牛肉を食べよう [http://www.silverboy.com/silverboy/op200119.htm]

「与党政治家が『牛肉を食べる会』」。これには笑った。これは狂牛病による風評被害、つまり消費者がむやみに不安がって牛肉を買い控え、安全な牛肉までが売れなくなって畜産農家が不要な打撃を受けるのを防ぐためのPRとして企画されたものらしいし、その趣旨は理解できない訳じゃないけど、やるに事欠いて政治家がステーキだのすき焼きだのを頬張るとは、まさかそれに効果があると本気で考えているんだろうか。
 狂牛病の実態はまだよく解明されていないらしい。人間がこれに感染するとクロイツフェルド・ヤコブ病という病気になってボケ老人の状態になるらしいが潜伏期間が10年単位と長く、因果関係は必ずしも明らかではないらしい。感染した牛のものでも骨髄や脳みそは危険だが赤身は大丈夫らしい。だから骨付き肉とかゼラチンとか内臓は避けた方が無難らしい。原因は感染した牛の肉や骨を原料にした飼料を別の牛に食べさせたことらしい。
 というようなことがヨーロッパでは言われているし、日本でもあちこちに書かれている訳だが、いかんせんどれもが「らしい」という推測の域を出ない。もちろんそのこと自体は仕方のないことだ。医学にも科学にも限界はある。今すぐには分からないこともたくさんあるのだ。だが政治がやるべきことはできる限り正確な情報を国民に提供し、考えられるリスクを国民に説明して、望まれる行動をアドバイスすることだ。一般にはこのようなことが言われています、しかしこの部分はまだ完全には解明できていません、不安に思う方はこうすればよいでしょう、と。
 もちろん一方で感染源を断ち、汚染された食肉が市場に出回らないようにすること、追加的な牛の感染を防ぐことも必要だ。しかし、政治家がアホ面下げて牛肉を食うことはいったい何の役に立つというのだ。まだリスクの全容が不明な牛肉をあたかも「完全に安全」であるかのように誤解させる明らかなミスリードだと僕には見えるんだけど。まあ、「美味しいです。これは安全だ」と言ったという厚生労働大臣は論外としてもね。あんた、味で安全性が分かるのか?
 風評被害は防がなければならないが、まず守るべきは不特定多数の国民の健康、つまりは公衆衛生のはずだ。畜産農家の経済的打撃は回復のしようがあるが、いったん損なわれた健康はカネでは買い戻せないこともあるのだ。まあ、顔の見える農家の方がどこのだれだか分からない「消費者」より地盤として大切なんでしょうけど。
 僕自身は、この程度のリスクはありだろうと思って牛肉を食べている。何回か書いたことだが、現代社会の食べ物なんてどのみちどれも少しずつ毒が入っているようなものなのだ。牛肉にだけナーバスになってみても始まらない。高い有機栽培の野菜や安全な飼料で育てられた牛や豚の肉を手に入れることも不可能じゃないけど、毎食そんなことをしていたらとてもカネが足りないし、それがすべての人に行き渡るだけある訳でもない。所詮僕たちはいろんなものに汚染された食べ物で食いつなぐしかないのだ。たまたま話題になっている狂牛病にだけ過剰に反応するのは意味のないことだと思う。どうせすぐ忘れるんだしさ。だって、所沢の野菜とかってその後どうなったのよ。いまだに気にして所沢産は食べないなんて人いるの?
 ともかく、狂牛病のリスクが完全に解明できない以上、最終的にそのリスクをどう評価するかは一人一人の国民に委ねられた問題だし、それを政治家が勝手に「安全だ」なんて言ってはいけない(農水省や厚労省は慎重に断定を避けているはずだ)。政治家の「牛肉を食べる会」なんて、「ほら、私もこうやって食べてるんだから、感染するときは私も一緒ですよ、あなた一人じゃないですよ」というだけの意味しかない。そんなことを貴重な時間を使ってやるような政治家を選挙で選んでいる我々は実におめでたい国民だというべきだ。


