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「肉骨粉使っていない」 狂牛病3頭目、群馬の農家
http://www.asahi.com/national/update/1201/007.html 2001/12/01 13:41
 国内3頭目の狂牛病と確認された乳牛を出荷した群馬県宮城村の酪農家は1日、「飼料はすべて県経済連から買っている。ビタミン剤を混ぜているくらいで肉骨粉は一切使っていない」と苦悩の表情を浮かべた。
 乳牛57頭を飼育している。狂牛病の乳牛は96年にこの酪農家で生まれた。「県や農協の指導でやってきただけなのに、なぜこんなことになるのか」と酪農家。家族の一人は「昨夜は一睡もできなかった。神経症状などはなかった」と目を充血させ、疲れ切った様子だった。
 酪農が盛んな赤城山ろくに広がる宮城村(人口約8300人)は、約2300戸のうち畜産農家が120戸を占める。肉牛、乳牛合わせて9570頭いる。
 桜井敏道村長は「村の農業生産額の8割以上が畜産。非常にショックだ」と沈痛な表情で語った。村はこの日午前、「村牛海綿状脳症(狂牛病)対策本部」を設置し、今後の対策を協議し始めた。
 群馬県牛海綿状脳症対策本部によると、酪農家が使っていた飼料は農協系など3社が製造したもので、成分などを調べている。県内では30日までに約3700頭を検査、和牛3頭が国の2次検査に回されたが、いずれも「シロ」。本部長の高山昇副知事は、30日深夜の会見で「結果は非常に残念だが、感染経路の詳細は調査を待つしかない」と話した。(11:25)

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狂牛病の検査体制の整備進み、出荷頭数増える
http://www.asahi.com/national/update/1201/002.html 2001/12/01 10:03
 3頭目の狂牛病の牛の確認は、2頭目の確認からわずか9日後だった。背景には、食肉処理センターでの検査体制の整備が進むにつれて出荷頭数が増加し、それに伴って高齢牛や乳用の廃用牛の出荷も徐々に増えてきたことがある。そして結果的に、廃用乳牛から2頭目と3頭目が出た形となった。
 全頭検査が始まった10月18日に、全国の食肉処理場で処理された牛は1740頭で、前年同期比のわずか32%まで落ち込んだ。
 しかし、その後は少しずつ増え始め、約1カ月後の11月19日には、5400頭(前年同期比91%)まで回復した。
 全頭検査が始まる前に農水省から生産者側に、当分の間、出荷を抑制するようにという要請が出ていたが、検査体制の整備に伴い、その要請も自然消滅となった。当初は「手探り状態」だった生産者が、全頭検査体制が整った後の消費の回復に期待して出荷量を増やしてきたとみられる。
 さらに、年齢の高い廃用乳牛などの出荷を抑えていた生産者が、エサ代がかさむことなどから、徐々に出荷し始めた面もある。(04:27)

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狂牛病、国内3頭目は96年3月ごろ出生の群馬の乳牛
http://www.asahi.com/national/update/1130/033.html 2001/11/30 23:53
 群馬県の牧場で飼育されていた乳牛が、狂牛病であることが30日、わかった。厚生労働省は2日に専門家会議を開き、狂牛病であることを正式に確認する。
 厚労省によると、この牛は96年3月26日に群馬県宮城村の牧場で生まれ、飼育されていたメスのホルスタイン種で、3頭出産している。29日にさいたま市食肉中央卸売市場の食肉処理場で処理された。9月10日の千葉県白井市の乳牛(北海道産)、11月21日の北海道猿払村の乳牛に続き、日本で3頭目の発生になる。1、2頭目は子牛の時期を北海道で飼育されていた。育った場所が違う3頭目の出現で、狂牛病の汚染が国内に広がっている可能性が出てきた。
 3頭ともメスのホルスタインで、96年3月〜4月に生まれていることなど、共通点が多い。同じ時期に国内で流通していたえさを食べて感染したかどうかが、今後の原因究明の焦点になりそうだ。
 今回、1次検査の結果が出ると同時に、食肉処理場はこの牛の枝肉の流通を止め、場内の消毒を終えている。30日は食肉処理を停止した。農林水産省はこの牛と同じ牧場で飼われていた牛の移動を禁止し、えさや飼育状況を調べる。
 1頭目の狂牛病が発見されたあと、厚生労働省は10月18日から、食肉処理される牛全頭を対象に狂牛病の検査を開始、30日までに全国で約12万5000頭が検査を受けている。全頭検査で発見された感染牛としては2頭目になる。(22:17)

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狂牛病の感染源を調べている農水省は30日、狂牛病発生国のイタリアから98年6月以前に輸入した肉骨粉について、加圧と加熱の国際的な基準を満たしていなかった可能性があるとした中間報告を発表した。しかし、イタリア政府側はこの疑いを否定。国内で30日昼までに確認された2頭の狂牛病の牛との接点も確認されておらず、感染源・感染経路を解明するにはいたっていない。
 同省によると、イタリアが日本に輸出していたのは1工場だけで、この工場は98年6月に、肉骨粉製造のための加圧器を新設したという。それ以前に日本に輸出した肉骨粉は、対日輸出の基準であった「湿熱136度、30分」を満たすのに必要な3気圧以上に達していなかった疑いがあるという。
 イタリアから日本への輸入は95年からで、98年6月以前に輸入された肉骨粉の総量は606トン。これを輸入した日本の業者は5社で、ペットフードに加工されたなど、その後の経路が判明した分もある。(20:33)

