「生涯学習の出前」

−生涯学習インストラクター1級を活かす−

 学習社会の到来が言われています。文部科学省の外郭団体資格である生涯学習インストラクター1級と自らの生涯学習経験(NPO運営参画、社会人大学院、工芸工房主宰、異業種交流、資格取得など)を生かし、体験に基づく提案を致します。
 ワークショップを中心とした生涯学習の推進及び生涯学習を核とする、まちづくりを意図した産業と文化に関わるテーマ型コミュニティ構築に、”行動型コンサルタント”として参画させて戴きます。
   問題提起
   スマートコミュニティ論
   ワークショップ

問題提起

 人々の好みやライフスタイルが多様化、高質化する中で、従来のままのモノつくり、物販・飲食店、サービス業などでは対応出来なくなってきました。特に、地域の個業や個店のおかれている状況を見ると、大規模店や大資本のコンピューター付きブルドーザー作戦に翻弄されれいます。地域の個業や個店の緊急課題はコンピューター化(インターネット活用を中心とした情報関連能力の強化)であり、特に以下の3つのテーマが重視されます。
   @デザイン力の増強(デザイナを使う力を含む)
   Aマーケティング力の強化
   B品質保証と信頼感(地域ブランド構築):個々の力+まち全体
 これらことが、後継者問題及びまちづくりとからんで問題を複雑にしています。

 上記@〜Bを定常的に学べるリカ−レント教育分野の生涯学習機会を作り出す政策が喫緊の課題となっていると言えます。先進的な人は自ら学びながら時代の変化に対応しており、これらの自律的な努力をまちに埋め込むことが重要に思われます。

 しかし、リカーレント教育機会の強化は専門的分野になるため1つの地方自治体では荷が重く、特に過疎化しつつある地域では人材ギャップもあり、需要と供給の差が大きくなります。広域連携的な取り組みが一つの方向性をしめしています。この点に関して、西多摩をテーマに研修課題として提言した小論を用意しています。

石黒広洲(2002)、『広域連携型の生涯学習サークルを立ち上げる』

スマートコミュニティ論

 この新しい考え方は、スマートグロースの実現の仕組みとして提唱されたもので、

細野助博(2000)、『スマートコミュニティー』中大出版部

に判りやすく、しかも詳しく述べられています。アーバンルネッサンスを提唱し、都市の再生が日本の再生を可能にすると強調しています。これからのコミュニティー構築の必須概念になっています。

<”Smart”に対する「悠」の解釈>
 30年程前、E.F.シューマッハーにより『スモール・イズ・ビューティフル』論が出され、地域の身の丈に合った”small”=適正技術の重要さが提唱されました。主要な軸は規模を念頭に置いた空間的なものであり、地域文化を基軸に適正な効率とコストを加味してバランスさせることがポイントになった考え方です。
 また、近年イタリアの地方都市ブラで始まったスローフード運動に端を発したスローライフなどに代表される”slow”の主要な軸は明らかに時間軸です。ファーストという文化を忘れ効率を重視した画一性への行き過ぎを諫めることに帰着するものです。やはり、地域文化を重視しており、smallもslowも”sustainable”な要素を多分にもっています。
 そして”smart”。これは、信頼関係に基づくネットワーク化とかパートナーシップを重視するもので、学習によって空間軸と時間軸をつなぐ重要な役割を持つ関係性の軸と考えられます。確かな状況認識とこれに誘起される学習行動による賢さ、創意・工夫(進化)を可能にするのがsmartの部分になると理解できます。Smartは、地域のDNA或いは地域文化インフラに関わるもので、特に外向きの姿勢を持つための意識改革を必要とするもので、心を開くところから信頼関係が生まれて来るものです。


ワークショップ

 ワークショップは住民参加生涯学習の仕掛けであり、政策の地域への実装装置としても重要な働きをします。しかし、住民と行政だけでワークショップを行っても十分な効果が上がりませんでした。過去の住民参加のプロジェクトの行方がこれを物語っています。公正を担保する仲介役が必要あり、「学」や「NPO」などのコーディネータが入って公正な取り組みを実現することが重要であるとの理解が進んでいます。2002年度に羽村市で行われた「産官学連携産業活性化会議」は、まさしくこのことを実行した好例であると言えます。

 地域政策工房「悠」は、非営利独立系のSOHOであり、大学と連携をとりながら「学」の機能を果たして行きます。