<トピックス  厚生労働省ホームページより>

牛海綿状脳症(BSE)に関する厚生労働省の対応状況について

 今般、牛海綿状脳症(BSE)等に対する正しい知識と現状の安全確保等について理解を深めていただきたく、厚生労働省において、次のとおり牛海綿状脳症(BSE)等に関するQ&A(平成13年3月19日)を作成しました。
 今後、牛海綿状脳症(BSE)等に関する知見の進展、規制の変更等に対応して、逐次、本Q&Aを更新していくこととしています。
1 どのような病気か
(1)牛海綿状脳症について
Q1:牛海綿状脳症(Bovine Spongiform Encephalopathies、以下「BSE」という。)とは、どのような病気ですか?
A1:BSEは、TSE(伝達性海綿状脳症:Transmissible Spongiform Encephalopathies)という、未だ十分に解明されていない伝達因子(病気を伝えるもの)と関係する病気のひとつで、牛の脳の組織にスポンジ状の変化を起こし、起立不能等の症状を示す遅発性かつ悪性の中枢神経系の疾病です。

注1)TSEの特徴
(1) 潜伏期間は数ヶ月から数年の長期間
(2) 進行性、致死性の神経性疾患
(3) 罹患した動物やヒトの脳の薬剤処理抽出材料を電子顕微鏡下で観察するとプ リオン(細胞タンパクの異常化したもの)の凝集体を確認
(4) 病理学的所見は中枢神経系の神経細胞及び神経突起の空胞変性、星状膠細胞 の増殖
(5) 伝達因子によるヒトや動物での特異的な免疫反応がない。

注2)BSEの臨床的特徴
(1) 潜伏期間は2〜8年程度、発症すると消耗して死亡、その経過は2週間から 6ヶ月。
(2) 英国では3〜6歳牛が主に発症。
(3) 臨床症状は、神経過敏、攻撃的あるいは沈鬱状態となり、泌乳量の減少、食 欲減退による体重減少、異常姿勢、協調運動失調、麻痺、起立不能などであり、 死の転帰をとる。
照会先:食品保健部監視安全課(平成13年9月28日更新)

Q2:BSEの原因は何ですか?
A2:牛海綿状脳症(BSE)の原因は、他の伝達性海綿状脳症(TSE)と同様、十分に解明されていませんが、最近、最も受け入れられつつあるのは、プリオンという通常の細胞タンパクが異常化したものを原因とする考え方です。プリオンは、細菌やウイルス感染に有効な薬剤であっても効果がないとされています。
 また、異常化したプリオンは、通常の加熱調理等では不活化されません。
照会先:食品保健部監視安全課

Q3:ヒトや他の動物に似た病気はありますか?
A3:BSE同様の脳にスポンジ状の変化を起こす、十分に解明されていない伝達因子によるTSEとして、めん羊や山羊のスクレイピー、伝達性ミンク脳症、ネコ海綿状脳症、シカやエルク(ヘラジカ)の慢性消耗病(chronic wasting disease)があるほか、ヒトについてもクールー、CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病:Creutzfeldt-Jakob disease)、致死性家族性不眠症、vCJD(新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病:variant Creutzfeldt-Jakob disease)が報告されています。
照会先:食品保健部監視安全課

Q4:BSEの危険な部位はどこですか?
A4:英国での実験・研究の結果、脳、脊髄、眼及び回腸遠位部(小腸の最後の部分)以外のところからBSEの感染はなく、牛乳、乳製品からも感染はないとされています。また、「国際獣疫事務局」(OIE)の基準でも、牛肉は危険部位ではないとされています。
照会先:食品保健部監視安全課(平成13年9月28日更新)

(2)狂牛病と新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病との関係について

Q1:BSEと新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(variant Creutz-feldt-Jakob disease、以下「vCJD」という。)は関連がありますか?
A1:1996年3月20日、英国の海綿状脳症諮問委員会(Spongiform Encephalopathy Advisory Committee(SEAC))は、10名のvCJDを確認し、これらはすべて1994年又は1995年に発症したもので、従来のCJDと比較して、