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汚染された肉骨粉の輸入の可能性否定できず 武部農水相

http://www.asahi.com/politics/update/1130/008.html 2001/11/30 13:19
 国内で発生した狂牛病の原因について、武部勤農水相は30日、海外から汚染された肉骨粉が輸入されたことを「否定できない」と述べた。ただ、現段階では「明確な感染ルートは解明されていない」として、原因究明にはさらに時間がかかる見通しを示した。農水省は、同日午後、これまでの調査結果を「中間報告」として発表する。
 武部農水相は、中間報告の概要として、閣議後の記者会見で話した。
 狂牛病の感染源として疑いが強い輸入肉骨粉については、欧州やアジア諸国に派遣した担当官が国際的な基準にあった加熱処理がされたかどうかなどを調査した結果、一部で「問題がなかったとは言い切れない、との報告を受けた」と述べた。
 一方で、汚染された肉骨粉の輸入を「断定もできない」とし、「感染経路の究明にはかなりの時間を要すると思う」と話した。(13:16)

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狂牛病問題で回収指導の化粧品・医薬品、回収進まず
http://www.asahi.com/national/update/1130/005.html
 狂牛病対策として厚生労働省が、店頭や医療機関からの引き揚げ回収を指導している化粧品、医薬品など865品目のうち、回収が完了したのは142品目と、16%にとどまることが29日、同省のまとめで分かった。
 回収対象の計865品目のうち、同省が「狂牛病発生国の牛の脳やせき髄などの危険部位を原料にしている」として回収を最優先するよう指導した46品目の医薬品と医療用具は、回収が完了した。残る819品目の医薬品や化粧品のうち、回収完了したのは96品目だけだ。
 また同省は、米国、インドなど非発生国の牛の危険部位を原料とする化粧品など3137品目についても、早期に原料を切り替えるよう指導している。切り替えが終わったり、自主的に店頭から回収されたりしたのは86品目で、対象品目のわずか3%だった。(07:09)

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化粧品原料、魚へ切り替え 狂牛病問題で各社(11/24)
http://www.asahi.com/life/health/kenko/1124a.html
 国内での狂牛病問題を受け、化粧品業界で動物原料離れが進んでいる。使用が禁じられた脳やせき髄、国産牛にとどまらず、鶏や豚を素材とする原料も魚などに切り替える動きが出始めた。
 すでに牛原料の使用をやめている業界トップの資生堂は、魚類を除く動物原料の使用をやめる。
 同社は昨年12月に胎盤などの使用を禁止する通知が出た後、牛由来のコラーゲンは魚由来の成分に切り替えるなどしたが、今後は販売中の全商品を調べ、牛以外でも鶏や豚などから抽出した原料があった場合にも、魚や植物由来の原料に切り替える方針だ。成分や原産国がはっきりしない素材は使用をやめるという。
 カネボウは昨年12月の通知後、牛の胎盤から抽出していた美白成分のプラセンタエキスを、豚の胎盤やビタミンCの利用に切り替えた。さらにすべてをビタミンCへ再切り替えすることも検討している。広報担当者は「危険と認識してはいないが、消費者の『植物志向』が加速しているため」と説明する。
 ただ、日本化粧品工業連合会によると、化粧品原料の流通過程は複雑で、原料が動物由来か植物由来か特定するのが難しいケースもあるという。

