turboソフトの分析と評価

−グラフから見た市販Softの傾向−



 多くのファンを長い間魅了し続けてきたX1/turboシリーズ。
 そのX1/turboシリーズとは、一体どんなパーソナルコンピューターであったのか?
 本レポートでは、X1/turboシリーズ用として発売されてきたソフトウェアを分析・評価 することによって、少しX1/turbo(主にturbo)について考察してみようと思う。

注)本分析は、「市販Soft DATABASE(Oh!MZ/X掲載分のみ)」のデータをもとに 行っている。
  よって、多少の嘘はあるかもしれない。
  しかし、サンプル総数が504本(!)であるので、あまり細かい所にはこだわらず に「ふーん」てな感じで、ポテトチップスでも食べながらご覧頂きたい。



図1.turboソフトの割合  まずは右の図1を見ていただきたい。
 図1は、turbo専用ソフトの割合をグラフ化したものである。
 turbo専用のソフトが、X1全体の実に4分の1も占めている。
 まぁ、使用したデータがturbo登場後半年経過した時点からのものであるため、 ある程度はやむを得ない結果であるといえる。しかし、ある程度の指標は示せる であろう。
 後半、確かに結構turbo専用ソフトが頑張ったという印象が強く残っているが、 結局X1シリーズはX1抜きには語れなかったということだ。
 はじめにX1ありき。

 では、次にソフトの内訳を見てみよう。

図2.turboソフトの割合(turbo専用)  左に示す図2は、turbo専用のソフトの内訳である。

 実用ソフトの占める割合が実に高い。

 結構、実用ソフトが出ていたことがここにきて証明された、といった所か。
 そう、X1turboはゲームマシンではなかったのだ!!
 ちなみに、X1/turboシリーズ全体の内訳を図3に、そしてturbo専用を除外した 時の内訳を図4に、それぞれ示す。

図3/4.turboソフトの割合(全体/turbo専用ソフトは除外)

 turbo専用のソフトを除外した時のX1シリーズの実用ソフトの割合は、実に2割をきって いる。しかし、私がX1シリーズに対して持っていた実用ソフトの割合とは、むしろこのような 感じであった。
 そんなにturbo専用の実用ソフトって出てたかなぁ?

 という訳で、今度はturbo専用ソフトの内訳を見てみよう。
 以下に示すのがturbo専用ソフトのジャンル別の割合である。

図5.ジャンル別ソフトの割合(turbo専用)

 なお、図中の凡例を説明しておく。
・ADV=アドベンチャーゲーム、・RPG=ロールプレイングゲーム、・SLG=シミュレーションゲーム、・ACT= アクション/シューティングゲーム、・PZL=パズル/思考系ゲーム、・実用(WP)=ワープロ/表計算/DB、 ・実用(GRA)=グラフィック/ミュージックツール、・実用(ASM)=システム/言語、・実用(その他)= 上記以外の実用ソフト

 turbo専用ソフトの中で最も多い実用ソフトとは何であるか。
 それは、ワープロソフトでも言語でもなく、その他(???)の実用系ソフトである。
 具体的には、事務系ソフトから占い、通信、家計簿に至る本当に様々な種類 のソフト達である。
 その種類たるや、実に多岐に及んでおり、結構いろいろな方面でX1turboは 活用出来たんだなぁ、ということが分かる。

 あと、この図を見ていて気づくことがある。
 それは、何とアドベンチャーゲームが最も多くその割合を占めている、ということである。
 これは一体、どういうことであろう。
 そもそも何故、アドベンチャーゲームをわざわざturbo専用にしなければならない のか? 大体、400ラインを使用したアドベンチャーゲームなんて出たっけか?

 と思っていたら、アドベンチャーゲームの分類の中に、リアルタイム系のもの(但し、RPGの要素 を完全に排除してあるもの)も含ませていることに気づいた。
 これか!?
 ・・・まぁ、あまり気にせずに「そんなもんかぁ」と納得して、次にいこう。

 上位の2つのジャンル以外は、割り合い順当な感じで並んでいる。
 まぁ、アクション系が異様に少なすぎるような気もするが、turbo専用のアクションゲーム というのは確かにあまり聞かなかったし、そもそもturboの発売以後はRPGや シミュレーションゲームが大ブレークしたため、ソフト自体あまり出なかったようだ。

 X1/turboシリーズ全体とturbo専用ソフトを除外した場合のジャンル 別ソフトの割合を、それぞれ図6,7に示す。

図6.ジャンル別ソフトの割合(総合)
図7.ジャンル別ソフトの割合(turbo専用を除く)

 実に、X1らしい結果となった。
 まぁ、これを見ると「ゲーム機」と言われてもしかたない部分が確かにある。
 しかし、それでも「アクションゲーム」がダントツに多いのは、さすがX1 といったところか。
 「アクションのX1」の面目躍如であるといえよう。
 こういうグラフを見ていると、確かに「HEシステム」とは言わないが、それなりの ゲーム専用チップを同居させてもいいかな? とも思ってもみたくなる。
 でも、どうせゲーム専用チップをのせるのなら、そっちの方のCPUなどもユーザーに 解放してくれてもよかったのにね。
 そうしたら、かなり面白い可能性が待っていたかもしれない。


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