(1) 若年層で発生すること、
(2) 発症して死亡するまでの平均期間が6ヶ月から13ヶ月に延長していること、
(3) 脳波が異なること、
(4) 脳の病変部に広範にプリオン・プラークが認められること など従来のCJDとは異なる特徴を有するとしました。
 疫学的研究及び症例研究では、vCJDの症例間の共通な危険因子は確認されませんでしたが、SEACによると、9名は過去10年間に牛肉を食べており、1名は91年以降、菜食主義者でした。
 SEACは、BSEとvCJDの間に直接的な科学的証拠はないが、確度の高い選択肢もなく、最も適当な説明としては、患者の発生は1989年の特定の内臓(Specified Bovine Offal)の使用禁止前にこれらを食べたことに関連があるとしました。
照会先: 健康局疾病対策課 食品保健部監視安全課

Q2:1996年3月以降、BSE及びvCJDの関連に関する研究は進んでいますか?
A2:動物試験において、BSE及びvCJDの関連に関する研究が進められており、
(1) 近交系マウスの脳内接種による潜伏期及び脳病変の分布パターンを指標とした株 のタイピング、
(2) 異常プリオンタンパクのPrPSc(プロテアーゼ耐性タンパク)の糖鎖パターン、
(3) 牛のプリオン遺伝子を導入したマウスでの脳内病変 の3つの試験結果からは、BSEとvCJDは同一の病原体ではないかとされています。

参考)BSEとvCJDの因果関係を支持する証拠となる研究
〈ネイチャー(Nature)による報告〉
 1997年10月2日の科学雑誌「ネイチャー(Nature)」に報告された2つの重要な論文により、SEAC(海綿状脳症諮問委員会)はBSEの原因物質は、vCJDの原因である可能性が高いとしました。
(1) 英国の家畜衛生研究所のDr. Moira Bruceらは、3群の近交系マウス及び1 群の交雑系マウスにBSE、vCJD、及びCJDの材料を接種したところ、 BSE接種群はvCJD接種群と同様の潜伏期間、臨床症状、脳病変の分布を 示したことから、BSEとvCJDは同じ特徴を持つ、又は同じものであると し、CJD及びスクレイピーとは異なるものであるとしました。
(2) また、英国の王立医科大学のDr. John Collingeらは、ヒトのPrP遺伝子を組 み込んだマウスへのBSEの伝達実験を報告しており、1996年の10月24日 にも「ネイチャー」にvCJDとBSEの関連を示す関連を示すデータを報告 しています。

〈最近の実験報告〉
 最近の牛のPrP遺伝子を組み込んだマウスを用いた実験結果も、BSE感染牛がvCJDの原因であるという見方を支持しています。これらのマウスではBSE伝達因子が種の壁を超えて増殖するだけでなく、vCJDかBSEのいずれかを接種したマウス間での、病気の特徴の識別ができませんでした。
 このようにBSEがvCJDの原因であるか否かについては、直接的な確認はされていないものの、動物試験では原因であることを示唆する結果が示されています。
照会先: 健康局疾病対策課 食品保健部監視安全課
2 諸外国の状況
(1)狂牛病の発生について
Q1:英国など諸外国でのBSE発生状況はどのようになっていますか?
A1:BSEは、 OIE(国際獣疫事務局)の統計によると、本疾病が1986年に英国で発見されて以来、英国のほか、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、リヒテンシュタイン、オランダ、北アイルランド、ポルトガル、スペイン及びスイスで国産牛の発生例が報告されています。  なお、オマーン、フォークランド諸島、デンマーク、カナダ、イタリア、アゾレスでは英国から輸入された牛でのBSE発生が報告されています。
照会先:食品保健部監視安全課

Q2:英国など諸外国でのBSE発生の原因は何ですか?
A2:BSEは、伝達因子に汚染された肉骨粉(食肉処理の過程で得られる肉、皮、骨等の残磋から製造される飼料原料)を含む飼料の流通を通じて広がったと考えられ、その汚染原因はスクレイピーに感染した羊又は何らかのTSEに感染した牛のいずれかと考えられています。これは、1980年代の前半に製造方法が変更され、原因物質が残存した肉骨粉が給与されるようになったことにあるのではないかと考えられています。
照会先:食品保健部監視安全課

(2)新変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の発生状況について
Q:英国など諸外国でのvCJD発生状況はどのようになっていますか?
A:vCJDと確定されたものは、2000年末までに、英国で88名が報告され、その他フランスで3名、アイルランドで1名が報告されました。
照会先:健康局疾病対策課

