菅村...計;4:55/5:45
        0:35        1:40    1:00       1:40
 大菩薩峠← →フルコンバ← →赤沢← →雄滝往復← →小菅村
        0:45        2:20    1:00       1:40
H小菅村・白沢川・鶴峠・三頭山・南秋川・数馬...計;6:15/7:10(ルート見直し実施;鶴峠経由に変更)
       2:00    3:00      0:45       1:30
 小菅村← →鶴峠← →三頭山← →三頭大滝← →数馬 (数馬上/下は、時間・ルートで選択可)
       1:40    2:30      1:00       2:00
I数馬・白岩沢/北秋川・小岩・浅間尾根・本宿...計;6:00/6:10
      2:00               1:20     1:10       1:30 
 数馬← →入間白岩林道経由藤原← →小岩← →浅間尾根← →本宿
      2:00               1:20     0:50       2:00
J本宿・秋川・養沢川・日の出山・御岳山...計;5:30/5:10
     1:00      0:30    1:00           1:20       0:20       1:20
 本宿← →畔荷田← →軍道← →大岳鍾乳洞入口← →クロモ岩← →日の出山← →御岳山
     1:00      0:30    1:00           1:00       0:20       1:20
K御岳山・大岳山・御前山・境橋・奥多摩駅...計;8:00/8:30 (ルート見直し実施;短縮) 
      0:15          0:45        1:30     3:00      2:00     1:30
 御岳山← →長尾平分岐点← →綾広の滝← →大岳山← →御前山← →境橋← →(奥多摩駅)
      0:15          0:45        1:00     2:50      3:10  (奥多摩むかし道)

源流回廊設定の目的

・”美しい川”を守るための”シンボル”となり得る
     → 知る・親しむという事を通して環境の大切さに気付く
       山・源流・里の営みは、在るだけで尊ことを理解する

・広域連携情報の充実による、訪問者の利便性向上
     → 回廊という巡る・結ぶ機能によって、多くの人の出会いのチャンスが増える
       住む人と訪れる人が紡ぎだす賑わいの演出として効果的である
       源流域の関係者の連携を誘発させ、より大きな力を生み出す契機となる

・住民と訪問者を魅了するアトラクションへの努力の動機となる
     → 新しい産業・文化の活性化に結び付く

回廊が目指す2つの仕掛けと新しい価値

 ”巡る回廊”
・山・川・里そして緑/木、水、人の営みを巡り、多様な姿の中から発見とサプライズを楽しむ。
・自然を巡って野生の命の営みに出会い、食を巡って自然の恵みに感謝する。
・自然を活かしたアートの場や手技の精緻を巡り、人間の営みの素晴らしさを体感する。
・自然と共生する里山の営みを巡る。右回り、左回りの両方が可能で、楽しみも増える。

 ”結ぶ回廊”
・流域の市町村や環境協会などが発行するウォーキングマップを結ぶ大ルートを提案する。
・回廊だけを歩くのではなく、源流の里の小回廊を巡ることが出来るよう双方を結ぶ。
・源流域の里の住人同士を結び付け、心の絆として地域の新しい価値を生み出す仕掛け。
・源流域のシンボルとなり、まちの人と里の人の心を結ぶきずなを生み出す。

”回廊が生みだす新しい価値”
・「東京の自然」をアピールし、ジュニアからシニアまで、“まちの人”を更に呼び込む。
・ハイキングから、沢を遡りちょっと登山を楽しんで体を鍛える。
・登山から、沢に下りて水の恵を感じ、里に下って食を楽しむ。
・中流域のセラピーに対し、深い緑と清流の環境において癒し効果を高める方向を追及する。
・心技体への効用のバランスを、より高める方向に導く機会を増やし、多様な目的に貢献する。