■狂牛病:群馬県産の牛が感染 国内3頭目 【毎日新聞 2001.11.30 】
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/839346/8bb68b8d95a-0-1.html
 食肉用牛を対象にした厚生労働省の狂牛病(牛海綿状脳症)の全頭検査で30日、埼玉県の食肉処理場で解体処理された牛が2次検査のウエスタンブロット法検査で陽性と判定された。同省の専門家会議(座長・品川森一帯広畜産大教授)で「クロ」と確定する見通しで、国内3頭目の感染牛となる。1、2頭目は北海道で生まれた乳牛だったが、今回の牛は群馬県産で、狂牛病の感染ルートが複数にわたり、汚染が全国的に拡大していることが裏付けられた。
 同省によると、この牛は5歳の雌の乳牛で、群馬県の酪農家から廃用牛として出荷された。起立不能になるなどの神経症状はなく、さいたま市の食肉処理場で29日に解体処理され、1次検査を受けた結果、陽性反応が出た。このため、30日に脳組織の検体を横浜検疫所に送り、2次検査を行った。
 この牛の特定危険部位を除いた肉や内臓は処理場内で保管されており、焼却処分されるため、市場には出回らない。感染牛と同じ農場で飼育されている牛は、農水省が移動を禁止した。
 国内では9月に千葉県の牛が狂牛病に感染していることが判明。11月21日には北海道で2頭目の感染牛が見つかった。いずれも96年に北海道で生まれた乳牛だった。狂牛病の感染源とされる肉骨粉が飼料に混入したルートの解明が進められているが、今回は群馬県で生まれた牛で、2頭とは別のルートで感染したとみられる。
 農水省は、欧州などに職員を派遣して輸入肉骨粉が汚染されていなかったかどうか調べる一方、感染牛の感染経路を調べているが、新たな経路から感染したと見られる牛が出たことで、狂牛病汚染がさらに拡大する恐れが強まった。
         ◇                               ◇
 国内で3頭目の狂牛病の牛が見つかった。過去2頭は北海道生まれだったが、今回は群馬県生まれで、育った環境は違う。しかし、3頭とも、96年3月から4月にかけて生まれた雌の乳牛という共通点がある。同じ時期に生産された飼料が原因で汚染が全国に広がった可能性があり、感染ルートの解明の手がかりになりそうだ。
 宮本勉・長崎大名誉教授(ウイルス学)は「感染の原因は、おそらく肉骨粉などの餌だろう」と指摘する。また、「感染牛がどこで生まれたかは大きな問題ではない。共通の肉骨粉を食べていなかったかなどの解明が焦点だ」と話す。
 しかし、肉骨粉はさまざまなルートで輸入されたり、生産されているので、感染ルートを突き止めるのは困難だ。さらに、汚染された飼料が全国に流通し、多くの牛がすでに食べてしまった恐れもある。国の全頭検査で見つかった2頭目、3頭目の感染牛は、どちらも見かけは健康だった。宮本名誉教授は「全頭検査で、新たな感染牛が今後も見つかる可能性がある」と予測する。
 ただ、全頭検査で見つかった感染牛が食肉市場に出回ることはない。新たな感染牛が見つかれば、感染ルートの解明につながる重要な手がかりになる。[毎日新聞12月1日] ( 2001-12-01-01:00 )

■狂牛病:出荷総数は293頭 感染牛の牧場 【毎日新聞 2001.11.30 】
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/839346/8bb68b8d95a-0-5.html
 国内2頭目の狂牛病の牛を出した北海道猿払(さるふつ)村の牧場から95年4月以降道内外へ出荷された牛の総数が293頭であることが、農水省と道農政部の調査などで29日分かった。道幹部などによると、調査の進展でさらに増える可能性もあるという。また、宮崎県や茨城県などにも出荷されたことが新たに判明した。
 道農政部の26日の調査時点では、出荷総数は219頭(うち道外へは34頭)だったが、今回新たに道内へ74頭が出荷されていたことが分かった。道内への出荷は計259頭になり、このうち、生きている牛は100頭前後とみられる。
 猿払村の酪農家は、現在82頭を飼育している。これと出荷総数を合わせた375頭の中から、道は狂牛病に感染した可能性のある牛を「疑似患畜」として来週にも絞り込む。
 また、宮崎県は29日、猿払村の酪農家から同県内に2頭が出荷されていたと発表した。栃木県は同日、同県内にさらに1頭が出荷されていたと発表した。同県内への出荷はこれで計8頭。うち1頭は、病気などで死んだことを示す「へい死で廃棄処分された」との記録があるが、詳しい死因は不明。さらに茨城県にも出荷されたことが分かり、同県が特定を急いでいる。
 道外への34頭のうち、これまでに出荷先の県が判明したのは、栃木8頭▽愛知4頭▽千葉2頭▽岡山2頭▽宮崎2頭――などとなった。[毎日新聞11月30日] ( 2001-11-30-03:01 )

【7】狂牛病:猿払村の乳牛に牛や豚の血しょうたんぱく与える 【毎日新聞 2001.11.29】
http://www12.mainichi.co.jp/news/search-news/839346/8bb68b8d95a-0-7.html
 国内2頭目の狂牛病(牛海綿状脳症)と確認された北海道猿払村の乳牛に、牛と豚の血しょうたんぱく入りの補助飼料が与えられていたことが29日、道の調査で分かった。牛や豚の血しょうたんぱくを牛に与えることは今年9月、飼料安全法の農水省令が改正され、禁止された。独立行政法人「肥飼料検査所」で狂牛病との関連を調査している。
 道農政部によると、補助飼料は丸紅飼料技術研究所(兵庫県小野市)が製造した「パワフルへルポ」で子牛用の粉ミルクに混ぜ、下痢止めの効果があるとうたわれていた。原料に使われていた血しょうたんぱくは米国製という。
 血しょうたんぱく自体は安全とされているが、家畜処理場で採取する際に危険部位の破片などが混ざる可能性もあるとして禁止された。2頭目の牛に与えられていた当時は問題になってはいなかった。網走管内佐呂間町の酪農家は、1頭目の感染牛にこの補助飼料は与えていなかったという。 【井上英介】
[毎日新聞11月29日] ( 2001-11-29-12:49 )


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