3 我が国の状況
Q1:日本でもBSEは発生しているのですか?
A1:平成13年9月21日に日本国内において初めてBSEの発生が1頭確認されました(平成13年9月22日に農林水産省より公表)。これは、独立行政法人 動物衛生研究所においてBSE疑似患畜と認められた検体が英国獣医研究所(国際リファレンス研究所)において、BSEと診断されたものです。この牛は、千葉県内で8月6日にとさつされた乳牛(ホルスタイン種、雌、5歳)で、とちく検査の結果、全部廃棄となり、食用には用いられていません。
照会先:食品保健部監視安全課

Q2:日本でもvCJDは発生しているのですか?
A2:平成11年4月に施行された感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に基づく感染症発生動向調査事業による届出や「特定疾患治療研究事業」による臨床調査個人票を用いた解析では、日本国内においてvCJDは、1例も報告されていません。
照会先:健康局疾病対策課

4 我が国の安全確保対策の現状
(1) 国産牛におけるBSE確認に伴う措置について

Q1:国産牛についてのBSE対策はどのようなものですか?
A1:(1)サーベイランスの強化について:
 国産食肉対策としては、これまで、24ヶ月齢以上の牛のうち神経症状が疑われる牛を対象として、BSEサーベイランスを行い、国内におけるBSE発生の有無についての調査を行ってきましたが、平成13年9月21日に国内におけるBSEの発生が初めて確認されたことから、牛由来の食品に対する安全性確保の更なる充実策として、このサーベイランス体制の強化を早急に行うこととしました。具体的には、国民の不安を解消するという観点から、すべての牛についてサーベイランスの対象とすることとしました。
 また、これまで、サーベイランスの精密検査については特定の研究機関で行っていましたが、都道府県などの各自治体においてもスクリーニング検査を行うことができるようにするために、平成13年10月上旬に研修等を行うことにより、早急に体制を整備しました。このスクリーニング検査は、10月18日から全国一斉開始することとしています。
 (2)特定危険部位(specific risk material)の取扱いについて:
 「国際獣疫事務局」(OIE)の基準によると、危険部位として牛については、脳、脊髄、眼及び回腸遠位部が指定されていることから、我が国においても、と畜・解体時にすべての牛の頭部(舌、頬肉を除く。)、脊髄及び回腸(盲腸の接続部分から2メートルまでに限る。)の焼却並びにこれらにより食用肉等が汚染されることのないよう衛生的な処理を義務づけることとしました。(ただし、平成13年10月18日から1年間は、「牛の頭部(舌、頬肉を除く。)」については「牛の脳、眼」とします。) 照会先:食品保健部監視安全課(平成13年10月16日更新)

(2)輸入食品に関する現行の規制等について

Q1:わが国におけるBSE対策はどのようなものですか?
A1:前述のとおり、1996年以降、vCJDがBSE感染によることを示唆する実験結果が蓄積してきていますが、現在までBSEがヒトへ感染したという直接的な証明はなされていません。
 しかしながら、念のため、高発生国である英国については牛肉等(牛肉、牛内臓及びこれらの加工品)の輸入自粛を要請するとともに、低発生国についてもOIE勧告を踏まえ、健康牛であっても脳、脊髄等の危険性の高い部位が輸入されないことが重要との認識で対応してきました。
 具体的には、牛肉等から人への病原体の感染については未確認であるが、人への感染の可能性が指摘されているため、念のため、1996年3月以降BSE発生防止対策が十分に実施されていないと考えられる英国産の牛肉及び加工品の輸入自粛を指導してきました。
 さらに、2000年12月には、農林水産省が、BSEの我が国への侵入防止に万全を期すため、EU諸国等からの牛肉等の輸入の停止措置 (2001年1月1日実施)を決定しました。このことを受け、厚生労働省としても、この措置の周知を図るとともに、この措置に含まれない骨を原材料とする食品について、緊急措置としてEU諸国等からの輸入自粛を指導してきました。
 このように、これまでは緊急的に行政指導による措置を行ってきましたが、欧州におけるBSE急増が継続して問題が長期化しており、国民の食生活への不安が高まっている中で、BSEの我が国への侵入防止策をより確実なものとすることが必要と判断し、農林水産省の家畜等に係る法的措置と並んで食品衛生法に基づく法的措置を行い、2001年2月15日、牛肉、牛臓器及びこれらを原材料とする食肉製品について、EU諸国等からの輸入禁止措置をとりました。

