この関係の書物も、大きく分けると2種類ある。同じコンサルタントが、時代と共にコンセプトを変えてきているのが時代の変化を対比出来て面白い。
一つは、従来からあるアプローチの経済・産業振興中心のコンセプト。もう一つは、文化中心のアプローチ。何れも事例を元に分析、今後の指針を導いている。ここでは評者がお薦めの、新しいコンセプトを使った”地域づくり、まちづくり”を紹介する。
・あの有名な山田村、本当は心のエンジン回転率日本一の村です。
・山田村のホームページの感想をメールしたら、本の中にこれが掲載されました。
・そこで、著者のホームページにもリンクしました。
・著名なコンサルタントが12事例を取り上げている。事例の紹介は各地域の関係者が記述
しているので、当事者の迫力が感じられる。
・評者の指向する、地域文化・地場産業・環境保全の融合的アプローチと基軸を同じく
しており賛同出来る。
・この人もこの分野で地道にコンサルタントを続けている。
従来型の経済・産業中心のアプローチの地域おこしを長年手がけてきた人でもある。
最近、時代の変化をフォローする如く、新しいアプローチを採用した様子である。
・生活の豊かさとゆとりを求める人々が魅力を感じるものを、世界60都市以上巡って
調査し、16都市を紹介している。
・アメリカから4都市、ヨーロッパから12都市。本当の先進国のあり方を学ぶきっかけが
得られると思う。
皆さん自分の生活に満足していますか、自分なりの人生を歩んでいますか。何か疑問のある人は以下に注目してみてくがさい。
”文化経済学”、聞いたことある人は少ないと思います。結構古いものですが、あまり注目されていません。
しかし、正に今日、新しい「日本を創るために必要な考え方」と言って良いのではないでしょうか。
ケインズを越える経済学として、”制度経済学”なるものが台頭してきた様子もあるが、これとは趣が異なるようです。
日本では、経済学者の間でも認知されていないようですが、生活者としていち早く認知しておきたいものです。
逆に、現在の様に殆どの経済学者が”文化経済学”について関知していないような生産者中心経済が主流の間は、 この国が新しい社会パラダイムの中で、はたして文化的にあるいは質的に発展するのかと言う疑問がわいて来ます。 しかし、書評−3で紹介した書物を見れば現場ではすでに動いていることを認識しないといけないようです。 芸術・文化と経済・産業は相互補完の関係にあることを念頭に、以下の書物を紹介します。まずどれか1冊でも目を通してみてください。
なお、このあたりに興味がある方は是非次の論文もどきに目を通して頂ければ幸いです。 :「高質」について考える:基本検討
・ライブラリー一号として発行された。一般的な啓蒙向けで、この道の先進書と言えよう。
・人々の生活、地域活動、企業と文化、及び教育・福祉・行政面など広範にわたり考察し、
さらに、芸術・文化の創造、発展のための社会政策、資源配分の問題に言及している。
・創始者として、イギリスのJ.ラスキン(1818−1900)を紹介している。
・ラスキンは、人間が生命力を高める(いきいきと生きる)には、財の固有価値
(intrinsic value)を活用して自分の栄養にしたり楽しんだりする能力が発達する
必要があると考えた。
・つまり、生活者(消費者)が、いかに自分の「文化享受力」を身につけるかが社会の
発展につながっていると言うことである。
・生き物たちの命を育み、水の恵みをもたらす緑の森が、都市化の中で荒廃していく。
・失われてゆく「里山」の復興をめざし、北海道苫小牧の地で進められている都市林作りの実践レポート。
・思い入れを押さえるが如く淡々と話はすすむが、素晴らしい実験であり実践でもある。
・日本中でこの実験が進行すると、地球レベルでの環境保全にまで続いていきそうな気配が感じられる。
・環境破壊や人類滅亡を防ぐ新しい視点として「生物多様性:バイオダイバーシティ」を説く。
・政治家そしてジャーナリストである堂本暁子が、その体験を書き下ろした渾身の作。全ての人に一読を薦めたい。
・森の民としての日本人の心をとり戻したい。日本人の自然観、倫理観を問われて、失いつつある独自のメンタリティに
思いを馳せる。
・評者は持続性ある開発(Sustainable Development)との関連で、地域における産業・文化の振興と環境保全の融合が
ポイントになると考えている。
・「森の会」で月一回研究会が行われているとのこと。
ファックスの連絡先:03−3812−0881