注1)EU諸国とは、ベルギー、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、デンマーク、アイルランド、英国、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、フィンランド、オーストリア、スウェーデンをいう。

注2)食品衛生法に基づく法的措置とは、法第5条で特定疾病にかかった獣畜の肉等の販売等を禁止していることから、厚生労働省令を改正し、特定疾病に「伝染性海綿状脳症」を追加。
照会先:食品保健部監視安全課

Q2:輸入禁止措置以前にEU等から輸入された牛肉は安全ですか?
A2:BSEに自然に罹患した牛の脳、脊髄、網膜だけで伝達因子が確認されています。一般的には健康牛の危険部位(脳、脊髄、眼及び回腸遠位部)が確実に除かれていれば、肉等の安全性に問題がないとされています。
 2000年12月以前においては、EUのBSE発生国では、健康牛の特定危険部位(specific risk material)を除いたもののみを日本向けに輸出しており、輸入禁止前の牛肉等については問題がないと考えられます。
 今回の輸入禁止措置を講じたのは、欧州におけるBSE急増が継続して問題が長期化しており、国民の食生活への不安が高まっている中で、BSEの我が国への侵入防止策をより確実なものとすることが必要と判断したためです。欧州各国における規制の内容、実施状況及び効果が確認されるまでの間、食品衛生法に基づく法的措置を行い、牛肉、牛臓器及びこれらの原材料とする食肉製品について輸入禁止措置をとったものです。
照会先:食品保健部監視安全課(平成13年10月16日更新)

Q3:乳製品は安全ですか?
A3:TSEに関するWHO専門家会議報告によると、動物や人の海綿状脳症においても乳はこれらの病気を伝達しないこととされており、したがって、BSEの発生率が高い国であっても、乳及び乳製品は、安全と考えられるとされています。
照会先:食品保健部監視安全課

Q4:国産牛肉は安全ですか?また、欧州に旅行した際に牛肉を食べても安全ですか?
A4:BSEに自然に罹患した牛の脳、脊髄、網膜だけで伝達因子が確認されています。一般的には健康牛の危険部位(脳、脊髄、眼及び回腸遠位部)が確実に除かれていれば、肉等の安全性に問題がないとされており、「国際獣疫事務局」(OIE)の基準でも、牛肉は危険部位ではないとされています。
 EUのBSE発生国では、健康牛の特定危険部位(specific risk material)を除いて処理しており、市場に流通している牛肉等については基本的には問題がないと考えられますが、旅行先の政府機関の情報にも十分に気を配ることをおすすめします。
照会先:食品保健部監視安全課(平成13年10月16日更新)

(3)特定危険部位を含むおそれのある牛由来原材料を使用して製造又は加工された食品の安全性確保について
照会先:食品保健部監視安全課(平成13年10月5日更新)

(4)医薬品(医薬部外品を含む)・医療用具・化粧品に関する現行の規制等について

Q1:現在使用している医薬品(医薬部外品を含む。)、医療用具、化粧品から、BSEが人に感染する心配はないのですか?
A1:1.これまで、医薬品(医薬部外品を含む。)、医療用具、化粧品から人にBSEが感染したという報告は国際的にもありませんが、平成8年4月には、英国におけるBSEの発生状況等を踏まえ、以下の措置を講じています。
(1) 英国産のウシ等由来原料(羊毛及びラノリン等羊毛由来物を除く。)の医薬品等(医薬品、医療用具、医薬部外品及び化粧品)への使用の禁止
(2) 英国産以外のウシ等由来原料を医薬品等に使用する場合は、BSE発生群と関係のないウシ等に由来するものに限定
(3) 当該ウシ等由来原料の製造者、当該ウシ等の原産国、使用部位等を記録し、保管すること。
2.また、市場にある医薬品などが、ただちに危険性があるものではありませんが、欧州での狂牛病の発生の拡大に対応した予防的な措置として、昨年12月に、新たな措置を講じています。
照会先:医薬局審査管理課

Q2:平成12年12月に通知したBSEに対する医薬品(医薬部外品を含む。)、医療用具、化粧品の措置はどういうものですか?
A2:1.欧州での狂牛病の発生の拡大に対応した予防的な措置として、平成12年12月12日に、厚生労働省では、医薬品(医薬部外品を含む)・医療用具・化粧品に使用されるウシ、シカ、水牛、羊、ヤギなどの動物に由来する原料について、次のような指示を製造業者、輸入業者に対して行いました。

(1)次の国を原産国とするウシ、シカ、水牛、羊、ヤギなどの動物に由来する原料は使用しないこと。

BSEが発生している国 英国、スイス、フランス、アイルランド、オマーン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ
BSEのリスクの高い国 アルバニア、オーストリア、ボスニア・ヘルチェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、デンマーク、ユーゴスラビア、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、リヒテンシュタイン、マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スペイン、スロベニア、スウェーデン
米国連邦規則第9巻第一章第98条第18項(米国農務省告示)(9CFR Ch.I §94.18)より抜粋
(2)医薬品などの原料は世界中の広い地域からくることや今後の狂牛病発生の拡大に備え、ウシ、シカ、水牛、羊、ヤギなどの次の部位については、原産国にかかわらず使用しないこと。

脳、脊髄、眼、腸、扁桃、リンパ節、脾臓、松果体、硬膜、胎盤、脳脊髄液、下垂体、胸腺又は副腎

2.この指示に基づき、医薬品などの製造・輸入業者は、自らの製品に使用されるウシ、シカ、水牛、羊、ヤギなどの原料の由来を確認し、使用してはならないウシ、シカ、水牛、羊、ヤギなどの原料を含む場合は、すみやかに原料の切り替えを行うとともに、承認内容を変更するための申請を平成13年3月までに、厚生労働大臣に対して行うことを求めています。
照会先:医薬局審査管理課

Q3:今後、BSEの発生国が増えた場合の対応はどうなるのですか?
A3:日本以外の先進国が、使用してはならないウシ等の原料の原産国として12月に厚生労働省が明示した国以外の国に関し、ウシ、シカ、水牛、羊、ヤギなどの原料を使用禁止とした場合には、日本においてもその国に由来するウシ、シカ、水牛、羊、ヤギなどの原料について、自動的に使用を禁止することとしています。
照会先:医薬局審査管理課

Q4:血液を介してvCJDに感染することはあるのですか?
A4:1.血液を介して人がvCJDに感染した事例は世界的にも把握されていません。しかし、現在の科学的な知見では、血液を介した感染の可能性について未知の部分が多いことから、予防的な措置として、これまで、日本では、献血時の問診において献血者の海外渡航歴を確認し、1980年から1996年までの間に英国に通算6ヶ月以上滞在した方については、献血をお断りしています。
 (なお、米国、カナダ、ドイツ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド等において、同様の措置が取られています)。

2.さらに、3月1日に開催された薬事・食品衛生審議会血液事業部会安全技術調査会において、対象の拡大について検討した結果、下記の7ヶ国に1980年以降、通算6ヶ月以上滞在した者からの献血を見合わせるよう提言されました。上記措置については、平成13年3月31日採血分より実施することとしております。

アイルランド、スイス、スペイン、ドイツ、フランス、ポルトガル、イギリス
照会先:医薬局血液対策課

Q5:化粧品についても、規制を行う必要があるのですか?
A5:これまで、化粧品から人にBSEが感染するという報告はありませんが、
(1) ウシ等由来原料が含まれる製品がより広範な地域から輸入される恐れが高いこと、
(2) ヒトへの伝播経路が現時点では不明であること、
(3) 成分の濃縮等の面で食品以上に感染に対する安全性の確保が必要であること などから、これらのリスクに応じて合理的な規制を行っています。
照会先:医薬局審査管理課

Q6:ウシ等に由来する成分を含む医薬品等を個人で輸入する場合どのような手続きが必要ですか?
 医師や歯科医師が個人輸入する場合と何か違いはあるのですか?
A6:1,個人が、自己の疾病の治療等の目的で海外から医薬品等を輸入する場合、一定数量までは、特段の手続きを必要としませんが、それを超えて輸入する際は、薬監証明の取得が必要になります。また、日本国内で販売されている医薬品等は薬事法で有効性と安全性の確認がされていますが、個人が輸入したものについてはこのような保証はありません。

2.また、医師や歯科医師の方が、自己の患者の治療等の目的で医薬品等を輸入する場合は薬監証明の取得が必要となっていますが、例外として「医療用具を3セット」までであれば、特段の手続きがいらないものとして扱われています。

3.しかし、今回の欧州におけるBSEの発生動向とこれまでの製造業者等に対する措置を踏まえて、次のような対応をすることとしました。

(1) 医師や歯科医師の方が自分の患者さんの治療等をするためにウシ等に由来する成分を含む医薬品、医薬部外品及び医療用具を輸入する場合は、全て薬監証明の取得が必要なものとして扱うこととする。
(2) 薬監証明の発給に際しては、その医薬品、医薬部外品及び医療用具の品質及び安全性について証明できない場合は、原則、証明書を発給しないこととする。
4.なお、一般の方が個人使用目的で輸入する場合の手続きについては、変更された部分はありませんが、自分の健康は自分で守るという観点から、ウシ等に由来する成分を含む可能性のある医薬品等を輸入する場合には、ご自身でその内容を十分確認してください。可能であれば、品質及び安全性が確認されるまでの間は輸入をお控えいただくことが適切と考えます。
照会先:医薬局監視指導・麻薬対策課

<朝日新聞ニュース>

イオン、売り場に食肉検査所の安全保証書 [2001/11/09 07:13速報]
 大手スーパー、イオン(旧ジャスコ)は9日から、牛を食肉処理する際に食肉衛生検査所が交付する安全保証書を売り場に掲示する。「消費者に安全と認識してもらうのに説得力がある」(畜産商品部)と決めた。
 食肉処理されるすべての牛に対する厚生労働省の狂牛病検査は先月18日から始まっており、出荷元は食肉衛生検査所で判定を受けている。店頭掲示するのは、検査所が出荷元に発行する「検査結果通知書」や「証明書」のコピーだ。

徳島の食肉センターで2人死亡、狂牛病対応でトラブルか[2001/11/09 02:34速報]
 8日午後4時40分ごろ、徳島市不動本町3丁目の市立食肉センターから「けが人が出た」と119番通報があった。救急隊員が駆け付けたところ、センターの処理棟2階にある荷受会社の事務所などで、男性2人が胸などから血を流して倒れていた。2人は運ばれた同市内の病院で死亡、近くにいた男性数人もけがをした。
 徳島西署の調べでは、亡くなった2人は食肉卸会社社長中山義弘さん(57)=徳島市佐古四番町=と同藤原欣一さん(63)=同市仲之町3丁目。
 2人が話をしていた事務所内で、大きな音がしたため、藤原さんの女婿の食肉卸会社役員(41)ら数人が中に入ったところ、中山さんが刃物を持っており、胸を刺された藤原さんが倒れていたという。中山さんを止めようとした数人も巻き添えでけがをした。その後、中山さんは奥の部屋で首に傷を負って倒れていたという。同署は、殺人の疑いで調べている。
 中山さんと藤原さんは同日、狂牛病問題で落ち込んだ牛肉販売の回復を図るために市内で開いた同業者らの会議に出席。出席者の話では、2人は会議の直後、口論となり、「今日こそけりをつける」などと怒鳴り合っていたという。

沖縄で牛肉食べ、一石二鳥のPR? 政務官会議17日に[2001/11/08 22:54速報]
 政務官会議が17日に沖縄で開かれることが正式に決まった。同時多発テロの影響で観光客が激減している沖縄の安全性をPRするのが狙いで、牛肉を食べるパフォーマンスもある。当事者は「沖縄と狂牛病の安全PRで一石二鳥」と胸を張るが、なかなか注目されない「政務官」のPRも目的の一つのようだ。
 政務官会議が東京以外で開かれるのは初めて。10月末の政務官会議で、沖縄観光がテロの打撃を受けている状況や狂牛病の検査結果が報告され、「会議を沖縄で開き、懇親会で牛肉を食べよう」と決まった。
 一行は1泊2日で沖縄を訪問。地元の観光関連団体代表らと意見交換するほか、平和祈念公園や首里城の視察もする。発起人の坂上善秀・内閣府政務官は「我々が安全に行って帰ってくることが一番の広告塔です」と説明する。

10月の卸売物価、前月より0.4%下落[2001/11/08 11:35速報]
 日本銀行が8日発表した10月の卸売物価指数(95年=100)は、94.8で前月比で0.4%下落した。
 下げ幅は9月のマイナス0.2%から拡大した。下げを主導したのは「電力・都市ガス・水道」。前月比で3.9%下落した。これは電力が夏場に高めの価格設定をするためで、季節的な要因が大きい。
 このほか目立ったところでは「電気機器」が同0.5%下落。パソコン需要の弱さでディスプレーやプリンターの価格低下が影響した。また「食料用農畜水産物」が、狂牛病による需要落ち込みで同0.7%下落した。
 全体の下げ幅を前年同月比でみるとマイナス1.1%で下げ幅は9月と同じで、デフレ傾向が続いている構図に大きな変化は出ていない。

マクドナルドが過去最大幅の売り上げ減 狂牛病騒動で[2001/11/07 19:57速報]
 ハンバーガー最大手の日本マクドナルドは7日、狂牛病騒動のために01年12月期の通期業績見通しを下方修正すると発表した。売上高は予想より200億円少ない5.3%減の3587億円、経常利益は69億円少ない25.7%減の200億円となる見通し。同社は「過去最大の危機」として、8日に大規模な安全キャンペーンを始める。
 10月の既存店売上高は過去最悪の前年同月比17%減となり、客数も14%減った。
 同社はテレビCMや新聞広告などで「当社の牛肉は豪州産で安全」とPRする一方、牛肉以外を使ったサンドイッチなどを期間限定で発売している。だが、11月に入っても同様の傾向が続き、本格的な回復の見通しは立っていない。同社は「新規出店ペースを落としたり、商品の価格を引き下げたりすることは考えていない」としている。

補正予算案の概要を閣議決定 歳出総額2兆9955億円[2001/11/07 10:42速報]
 政府は7日午前の臨時閣議で、今年度の一般会計補正予算案の概要を閣議決定した。歳出総額は2兆9955億円で、雇用対策を中心とする改革先行プログラム関連の施策に1兆円を充てるほか、米同時多発テロ事件を受けた諸対策に499億円、狂牛病対策に265億円を盛り込んだ。9日に正式決定して臨時国会に提出。11月中旬には成立する見通しだ。
 今年度の国債発行額を30兆円に抑えるため国債の追加発行は1兆6820億円にとどめ、景気下支えのための公共事業の追加は見送った。当初予算を1兆1574億円節減するなどして財源を確保したため、補正後の歳出総額は当初予算から1兆610億円増の83兆7133億円となり、予算ベースで過去最高だった00年度補正後と比べて6.7%減る。
 今年度の財政投融資計画については617億円を追加する。内訳は、企業再建ファンドに出資する日本政策投資銀行に500億円、奨学金事業を拡充する日本育英会に117億円。

狂牛病問題で、19日に調査検討委 農水、厚労両者[2001/11/06 13:04速報]
 狂牛病問題をめぐり、農水省と厚生労働省は6日、行政の対応などについて検証する調査検討委員会を19日に開く、と発表した。両大臣の私的諮問機関で、学識者や消費者代表など10人の委員で構成する。
 農水省によると、月に2、3回のペースで開き、2、3カ月後に報告をまとめる予定。問題発生後に二転三転した行政のあり方について、第三者の立場から意見を述べるほか、今後の畜産・食品衛生に関して話し合うという。
 第1回は、19日午後3時から東京都港区三田2丁目の三田共用会議所で。別室のモニターで傍聴できる。
 傍聴希望者は、農水省大臣官房企画評価課広報担当に申し込む。問い合わせは電話03・3502・8111(内線2083)。

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